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第2002話 16層~18層を突破!幽霊にモチッコに我狼也!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2002話 16層~18層を突破!幽霊にモチッコに我狼也!

魑魅 ( ちみ ) 魍魎 ( もうりょう ) たちの侵攻を退けた俺たちは、無事ホラー苦手組班の護衛に戻る。

「どうだシエラ。護ったぜ?」

「見てたわゼフィルス。その、ありがとね」

「おう!」

俺もシエラに大変良いところを見せられて満足だぜ。

ホラーダンジョンは苦手な人も居る反面、今のように良いところを見せたい男子からするとボーナスステージなのかもしれないぞ!

今、俺はホラーに対する認識が変わったんだ。

「もうシエラ! 私は!? ゼフィルスが前に行くからってシエラを護ったのは私よ!」

「ええ。ラナ殿下もありがとう。とても心強かったわ」

「おかしいわ。なんだかゼフィルスの時とは言葉に熱が足りないような気がするわ」

「気のせいよ」

俺とラウが最後ボスに飛び込んだ時のことだな。

あの時、俺は少しの間シエラの護りをラナに任せて飛び込んだんだ。

ラナはヒーラー。護られる立場であるはずなのに、なぜか護る立場の方に居ても不思議と思わない不思議。

ホラーダンジョンだとラナが強すぎるんだよ。

……あれ? おかしいな。普段と変わらない気もする。

「〈金箱〉2箱も無事確保したし、先に行きますか!」

「そうね!」

「ええ。そうしましょう。リーナ、階層門はどっちかしら?」

「はい! あっちですわね」

「ありがとう。――ゼフィルス、私の前を歩いて?」

「もちろんだ!」

「むむむ、なんだかホラーダンジョンは、邪悪な気配がいたしますわ!」

「本当よ! さっさと出るわよこんなところ! ゼフィルスも急いで!」

「ええ!? いや、もうちょっと観察しながらゆっくりと」

「「「急いで!」」」

「オッス!」

おかしい。シエラ、リーナ、ラナ。三者三様で思いは違うはずなのに、なぜか意気投合しているような気がする不思議。

ホラーダンジョンを早く出たい? そんなー。

ちなみにボスのドロップは召喚盤とぬいぐるみのレシピだった。

危うく叩き割られた上に燃やされるところだったよ。

大丈夫、俺が助けて事なきを得たぞ!

おかしいな。さっきまでボスは敵対したり倒す気満々だったのに、今の俺はこのドロップたちを全力で守っている。不思議!

でもきっと〈エデン〉に居たら守り切れないのでこれは売ろうと思うんだ。

そんなこんなで俺たちは真っ直ぐ階層門まで進み〈 暗森 ( くらもり ) の 魑魅 ( ちみ ) ダンジョン〉を突破した。

17層はまた来たことの無いダンジョンで、〈 石段 ( いしだん ) の 鏡餅 ( かがみもち ) ダンジョン〉の追想だった。

「なにここ! 〈モチッコ〉だらけじゃないの!」

「そうだ。〈 石段 ( いしだん ) の 鏡餅 ( かがみもち ) ダンジョン〉、通称〈 餅 ( もち ) ダン〉は、〈モチッコ〉系統が溢れるように出てくる、〈モチッコ〉だらけのダンジョンなんだ!」

「か、可愛い……」

「ん!? リカ、行っちゃダメ!」

17層はまさかの〈モチッコ〉だらけダンジョン。

1層の巨大な〈アルティメットモチッコ〉とは違う、凝縮されたぷるんぽよんの3メートル級〈モチッコ〉もたくさんいて、あまりの可愛さにふらふらリカが引き寄せられてしまっていたくらいだ。カルアに回収してきてもらったので問題は無い。

「たはは~。でも 中級下位 ( チュカ ) のランク7は〈モチッコ〉のダンジョンなんだね~?」

「〈モチッコ〉がランクの後半に登場するなんて、なんだか不思議な気分だよね~」

まさかのランク後半で登場する〈モチッコ〉系にミサトやシャロンを皮切りに驚く声多数。なにせ〈モチッコ〉と言えば、最初に登場するモンスターだからな。

しかし成長した〈モチッコ〉は何気に手強いのだ。なにせ、

「〈モチッコ〉は斬撃系に対するかなり高い耐性を秘めているタンク型のモンスターだ。反面打撃系には弱いが、中級に上がりたてというのは剣や斧といった武器を使う学生が多いから、かなり苦戦を強いられたりするんだよ」

「聞いたことがあるな。俺たちは楽勝だったが」

あ、ラウはここを突破したことがある模様。

まさにその通り。〈モチッコ〉のダンジョンがランク7に設定されているのは、純粋に難易度が高いからだ。

打撃系や魔法系をメインにしているのなら結構楽に通れるんだが、貴族系を始めカテゴリー持ちというのは剣など斬撃系の使い手が多い傾向にあるせいで〈モチッコ〉の難易度が高いのだ。

中級に上がりたてはLVも低いもんだからMPも低いし、相手はタンク型で高い耐久を誇る。魔法のみで突破しようと思うとすぐにすっからかんになるな。

ここを軽~く通り抜けられるのは、「ドワーフ」や「熊人」といったカテゴリーに限定されてしまうのだ。故に後半のランクに分類されている。

「リカ、それ以上進むと危ない。戻る!」

「これくらいで止まるから大丈夫だ。この距離なら――」

「モッチーン!」

「なに!? 上から奇襲だと――『白羽流し』! っておお!?」

「リカー!?」

なお、ここは〈 石段 ( いしだん ) の 鏡餅 ( かがみもち ) ダンジョン〉という名の通り、そこら中に石段が積まれている。上からの奇襲にも注意が必要なのだ。

リカは万が一があっても切り抜けられる気でいたようだが、上からの奇襲攻撃に防御スキルで流そうとしたところ見事にお餅のモチモチに巻き込まれてしまった。

「カルア、救出してきてくれ」

「ん――タッチからの『ナンバーワン・ソニックスター』!」

「モチモチ?」

「すまんカルア、助かった」

お餅に絡め取られながらのしかかられていたリカだったが、カルアがユニークスキルで引っ張ってきて脱出だ。

「危なかった。危うく全身であのモチモチを浴びるところだった。少し触れてしまったが、抗いがたい感触だった。あれは危険な攻撃だぞ」

「ゼフィルス、リカが重症」

「回復魔法で治るか試してみるか――ラナ、ルキア協力頼む!」

「「いいわよ~」」

「いくぜ――『ブレイブ・ユニバース・オーバーヒール』!」

「『ヴァース・フォーチュン・ゴッドブレス』!」

「『ホーリームーンエターナル』!」

「おおおお!? こ、これは回復しすぎじゃないかーーー!?」

リカが重症だったので3人で回復したりと楽しく突破した。

なお何気に初登場のルキアの『ホーリームーンエターナル』は〈六ツリ〉の全体回復だな。ルキアの最強の回復魔法だ。本人は1度使ってみたかったと言っていたよ。

17層の〈モチッコ〉は奇襲と搦め手が厄介だが、足が遅いので振りきることは十分可能だ。足が遅いから奇襲戦法に頼っているという背景があるな。

カルアやクイナダたちがダッシュで躱しまくりながら奇襲を誘発させ、メルトやラウなどが撃破。

そのあとを俺たちが悠然と通る形で軽々と突破したよ。

「カガミモチーーーン!」

エリアボスはその巨体を存分に生かした鏡餅。

〈 太陽 ( たいよう ) の 十二段 ( じゅうにだん ) 鏡 ( かがみ ) モチッコ〉。

12段の重なる鏡餅、そのてっぺんに輝く太陽がまぶしい、塔のようなモチッコだった。その身長は脅威の30メートル級。レイドボス並みの大きさだったんだ。

これは16階層で出番の無かった2班、4班、6班、8班で撃破。5班のリカはステイ。

ドロップした〈金箱〉からは〈天下大剣豪シリーズ全集〉と〈超大戦斧士シリーズ全集〉のレシピがドロップしたよ。

これ、なんと下級職、高の下【大剣豪】と【大戦斧士】の系列の専用装備だったんだ! でも〈エデン〉じゃ使わないので、もし作るときが来ればジーロンとトマにでも売ることにしよう。

「続いて18層だ!」

「あ! ここは見たことあるわ! 〈 六森 ( ろくもり ) の 雷木 ( いかずちもく ) ダンジョン〉よ!」

「当たりだ。森がビリビリ痺れているダンジョンだな」

ようやく俺たちが知っているダンジョンが登場した。

ラナが一番に反応している。ラナとの思い出のダンジョンでもあるな。

ラナはここで『伐採』スキルを初めて使って樹を 樵 ( こ ) ったんだ。

あのスイングは未だにラナの中で磨かれているらしく、一度はサターンにまでカコーンとしたことも思い出深い。

「ということは、ボスはあの〈ビリビリクマリス〉ですか」

「あの可愛くない狐顔さんなのです! ルルも覚えているのですよ!」

「我は 狼也 ( おおかみなり ) と言ってゼフィルスにツッコまれていたのは、私もよく覚えている」

「いえ、あれはレアボスではなかったかしら?」

みんな、レアボスの方はよく覚えていたらしい。あそこは周回しまくったからな。

「だな。通常ボスは〈電撃に悩むリス〉だ。上手くいけばエリアボスはリス系の最終進化系のはずだが――」

俺がそこまで言ったときだった。なぜかフィールドに「ワオーン!」とオオカミっぽい鳴き声が響いたのだ。まさか。

「『エリアボス探知』! 来るよ!」

「もう!? 早くない!?」

「俺たちに会いに来てくれたってことかもしれないぞ!」

「久しぶりに腕が鳴るな」

俺たちが入り口から離れたところでエリアボス襲来。リカがさっきの名誉挽回と言わんばかりに前へ出たので5班参加。

俺たちの前に出てきたのはリス?

「ワオーン!」

「な、鳴き声だけオオカミさんなキツネさんなのです!」

「いや、あれはリス、じゃないか?」

「ん、可愛くない」

「ワオン!?」

登場したエリアボスは、鳴き声だけオオカミっぽく進化した最終進化系のリス(?)型モンスター、〈ビリビリクマリス〉が進化した姿だった。

「『看破』! あれは――〈ボルボルトワォーン・ワイルド・ニセグマリス〉というそうです!」

「名前にワォーンが入ってるよ!?」

「ニセグマリスですの!?」

「ん? ニセグマなの? リスなの? それともキツネなの?」

「本人はオオカミだと信じていたっぽいが……」

「違うぞ、お前はオオカミなんかじゃない!」

「ワオン!?」

あ、つい言いたくなって例のセリフを言ってしまったぜ。無事刺さった様子。

まさかの進化の方向にカグヤもサーシャも良いツッコミだ。カルアがしたいつもの問いが今回は3択か4択もあってパナイ。リカが少し言いづらそうにしていたセリフを俺が引き継いで勢いよく言ってしまったところが今回のハイライト。

こいつは、リスとクマが合体したようなニセグマ系統のモンスターである。見た目はキツネっぽくて、鳴き声はオオカミだが。

相手は〈4〉のアイコンを持っていたので、5班に続き俺たち1班にサーシャたちの7班、ゼルレカたちの9班とで挑み、無事撃破した。

「ワオーン…………」

哀愁の鳴き声を上げながらエフェクトの海に沈んで消えていった〈ニセグマリス〉にがんばれと心の中で告げて、〈金箱〉を2箱回収して俺たちは19層へと向かったのだった。

今回の〈金箱〉は、召喚盤と〈完全大戦士シリーズ全集〉という【大戦士】系列専用レシピだったが、誰も欲しい人は居なかったみたいなのでこれも売り決定。

【大戦士】と言えば……あれ? 名前が出てこな――ああ、ヘルクだ! もちろん忘れたりはしてないぜ! もし作るのならヘルクに売るのもいいだろう。

というか、召喚盤率高いな!