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第2003話 19層は思い出深い〈丘陵の恐竜ダンジョン〉!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2003話 19層は思い出深い〈丘陵の恐竜ダンジョン〉!

ようやく19層に到着だ。ここは――。

「あ、ここ、〈ジュラパ〉ね!」

「ようやく私たちが最初に攻略したダンジョンね」

「最初にここをゼフィルス殿が選んだ時は驚いたものです。懐かしいですね」

そう19層で登場したのは、俺たちが最初に 中級下位 ( チュカ ) に入り、そして初めて攻略したダンジョン。

―――〈 丘陵 ( きゅうりょう ) の 恐竜 ( きょうりゅう ) ダンジョン〉。

通称〈ジュラシックパーク〉、縮めて〈ジュラパ〉と呼ばれていた、恐竜型モンスターが跋扈するダンジョンの追想だ。

「ゼフィルス先輩、よくここを最初に攻略する気になったよな。〈獣王ガルタイガ〉ですら二の足を踏んでたダンジョンだぞ? それを最初とか」

「そうなのゼルレカ~?」

「確かにちょっと強かったですけど、私たち普通に攻略できましたよ?」

「ああ、アリスもキキョウも、この時にはすでに〈エデン済〉かよ……」

〈エデン〉にとって〈ジュラパ〉は通り道だ。

なにしろ他の学生が本当にいないので、周回し放題なんだ。そりゃ入ダン不可避でしょ。

ここで下級職LV65までボス周回してレベリングするのが〈エデン〉のセオリーになっているくらいである。

「うう、ぼくは別の意味で震えが来てるよ。う、頭が」

「ニコちゃん、ここでい~っぱいボスを狩ってたもんね~」

「〈上級転職チケット〉ではお世話になったよ~」

「ここでニコちゃんに救い上げてもらった人は多いよね」

うむ。ニーコなんかここでずっと周回してもらって〈上級転職チケット〉を集めてもらったからな。いったい何人分のチケットを集めてくれたんだか。いやぁ、本当に助かったぜ。

「あ! 見てエステル! 〈トルトル〉発見よ!」

「懐かしいですねラナ様」

「いやいや、あれ〈トルトル〉かな!?」

「大きすぎて別物に見えますわね……カイリさん、『看破』を」

「了解! 『看破』! ――あれは〈アルティメットトルレックス〉だそうだよ!」

「トルレックス……やっぱり〈トルトル〉の進化系ね!」

俺たちが 中級下位 ( チュカ ) に入って初めて遭遇したモンスター〈トルトル〉。二足歩行で駆ける小型の恐竜だ。懐かしい。

しかし、ラナが見つけ、エステルとのほほんと見つめているのは全長10メートル超え。どう見ても 中級下位 ( チュカ ) の最奥ボスだった〈キングダイナソー〉よりも大きな姿だったんだ。カイリがツッコミを入れているなんて珍しいなぁ。あ、カイリはここかなり苦戦したって言ってたっけ。

とりあえず「ラナ正解おめでとう~」と言って和みの流れに乗っておいた。

「〈エデン〉にとって、ここはホームか庭か何かなのか?」

「ゼルレカに完全に同意でやがります。いや、〈エデン〉の感性がマジとんでもねぇでやがりますよ」

そんな空気感に付いていけないようにポカンとするゼルレカとモニカ。

大丈夫だ。〈ジュラパ〉は噂ほどじゃないから。やってみりゃ慣れるって。

「よーし、みんな懐かしむのはここまでだ! とりあえず戦ってみながら先へ進もうか!」

「「「「おおー!」」」」

「どうしてでやがりましょうか。〈エデン〉が今日一番生き生きしているように見えやがります」

「モニカにもそう見えるか。あたいの目にもなんの気負いもないように見えるんだ……」

うん。2人の言う通り、なんだか俺もホームに帰ってきた気分だよ。

とても懐かしむ気持ちで〈トルトル〉の最終進化系に挑んだ。

「ギャー!!」

「ジャンプ力凄い!」

「火力も段違いに高くなっていますね」

「10メートルはあるものね。――でも、私の小盾は抜けないわ」

「ギャー!?」

「1メートルもない小盾に10メートル級の恐竜が吹っ飛んだっすーー!?」

「クマと恐竜。クマの勝ち」

「ギャー!?」

「こっちではクマ対恐竜勝負っすか!?」

ナキキまでツッコミに回るほどカオスなバトル展開に発展。

俺もな。頭では分かっているんだが、シエラが展開した小盾をあの巨大な体格の〈アルティメットトルレックス〉が突破できず、それどころか弾かれて吹っ飛ぶ様子は軽くギャグに見えてくるんだぜ。

一方、ミジュはビッグクマンの幻影を出してラッシュを決め恐竜に勝利。

クマ対恐竜の勝負(?)に勝ってミジュが満足そうだ。

いつの間にか恐竜がクマのライバルに認定されているっぽい。

「やっぱ〈竜〉種に比べると、ちょっと弱いね~」

「飛ばないぶん、とても楽です」

「姿は似ているのですがこう、結界を震わせるような衝撃は感じられませんわ」

こっちのフラーミナ、ロゼッタ、カタリナ組の感想も分かる。そりゃ〈竜〉種と比べたらいけない。

チラッと見たら、フラーミナの〈ヤマタノオロチ〉のヒーちゃんが、さらに登場した〈アルティメットトルレックス〉をたった1体で組み伏せていた。強い。

一応10メートル級は大型に分類される単体モンスターだから強いはずなんだけどな~。

〈竜〉という存在も知ってしまった〈エデン〉にとって、飛ばない恐竜はちょっと物足りない存在になってしまったようだ。

でも、体格差のギャップだけは凄い。

エリアボスは、〈キングダイナソー〉の最終進化系。

全長20メートル超えの巨大恐竜――〈 狂凶強恐 ( きょうきょうきょうきょう ) 竜・エンペラードダイナソー〉だった! 通称名は〈ダイ 帝 ( てい ) 〉。「きょう」多くね?

それが階層門が見えた辺りで勢いをつけて襲ってきたんだ。しかし。

「ジュララララ――ジュラララ!?」

「ん?」

〈ダイ帝〉はニーコの姿を見た瞬間急停止。

なんか固まってしまったのである。

おそらく一番ニーコに狩られた存在である〈ダイ王〉。まさかバルフの時のように、あの時のことを覚えているのか?

「ジュララ!」

そして 狂 ( クル ) っとUターン。

「あ、逃げるよ!」

「逃がすな! ――シヅキ!」

「『震えろ・大魔王様からは逃げられない』!」

「そうだ! ニーコからは逃げられない!」

「どういう意味だね勇者君!?」

「ジュララララララーーー!?」

なんか思いっきり逃げたそうだったけど、シヅキに逃がさないようにしてもらって1班、3班、そしてニーコが所属する5班で撃破したんだ。

もちろんトドメはニーコに刺してもらったよ。

最後はやけくそ気味にお得意のジャンピングキックを繰り出そうとしたところをラナの宝剣が直撃して運悪く落下してダウンしてな。あとはダメだった。

「ジュララ~」

「いやうむ。ドンマイなのだよ。さらば〈ダイ帝〉君~」

エフェクトの海に沈んで消えていく〈ダイ帝〉にニーコはハンカチを振りながら見送ったんだ。後に残ったのは〈金箱〉2箱!

中からは、〈 強恐狂 ( きょうきょうきょう ) 戦士 ( せんし ) シリーズ全集〉という【狂戦士】系列の専用装備全集レシピと、〈恐竜〉系統のモンスターがテイムしやすくなる〈 狂凶強恐 ( きょうきょうきょうきょう ) 竜帝 ( りゅうてい ) の友〉という攻略者の証にも似た六角形のバッチ型アイテムをゲットした。

「〈きょう〉が多いわね。それに【狂戦士】は知り合いもいないわ」

「なにか〈きょう〉を主張したいことでもあったんですかね」

「テイムか~。フラーミナかアルテ、いるか?」

「「竜の方が良いです」」

「そうか~(恐竜種に幸あれ!)」

なお、2種の扱いはこうだった。

売り決定じゃなくて良かったよ……。

テイムの方は、フラーミナとアルテから即で断られて、思わず恐竜種の幸せを願ってしまったぜ。でも、テイムされない方が幸せなのかもしれない?

ならこのままで良かったんだ。

ちなみに〈友〉ということでニーコにも勧めてみたが、「ふむ、研究対象としていただくとしよう」と引き取られたんだ。〈友〉は研究対象という意味だった模様だ。

こうして俺たちは19層も突破し、ついに20層に到着。

「ここは、最後の〈 夢想 ( むそう ) の 魔家 ( ハウス ) ダンジョン〉でしょうか?」

「だな。いわゆる――バトルタワー型のモンスターハウスダンジョンだ」

中級上位 ( チュウジョウ ) や 上級下位 ( ジョーカー ) のランク10でも戦ったが、あのモンスターがじゃんじゃん出てくるウェーブ系のダンジョンと同じ系統だ。

だがぶっちゃけここが一番楽まである。なにせ、ここはウェーブが5で終わりなのだ。その代わりモンスターは大量に出てくるが、それも1ウェーブで100体程度。

「さあ私の夢想の出番よ! いえ、無双の出番よ! 『ナイトメア・大睡吸』! 『MP全吸収』! 『エンドレスエンド』!」

はい。1ウェーブ終了です。

エリサの無双が留まるところを知らないな!

その調子で4ウェーブも速攻で倒すと、現れたのは階層門とニワトリ型の巨大モンスター。

「? これだけかしら」

「『看破』! 守護型ボス、みたいですね――〈 格闘王 ( かくとうおう ) ・ケイオウ・コケッコー〉。〈コケッコー〉系統です」

「レイドボス・連型と比べてしまったけれど、これも十分脅威なのよね」

4ウェーブがまるで歯ごたえがなくてラナが首を捻るー!

まあね。レイドボス・連型なんか300体とか普通に出してくるからね。100体くらい楽勝過ぎる。なにしろ、1人当たり2体倒せば終了だもん。

1人で100体無双する人も居る〈エデン〉ではウェーブ系のダンジョンはもはや脅威にはならないのだ。

そしてここの守護型ボスは、なんと〈コケッコー〉系統。

初心者ダンジョンの4層に居た、あのヒヨコの最終進化系だ。なぜ 中級下位 ( チュカ ) のランク10を張ってたのかは不明。道中が大変だから、ボスくらい楽をさせてあげたかったのかな?

全長15メートル。翼をまるで拳のように構え黒い目をギラリと光らせてこっちを見つめている。端的に言って強そうなニワトリだった。実際強い。

「コケー!」

「ハンディのアイコンは――3ですか? では、残りの2はどこに」

「上だ!」

「ギャース!!」

20層は5ハンディ、3:2で2体のボスが登場するのが鉄板だ。

そして上には、〈 夢想 ( むそう ) の 魔家 ( ハウス ) ダンジョン〉のレアボス。〈ベビーフェニックス〉の最終進化系、〈 業火業炎 ( ごうかごうえん ) のエンペラードフェニックス〉が飛んでいた。

名前はなんか強そうなのに、2ハンディ。どうやら〈コケッコー〉の方が格上っぽい。おかしいな、〈フェニックス〉はレアボスの最終進化系のはずなのに。

地上と空中班で分かれて撃破した。

〈フェニックス〉は『落下防止』スキルを持っているので空中戦必須だ。

ラナ班に任せてエステルと一緒にズドドドドンしてもらって終了。

〈コケッコー〉の方は1班、シエラの2班、そしてルルたちのいる4班をメインにして挑んだ。

凄かったよ。ルルの『ヒーローバスター』とボスの『コケッコースマッシャー』のぶつかり合い。思わずスクショが唸りそうになってしまう迫力があった。

最終的に打ち勝ったのはルル。ラウと戦った時のようにもう一発『ヒーローバスター』をぶっ放してボスの腕を弾き飛ばし、そこを俺が追撃してダウンを奪って総攻撃した。

さすがの20層守護型ボスの貫禄を見せつけた〈コケッコー〉ボスも、〈エデン〉は突破したのだった。

「ついにこの時が来ましたわ! 『ドロップ革命』ですわ!」

もちろん守護型ボスだ。『ドロップ革命』は外せないな!