第2011話 〈万界ダン〉〈ヘカトンケイル〉戦――決着!
第2011話 〈万界ダン〉〈ヘカトンケイル〉戦――決着!
「全員補給は済んだか!」
「もちろんよ!」
「全員配置に着け! そろそろだ!」
「ヴオオオオオオオ!!」
「最終形態だ! ロケットパンチャーモード来るぞーー!!」
「無差別の全体攻撃だ! 防御展開!」
切り落とされた腕は消え、代わりに現れるのは機械の腕100本。
その姿はアダマンタイトの鎧に覆われ、今までのほとんど半裸の姿から、がっつりとした装甲を持つ姿に大きく変化していた。
実はこのアダマンタイトの鎧に乗り込むと『発掘』できたりするのだが、俺たちの装備はすでにオリハルコンだ。そこまでしなくてもいいだろう。
浮かぶ100の腕が発射されフィールド中すべてにロケットパンチが次々と飛んでいき、戻ってはまた発射されるを繰り返す。
それがロケットパンチャーモードだ。第一形態の伸びるパンチとは射程も威力も全く違う、長時間に渡り全体攻撃を発動し続けるとかいう、狂った性能を誇る。
対抗するには、こっちも常に防御を張り続けるしかない。
だが―――全く問題は無い!
「盾受けタンクは防御展開! ロゼッタ!」
「いきます――『シールドレギオン・パラディオン』!」
「うっわ!? ロゼの盾でっかーー!!」
【天守護の騎士姫】は装備している〈乗り物〉が強力であればあるほど特定のスキルが強化され、巨大化する。
その1つが防御スキル、『シールドレギオン・パラディオン』にも表れた。〈スプールルート〉を守るように展開された巨大盾。
50メートル級を守るように展開されるんだからそりゃでかいわ。しかもレギオンとついている通り、十数個も同じ盾が展開され仲間を守ってくれるのだ。
ロゼッタが超強いタンクしてる!
「このまま突撃します! 『列車装甲・ブレードドライブ』!」
「ヴオオオオオオオ!?」
巨大シールド展開したままさらに前へと進んでくるロゼッタの〈スプールルート〉にさすがの〈ヘカトンケイル〉も面食らっただろう。このロゼッタを突破できない限り、ロゼッタがいる方向の安全が保障されたも同然だ! 俺たちもすでにそっち方向に回り込んでいる。
だが、さすがに近づけば近づくほどパンチの圧は強まり、途中で停止を余儀なくされた。しかし、なかなかいい位置取り。ここからならヒットアンドアウェイに最適だ!
「この場所を維持するぞ! フォローを!」
「回復するわ! 『聖浄の癒し』よ!」
「あの竹ロボットとはパンチの出来が違うわね――『オープン・ザ・サウザンドシールド』!」
ラナとシエラがフォローに回るなら、もうこの一帯は、超安全空間が形成されたも同然だ!
学園祭では5000人参加の中、この技だけで実に2400人を退場させたロケットパンチャーモードも、〈エデン〉の自慢のタンクとヒーラーが代わる代わる防ぎまくって、1分ほどで小休止、〈ヘカトンケイル〉もさすがに疲れて動けなくなる。ここだ!
「今だ! 反撃行くぞ! 『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」
「待ってたわ! 『神の天誅』! 『大聖光の無限宝剣』!」
「穿ちます――『 彗星槍 ( すいせいそう ) 』!」
「『スターソニック・レインエッジ』! ん、顔に一発――『512・ヘル』!」
「ゆくぞ『必殺の太刀・六閃華』!」
「精霊王様、お願いいたします――『天変地異・エレメントヘヴン』!」
「『究極変身・ヒーロープリンセス』! とう! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』! 『神世界インフィニティ』! 『ヒーロー・スターレイ』! 『大回転超切斬』!」
「『雷拳』! 『 闘神拳 ( とうしんけん ) 』!」
「崩れ落ちなさい――『バースト・フォース・ガン・メイデン』! 『メイド・フォーシス・バルカン・グレート』!」
「ここが攻め時デース! 『究極忍法・多重分身の術』! みんな、いっくデース!」
「「「「「いっくデース!」」」」」
「大チャンスですわ! 『全軍一斉攻撃ですわ』! 『竜絶兵砲・ V ( ヴィクトリー ) ドラゴンバスター』! 『四戦兵砲・エーテル・バスター・クワトロ』!」
「盛大に削るぞ――『アポカリプス』! 『ジェネシス・ヘクサ・アポカリプス』!」
「たは! 『サンクチュアリ』! に『サンライト』!」
「『竜心同体』! ゼニス――『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』!」
「クワァ!」
「みんな頑張れ~♪ 『アルティメットテンションエール』!」
「トドメと行くか」
「どこまでも」
「「『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』!」」
「『グラスプ・アタッチメント・シンチャージ』で溜めまくった砲撃を喰らえー!」
「これは強いよー!」
「この一撃にすべてを掛ける!」
「「「『 三柱神授神器 ( みはしらしんじゅじんぎ ) ・ジャストメイトジャッジメント』!」」」
「全員出動! 『犬力の犬』!」
「私も攻撃参加よ! 『反転ヒール』! 『ダークマターエネルギー』!」
「姉さまには負けられませんね――『エル・バランレード・ラグナロク』! 『天界の一撃・スペリオールジェネシス』!」
「ぼくの怒りの一撃を喰らうがいいさー! 結構怖かったんだからね! 『トレジャー・エクス・アドベントバレット』! 『エクスプロージョンガンショット』!」
「喰らうがいい! 『 神 ( しん ) ・ 獣 ( じゅう ) ・ 願 ( がん ) ・ 獣王獅子戦牙 ( じゅうおうししせんが ) 』!」
「溜めに溜めたこれ、お見舞いするよ! 『そして時は動き出す』!」
「みんな本気モードですわ! 『ビッグウェーブデトネーション』! 『レボリューションセンチュリー』!」
「お嬢様はよく耐えられました! いつもそうであってください――『インフィニティ・ジ・エンド』!」
「アリスも強力なのいくのー! 『神の 雷 ( イカヅチ ) 』~!」
「ようやく反撃ですの! 『全ては凍り付き溶けることは無い、 永久 ( とこしえ ) のニブルヘイム』!」
「『ドワーフ大噴火』っす! 強力なのをお見舞いするっすよ! 『巨神の一撃』!」
「『森界熊エキサイト』! パワー倍の――『ビッグクマン・グロリアスクローベアード』!」
「ユニークダブルでいくよ! 『 狼王剣 ( アルマーレイ・エスパーダ ) 』! 『必殺・ 大神抜閃 ( おおかみばっせん ) ・ 破邪銀狼華 ( はじゃぎんろうか ) 』!」
「おっしゃ! 全力で行くぜ! 『ライフフォース・アトミック』!」
「大魔王様たち出番だよ! 『大魔王の宴』!」
「『天使最高位突撃・ウリエル』! ラッシュする――『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』!!」
ここで〈エデン〉もマジモード!
がっつりと大ダメージを与えたな。強力な攻撃が突き刺さり、動き出した〈ヘカトンケイル〉が震えているのが分かるぜ。
おっとまたも無差別の全体攻撃が放たれる。
「全員退避ーーーーーー!」
「「「わー!」」」
良い場所取りをしていたおかげで攻撃が放たれる前に退避成功。
この全体攻撃が収まるまで耐える。小休止がきたら反撃だ!
MPとクールタイムの管理、そしてここまで育て上げた〈六ツリ〉スキルが勝負を決める!
これが3度繰り返され、〈ヘカトンケイル〉の3つ目のHPバーが30%を切ると、〈ヘカトンケイル〉の挙動が変わった。
「ヴオオオオオオオオ!!」
〈ヘカトンケイル〉もマジモード、なんと今まで全体に放ちまくっていた100本の腕を、一方向に向けたのだ。
これはリアルでは初見の攻撃。
学園祭では防ぐことが不可能なためにやってこない、〈ヘカトンケイル〉の必殺技――『ギガントヘカトン流星群』だ!
だが、全員〈ヘカトンケイル〉が何をしようとしているのかを察する。
「タンク全員、全力防御行くぞ!!」
「みんな、防ぐわよ! 『アブソープション・ワン・フォートレス』!」
「ポン! ユニークスキルは 夢幻 ( ゆめまぼろし ) の巨塔――『 夢幻 ( むげん ) 四塔盾 ( しとうたて ) 』!」
「これは破壊できないよ~『完全防備』!」
「『トリニティトレインシールド』!」
「防御です! 『天域大結界』!」
「アリスたちは私の後ろへ! 『究極嫉妬盾』!」
「行くであります! 『ロード・オブ・オリハルコン』!」
「全部相殺してやるっす! 『シールドオブセット』!」
「これで締めだよ! 『主の盾』!」
輝くのは今朝盾を交換した9人のタンク。
真の最強装備となって俺たち〈エデン〉を守る強固な盾たち。
「ヴオオオオオオオオ!!」
―――『ギガントヘカトン流星群』発射!
まるでこれが最後の攻撃だと言わんばかりの大量ロケットパンチが発射され、〈エデン〉のタンクたちが展開する防御スキルと激突した。――結果。
「ヴオ、オオオオ!?」
攻撃はすべて防がれ、9つ中4つが破壊されたが俺たちの防御スキルは残っていた。
「反撃だーーーー!」
「「「おおー!」」」
ここで反撃の攻撃が始まり、〈ヘカトンケイル〉が大ダメージを受ける。しかし、
「ヴオオオオオオオオ」
「あの構え!」
「またあのロケットパンチをやる気ですわ!」
そう、また1方向に向けて『ギガントヘカトン流星群』を放つ行動を見せたのだ。
まさかの2連続。しかも、今回の小休止はすぐ終わったのだ。これの示す意味。
「まださっきのクールタイムが回復しきってないよ!?」
トモヨの言葉の通り、タンク最強の防御スキルがまだクールタイム中だった。
これはまずい。だが、〈ヘカトンケイル〉のHPは残り僅かだ。いける!
「HPはあと少しだ! あれが来る前に削り切るぞーーー!」
「「「「「おおおおおおおお!!」」」」」
「シエラ!」
「! 任せて!」
アダマンタイトの鎧に覆われた〈ヘカトンケイル〉の弱点は、唯一防具を身に着けていない頭。
だが頭があるのは40メートル上空。普通は届かない。
だが、俺たちは学園祭の時、そこに届かせたことがある。
「『盾乗り空中移動』!」
「行くぞルル! ラウ! クイナダ!」
「とう!」
「任された!」
「全力で行くよ!」
そう、シエラの小盾。
だが、学園祭の時とは違い、シエラは誰かを運ぶことができるようになっていた。
盾に乗り込むのは俺、ルル、ラウ、クイナダ。
射程は短いが威力のどでかい技を持っている3人。そして俺だ。
「『エネルギーチャージ』!」
「『獣人の王威』!」
「『必殺の溜め』!」
「『 太陽 ( たいよう ) の 聖炎 ( せいえん ) 』! 『 真 ( しん ) ・ 陽光剣現 ( ようこうけんげん ) 』!」
「いっけー!」
シエラの「いっけー!」とか初めて聞いた気がする!
瞬間、俺たちの乗る盾たちが高速で動き、〈ヘカトンケイル〉の顔まで迫る。
残りHPバーは10%というところ。発射までもう時間は無い。大量攻撃にさらされてHPバーは減っている。これで決める!
ルル、ラウ、クイナダが先に跳ぶ!
「『ヒーロー・セイバー・モーメント』!」
「『 神 ( しん ) ・ 獣 ( じゅう ) ・ 願 ( がん ) ・ 獣王獅子戦牙 ( じゅうおうししせんが ) 』!」
「『必殺・ 大神抜閃 ( おおかみばっせん ) ・ 破邪銀狼華 ( はじゃぎんろうか ) 』!」
「ヴオオオオオオオオ!?」
すべてのスキルが顔に直撃する。
溜めで放った弱所への攻撃は、〈ヘカトンケイル〉のHPを思いっきり削り、すさまじい大ダメージを叩き出す――そこへ最後の一撃が放たれる。
「これでトドメだ! 『アトミック・レイ・サンブレード』!!」
「ヴオオオオオオオオ!?」
〈ヘカトンケイル〉が『ギガントヘカトン流星群』を発射する寸前、俺の太陽の聖剣の一撃もほぼ同時に顔に直撃する。
すさまじい太陽の光の奔流が渦巻き、勝ったのは――俺たち。
ズバーーーーンというすさまじい衝撃音と共にHPが完全に尽き、〈ヘカトンケイル〉はゆっくりと後ろに倒れていったんだ。