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第2018話 〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉戦―開始!

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第2018話 〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉戦―開始!

60.5層――第二のレイドボス。

別名追想ダンジョンと呼ばれる〈万界ダン〉の第二のレイドボスは、学園祭2年生編に登場した――〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉だ。

俺たちがレイドボスの門を潜ると、そこは30.5層の時と同じく、第一アリーナにそっくりのバトルフィールドが広がっていたんだ。

「やはり、バトルフィールドはアリーナにそっくりですわね!」

「ボス、出現します!」

「今のうちにバフを頼む! ノエル、ミサト、マシロ!」

「「「はい!」」」

第一アリーナの中央付近に巨大な魔法陣出現。

そしてゆっくりとボスが浮上するように出現する。

「! あの骸骨の頭部に黒マントは見覚えがありますわ!」

「『看破』! 相手はレイドボス・連型――〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉です! 間違いありません!」

「作戦通りいくぞー!」

「『プリンセスアイドルライブ』♪ エールいっくよー! 『エールベストパフォーマンス』♪ 『コングラチュレーション』♪ 『音速リズム』♪ 『オールナイト・カルテット』♪」

「たは! デバフは全部防いじゃうよ! 『ノットアドミッション・ベルシール』! 『色欲の愛情』!」

「〈即死〉と状態異常は任せてください! 『セイクリッド・ヘヴン』! 『アストラル・ヴィータ』!」

初手バフ。

〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉ならば俺たちもよく知っている。

〈即死〉魔法をばらまくとんでもない〈リッチ〉系だ。加えてデバフに各種状態異常もばらまいてくる。故にミサトとマシロでそこもカバーだ。周囲に天国が顕現する。

「!? レイドボス足元、何か出ます! あれは、スケルトン? 黒マントを着たスケルトンですわ!?」

「数100!」

リーナの言葉の通り、〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の体がすべて現れると、足元に無数の黒マントスケルトンが現れる。カイリがそれを100体だと即で看破して皆に伝えたな。

よし、俺もここで情報を広めよう。

「100体の黒マントスケルトン! あれは学園祭の黒衣と同じ数だ! つまりはあれを倒すと〈即死〉攻撃が来る可能性高し! 倒せー!」

「倒せーなんだ!? 〈即死〉攻撃の『道連れのヘルズノート』って、防御スキル無視のヤバい攻撃だったのに!?」

「〈即死〉は全部マシロンが防いでくれるよ! 『悪魔召喚』! いっけークロちゃん!」

そう、あの100体の黒マントスケルトンは学園祭で敵役でもある100人の黒衣ポジションだ。

トモヨが言ったように〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉は黒衣が倒されると、倒した者に耐性貫通付き防御スキル無視の〈即死〉攻撃、『道連れのヘルズノート』で道連れにしてくる。

つまり、あれは道連れ用のスケルトンだ。

なお、学園祭の時は敗者復活できなかったが、 ここ ( ダンジョン ) では復活ありなので、黒マントスケルトンを倒して道連れされても復活魔法で復帰が可能だ。『即死無効』付きのアイテムや装備、スキルを持っていなかったらそもそも50人じゃ勝負もできない、というわけではないので安心してほしい。

まあ、こっちにはマシロという〈即死〉を含む状態異常を無効にするメンバーがいるので、黒マントスケルトンは倒し放題だけどな!

「まずは全体に攻撃よ! 『神の天誅』!」

「だな! 俺たちに続けー! 『インフィニティ・バニッシュセイバー』!」

「スケルトンを殲滅します――『 彗星槍 ( すいせいそう ) 』!」

「『大精霊様、全六霊機降臨』! 『天変地異・エレメントヘヴン』!」

「攻撃開始です! 『バースト・フォース・ガン・メイデン』! 『メイド・フォーシス・バルカン・グレート』!」

攻撃開始。

案の定、〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉は自分のマントでスケルトンたちを庇――うと見せかけて何もしなかった。

まさかの放置。黒マントスケルトンたちは自分の黒マントを盾にするが、俺たちの〈六ツリ〉攻撃は超強力。20体が簡単に光になった。

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

スケルトンがやられた哀しみの声を上げて〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉が自慢の本を出す。いや、やられたのはあなたがなにもしなかったからだけどね。

なお、この間にもどんどんスケルトンは殲滅中だ。

〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の本が怪しげに光ると、そこから呪いのオーラが飛び出して俺やラナたちに直撃する。しかし。

「だが効かーーん!」

「やっぱり学園祭の時とおんなじね!」

〈即死〉攻撃は俺たちには効かないんだ。

直撃した俺たちのHPバーはフルのまま、〈即死〉対策は完璧だった。

あ、いつの間にか黒衣役のスケルトンが居なくなってる。俺が効かーーんしている間に全滅してるだと!?

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

なんだか〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の悲しみの声が嘆きに聞こえてくるからちょっと面白い。意訳すると「おお、なんて雑魚なんだこいつらー」と言ったところだろうか?

うむ。今回はキキョウに禁止してもらうまでもない。なにせ〈即死〉はマシロたちでも防げるんだからな。

「一気に接近行くぞ!」

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「魔法来るぞ! タンクはアタッカーを守ってくれ!」

「任せて。『 守陣形 ( しゅじんけい ) 四聖盾 ( しせいたて ) 』! 『エンプレス・オブ・カバー』!」

「見切った――『抜刀術・ 壊斬大一閃 ( かいざんだいいっせん ) 』!」

「反射させちゃってもいいよね! 『主の盾』!」

セオリー通り、まずはマントの内側に入り込んで足を狙う。

遠距離攻撃はマントシールドとでも形容するあれに阻まれてしまうため、狙いはマントの中に入っての近接攻撃だ。だが、マントの中は魔法が上から降ってくる。

タンクがきちんと上からの攻撃を防御、あるいはブレイク、あるいは反射して防ぎ、近距離アタッカーがじゃんじゃん攻撃していく。

「デバフの連打だ! 『モチベーション・ゼロ』! 『エンド・オブ・バイタリティ』! 『働くな斬り』! 『怠慢と堕落の剣』! 『惰性と堕弱の一撃』! 『脆弱と漫然の一閃』!」

「ステータスダウンは悪魔の仕事! 『大悪魔のまやかし』!」

ゼルレカとシヅキが頑張ってデバフを付与しまくる。

シヅキが使ったのは【アークデーモン】のユニークスキル『大悪魔のまやかし』、これはすごいぞ。なんとSTR、VIT、INT、RES、AGI、DEXという ステータス ( ・・・・・ ) にデバフを与えるのだ。

ゼルレカは攻撃力、防御力、魔法力、魔防力、素早さ、器用さにデバフを与えるので重複する!!

さすがはユニークスキル。数あるデバフの中でもステータス自体にデバフを与えられるスキルを持つのは本当に一握りなのだ。ここが【アークデーモン】の強みだな。

「オオオオオンンンンンン!!」

「な! スケルトン100体が再召喚されました!」

「ええ!? 再召喚ってありなの!?」

ここで子分であるスケルトン100体が再召喚。これは学園祭では無かったな。

学園祭では黒衣はやられたらそのまま。復活はしなかったから。

だが、〈万界ダン〉では俺たちだって復活魔法がありなのだ。〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉だって再召喚はありだろうさ。

当然スケルトンを倒せば『道連れのヘルズノート』が降ってくる。

「そろそろ天国消えます!」

「スイッチ! 次はシュミネ、頼む!」

「はい! 『世界樹召喚』! 『ハイエルフの楽園』!」

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

『即死無効』の維持は必須。

マシロの天国顕現が消えるところでシュミネの楽園顕現にスイッチだ。

シュミネの楽園もマシロの天国顕現とほぼ同じ効果だ。〈即死〉を含む状態異常の完全無効化を発揮する。

クールタイムがあるため基本はマシロとシュミネのスイッチで状態異常無効を維持する構えだ。

「カグヤは待機、無効化のバランスが崩れたらユニークスキルで介入してくれ!」

「うん!」

控えにカグヤも忘れない。カグヤのユニークスキルは舞。舞っている間状態異常無効を味方に付与するので、世界樹が破壊されるなどのトラブルがあった時に介入するよう控えに待機させておく。

「だいぶダメージ入るようになってきたな!」

「いいですよゼルレカ! その調子です!」

「ゼルレカがんばれー!」

「うおおりゃあ! 『怠いだろ? 身を任せろよ』! 『働くな斬り』!」

ここで大活躍しているのはやはり【怠惰】のゼルレカだな。デバフ重ね掛けは強すぎる!

最初こそ硬くてダメージがなかなか入らなかった〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉だが、今はがっつり入るようになった。

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「バフされても奪えば解決でやがります! 『そのバフ貰い』!」

「こっちはデバフも効かないし、すっごくいい感じだね! 『 神峰 ( しんほう ) の宝刀』!」

〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の自己バフはその都度誰かが奪ったり無効化したりして弱体化を維持、これだけで本当に倒しやすいぜ。

〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の1本目のHPバーが4割を下回ると、行動が変化。

「あ、『浮遊』し始めました!」

「私の出番ですね! 『羨ましいからそれ禁止』!」

「オオオオオオオオンンンンン!?!?」

もちろんそれはお見通しなのでキキョウに禁止にしてもらう。

さすがに浮遊されたら、マントで遠距離攻撃を防ぎつつ向こうからは一方的に攻撃できるからな。やらせんぜ!

「今ですゼニス! 『神飛・ドラゴンオーバーストライク』!」

「クワァ!」

キキョウが禁止にした直後、上から 竜騎姫 ( アイギスとゼニス ) がズドーン!

ただでは落下させない。むしろ叩き落すと言わんばかりに突っ込み、〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉を地面に叩きつけたのだ。ダウン! 大チャンス!

「ナイスだアイギス! ――総攻撃だ! 『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」

「『レクイエム』!」

「『鎮魂歌』!」

「『天使の鎮魂歌』!」

「叩き込めー!」

ズドドドドドドドドドドドン!

全員がアタッカーに転向しての総攻撃が叩き込まれる。

ラナたちもしっかり特効攻撃を喰らわせてるな。

そうして一気にダメージを与えると、ついに第一形態のHPバーがゼロになる。

ゼルレカのデバフとノエルのバフが最高だ!

次は第二形態〈エキサイト骨戦車〉モード!

俺たちは〈戦艦・スターライト一号艦〉に乗り込んだ!

「俺たち50人でも十分倒せる! この調子で第二形態に乗り込むぞ!」