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第2019話 〈エキサイト骨戦車〉モードは移動砲台!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2019話 〈エキサイト骨戦車〉モードは移動砲台!

「第二形態は確か真上を取ればいいのよね!」

「はい! 学園祭の時は真上から襲撃したことで被害なく乗り込むことに成功しました!」

「エステルはよく覚えてるな!」

第二形態〈エキサイト骨戦車〉モードは移動砲台。

なぜか下半身が戦車のようになってしまった〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉が大量の砲撃を撃ちまくり、エキサイトしながらアリーナを駆け回る、暴走モードとも言えるとんでもない形態だ。

戦車のくせに速度が速いため、追いつくこともできずに撃たれまくったり轢かれたりしてやられてしまう。

戦車の上には大量のスケルトンが居て砲を向けてドカンしてくるのだ。

ただし弱点があった。それが真上。その砲撃は真上には撃てないのだ。

学園祭の時はアイギスやレグラム、フラーミナやアルテなどの飛行系メンバーを軸にして真上から襲撃、乗り込んでスケルトン共を一掃して砲撃が撃てないようにしたんだ。

故に第一形態が終わった瞬間、俺たちは〈戦艦・スターライト一号艦〉に乗り込み、真上から襲撃する作戦を敢行しようとした。しかし、ここで学園祭の時とは違ったことが起きる。

「? ちょっと待ってくださいまし、〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉が杖を持っていますわ!」

最初に気が付いたのはリーナ。

その〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉第二形態は学園祭の時と瓜二つ。

しかし、違う部分がある。それが〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の上半身、その両腕が生えているところだった。学園祭の時は腕は黒マントの中に仕舞ってあったが、今回は出ていたのだ。しかも、杖を持っていた。その杖が真っ赤に光る。

瞬間、カルアの猫耳がピンっと伸びたのを俺は見た。

「ん!? 危険、回避!」

「エステルさん、面舵を!」

「!! 『オーバードライブ』!」

斥候組 ( 直感持ち ) のカルアとアイギスの叫びにエステルが緊急回避。

すると瞬間、真下から特大の火球が先ほどまで〈スターライト〉があった場所を通り抜けて真上に消えていったのだ。相当な威力を誇る攻撃。直撃すれば、エステルであってもただでは済まないだろう。

「真下からの攻撃です!」

「うそ! 真上を取れば攻撃手段は無いんじゃなかったの!?」

「学園祭の時と挙動が違います! 真上に向けてレイド級の魔法を放ってきていますわ!」

そう、学園祭の時はあくまで低レベルでも勝てるように難易度調整がされていた。

特に第二形態〈エキサイト骨戦車〉モードは低レベルだと正攻法では止める手段がほとんどないため、敢えて真上から乗り込めるよう調整がなされていたのだ。

だが、ここは最上級。

挑む者はほとんどカンストレベルだ。ならば真上から弱点を突くのではなく、正攻法で止めてみろ、とそういうわけである。

――却下!

「アイギス! 相手は火魔法だ! 突破して乗り込むぞ!」

「! はい! 私とゼニスにお任せください!」

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「アイギスを先頭に降下するぞ! 我こそはと思うメンバーは続けー!」

「なによそれ、そんなこと言われたら黙ってられないわ! 私も行くわよ!」

「いいえラナ様はダメです」

「シズー!?」

「代わりに私が行ってくるデース!」

「降下5秒前! エステル、ポジションを真上に! すり抜けながら立ち去れ!」

「はい! 『ドライブ全開』!」

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「カタリナは結界を!」

「いきます! 『絶界』!」

エステルのユニークスキルはまだ温存。

カタリナは〈六ツリ〉パッシブスキル『乗り物用・大結界解放』の効果で〈乗り物〉に乗っていても『結界』系魔法を使用することができる。

エステルにまた真上を取ってもらおうと接近した瞬間、大量の火球が飛んできたが、カタリナが防御。

「長くは持ちません!」

「降下!」

「ゼニス行きますよ!」

「クワァ!」

ほんの少し持たせてくれれば十分。

カタリナのおかげで〈スターライト〉は〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の真上を取った。その瞬間アイギスがゼニスに乗りながら降下し、続いて俺を含む我こそはと乗り込むことを希望したメンバーたちが一斉に〈スターライト〉から飛び降りた。

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

当然のように〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉のレイド級の火魔法がジャンジャン飛んでくる。それはそれは大量に、正直直撃していたら数人は戦闘不能になりそうなほどの質と量だ。なにせレイド級魔法とは、複数人で防御するような攻撃なのである。さすがはレイドボス。しかし、

「効きません! 『 竜猫炎 ( ドラゴニャン ) 防盾 ( シールド ) 』!」

「クワァ!」

アイギスの盾がポイント。それはあの〈 竜猫炎化大盾 ( ドラゴキャニジョンシールド ) 〉だ。

その効果は〈火属性ダメージ100%カット〉! つまりは――火魔法無効である。

「突破です!」

「オオオオオオオオンンンンン!?!?」

さらにアイギスは装備スキルを発動し、炎で出来た猫ドラゴンの盾を顕現。〈火属性〉魔法をすべて無効化してしまうアイギスが先頭でそれを広げることで、最上級レイドボスの攻撃をたった1人で防ぎ切ったのだ。続く俺たちはもちろん無傷。突破!

ふはははははは! テンション上がるぞーーーー!!

「ナイスアイギス! それ以上は撃たせるか―――『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」

「オオオ!?」

ズドバーンと一撃。

アイギスが開けてくれた道から飛び込んだ俺が『聖剣』系の一撃でぶった切り動きを止める。

硬直したのは一瞬とはいえ、これは致命的だった。おかげでその隙に21人のメンバーが乗り込むことに成功したのだから。

「「「「カカカカカカカカ!?」」」」

「乗り込んでしまえばな! 『獣王無敵ラリアット』!」

「『執事に不可能はありません』! 『波動 剛歩爆 ( ごうふばく ) 』!」

「乗り込む! 『クマンネイル・チョッピングライト』!」

「『幽霊は皆クラッシャー』っす!」

遠距離からの攻撃だと〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の黒マントによって防がれてしまうが、乗り込んでしまえば乗員であるスケルトンに直接攻撃可能。

相手の強さも最上級並だが、LV100である俺たちに掛かれば、次々と数を減らしていく。

「エステルは無事離脱したようだな!」

見ればエステルはすぐに危険域を脱出し、そこそこの距離を取って着陸していた。

直後にラナの継続回復や、ノエルのバフが俺たちに届く。さすが。

「!? 『道連れのヘルズノート』来るぞ!」

「大丈夫だ! 今はシュミネが無効化してくれてる!」

第二形態でもスケルトンを倒せば『道連れのヘルズノート』が降ってくるとんでもないデンジャラス。

学園祭の時は禁止にしていて第二形態では使ってこなかったが、本来は第二形態でも『道連れのヘルズノート』を連発してくるのだからマジヤバい。

とはいえ、俺たちには効かーーん!

「スケルトンはあらかた終わった! 次は本体だ!」

「「「おおー!」」」

乗員を片付けたら、最後は大ボス。

だが、今回も黒マントの外に出ている腕が猛威を振るう。

乗り込んだメンバーを薙ぎ払うかのように、自分の腕を広げて上半身を半回転させたのだ。まさかの『道連れのヘルズノート』を使っていた本で薙ぎ払う物理攻撃。

あれはスキル『 本 ( ヘルズノート ) の角でぶん殴る』だ! 当たったらヤバいぞ! 本の角はアカン!

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「止めるぞ! 『ブレイブシールド・イグニッション』!」

「とうー! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』!」

「『大忍法・竜撃滅波』デース!」

「『プリンセス・ドラゴンオーラスケイル』!」

「『天域大結界』!」

だが、これは俺、ルル、パメラ、アイギス、フィナによって止められ、弾かれる。

セーフ!!

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「今度は爆発魔法! ブレイク!」

「『シールドオブセット』っす!」

「『獣王に引き裂けぬ物は無し』!」

「『抜刀術・ 壊斬大一閃 ( かいざんだいいっせん ) 』!」

小さな足場で大激闘。

手に杖を持ってるんだから当然のように魔法も使ってくる。

こんなところで爆撃なんてされたらほぼ全員が落下してしまうだろう。ここはブレイクで防ぐ。ナキキが盾とハンマーで防御、ラウも魔法を引き裂き、リカが一気に切り裂いてブレイクすることに成功する。

「『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」

「オア!?」

「今だ!」

動きを止めて攻撃を叩き込む。

良い感じだ。

だがここで〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉が進路を変更。

「オオオオオオオオンンンンン!!!!」

「狙いはラナたちか!」

遠くに着陸した〈スターライト〉に向かって一気に走り出したのだ。

だが、それは悪手だぜ。

「ただ突っ込んでくるだけなんて悪手よ――『アブソープション・ワン・フォートレス』!」

「ポン! 今こそ現れるは最強無敵の盾狸王――『 幻獣霊最強 ( げんじゅうれいさいきょう ) ・ 狸王様完全盾 ( たぬきおうさまかんぜんたて ) 』!」

「私たちが止めちゃうよ! 『ゴッドオリハルコンランパート』!」

「全員衝撃に備えろ!」

ズドン!

巨大な盾の三連結に突っ込む〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉。

しかし、その強力な突撃でも、3人のタンクが出した壁を抜くことは不可能だった。これがLV10の〈六ツリ〉防御スキルだ!

ここでスケルトンがまだ居たのなら砲撃などでやりようがあったかもしれないが、手数が圧倒的に足りてないな。

「今だ! 取り囲め!」

「〈スプールルート〉召喚! 『シールドレギオン・パラディオン』!」

「こちらは自分にお任せを――『オリハルコン城』!」

「後ろは行かせません! 『 重操 ( じゅうそう ) 結界強化 速展 ( そくてん ) 』!」

「攻撃開始だ!!」

ロゼッタ、ヴァン、カタリナが素早く三方向に回り込んで防御スキルで閉じ込め、攻撃開始。

「オオオオオオオオオオンンン!!」

「ああ!? 本の角でオリハルコン城がぶっ壊されたであります!?」

「魔法じゃなく、本の角で!?」

「あの本なにでできてるんですの!?」

「カバーするよ! 『ガブリエル大加護結界』!」

〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉は杖で大魔法を発動してぶっ放し、もう片方の腕にある本で薙ぎ払ってくるが、もちろん俺たちは代わる代わるスイッチしながら防御スキルを張りまくって逃がさない。いや、ヴァンのオリハルコン城が本の角で叩き割られたときはびっくりしたけどな!

すぐにトモヨがフォローしたのでセーフ!

その後も動けなくなった〈エキサイト骨戦車〉モードはそのままHPを削られていき、ついに二つ目のHPバーがゼロになってしまうのだった。

「形態変化だ! 今のうちに補給するぞ!」

「イエーイ!」

「終わり次第追いかけ、すぐに行動に移す! 遅れるなよ!」

2つ目のHPバーもゼロになった〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉は、禁止されているはずなのにふわりと浮きあがると、そのままアリーナの壁へと後退。そこで形態変化を起こす。

最終形態は――〈地獄の門番〉モード。

50メートル級の地獄の門は〈敗者のお部屋〉へ通じる一方通行の入り口。

そこへ引き込もうとする無数の腕をかいくぐり、本体を倒す最後の形態だ。