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第2022話 空の戦い!戦艦VS戦艦のロマンしかない戦闘!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2022話 空の戦い!戦艦VS戦艦のロマンしかない戦闘!

60.5層の〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉に勝利した後、さらに4回ほど周回して〈金箱〉を回収した。

その翌日、今日からは61層を攻略していた。

「クマ投ゲ!」

「ピピピピピ!」

「〈クマアリクイ〉ロボをまた投げてきたーーーーーーー!?」

「キキョウ、そっちに行ったわ!」

「はいシエラ先輩! こっちは任せてください――『罰当たり』です!」

「ピピピッ――ガフッ!?」

「カウンターで〈クマアリクイ〉ロボ吹っ飛んだーーーーー!!」

「よし、これで終わりだな――『グラビティ・メテオ・エクスボール』! 『コキュートス・ゼロ・ディザスター』!」

「―――」

ズドーンと強力な衝撃をまき散らしながらメルトの〈闇属性〉と〈氷属性〉の〈六ツリ〉攻撃魔法が直撃し、〈万界ダン〉61層のエリアボス、 上級上位 ( ジョウジョウ ) ランク1〈幻迷ダン〉の最奥に登場した〈変形ロボ・時々・合体ロボ〉、通称〈クマロボ〉の強化系が倒れる。

そのHPはゼロだった。

「やったなメルト!」

「ああ、レジェンド装備とはすさまじいものだ。素でここまでの火力を誇るとは……」

勝利にパチンとメルトとハイタッチ。

メルトは昨日60.5層でツモった〈 氷魔 ( ひょうま ) と 常闇 ( とこやみ ) の 霊獄杖 ( れいごくつえ ) 〉に夢中のようだ。

レシピから作ったものではなく、現物ドロップであるにも関わらず、威力がおかしい。さすがはレジェンド。その武器スキル『氷属性攻撃魔法威力+50』と『闇属性攻撃魔法威力+50』は、文字通り 職業 ( ジョブ ) の〈魔法〉の威力を+50する。

装備自体の魔法力もかなりの数値なので、メルトは今アタッカーとしてかなり伸びていた。

「私も少し実感しました。この〈大罪リング〉、良い感じです。特に速度で実感しています」

「キキョウもか」

キキョウの言う〈大罪リング〉は〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉の3周目でドロップしたアクセ装備だ。

その効果、なんとステータス『 ALL ( オール ) +100』する【大罪】職の専用装備である!

へ? ALL ( オール ) ってどういう意味? と思うだろう。オールはオールだ。

つまり、すべてのステータスが+100されるって意味だよ! な、なんだってー!?

HPやMPは除くが、それでもSTRからDEXまでの6項目のステータスが軒並み+100。合計600もプラスされるとかマジ専用装備やべぇ!

まあ、使わないステータスも上がっちゃうから、実質+300から+400くらいの恩恵だな!

この〈大罪リング〉はキキョウに装備させた。

タンクとしての防御関連だけではなく、むしろINTやAGIでの実感が激しいという。そりゃキキョウのAGIは300くらいなので+100もすれば動きが違いすぎてびっくりするだろうさ。

「レジェンド装備、特段専用装備というのはすさまじい効力だと、改めて実感するな」

メルトがそうしみじみと言って頷く。分かるかメルトよ。

レジェンド級の装備はそれはそれは強い。ただの〈金箱〉産よりも断然強い。そして専用装備もまた、汎用装備と比べて断然強い。ならレジェンド級の専用装備なら?

もうね、とんでもない強さですよ。それはキキョウの〈大罪リング〉やクイナダの〈森界狼新王シリーズ全集〉を見れば明らかだな。汎用とは数値が違うんだ。

「全身で専用装備を装備したら自分はいったいどれだけ強くなれるのか、興味はないかメルト?」

「……興味がないはずがないな。おそらく、これまで見たこともない数値になるだろう。――待て、もしかしてゼフィルスは、専用装備を集めているのか?」

「お、気が付いたかメルト? そうだ。専用装備の方が汎用装備よりも強いなら、そりゃ専用装備のみで固めた方が強いに決まってる。ならば、できる限り専用装備で作りたいと思うのが人情だろう?」

「なるほど……今まで当たり前に装備していたが、ゼフィルスが真の最強装備を積極的に増やさない理由も見えてきたな」

とうとうメルトに見抜かれたらしい。

〈万界ダン〉も60層を超え、今日から61層、つまり深層エリアの攻略に入った。

だが、真の最強装備の普及はそこまで進んでいなかったのだ。

真の最強装備とは〈性能限界玉〉を使って+★にした装備品。その数は〈エデン〉でも多くは無い。

そしてなるべく増やしていないのはメルトの言う通り、汎用装備にはできる限り使いたくないからだ。

俺が待っているのは専用装備。専用装備にこそ+★にするにふさわしい能力値を持っている。

「しかし、ならば〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉を周回しなくてもいいのか?  【大罪】職の専用装備がドロップしたのならば、周回すればさらに他の【大罪】専用レジェンド装備がドロップする可能性があるぞ?」

「確かにその可能性は高いだろう。だが俺の『直感』が早く〈万界ダン〉の90.5層を攻略しろと囁いている気がするんだ」

「なに? 90.5層にはより強力な装備のレシピが眠っている、ということか?」

「もしくはさっさと〈万界ダン〉を突破し、最上級ダンジョン最後のランク5、〈神界ダン〉に潜れ、ということかもしれないぜ。間違いなく〈神界ダン〉の方が良いドロップが落ちるだろうからな」

「なるほど……」

そう、〈樹界ダン〉より〈猫界ダン〉、〈猫界ダン〉よりも〈聖界ダン〉の装備の方が強いように、一番強い装備が眠っているのは〈神界ダン〉なのだ。

メルトなんか、あそこで得られる装備を見たら飛び上がるんじゃないかな?

むしろ〈万界ダン〉を突破できる実力があるなら、さっさと〈神界ダン〉に行けというのが〈ダン活〉では推奨されていた。真の最強装備にふさわしい専用装備は〈神界ダン〉にあり! 故に今はボス周回よりも攻略を優先している形だな。

〈万界ダン〉61層は先ほども言ったように〈幻迷ダン〉の追想だ。あの〈時々〉系ボスが大量に登場しまくるダンジョンである。

そしてたった今「ロボ? と見せかけて実はクマでした!」でおなじみの〈クマロボ〉を撃破したところである。

となれば62層はあそこだな。

「62層は、空! 島!」

「空に浮かんだ島なのです!」

「気のせいかしら? あの遠くに見える戦艦、見覚えがあるわね」

「62層は予想通り、〈空島ダン〉ですわね――カイリさん?」

「『エリアボス探知』! ――あ! あのレアイベントで出てきた戦艦っぽいの、やっぱりエリアボスだよ! あとこっちにゆっくり近づいて来てる!」

「全員迎撃用意!!」

62層と言えば 上級上位 ( ジョウジョウ ) のランク2、〈空島ダン〉の追想だ。

だが、フィールドはそっくりなのに遠くに〈空島ダン〉のレアイベントボスだった〈空島侵略戦艦・デストロイシップ〉が見える不思議。ありゃ強化系だな。

今回のエリアボスはまさかのレアイベントボスだった。まあ、最奥ボスが飛べないタイプだからね。仕方なし。

プレイヤーたちからは「侵略成功しちゃった世界なんじゃない?」とも言われてたなぁ。最奥ボスは、侵略戦艦から空島を守り切れんかったのか……。

まあ、やってくるならば迎撃せねばならんな!

「エステルは近距離戦闘メンバーを乗せて〈戦艦・スターライト〉で発進!」

「はい!」

だが、あの時とは違うものがある。そう、〈戦艦・スターライト〉の存在だ!

なにせ〈戦艦・スターライト〉は目の前の〈空島侵略戦艦・デストロイシップ〉からドロップした装備だもんな。

俺も乗り込み、対峙すると、謎のわくわく感がこみあげてくる。

「な、なんだかドキドキわくわくするんだけど!」

「分かる。なんでかな?」

「戦艦VS戦艦。なんだか心躍るものがあるよ」

サチ、エミ、ユウカのセリフがまさにそう。

戦艦VS戦艦だぜ? 何これ? 超楽しみなんだけど!

初手は相手から。

戦艦から飛行型のゴーレムを発進させながら主砲を撃ってきたんだ。しかし。

「『 重操 ( じゅうそう ) 結界強化 速展 ( そくてん ) 』! エステルさんの戦艦はやらせませんわ!」

戦艦の上でも普通に結界が張れるカタリナが見事に防ぐ。さすがだ!

「カタリナ素晴らしいぞ!」

「きゃ! ゼフィルスさんに褒められてしまいましたわ!」

「ちょ、カタリナ気を逸らさないでください! 次来ますよ!」

「なっ!? 猪口才 ( ちょこざい ) なですわー!」

「あと口調も気を付けてー!?」

ロゼッタとフラーミナがカタリナを支えているが、賑やかだ。

しかし、カタリナがシールドっぽく〈戦艦・スターライト〉を守ってくれるのでロマンがどんどんむくむくと上昇する。戦艦がシールドを張るのもまた、ロマンなんだよ。

「エステル、反撃だ!」

「いきます――『ファウ・ウール・マーゼ・スラスト』! 発射!」

それは集束砲。

溜めが必要だが、溜めれば溜めるほど威力がでかくなる〈六ツリ〉スキルだ。

先手を譲ったのはこれを溜めていたのと、相手を引き付けるのが目的だった。

射程ぎりぎりだと避けられて逃げられてしまうかもしれないが、引き付けたならばずっと射程圏内だ。逃がさない。

ドォウ! っと発射。一瞬間があり、ズドバーーーンとすさまじい衝撃音がボスの方から聞こえてきた。

すさまじい威力のスラスト砲が見事に直撃したのだ。

「直撃ですわ! HP、1割喪失を確認!」

「威力高っ!」

「あと、アイコンは〈4〉のようですわ!」

「了解だ! それなら1班、3班、6班は確定! あとは……よし10班で行こう!」

「わたくしたちですか!?」

「遠距離攻撃でがっつり削ってやってくれ!」

3班はラナやエステルのいる班、6班はカタリナたちの班、そして10班はリーナやカイリ、ノエルたちのいる班だ。

「エステル、ユニーク発動だ!」

「はい! 『戦車姫最終奥義・戦車覚醒』!」

「それじゃあバフしちゃうよ~! 『プリンセスアイドルライブ』♪」

「ノエルノエル! また私が無限宝剣を撃つわ! 『リ・エール』頂戴!」

「お任せあ~れ~♪」

そこからの戦いは、遠距離での削り合いから始まった。

エステルのユニークスキル『戦車姫最終奥義・戦車覚醒』によって、〈戦艦・スターライト〉の上からの攻撃が可能になると、がっつり攻撃を開始。

特に超長距離砲を撃てるラナ、エステル、リーナが大活躍。

結界を張れるカタリナはもちろん、10班のラクリッテの盾も大活躍だったな。

向こうの攻撃はシールドで防ぎ、こっちの砲撃は当てまくって削る。なんともロマンな戦いが幕を開けたんだ。そこから徐々にお互い近づき、白兵戦へと移行する。

「ゼフィルス殿、ユニーク切れます!」

「乗り移るぞ! 相手は戦艦にあらず! ボスの上扱いだからスキルも使えるぞ!」

エステルのユニークスキルが切れる前にボスの上に飛び移ることに成功。

これで〈乗り物〉の上ではスキルが使えない制限が解除される。

だってここ、〈乗り物〉ではなく、ボスの上だからな!

白兵戦は飛行型のゴーレムたち。

しかし、1班の俺やミジュやナキキ、10班のセレスタンたちが即対処して沈めていく。中のお宝はすべて俺たちのものだ! そして最後は。

「〈戦艦・スターライト〉に帰還するぞ! アイギス、最後は任せた!」

「お任せください! ――行きますよゼニス! 『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』!」

「クワァーーーー!!」

6班はアイギス班。

最後は竜による超巨大なブレスの直撃を受けてHPをゼロにし、〈空島侵略戦艦・デストロイシップ〉は空から墜落して消えていったのだった。

俺たち乗り込み班も〈戦艦・スターライト1号艦〉に戻ってセーフ!

大変満足いく戦いができてほくほくだったよ。

なにこのロマンしかない戦い? 最高だったんだけど!

あ、宝箱はちゃんと陸地の方に3箱出たので安心してくれ!

全て〈金箱〉だ!