第2046話 学園再開!そして学園長から重大な発表あり!?
第2046話 学園再開!そして学園長から重大な発表あり!?
9月1日。
それは人によっては週の始まりである月曜日よりも憂鬱と答える人もいるだろう。
なぜかって? 夏休みが終わり、学業が再開する日だからだ。
だが、俺にとっては新たな〈ダン活〉知識の収集ができる学業は退屈ではない。
日々新たな情報を得て俺の知識欲は潤うのだ。
ふっふっふ、ようやく授業再開の日がやってきたぜ。
「今日から夏休み明け、学業再開だな!」
「夏休みが明けるとイベント目白押しだから〈生徒会〉も大変だよ~」
ハンナから言わせれば喜ばしいことばかりではない模様。
確かに、夏休みが明ければドドドカンとイベントがたくさんだ。第三回〈転職制度〉の実施も10月に決まっている。
それが終われば11月には学園祭だ。
だが忘れてはいけない。9月にはなんと――クラス対抗戦があるのである!
まさにハンナの言う通り、イベント目白押しだ!
今日もハンナと朝食をいただき、久しぶりに学び舎である〈戦闘4号館〉へと通学する。
途中でハンナと別れて教室に向かえば、ふと窓の外に映る〈戦闘5号館〉を見て昨日の夏祭りの光景を思い出した。
「あれを見ると夏祭りとか本当にあったのか疑わしくなるよなぁ」
「あ、それ私も毎回思うよ!」
「たった一晩でよくあれだけ改造しまくった校舎を元に戻せるよね」
「お、トモヨ、シヅキ、おはよう~」
「「おはよう~」」
俺の独り言に答えが返ってきたので振り向けば、そこに居たのはトモヨとシヅキ。
珍しいところで会うなぁと朝の挨拶を交わす。
いや、ここは〈戦闘4号館〉の廊下。
シヅキは俺と同じ1組だがトモヨは惜しくも2組だった。
むしろここでしかこの組み合わせとは出会えないのだ。
「おはよう~。3人とも、こんなところで固まってるなんて珍しいね。どうしたの?」
「お、クイナダもおはよう~。いやなに、外の〈戦闘5号館〉と〈戦闘2号館〉の元通り具合を見て、昨日と一昨日の夏祭りが本当にあった出来事なのか、ちょっと疑わしく思ってしまった切ない気持ちなんだ」
「んんん?? ああ、ほんとだ! すっかり元に戻ってる! さっきゼルレカとモニカともあそこで別れたのに気が付かなかったよ!?」
ここでクイナダともバッティング。
そう、俺たちが見ていたのは――昨日の夏祭り会場、〈戦闘5号館〉と〈戦闘2号館〉だ。つまり今の2年生の校舎だな。
クイナダはすっかり元通りの校舎になってしまったそれを見て、今ようやく元夏祭り会場だったと気が付いたみたいだ。分かるよ。
そのまま和気あいあいと教室に向かう。
「はーい、トモヨちゃんは2組ね~」
「シヅキちゃん、1日だけ席交換しない!?」
「却下!」
「じゃあ1週間で良いから!」
「なにがじゃあなのさ!?」
2人は仲がいい。
1組まで付いてこようとしたトモヨをシヅキが2組へ丁寧(?)に案内していたんだ。
俺とクイナダはお先に1組入りしてみんなに挨拶を交わしていく。
「みんなおはよう!」
「おはようゼフィルス! ――?? 今日はクイナダと登校したの?」
「珍しいわね」
「あ、えっと違うんだよ? うん、シヅキちゃんとトモヨちゃんも一緒だったんだけど、2人は今2組で別れただけだから、決してゼフィルスと2人きりで登校したということじゃないんだよ?」
ラナが俺を見て真っ先に挨拶してきたが、続くクイナダを見てきょとんとしていたんだ。シエラも挨拶を省略して視線がクイナダに向くが、クイナダのやや早口の説明に息を吐いていた。
「そうだったのね。おはようゼフィルス、クイナダ」
「おはようシエラ~」
「お、おはよう~」
久しぶりの夏服シエラがまぶしい!
これがあと1ヶ月で見納めになってしまうかと思うと、なんだかスクショを取りたくなってしまう。よし、あとで交渉しよう!
「みんな、先生来たよ~」
「シヅキが最後ね。席に着きましょ」
と、ここで何とかトモヨと入れ替わらずに済んだシヅキが教室に入ってきて先生の来訪を伝えてくれたので、みんなでいい子に着席。
直後に入ってきたフィリス先生は「みなさん、夏休み明けにも関わらずだらけてなくて先生感心です」と言いながら挨拶してくれた。
ふっふっふ、当然。だらけている暇なんて俺にはない!
そのまま朝のロングホームルームが続き、学園長のありがたいお言葉が校内放送で流れる。
『ついに二学期じゃ。二学期は様々なイベントが君たちを待っておる。夏休みに修行した成果を今こそ試すときじゃ。その最初の大型イベントは――9月21日に行なわれる、クラス対抗戦! 今回は特殊なルールを計画しておる――』
なんだって! 特殊なルール!?
何ですかそれは! 新たな〈ダン活〉ですか!?
ゲーム〈ダン活〉では3年生でクラス対抗戦に特殊ルールが計画されるなんて無かったですよ!? 詳しい情報早ぉ!
『詳しい情報は後日発表を予定しておる。みな、楽しみにしておくのじゃ』
な、なんだってー!?
くぅ、俺をここまでわくわくさせておいて引っ張るなんて……!
気になる! 知りたい!
よし、学園長に何かを渡しに行くついでにちょっと聞いてみよう!
確か、〈万界ダン〉でちょうど良いものが手に入ったはずだ。あれなら学園長も……ふはは!
しかし、行動を起こす前に俺の〈 学生手帳 ( スマホ ) 〉にチャットが入った。
見てみれば、なんとそれは学園長からだったんだ。直接会って話したいことがあるとのこと。
ほほう。学園長、タイムリーですね。ちょうど俺も話してもらいたいことがあったんですよ。ふはは!
今日は夏休み明けということでこれにて解散だ。
「ゼフィルス、今日もダンジョン行くのでしょ?」
「おう! だがその前に学園長に呼ばれててな、そっちに顔出してくる。午後に集まろうぜ!」
「分かったわ。みんなには私の方から通達しておくわね」
「頼んだシエラ!」
シエラに後のことを頼んで学園長室へと向かう。
到着すれば顔パスで通されるのもいつものことだ。
クール秘書メイドのコレットさんが迎えに来てくれたので学園長室に向かう。
おっとそうだ。
「あ、そうだコレットさん。ハンナからこれを預かってきました」
「まあ! これがハンナさんが作り上げた最高傑作、まだ〈エデン店〉にも並んでない最上級ポーション――〈生命の 神玉薬 ( しんぎょくやく ) 〉ですか! わざわざ持ってきていただき、ありがとうございます。これで研究がはかどります」
「いえいえ~」
コレットさんがハンナに依頼していた最上級ポーションを納品しておく。
納品数は10本だったのに、ハンナったら400本も作っちゃったものだから俺が一部を預かっていたのだ。俺が先に会うことがあれば納品してほしいと言われていたが、どうやら俺の方が先だったらしいな。
しかしこの最上級ポーションをいったい何の研究に使うのだろう?
完成したら是非見てみたいです!
コレットさんが10本中9本を懐の収納スキルに仕舞い、1本だけ大切そうに持って、そのまま学園長室に向かったんだ。
「学園長、ゼフィルスさんがいらっしゃいました」
「うむ。入ってもらいなさい」
「失礼します!」
コレットさんが開いてくれた学園長室の扉を潜り、入室すると、そこには相変わらず白い髭をたっぷりこさえた学園長と、事務机で格闘しているカイエン先輩。そしてまるで待機しているように脇に控えるドクターシトラス先生が居た。
「よく来たのうゼフィルス君。まずは座りなさい。コレット君、お茶を」
「はい」
「ん?? ちょっと待ちなさいコレット君、その持っている瓶は……?」
「はい。ただいまゼフィルスさんからいただきました。ハンナさん特製の最上級ポーション、それも販売されていない最上位のものだそうです。これで新作作りがはかどるはずですので、安心してくださいませ学園長」
「え?」
「コレットよ、それ私の分は……!?」
「ちゃんと用意してあります。ですが、それは後で、ですね」
「そうか、そうだな。楽しみにしておくとするよ」
なんだかポーション1本で学園長が固まっちゃったんだけど、大丈夫だろうか? もっとポーションいる?
シトラス先生は待機が崩れそうになっていたけれどなんとか踏ん張って元の構えに戻ってたな。なお、カイエン先輩は激しく事務仕事を続けている。
「どうぞゼフィルスさん。私の特製茶でございます」
「ありがとうございます!」
うん。まずは一息。ずずず――美味い!
やっぱりコレットさんの入れるお茶は美味い! LV100のセレスタンのお茶とも甲乙つけがたいぜ。
「学園長もお茶のおかわりは要りますか?」
「はっ!? ごほんごほん。まだ大丈夫じゃわい。えっと、ゼフィルス君、早速話させてもらってもいいかね?」
「もちろんです!」
コレットさんが聞くと、学園長も無事再起動。良かったよ。
そして改めて咳払いで場の空気をリセットすると、学園長が真剣な表情で話し出す。
「クラス対抗戦のことじゃ。わしらはそれにとある大イベントが混ぜられないかと企画しておる。それには〈エデン〉の協力が不可欠なのじゃ」
クラス対抗戦の計画!
実は俺も、ちょうどそのことが聞きたかったんです!