第2048話 新たなクラス対抗戦のためシエラたちを説得!
第2048話 新たなクラス対抗戦のためシエラたちを説得!
早速ギルドハウスに話を持ち帰った俺は即で主要なメンバー、リーナ、シエラ、セレスタンを集めて聞いてみる。
「というわけで、学園長はアリーナのシステムを上手~~く使い、クラス対抗戦にレイドボスを投入する気だぞ! レイドボスの運用法とクラスメイトの動きが勝敗を分ける! 全く新たな〈拠点落とし〉になるぞ!」
「素晴らしいですわ。学園も思い切ったことをしますわね。レベル差があるのなら、コストとレイドボスでその差を埋め、戦力を平均化する。加えて戦術という面でもみんな同じスタートに立たせ、イーブンにするという試みかもしれませんわね」
「なるほどね。これはゼフィルスですら経験も知識もない初めての試み、誰もやったことのない〈拠点落とし〉という新たな試みで経験と知識の差を埋めようということね」
俺の熱い心のこもったセリフにリーナとシエラがクールに分析する。
学園長さすがです! 俺、学園長に超ついていきますから!
「でも、レイドボス対戦ではなく、クラスメイトも動きまわっていいのね」
「そこが勝敗を分からなくする場面だな。レイドボスはその名の通りレイドを駆使して倒す存在。クラスメイトだけでレイドボスを抑えることも可能で、クラスメイトたちでレイドボスを抑えている間に自分たちのレイドボスで拠点を落としに行かせることも可能というわけだ」
「レイドボスを支援するのか、別動隊として動かすのか。戦術面が試されますわね。これはつまり、数字の大きいクラスでもレベルは足りていないけど戦術面では優秀な人材が居る可能性を見せる、企業へのアピールの一環でもありますのね」
現在3年生のクラスは280組まで存在する。
レイドボスの運用法を見せつけることで、200組台という数字の大きなクラスでも企業に注目させることも狙いだろう。もしかすれば、カイエン先輩のように頭脳に優れる人材が眠っているかもしれない。それを発掘することも見込んでいると思われる。
素晴らしい案です学園長! カイエン先輩!
「複数のレイドボスが一斉に襲ってきたら、〈1組〉でも脅威ですわね」
「そこはレイドボスの弱点を作ることで緩和するらしいぞ」
「弱点?」
「レイドボスは連れて歩くのに必ず術者がいる。レイドボス使いだな。レイドボスは必ず術者が連れ歩き、指示を出さなければ動かない。これが弱点にもなっている」
「ということは、必ずしもレイドボスを倒す必要はないということですの?」
「リーナの言う通りだ。この召喚盤を起動するとき術者を設定するらしい。これは召喚体がやられない限り交代はできない。そして、術者を倒すとその操作している 召喚体 ( レイドボス ) まで倒れてしまうようにするらしいぞ。これにより、レイドボスが倒せないクラスでも、学生がレイドボスを倒すことが可能になるんだ」
「クラス対抗戦の花形はあくまで学生、レイドボスはあくまでおまけ、ということね」
シエラもすぐにこの意味に気が付いたようだな。
レイドボスしか頼りになる存在がいないなら、レイドボス同士の殴り合いになってしまう。それでは学生が目立つことができず、クラス対抗戦の目的である学生のアピールにならないのだ。
下手をすれば、レイドボス同士が怪獣大決戦する会場で逃げ回る学生たちという構図が出来上がりかねない。
故に、学生でも活躍の場が用意されている。
レイドボスを倒す実力が無くても弱点だけなら?
劣勢側が道を切り開き、どうにか弱点であるレイドボス使いを倒して大逆転勝利を決めたらどうよ? ――それ、最っ高に面白いじゃないか!
学園側も、よくわかっている。本当によく練られているよ!
学生側のアピールにこれ以上輝かしい場はないぜ!
そんな一発逆転なルールも組まれた新たなクラス対抗戦。
〈エデン〉が頼まれたのは、そのレイドボスの用意だ。
「ということでリーナ、シエラ、セレスタン! レイドボスの召喚盤たちを学園側に売りたい! 貸し出しよりも永久的に学園にこのバトルを継続させてあげたいんだ! どうだ?」
俺は熱い心を込めて3人を見渡す。
セレスタンは、今まで何も言葉を言っていないが、果たして?
「わたくしはもちろん構いませんわ!」
「私もよ。というより、最上級ダンジョンの召喚盤を私たちだけが使ってたら、多分誰も勝てないわよ? 学園側に渡してしまっても、問題は無いわね」
「僕もゼフィルス様に賛成です。全力でサポートをさせていただきます」
「おお!」
結論! 賛成多数で可決!
むしろ賛成しかない大可決だった!
よっしゃー!
「学園側はいくつ求めているの?」
「いくつでも、だそうだ。足りなければレイドボスじゃなくても最上級ボスの召喚盤でもいいと言ってるが、それじゃあ味気ない。しっかりみんながレイドボスを使えるように召喚盤を渡さないとな!」
「となると、アリーナが7ヵ所。使用するのが1戦8クラスですから、最低56個は召喚盤が必要になりますわね。思ったより多かったですわ。――セレスタンさん。在庫はいくつありましたか?」
「はい。まずレイドボスは各最上級ダンジョンに3種ずつ、そして〈鉱ダン〉に1種確認されており、僕たちが倒した数は全部で13種です。そして召喚盤の数ですが、〈樹界ダン〉で10・10・11で31枚。〈猫界ダン〉で2・4・7で13枚、〈聖界ダン〉で3・4・4で11枚。〈鉱ダン〉で3枚。〈万界ダン〉で1・0・1で2枚。合計で60枚ですね」
「すでにオーバーしていますわ!」
思ったよりあったな。
そりゃ周回しまくって〈金箱〉400個フィーバーとかしたもん。そりゃそのくらいあるだろうさ。ちなみに一番多いのは、11個で〈バトルウルフ(最終形態)〉の召喚盤である。どうやら狩りすぎてしまったようだ。
「〈万界ダン〉なら〈ヘカトンケイル〉などは第一アリーナでも出せるのではないの?」
「いや、あれは年に1回の特別な、召喚盤無しのレイドボス召喚だからな。クールタイムの影響で次の学園祭まで召喚できないらしい」
召喚盤無しのレイドボス召喚は各クールタイムが約3年というとんでもない要求をしてくるのだ。故に〈ヘカトンケイル〉〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が1年ごとにローテーションで学園祭に顔を出している。
また、もう1つ理由があり、召喚盤なしの方は弱体化してはいるがボス補正が入ってしまう。LV60にも至っていない学生では少人数での撃破は難しいのだ。
召喚盤ありの方はボス補正がないため、召喚盤の方が学生向き。本物よりも5分の1以下の戦力で倒せるくらいなのでちょうどいいだろう。頑張れば五段階目ツリー持ちの学生たちと他の召喚盤モンスターが協力すれば何とかなる。犠牲は出るだろうが。
「〈万界ダン〉の召喚盤だけ少ないわね。ならゼフィルス、採りに行く?」
何て素敵なお誘いだ!
〈樹界ダン〉〈猫界ダン〉〈聖界ダン〉〈鉱ダン〉では、〈金箱〉400個周回というとんでもなく狩りまくった時代もあり、召喚盤は豊富にゲットしてあるが、〈万界ダン〉はセレスタンが言ったように2枚、しかも〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉に至ってはゼロ枚だ。
そこ重要なところだぜ?
これは採りに行くしかあるまい!
「決まりだ! 今日の午後は〈万界ダン〉にレイドボス周回しに行くぞ!」
おっとその前に学園長にオーケーの返事を出さないと!