第2053話 グラジオラとテルニアの育成度を刮目して見よ
第2053話 グラジオラとテルニアの育成度を刮目して見よ
前書き失礼いたします。
前話に、【登場人物紹介】簡易版――〈エデン〉の仲間100人+4体!
を公開しました。
名前と 職業 ( ジョブ ) がピンと来なかったら、こちらを覗いてみてください。
また、本章は終わったタイミングで四十七章の頭にこちらの話を移動する予定です。
これからも〈ダン活〉を楽しんでいってください!
では、本編をどうぞ!
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その日は一気に 上級中位 ( ジョーチュー ) のランク2、〈 守氷 ( しゅひょう ) ダン〉を攻略しに行った。
放課後だったけど。ここはオープンフィールドがデフォの上級ダンジョンにあるまじき迷路なダンジョンなので、結構時間が掛かるからな。〈スターライト〉を起動させたんだ。
「行くぞエステル! 〈スターライト〉で一気に駆け抜ける!」
「はい! お任せくださいゼフィルス殿!」
「きゃー!?」
「室内を50メートル級の艦で駆け抜けちゃダメーーー!?」
まだ常識というものが残っている〈エースシャングリラ〉の多くが悲鳴を上げているな。
半分以上が黄色なのできっと大丈夫だ。
テルニアの的確なツッコミが素晴らしい。さすがはレイテルの妹さんだよ! 輝いてる!
〈 守氷 ( しゅひょう ) ダン〉の内部はエリアボスと戦えるほどかなり道幅が広いため。頑張れば〈スターライト〉でも駆け抜けることが可能だ。
「エステルさん、次を右ですわ!」
「モ、モンスターの群れが2つ、10体居ます」
「轢いて蹴散らします!」
爆走中のエステルに的確にナビするリーナがさすがだな。
ユナも頑張って〈竜の箱庭〉を見ながら情報を伝えようとしているな、食らいついている。頑張ってほしい。
「これ絶対勉強どころじゃないよね。教えること、できるかなぁ」
「い、勢いがすごく速すぎて~、相談する前に片付いてます~」
カイリとキャロルはすでにやることが無くて少しでも情報を得ようと同じく〈竜の箱庭〉を眺め中だった。
エステルの操縦がマジ神。
「ふう。50層の階層門、到着です」
「ボス戦の時間よ! さあ、私についてきなさい!」
「パメラ、ラナ様の護衛を頼みましたよ!」
「まっかせるデース!」
「ルルにも任せるのです!」
「ははは! ではアタッカーとしてこのグラジオラが参戦させていただきますぞ! ご教授お願いしますぞ!」
「タ、タンクとしてこのテルニアも参加させていただきます!」
「頑張れテルニア」
「応援してます~!」
50層の守護型ボスは〈 氷生 ( ひょうしょう ) 王子大鬼 ( プリンスオーガ ) ・グランキー〉。
それに対して、〈エデン〉組からはヒーラーのラナと、アタッカー&避けタンクでパメラ、そしてサブタンクもできるダメージディーラーのルルが参戦。
〈エースシャングリラ〉からは【憤怒】のグラジオラと【国守護の盾姫】のテルニアの5人パーティだ。5人パーティとか、超久しぶりに感じるぜ。ここは最上級ダンジョンではない、上級ダンジョンなんだ!
また、〈 守氷 ( しゅひょう ) ダン〉50層ボスと言えば、レアイベントボスの〈 氷生 ( ひょうしょう ) 大鬼 ( オーガ ) ・グラスグランキ〉が思い浮かぶだろうが、今回そっちはスルー。
守護型ボスである鬼の王子、〈グランキー〉を突破するだけとした。
なお、このボスは〈グラスグランキ〉とレアボスの〈ナダレグランキ〉の子どもでは? とか〈ダン活〉プレイヤーから囁かれていたっけ。確かに似ている。
「テルニア、強くなったあなたの力、見せてみなさい」
「はいシエラ先輩!」
テルニアはシエラと同じ【盾姫】系列。
一度はシエラと同じ【 操聖 ( そうせい ) の盾姫】に行くことを考えたテルニアだったが、俺的にはもう1つの【 国守護 ( こくしゅご ) の盾姫】の先駆者が欲しかった関係で勧め、了承して就いてもらった経緯がある。
【盾姫】は公式 最強職業 ( トップオブジョブ ) ランキング第六位だ。
上級職はどちらに行っても強くできると、その育成方法を広めたかった形。
テルニアは見事にそれに応えてくれていて、〈エースシャングリラ〉の中でもすでにかなり強力な人材として頭角を現しているとのことだ。その実力が、今確認できるな。
「『オーラポイント』!」
「シエラのスキルね! なんだか不思議な気分だわ! 『守護の大加護』! 『耐魔の大加護』!」
ちなみにラナがテルニアのパーティに入っているのもそういう理由だ。
ラナは【 盾姫 ( シエラ ) 】とのパーティ経験が豊富なのでヒーラーとしてばっちり活躍してくれるだろう。
「ブオオオオオオオ!!」
「いきます。ユニークスキル――『 絶対守護領域 ( ぜったいしゅごりょういき ) の 盾姫 ( たてひめ ) 国守城 ( こくしゅじょう ) 』!」
ドーン。
瞬間、ヴァンのユニークスキルの第二拠点よりも大きい立派な城塞がテルニアの背後に現れた。
これが【国守護の盾姫】のユニークスキル。
上級職になった瞬間から 使用可能 ( アクティベート ) にできるスキルで、後方に巨大な城壁を召喚できる。
それだけだったらヴァンのユニークスキルと変わらないが、ヴァンの場合自分を含めて城塞に居ながら強化していくのに対し、【国守護の盾姫】は後衛を守るために配置し、自分は前に打って出る、完全なサポート用の城壁として召喚する。
この城塞自体がモンスターたちを引き寄せる挑発スキルを発しており、時々モンスターが城壁を攻撃してしまうのだ。
そうすると、【国守護の盾姫】がフリーになる。
【国守護の盾姫】はその間にポーションを補給しMPを回復することもできるため、安定度がすさまじく長期戦に非常に向いている 職業 ( ジョブ ) だ。
もちろん城のHPを回復したり、新たに防壁を召喚して城の防衛能力を上げることも可能。自分は前に居てそもそも城に寄せ付けず、城が背にあるだけでパッシブスキルによりパワーアップできる。
その昔、シエラの曾祖母さんがこのスキルでスタンピードを受け止めたという話が残っているが、まさに超長期戦にも耐えられる強 職業 ( ジョブ ) である。
「ブオオオオオオオ!!」
「城を攻撃してきたわ!」
「はいこっち見てね! 『完全魅了盾』!」
「ブオオオオオオオ!?」
「『フルディフェンス』!」
おお!
テルニアをスルーしようとした〈グランキー〉に『完全魅了盾』を当てたと思ったら、次に発動したあれは俺の『ディフェンス』の強化版!
盾を光らせ、巨大な幻影の盾で棍棒の一撃を受け止め、そのまま弾き飛ばした。
防御勝ちだな。このチャンスを逃さず、ルルとパメラ、そしてグラジオラが背後から追撃を敢行する。
「とう! 『エネルギーチャージ』で溜めまくった一撃が今、火を噴くのです! 『神世界インフィニティ』なのです!」
「『大忍法・分身百花繚乱』デース! ここで分身たちによる『くノ一流・ 桜雨 ( さくらあめ ) 』デース!」
「燃えよ火よ! 我が拳に魂込めよ! 『ソウルラース・バスター・バスター』!」
ああっと! ここでルルの容赦ない『エネルギーチャージ』済みの〈六ツリ〉必殺技、『神世界インフィニティ』が突き刺さったー! 見間違いじゃなければ一撃で4割弱もHPが減ってる! ルル、ちょっと強すぎだよ!
パメラはまだ手加減を覚えていたようで、3体しか召喚できていない分身を集めての〈六ツリ〉斬撃スキルで1割強のダメージを与えていたな。
あれ? でもおかしいな。この時点でボスのHPが残り半分しかないんだけど?
ここで【憤怒】のグラジオラが〈五ツリ〉を発動だな。
名前から距離が近ければ近いほど威力が大きく増す中距離攻撃の『バスター』系スキルだろうと予想が付くだろうが、名前が『バスター・バスター』だ。
そう、これは2連撃。
燃える右拳で一撃を穿った瞬間、すかさず燃える左拳の一撃も突き刺さり、ドガンドガンする。超強力なバスター系だ! すさまじくかっこいい。
なお、ダメージは0.8割ほど。うむ! まだ変身してないからな!
「ははは! 先輩方の攻撃力がすさまじいですぞ! これは変身している間に終わってしまいますかな?」
「大丈夫よ! 少し待ってあげるからグラジオラは変身してアタックしなさい! ゼフィルスたちに成果を見せなくてどうするの!」
「おっしゃる通りですな! ではこのグラジオラ、参らせていただきますぞ! 『超進化』!」
ラナがチャンスに宝剣も撃たずに耐えた!
どうやらグラジオラに活躍するチャンスを与える気のようだ。
グラジオラもやる気になってまず第一段階の【獣装者】のユニークスキル、『超進化』を発動したな。ただでさえ2メートル近かった身長がさらに伸び、なんと2メートル半に成長。さらに体がクマ化し、顔以外がフッサフサのもっふもふに大変身した。
「変身中の守りは任せて! 『シャインオールシールド』!」
「では続けていきますぞ! 『ラース』! はあああああああああ!!」
【憤怒】の強力な自己バフスキル『ラース』。
これはモンスターでもないはずなのに怒りモードになれるスキルだ。
最高で攻撃力が3倍、素早さが2倍になる。
これを使っておくと、次の進化で重複した強化が使えるのだ。
「ユニークスキル――『ラース・ド・ドラゴン』!」
【憤怒】のユニークスキルキターーーーー!!!!
首にあるタリスマン〈 怒竜 ( いかりゅう ) 変身札〉が光り、グラジオラの姿も呼応するように光ってついに3メートルを軽く突破!
その姿は――クマドラゴン。
クマなの? ドラゴンなの? と聞かれても、人だよ。と答え難い姿にまで大変身。
ベースはクマだが、背にはドラゴンの翼。
尻尾も長く、ドラゴン特有の鱗のある尻尾が3メートルは伸びていた。
頭部には2つのトサカにも似た角やちょっとした鱗もあってドラゴンっぽい要素が加わっている。
なお、装備は破けていないので、装備を着たクマベースのドラゴンといった感じの変身を遂げているな。
そして、顔が大変迫力がある。怒りモードだもんね。
「いくぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「ばっちこーい!」
グラジオラの叫びに、ガツンとボスの攻撃を受け止めたテルニアがイエスする。
瞬間、側面からズドンとグラジオラがボスにぶちかましを叩き込み、そのまま拳の連打を叩き込んだのだ。
「『ラースドラゴンクラッシャー』!」
「ブオオオオオオオ!?」
スキル発動。
どう考えてもドラゴンがドラゴン特効使っているような名前で本当にいいのかと心配な一撃が、〈グランキー〉に突き刺さる。
おお! HPの1.2割を削った! すさまじい威力だ! 手加減していたとはいえパメラと同じくらいの威力出してるぞ!
「あ、これヘイトすぐ抜かれちゃう! 『完全魅了盾』!」
「ブオオオオオオオ!!」
ダメージ入りすぎてヘイトが不安なテルニアが『完全魅了盾』を使って気を引いたので安心。
〈グランキー〉の目には、もうテルニアしか入ってない。
強力な拳の猛攻が入ってもお構いなし。残りHPは2割。
ここでグラジオラの拳が真っ赤に燃える。
「燃えよ火よぉぉ! 我が拳に魂込めよぉぉ! 『ソウルラース・バスター・バスター』ぁぁぁぁぁ!!!!」
ズドン! ズッドン!!
気合と怒りの入った二撃が炸裂する。
超強力な攻撃が刺さったな。その瞬間、ボスのHPがゼロになる。
全部削り切ったか!
「グ、グオオ、オオオ……」
「勝ちましたぞーーーーー!」
「いえーい! やったねグラジオラ君!」
ちょうど時間経過したようで元に戻るグラジオラ。
こりゃ勝ち鬨を上げないとな!
「ナイス、グラジオラ! しっかり見てたぜ!」
「ははは! お恥ずかしい限りですが、攻撃力に関してはだいぶ力が付いてきましたぞ!」
「みたいだな! ――テルニアも防御、見事だったぜ!」
「いえーい! シエラ先輩から叩き込まれた成果、存分に出し切ったよー!」
こっちも見事。
まだまだ見れていない部分は多いが、上級職になってからまだ日が浅いにしてはかなり使いこなせていた。
いいぞ! いいね! 俺はグラジオラとテルニアをこの後たくさん褒めたんだ。