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第2058話 上級上位ダンジョンの前にみんなの装備更新だ

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2058話 上級上位ダンジョンの前にみんなの装備更新だ

「さあ〈エースシャングリラ〉のみんな! 今日から楽しい楽しい、超楽しい上級上位ダンジョンの攻略が始まるぞ!」

「ゼフィルス先輩のテンションが上がっちゃってるんですけど!」

「言ってることもおかしいよー!? 上級上位ダンジョンってそんな楽しいところじゃなかったってお姉ちゃんに聞いたもん!」

ダンジョン週間3日目、ここは〈エースシャングリラ〉のギルドハウス。

俺のテンション高らかな宣言にミツルとテルニアが仲良くツッコむ。もう〈エースシャングリラ〉のツッコミコンビだな。2人は俺が育てた! ふはは!

「ははは! 豪快、豪快! このグラジオラの力が入用でしたらいつでも言ってほしいですぞ!」

「クラの力も欲しかったらいつでも言ってください!!」

「頼もしいな!」

「熊人」のグラジオラとクラが自分の名を強調しながら協力を宣言していた。やる気満々だぜ!

「それでそれで! 〈エデン〉ギルドマスターゼフィルス先輩! いったいどのダンジョンに行くの!?」

「良い質問だ〈エースシャングリラ〉のギルドマスターソア! 今回の目的はLV60! 六段階目ツリーの開放だ! そのためには、レベルキャップがLV60まであるランク4以上のダンジョンが望ましい! ということで今日はランク4の〈巣多の樹海ダンジョン〉、通称〈スタダン〉に行くぞ!」

「そこ別名スタンピードダンジョンって呼ばれているところだよね!?」

「僕はAランクギルドやSランクギルドが必ず攻略している登竜門であると聞きました!」

「よく知ってるな2人とも! 合ってるぜ!」

「「ええええええええ!?」」

もうこの数日でテルニアとミツルも息ぴったりになりつつあるな!

最初に質問してくれたソアも良いノリだった! なんかツッコむミツルを見てニコニコしてるもん。なんだか、新しい弟のいじり方を見つけてしまったお姉ちゃん、みたいな雰囲気を感じる。なんか間違ってなさそう。

少しだけ説明に付け加える。

「ここはレベル上げに最適なダンジョンでな。テルニアの言う通り別名スタンピードダンジョンと呼ばれるほどモンスターの襲撃が多い、物量型のダンジョンだ。少し前までAランクギルドやSランクギルド、そして公式ギルドが六段階目ツリー開放までのレベル上げとして使っていたところだったが、ようやく一段落したみたいで空いたんだ」

「そんな軽いノリで!?」

「つまり、空いたからここでレベル上げしようってことですか!?」

「その通りだ! ランク5はホラー系の砂漠だし、ランク6は雪山だからな。環境的にレベル上げの効率が悪い。やっぱりLV60に上げるんだったらランク4が一番適してる、と俺はおすすめしてるんだ!」

「く、雲の上の会話すぎるんだよ!」

「上級上位ダンジョンを突破しているギルドは、言うことが違いすぎますー!」

ふふふ、そんな褒めるな。照れるではないか。もっと褒めて良いぞ! ふはは!

「はい、ゼフィルス先輩に意見があります」

「はいフェンラ! 意見を許す」

「! ありがとうございます。その、そろそろ装備の更新が必要かと思いまして」

「そうだな。実はそこも考えていた」

「「「「おお!」」」」

元〈エデン店〉従業員組1年生リーダーフェンラの言葉に、俺はその言葉を待っていたと言わんばかりにニヤりとしながら頷いた。

瞬間歓声が上がったな。

みんな、上級上位ダンジョンと聞いて装備に不安を覚えていた様子だ。

無理もない。夏休み前は上級下位ダンジョンを攻略していたし、約2ヶ月で上級上位にまで上がれば装備に不安を覚えるのも当たり前だ。

もちろん、俺はその辺しっかり分かっていたのでみんなの装備を用意している。

「実はな、アルルやマリー先輩の後輩たちが六段階目ツリーをどんどん突破してきていてな。その装備がこっちに回ってきているんだ。みんなには、それを装備してみてほしい」

「! 六段階目ツリー開放者の生産職ですか!」

そう、アルルやマリー先輩がLVカンストして、今までレベル上げのために使いまくっていたボス素材を後輩たちに回せるようになった。

そのおかげで、だいぶ後輩が育ってきているのだ。

みんなにはLV60を超えたくらい、と思わせておくが、実際は70、80近い生産職の品もいくつか混じっている。

「上級上位ダンジョンのレアボスや徘徊型ボスを倒せば、最上級ダンジョンのドロップが出る可能性がある。故に、装備は最上級の〈金箱〉産までを用意したぞ」

「「「最上級の〈金箱〉産!」」」

「汎用装備だからそこまで強くはないけどな。よし、セレスタン、居るか?」

「ここに」

「うわ!」

「いったいどこから出てきたの!?」

ふふふ、セレスタンの神出鬼没さは俺でも分からない。

テルニアたちが分かってしまったら俺の立場が無いのでいつまでも分からないでいてほしいなぁ。

「〈エースシャングリラ〉のみんな用に用意していた装備たちをそろそろ渡したくてな。持ってきてもらえるか?」

「こんなこともあろうかと、すでに持ってきております」

「こんなこともあろうかと!?」

「すでに想定済みですか!?」

セレスタンが恭しく取り出した〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉を受け取る。

本当に、セレスタンがどんだけ想定しているのか、とても気になります。

あと、サーシャとカグヤが居ないとマジでテルニアとミツルが頼りだな。良いツッコミだったぜ。

「それじゃあフェンラ、装備を広げるのを手伝ってくれ」

「あ、はい! お手伝いさせていただきます。クラ、マルティ、チナノ、マユ、メナ。―――仕事です」

「「「「「アイマム!」」」」」

さすがは元本職。

元〈エデン店〉従業員組の6人が〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉の中身から効率的にテキパキと装備を取り出しては並べていく光景は中々に圧巻だ。マリー先輩のところの従業員にも負けず劣らず、セレスタンもテーブルをいくつか出してくれて、あっという間に装備の展示会場、あるいは高級店みたいな配置で並べられた装備たちがお披露目されたんだ。

「ゼフィルス先輩、完了いたしました」

「ありがとなフェンラ、クラ、マルティ、チナノ、マユ、メナ」

お礼を言うと満更でない顔の従業員組。久しぶりに元本業なことをして楽しかったらしい。

「これが、汎用系の最上級装備なんね……!」

「すさまじいのぅ。こ、この両手盾、防御力が600を超えとるんじゃが? どうだ?」

「最上級ではこの数値が普通なんねサンダダ。うちもビビるんね」

「こ、この刀は……! 攻撃力777! 縁起がいいです。是非これを!」

「ユナ、ユナ、即決しすぎです! もっと見るべきところがあると思いますから! ゾロ目で決めちゃうのはアウトだと思います!」

「10日前に装備更新したばかりなのに、こっちの方がだいぶ強いよ……ぴえん!」

うむうむ、みんな超はしゃいで装備を見つめているな。

これは〈エースシャングリラ〉用とは思ったが、個人に対して作ったわけではないので種類はすさまじく多い。この中から好きな装備を選んでくれというスタイルだ。

「うおおおおおおおおおおお!」

「やっべマショウが超装備に囲まれすぎて超興奮状態になってんぞ!」

「抑えろマショウ! 俺の邪竜のように心の中に竜を飼うんだ!」

「欲しい! あれも欲しい! これも欲しい! どれもみんな、すべて欲しいぞーーーーー!」

「お、落ち着けーーーーーー!!」

お?

騎士男子たちのところが騒がしい。

1人がテンション上がっちゃってんな。あれは、確か【完全装甲魔装騎将】に就くマショウだ。

装備コレクターで、強力な装備類が大好きという、俺やニーコと中々に話の合う男騎士である。

「おう、マショウよ。テンションが上がっちまうのは分かるが、少し落ち着け。装備は逃げんぞ!」

「ゼフィルス先輩! すげぇです! 信じられないくらいの超装備です! これでただの〈金箱〉産だなんて最上級が 魔性 ( ましょう ) すぎます! ちなみに、〈エデン〉からのおさがりなどは入っているのでしょうか??」

「ほう、気になるか? 無いぞ」

「ぐはあああああああああ!?」

「マショウが膝から崩れ落ちた!」

「これでちょっとは落ち着くだろうさ」

「ゼフィルス先輩、助太刀感謝いたします!」

「おう!」

ここに並ぶ装備よりも〈エデン〉のおさがりの方を欲しがるとはマショウらしい。確かに〈エデン〉が着ていた装備なら強いと思うだろう。分かるよ。

だが、さっきも言ったようにここにあるのはアルルの後輩、最近時間があるときにアルルが指導しているCランクギルド〈ドワーフの集い〉のドワーフたちが丹精込めて作った品々のみだ。故におさがりは置いてない。

まあ、基本的に〈エデン〉のメンバーは自分が使い込んだ装備はそのまま購入して引き取るから、そもそも使い古しなんてないんだけどな。

残念無念からテンションが落ち着いたマショウを他の3人に任せ、俺は他のメンバーのところにも回って意見を聞いていったんだ。

そして装備を試着してもらったり、素振りしてみたりと試してもらい、なんとか午前中にはみんなの武器、防具などが決まったのだった。

あ、ちなみにこれらは貸与品だ。でもマショウよ、これ以上を求めるなら購入な?

その金額を見て再び膝を突くマショウに深くうなずき、俺は〈スタダン〉の説明に入るのだった。