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第2061話 学園長たち戦慄!これが〈神秘の蘇生茶〉威力

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2061話 学園長たち戦慄!これが〈神秘の蘇生茶〉威力

ここは学園長室。クラス対抗戦も翌日に迫り、ここもまた慌ただしく準備に奔走していた。

「カイエン君、どのくらい進んでおるかね?」

「ゼフィルスさんたちの協力のおかげもあり現在76%ほどです。あとの作業はほとんどが消灯後の深夜作業になりますね。新たなルールブックの発行も順調です(はぁ~。何とかここまでこぎつけた。間に合って良かった。マジ良かった~)」

「ご苦労様じゃカイエン君。よくここまで進めてくれたのう。カイエン君が居なければ、とてもではないが間に合わなかったじゃろう」

「学園長も別件でお忙しそうでしたからね(別件の大体が〈エデン〉がらみだけどね! レイドボスを含む大量のボスを召喚する根回しもあったけど、〈万界ダン〉攻略しちゃった〈エデン〉の話題が未だに尾を引いてるし)」

「うむ。じゃが、〈エデン〉も付き合い方次第じゃ。時代はすでに大きく変わっている。クラス対抗戦などのルールも、時代に合わせて更新してかなければならん」

「御立派です学園長(以前のルールのまま〈エデン〉メンバーを普通に参加させたらとんでもないことになるだろうしね。というか2年生の時点で最強だったし。SSランク戦でうちのギルド負けたしな)」

「〈エデン〉の力は今後の学園に必要不可欠じゃ、カイエン君もこのことを肝に命じて――」

――コンコンコン。

学園長がカイエン先輩を労い、次代の学園を支える人材として様々な薫陶を授けようとする。しかし、話の途中で学園長室の扉がノックされ、コレットが入ってきた。

またクラス対抗戦準備の報告かな? 学園長はそうのんきに考えた。

最近〈エデン〉が最上級ダンジョンに潜ってなくておとなしいので、気が緩んでいたともいう。だが、そんな気持ちはコレットの報告で吹き飛んでいってしまうのだった。

「〈エデン〉が下部 組織 ( ギルド ) の〈エースシャングリラ〉にパワーキャリーを施したようで、本日最上級ダンジョンに潜っていったそうです」

「ほ?」

おかしいな。意味がよく理解できなかったぞ?

学園長は首をかしげる。

なお、カイエンはすでにお腹に手を当てていた。早い。

「〈エースシャングリラ〉が……すまぬ、コレット君。よく聞き取れなかったようじゃ。もう一度言ってもらえぬかの?」

「はい。〈エースシャングリラ〉が〈エデン〉の力添えを受け、上級上位ダンジョンに進出。そのまま六段階目ツリーを開放し、上級上位ダンジョンもいつの間にか5か所攻略を終え、本日最上級ダンジョンに潜り始めました」

「…………ほ、ほほほほほ!」

「ああ学園長お茶ですね? 任せてください。こんなこともあろうかと、報告と一緒に〈神秘の蘇生茶〉もお持ちいたしました!」

「あっつぁ!?」

理解して思わず笑いが出ちゃった学園長。

即で流れるようにお茶を用意したコレットに現実へ戻される。

「お、お見事」

カイエンも思わずつぶやいてしまう素早く正確な所作。これぞメイド 秘書道 ( ひしょどう ) だ。

「ひぃひぃ。この最初は熱かったのに火傷もせず、それどころか急激に体調が整っていくこの感覚が未だ慣れんのじゃが」

「これであと10年は現役で戦えますね。大丈夫です。私が10年は戦わせてみせますから」

「儂を楽にしてくれる道は無いのかのう??」

学園長がつぶらな瞳でコレットを見つめている気がしたが、コレットは気のせいということにして片付けた。

どうやら学園長はコレットによってあと10年は戦う運命らしい。

「それはそうと学園長。〈エデン〉が動いたそうです」

「待つのじゃコレット君。〈エースシャングリラ〉が最上級ダンジョンに入ダンしたと言ったのかのう? え? 〈エースシャングリラ〉はまだ発足から半年も経っていないんじゃが? というか〈エースシャングリラ〉には1年生も居なかったかのう?」

「その認識で合っております学園長。半数以上が1年生ですね。つまり、1年生が六段階目ツリーを開放してクラス対抗戦で大暴れします」

「かひゅ―――!? んんん!? 意識が飛ば、ない!?」

「それが〈神秘の蘇生茶〉の力です。しばらく意識は飛べなくなりますよ」

「な、なんじゃと!?」

秘技、 現実逃避 ( 気絶 ) が封じられ驚愕に目を見開く学園長。

現実からは逃れられない究極のお茶が、ついに完成してしまったのだ。

学園長は震えた。

「カイエンさんもどうぞ。とても効きますよ」

そう差し出すコレットの視線はカイエンのお腹に向いている。

「え? あ、はい。いただきます(これ本当に大丈夫なお茶!? 健康にするはずなのに全然大丈夫じゃないお茶にしか見えないんだけど!? ええいままよ――!)」

「どうですかカイエンさん?」

「とても効きました(胃のストレスが、消えた!? やべぇお茶だぞこれ!)」

コレットはにっこりした。

苦労して開発した蘇生茶は、すさまじい効果を発揮した。

なお、これは世に出しちゃってもいいのか、ダメなんじゃない? と学園長とカイエンが戦慄しているのは秘密だ。

学園長とカイエンが見事にお茶漬けにされた瞬間である。

「それで学園長。〈エースシャングリラ〉の件はどうしましょう? クラス対抗戦1年生の部がピンチです」

「うぐっ……! ええい今から再調整じゃ! カイエン君、もうひと頑張りじゃぞ!」

「りょ、了解しました!(やべぇ。お茶飲んでから体調がすこぶる良いんだけど! これならなんとかなりそう!)」

学園長室は今日も戦場だ。

◇

ダンジョン週間最終日、クラス対抗戦を明日に控え、俺たちは今、最上級ダンジョンに来ていた!

「な、なんで僕たちは最上級ダンジョンに入ダンしちゃったりしているのでしょうか!?」

「いやぁ、せっかくだから〈エデン〉が居る間に最上級ダンジョンに慣れておいた方がいいだろ?」

「確かにそうだね! ――もうミツル君ってばビビりすぎだよ~」

そう言ってミツルのほっぺをツンツンするソア。ミツルはされるがままの30%くらい放心状態だった。

そう、俺たちは現在最上級ダンジョンのランク1、〈樹界ダン〉へと入ダンしていた。

〈エデン〉メンバーは20人。〈エースシャングリラ〉メンバーは30人。計50人での入ダンだ。

ぶっちゃけ上級上位ダンジョンより最上級ダンジョンの方に慣れてもらった方が吉。なにせ強くなれるし攻略階層も進むよ!

「ユナ、ユナ、どうしよどうしよ! 〈エデン〉以外だと公式ギルドくらいしか入ダンした者がいない、学生ではむしろ〈エデン〉以外に入ダンしたものは皆無な最上級ダンジョンに、私たち、来ちゃったよ!」

「落ち着きましょうミアハ。まずは冷静に。私もびっくりしていますがこんな時にこそ冷静さを忘れてはいけません」

「1年生でここまで来たの、たぶん私たちが初めてだよね? ……よし、お菓子を食べよう」

「あらあら~、さすがのエミメナちゃんも緊張していますね。私からもチョコボーあげますね~」

最上級ダンジョンは〈エデン〉以外だと学生皆無。

それはつまり、迷宮学園・本校の学生をほぼ全員追い抜いてしまったということに他ならない。おかげで〈エースシャングリラ〉のみんなは地に足がつかないみたいな状態になっていた。

のんびり口調でエミメナを餌付けしているキャロルも、手が若干震えているもん。

「誰か来ますわ! こっちに単独で向かってきていますわよ」

とここでリーナから連絡が入る。

「た、単独!?」

「こ、この最上級ダンジョンで!?」

女子メンバーから驚愕の声が聞こえる。だが、俺は最上級ダンジョンでも 単独 ( ソロ ) で動ける者を知っている。

もしかしなくても、あの人しかいないな。そう思っていると、すぐに人影が見えてきた。

「ん、あれはまさか、ゼフィルスか!」

「やっぱりアーロン先輩だ! 久しぶりだな!」

そこに居たのは大きなウルフにまたがった筋肉ムキムキのハンター。

学園公式ギルドの1つ、〈ハンター委員会〉の総隊長、アーロン先輩だった。

「 単独 ( ソロ ) って聞いたからおそらくそうじゃないかと思ってたよ。最上級ダンジョン入ダンおめでとう!」

「ははは! おかげさまでな! こっちも公式ギルド以外のメンバーが1層に居るのを感じてな。注意喚起がてらちょっと見に来たんだが、〈エデン〉かよ!」

そう、挨拶と言葉を交わしてグッと握手する俺とアーロン先輩。

こうして1対1で話すのはずいぶん久しぶりだ。

この前の金曜日の授業では先生と生徒だったからな。ちなみに俺が先生だ。

そうこうしていると、後続の〈ハンター委員会〉が続々とやってくる。

「お、ダンカン先輩たちだ! ヨウカ先輩にホシ先輩、ガロウザス先輩にカリン先輩もいる!」

「ん、ミューにリャアナも」

「おや、ゼフィルスのところだったのじゃ。久しぶりじゃのう!」

「ヨウカ先輩も久しぶりだな! 元気そうで何よりだぜ!」

豪華な顔ぶれに乾杯!

【嫉妬】のホシ先輩に【暴食】のロデン先輩など、さすがは最上級ダンジョンを攻略中の精鋭メンバーが揃ってるな。

「ほへ~」

「最上級ダンジョンともなるとメンツがすごいですね……」

ソアがほへり、ミツルが顔を少し引きつらせているように見える。

これから紹介しようと思うんだけど、大丈夫かなギルドマスター?