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第2062話 〈ハンター委員会〉と遭遇。受け継がれる大剣

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2062話 〈ハンター委員会〉と遭遇。受け継がれる大剣

「というかゼフィルスよ。またメンバーが増えて……いや変わってないか?」

「こっちはうちの下部 組織 ( ギルド ) 、〈エースシャングリラ〉のメンバーなんだよ。今日は最上級ダンジョンの体験で初入ダンしてもらっていたところだ」

「か? 下部 組織 ( ギルド ) だとー!?」

俺の言葉にアーロン先輩が度肝を抜かれたみたいに驚愕し、他のメンバーもざわめいていた。

――よし、今だ。

「紹介しよう、〈エデン〉の下部 組織 ( ギルド ) 、〈エースシャングリラ〉のギルドマスターのソア、サブマスターのミツルだ」

「よろしくお願いしまーす!」

「よ、よしゅく!」

うむ。ソアは物怖じしないので元気があって大変よろしい!

ミツルは、なんかショタが元気を振り絞ったけどダメでした、みたいな感じになってる。きっと「よろしくお願いします」と言いたかったのだろう。

「なに!? そっちの熊人の彼じゃなくこっちがギルドマスターとサブマスターか!」

アーロン先輩とミツルたちは初対面。

視線がグラジオラの方にいっていたアーロン先輩は、実はロリとショタが代表と知ってまたも驚いていた。確かに、というかグラジオラのオーラが強すぎるんだよ。さすがは【憤怒】だ。

ほら、ミツルも頑張らないと!

「兄」

「おおっと、すまんかったな。色々ツッコミたいことは満載だがとりあえずは自己紹介だ。俺は〈ハンター委員会〉の総隊長をやってる。アーロンだ。よろしくな!」

ミューの一言でアーロン先輩が冷静さを取り戻していた。ミューやるなぁ。

アーロン先輩はいつもの男らしい勇ましい顔つきでニカっと笑って自己紹介。

う~ん。グラジオラと話が合いそう~。

一先ずメンバーが多いので代表のみの挨拶だ。

その後はちょっとした交流。

「ミュー」

「カルア」

同じ2組所属の仲良しなカルアとミューが両手を合わせてハイタッチ? していた。良きかな。

いつの間にか同級生まで最上級ダンジョンに入ダンしている光景を見て、カルアがテンション上がっている様子だ。しかし、

「〈ハンター委員会〉はこれで全員か? 20人程度しかいないみたいだが?」

「いや、最上級ダンジョンに潜れるほどの人材なんてそんないてたまるかっての。〈エデン〉は多すぎんだよ! これでもここまでの人数になるにはかなり大変だったんだぞ?」

「や、やっぱり……! ゼフィルス先輩、六段階目ツリーのスキルなら連打してれば上級上位ダンジョンのボスだって勝てるって言ってたのに、勝てないよね!?」

「やっぱりゼフィルス先輩済みの基準だったんだ!」

アーロン先輩のツッコミにテルニアとミツルがやっぱりという顔をして俺を見ている気がする。いや、きっと気のせいだな。

「でも上級上位ダンジョンの攻略者の証はだいぶ集まってきてるよ~。この調子なら1か月後には50人いけそうな感じかな?」

「お、カリン先輩! 久しぶりだな! というか、そうか、〈ハンター委員会〉でもまだ入ダンできる人数が少ないんだな~」

カリン先輩も加わって、話が弾む。

「これでもカリンたちが持ち込んだ〈ピュイチ〉のおかげでだいぶ攻略が進んだんだけどな。それでも 上級上位 ( ジョウジョウ ) のボスが強ぇ。突破できないやつが未だに多いんだ。なのに〈エデン〉はちょっと見ない間に下部 組織 ( ギルド ) 30人が突破ってどういうことだ??」

カリン先輩は元〈集え・テイマーサモナー〉のギルドマスター。

〈ピュイチ〉系統のモンスターを使い、騎乗して素早くダンジョンを攻略する方法を確立した才女だ。もちろん、後ろにいるエイリン先輩も一緒にな。

〈ピュイチ〉は〈ハンター委員会〉でも採用されているらしく、今でも何騎もの〈ピュイチ〉が連れられているな。

「俺たち、LV100だからな!」

「くぁ~! 言い切りやがって! 分かってたがよ!」

パワーレベリングの質もだいぶ違うのだ。LV100という圧倒的な実力者が居れば、攻略は確約。あとはどれだけ時短できるかの話になってくる。

〈ハンター委員会〉は、まだ上級上位ダンジョンのランク9最奥ボスや、ランク8の最奥ボスの突破が安定しないらしい。

「それでアーロン先輩たちは最上級ダンジョンでレベル上げか?」

「それもあるな。だが実際はそっちと同じだ」

「体験中か!」

「おう。俺たちも最上級ダンジョンは入れたのは最近なんだ。今はみんなで最上級ダンジョンに慣れているところだよ。今日初入ダンしたやつもいるしな」

そう言ってアーロン先輩が見るのはミューやリャアナのグループ。

なるほど。それで1層でばったり会ったわけだ。

「ちなみに、今一番進んでいる〈攻略先生委員会〉でもまだ20層辺りだからな? しかも、そっちも50人揃ってねぇ」

「〈攻略先生委員会〉もか?」

「最上級ダンジョンに潜れる人材を50人揃えるっていうのはずっと大変なんだぞ? 〈エデン〉はポンポン揃えてくるけどな」

「いやぁ。それほどでもあるぜ」

そう、少し胸を張りつつちょっと考える。

最上級ダンジョンの攻略している人数が思った以上に少ない。

この前、真の最強装備の作り方も伝授したし、もっと勢いづくと思っていたのだが、現実にある壁はかなり高いようだ。

やっぱり最上級ダンジョン装備を流さないと攻略速度がこれ以上早くなるというのは難しいっぽいな。

いっぱいあるし、いっか。

「そういうことならいいのがあるぜ」

「なぬ? ちょっと待て、なんか怪しいもんじゃねぇだろうな?」

「怪しくないよ。ほんとだよ? ちょっと俺たちが攻略しているところでドロップした武器だよ? ほらこれ。あ、これ鑑定書ね?」

「怪しくなければなに出してもいいってわけじゃねぇぞ!?」

俺はスッと自分の〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉からとある大剣を取り出した。アーロン先輩、ナイスツッコミ!

ちなみに取り出したのは〈万界ダン〉5層守護型ボス、〈 国落 ( くにおとし ) の 災厄 ( さいやく ) ・ヘルデザート・スペード・エンペラーゴブリン〉からドロップした〈 帝鬼 ( ていき ) 念願の剣〉レシピから作った大剣だ。

等級的にはレジェンドではなく〈金箱〉級。

せっかく〈エンペラーゴブリン〉が「使えよ」とドロップしてくれたものだが、その後〈ガラティーン〉をツモってしまったのでお蔵入りになりかけていたレシピだ。

〈エンペラーゴブリン〉がガーンとなっている光景を幻視したよ。すまん。

ちなみに〈 帝鬼 ( ていき ) 装備シリーズ全集〉の方も全部作ってあったりする。

これは〈トップマリー〉のマリー先輩の部下さんが協力してくれて作ってくれたのだ。

〈万界ダン〉のドロップだけど、比較的作製難易度が低い装備類である。

俺は、これをアーロン先輩に使ってもらうのはどうかと考えたわけだ。

人数が増えれば当然だが装備も大量に必要だ。

俺たち〈エデン〉の秘訣はその準備にある。

準備を整えまくって進むから簡単に攻略できているように見えるのだ。

生産職すらまだまだ未熟な公式ギルドでは、こういう準備が追いついてないと見た。

「いや、ゼフィルス、これ、え? こんなやべぇのがこの先落ちるの?」

「にやり」

「いや、にやりじゃねぇよ! 全然答えになってねぇぞ!?」

いやぁだって、なぁ。〈エンペラーゴブリン〉の装備が日の目を浴びそうなんだもん。つい……。

「ゼフィルス先輩、すっごい……。あの〈ハンター委員会〉の総隊長と対等以上に話しているよ……」

「もう~、ミツル君もしっかりしないと。将来あそこの地位を継ぐかもしれないんだよ?」

「いや、無理だよ!?」

「うん。冗談だよ!」

「ぐはっ!? なんか胸に刺さった」

視界の端でミツルが胸に手を当てて膝を突いていた気がしたが、気のせいかな?

「それでこれをどうするって?」

「〈エデン〉じゃ使わないからアーロン先輩使ってくれ。それをアーロン先輩が使えば上級上位ダンジョンのボスもかなり楽になると思うぜ?」

「いや、こんなすげぇもんをそんな簡単に渡すなし!」

「今なら同じシリーズの装備一式もつけるぞ?」

「いや聞けよ!」

いや聞かない。俺の中でアーロン先輩の強化は必須事項になったのだ。

それに、〈エンペラーゴブリン〉の装備たちも心なしか、喜んでいるように見えるんだよ。

「こういうのは助け合いだアーロン先輩。今の話を聞いて分かった。公式ギルドも装備の質が足りてないんだろ? 俺たち〈エデン〉に任せておけ。〈トップマリー〉の人材も育ってきてるし、最上級ダンジョン産の装備を今後どんどん売り出すことにする!」

「待て、そいつはまたとんでもないことになるぞ!? じゃなくて、まずはこいつをそんな簡単に受け取れねぇって話を先に片付けさせてくれよ!?」

「ああ、ゼフィルスさんがまた頭の中で先へ先へと進んで行ってますわ」

「ああなると、話についていくのが大変なのよね。アーロン先輩はご愁傷さまだわ」

無事話は纏まった(?)。

あの後、元〈世界の熊〉ギルドマスター、ガロウザス先輩が会話に加わってきてくれたのが大きかったな。

「アーロンよ! いらないのなら俺にくれ!」

「誰がやるか! こいつは俺が貰う! ……あ!」

そんな感じでスムーズに決まったんだ。

あとはお値段の交渉は、最上級ダンジョン産装備の性能を広めてくれるなら貸与するということで決まった。

「それじゃあアーロン先輩、それで上級上位ダンジョンのボスを相手に無双してきてくれ!」

「とんでもないことを任されてるのに実際できそうなのがマジヤバなんだが」

「兄、ファイト」

「おう。それじゃあ行ってくるぜ」

「〈ハンター委員会〉のみんな、じゃあな~!」

「「ばいばい~」」

こんな感じで〈ハンター委員会〉との邂逅も終わった。

〈エンペラーゴブリン〉の装備の使い道が決まってよかったよ。

これで〈ハンター委員会〉のパワーキャリーもはかどるだろう。