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第2063話 【メディカルキャラバン】専用装備をお披露目

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2063話 【メディカルキャラバン】専用装備をお披露目

「いやぁ、〈ハンター委員会〉も元気そうでよかったぜ」

「公式ギルドも、この調子なら数年でLV100に届くかもしれないわね」

俺の言葉にシエラが柔らかい笑顔を浮かべて答えてくれた。

なんだかそれだけでちょっと嬉しくなるのはなぜだろう?

だけど、数年か~。

「言っておくけれど、普通は数年でもとんでもないことなのよ?」

「今の俺たちは、LV100だぞ!」

「それはゼフィルスが居るからでしょう」

なぬん!?

やばい、シエラに素直に褒められるの、超嬉しい!

俺、すごく頼られてる! シエラにとって大きな存在であると今確信したんだ。

ふふふ、その通り。俺が導けば〈エースシャングリラ〉だって今年度中にLV100だぜ!

「…………なにを考えているかなんとなく予想が付くわ。公式ギルドのみんな、泣かないかしら……」

気合が入っている俺の耳にはシエラの小さな呟きは、残念ながら入ってこなかったんだ。

「よし、今日は5層まで行こう! そこで守護型ボスが生きていれば狩るし、いなければエリアボスを呼び出して締めにするか!」

「「「「おおー!」」」」

今日の目標決め! 5層で帰還することにした。

なにせ今回は見学寄りの体験。10層まではチュートリアルだからな、きっと余裕だろう。〈攻略先生委員会〉は20層まで攻略済みって話だしな!

「最上級ダンジョンの5層って、浅いようで絶対そんなことないですよね!?」

「大丈夫だよミツル君! なにせゼフィルス先輩がいるんだよ!」

「そうですぞミツル先輩! 今日はダンジョン週間最終日! 今日を逃せばゼフィルス先輩たちの指導を受けられるのは、また大きく先になってしまいますぞ! 全身を使ってその指導を吸収せねばなりませんぞ!」

「くぅ~。姉ちゃんとグラジオラの言う通りだ。僕もできる限り吸収するよ!」

「その意気ですぞミツル先輩! ははははは!」

う~ん、ミツルとグラジオラってすでにかなり仲が良いんだけど、どう見ても見た目と性格と年齢が逆なんだよな。グラジオラの方が先輩している気がするぜ。

ミツル、頑張らないともしかしたらグラジオラにサブマスターの地位を取られちゃうかもしれないぞ!

脳裏に「どうぞどうぞ」と進んで渡すミツルが見える気がするが、きっと気のせいだろう。

こんな会話をしつつ、襲い来るウルフを撃破していく。

「サンダダさん、上です~!」

「「「ウォーン!」」」

「すべてわしが受け止めよう。『金剛防御』! どうか!?」

「良いんねサンダダ! そのままがんばるんねー! 『ピュアリテーハート』!」

「支援感謝!」

キャロルの警告に素早く【金剛王】のサンダダが〈五ツリ〉の防御スキル、体を硬くする高性能の防御スキルで〈ハイリーフウルフ〉を受け止め、後衛に攻撃を抜けさせない。

そこに【ルミナスフローラ】のミトが状態異常耐性と防御力、さらに魔防力バフの支援を飛ばしてサンダダをフォローしているな。

基本に忠実で大変よろしい。

「攻撃のバフは俺に任せろ! 奏でろ 剣歌 ( ソードソング ) ――『ソードオブワルツレゾナンス』!」

「『火の中精霊・精矢』セット! 一矢――『ハリケーンダート』!」

そこにアタッカー兼バッファーのロイとアタッカーのメーレイが攻撃する。

ロイは剣が音楽を奏でているとっても不思議なスタイルだ。その剣、楽器じゃないはずなのだが、さらに剣でモンスターを斬っても音が外れることもない。すごい。

それで攻撃力もバフが付いたところで、メーレイが炎の突風を放つ矢を撃ち、葉っぱ攻撃もろとも〈ウルフ〉をぶっ飛ばしてイケイケだ。

うん、かなりいいな。

なお、残りの1人は〈エデン〉メンバーのレグラム。

ササっと美しい剣捌きで1体を屠った後は傍観に徹していた。クールだぜ。

「ナイス撃破! 最上級のモンスターとも十分やり合えるな」

「キャロルの索敵無しではさすがに厳しい。だが、いけなくはない。どうか?」

「どっちなんねサンダダ?」

「多少奇襲を受けてもリカバリー可能ってことだろ? ならやっていけるさ。本当にダメなら奇襲を受けただけで終わりだから。そこから立て直しもできずにやられるんだよ」

「うむ。ゼフィルス先輩は良く分かっておる。ミトは勉強不足じゃ。どうか?」

「え~? まあとりあえず最上級ダンジョンもいけるのはわかったんね。サンダダが耐えられるんならヒーラーは怖くないんね」

「ほう、信頼されてるなぁサンダダ」

「すべては【金剛王】に就かせてくれたゼフィルス先輩のおかげにすぎん。どうか?」

やや気難しい感じのサンダダと、ちょっと軽い調子のミトは相変わらず相性良い模様。

「メーレイ、さっきの炎の突風、ちょっと俺かすったんだけど!?」

「ロイは目立つことに集中しすぎて他がおろそかになっているのです。むしろ素早く離脱し、味方のアタッカーに譲ることも支援の一環です」

「全部1人でやろうとしているように見えるってか!? だが確かにその癖はあるかもな。よし、もうちょっと工夫してみんぜ!」

「でしたら作戦があるのですが、ロイは 挑発 ( アピール ) 系スキルもあるのですから、モンスターを自分に集めて釣ってください。その後ロイが素早く離脱したところに僕の矢を撃ちこんで一掃します」

「お! それは気持ちよさそうだな! だがもし仕損じたら俺がモンスターたちから狙われるんだが?」

「そこは練習と調整あるのみですね、タイミングが命でしょうから。――練習しますか?」

「もちろんだ!」

ロイとメーレイは新しいコンビネーションを開発中の模様だな。

と、ここで俺の〈学生手帳〉がピロリン♪とチャットが来たことを知らせてくれる。

確認すると、それは〈ハンター委員会〉のアーロン先輩。

なんでも、5層に〈救護委員会〉が居るという連絡だった。

ほほう? ちょうど目標地点か。

「〈エースシャングリラ〉の顔つなぎとあいさつするにはいいかもしれないな」

「ゼフィルス。また何か妙なことを考えてない?」

「妙なこと? ふむ」

なんだか。シエラの信頼を感じる。

なるほどな。これは普通に挨拶するだけだと芸がないから、なにか驚くようなことをした方がいいんじゃないというシエラのメッセージだな! 間違いない!(間違いです)

「よし、ならば――ユルシィに協力を頼もう!」

「は~い。私がどうかしましたか~?」

おっとちょうど近くに居たようだ。いつも通りのんびり口調のユルシィが首をかしげる。

ファンタジー風のナース装備が大変似合うぜ。

「ゼフィルス?」

「大丈夫だ。俺に任せておけシエラ! シエラの言いたいことはすべて俺に通じている!」

「いえ、全く通じていない気がするわ。――えい」

「素早く回避!」

「なんですって?」

シエラが脇を狙って突いてきた! これに俺は初めて回避に成功する。

そこは俺のブレーキがあるっぽいんだ。ここはアクセルを踏む場面だろ!

「待つんだシエラ、ここは〈エースシャングリラ〉のメンバーと公式ギルドを顔合わせさせようぜ!」

「それは、確かに必要だけど」

「そこでユルシィの新しい〈乗り物〉を試そうぜ! 紹介も兼ねてさ! 〈救護委員会〉なら、絶対ユルシィの〈乗り物〉を欲しがると思うんだよ!」

「あれね。…………確かに、悪くはないけれど……」

「おお!」

シエラを口説き落とすことに成功する。これで勝つる!

「あの~。あの〈乗り物〉はエンカウントをカットしてしまうから出しちゃダメなのでは~」

「大丈夫だ。そろそろみんなの体験も終わりで良いだろう。俺が許可を出す! 目標は5層だ! 行けるかユルシィ!」

「もちろんです~。急患がいると思って駆けつけますよ~」

「その意気だ! よし、教えた通り、出すんだユルシィ!」

「はい~。私の呼びかけに答えてください――〈メディカル・アンビュランス1号〉、召喚!」

ユルシィはそう言って自分の〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉に手を入れると、なんと50人が乗れるだろうという、超巨大救急トラック車を 召喚 ( 取り出 ) したのだ!

「おおおお! 壮観だ!」

「…………」

救急トラック車。なぜか気分が上がる。超かっこいい!

白のボディに赤の意匠とランプが大変いい。世の中の子どもたちがみんな好きになるのも分かるデザインをしてたんだ。

ユルシィの 職業 ( ジョブ ) は上級職、高の下、【メディカルキャラバン】。

ダンジョン内で〈乗り物〉を走らせることができるヒーラーで、そのユニークスキル『緊急車両が通ります』が超最高。特定の【メディカルキャラバン】専用装備の〈乗り物〉を運転する場合、モンスターを遠ざけてエンカウントカットしてしまうという、とんでもない効果を誇るのだ。

モンスターのいない道を爆走できる! これで素早く目的地にたどり着く。それこそが【メディカルキャラバン】の力である。それを、今〈救護委員会〉にお披露目しようじゃないか!

絶対〈救護委員会〉もこの力が欲しいだろうからな!