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第2075話 ヘカトン山なら射線は通る!!でも撃つ前に終わる

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2075話 ヘカトン山なら射線は通る!!でも撃つ前に終わる

〈280組〉をリカたちが、そして〈55組〉を俺たちが倒し終わると。一度〈1組〉拠点に集合した。

そろそろ10分に1回の途中経過が発表される時間。

これを確認し、どう動くかの大まかな作戦を練るのだ。

「今帰ったぞー!」

「ゼフィルスさん、お疲れ様ですわ! 早く〈竜の箱庭〉へ!」

「おう!」

防衛担当のリーナに促され〈竜の箱庭〉の前へ向かう。アイシャも俺に手を挙げて挨拶してくれているな。

ハクは、あ、メルトに抱き着いてミサトから追いかけられてら。

ほんのつかの間の休息。

「5、4、3、2、1――上空スクリーン、更新されますわ」

「おお! ダントツではないか我がクラスは!」

「良いじゃないの! レイドボス2体を打ち破った甲斐があったわね!」

「ナイスですゼフィルス殿。ラナ様もとても喜んでおられます」

上空スクリーンに表示されたのは、圧倒的な8700を超える点を記録する〈1組〉だった。

続く31組が46点なので、約200倍の点差? 圧倒的すぎるじゃないか我がクラスは!

ふははははは!

「あと6クラスですね。狙い目はレイドボスの召喚盤を持っていない〈31組〉ですか?」

「はいはい! 次は私も出たいわ!」

早速次の獲物――もとい攻める拠点を吟味するエステルと、挙手して参加を立候補するラナ。

本当はラナには防衛を任せておきたいが、ここは〈ヘカトン山〉フィールド。やりようはある。

「〈31組〉は遠いな。だったら北西の〈111組〉か、西の〈90組〉辺りが良いんじゃないか? もしくは南の〈167組〉もいいだろう」

まずは〈1組〉の拠点近くから徐々に倒していくのがセオリーだ。

「アイシャさん、〈111組〉と〈90組〉の召喚盤は?」

「えっと〈111組〉が手に入れたのは――6つ目〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉です」

「強敵ですわね」

アイシャの近くにあるのは、さっきのルキアと同じ数珠繋ぎ状態の〈 猫 ( ニャウ ) ジング〉。13ある〈 猫 ( ニャウ ) ジング〉はそれぞれ別種の召喚盤に反応するように登録されていて、その6番目が〈111組〉に向けられて反応していたんだ。

6番目と言えば、最上級ダンジョンのランク2である〈猫界ダン〉の3番目、90.5層の〈 巨神猫 ( ゴッドキャット ) ・ブレイブ・ベヒモス〉。

勇者スキルや勇者魔法を使う超強い猫のレイドボスだ。

なかなか良いのを引いているじゃないか。

「〈90組〉は――あれ? 〈90組〉が動いてるよ!」

「!! 〈167組〉も動き始めましたわ。これは――〈31組〉狙いですわ!」

「よし、〈90組〉をやるぞ! ラナ、エステル、シエラ、フラーミナは出撃! 東班と組んでヘカトン山に登ってくれ!」

「分かったわ! 今呼ばれたメンバーは行くわよ! 私に付いてきなさい!」

「あれまぁ。あんな指示で詳しい説明もせんと即行動に移るんやなぁ」

「悪いがハクは防衛継続してもらうぞ」

「ええでぇ。出番を楽しみにしときますわぁ」

「〈ヘカトン山〉でシエラさんとラナ殿下、それにエステルさんともなれば、あれをされるのですわね」

「おう。以前伝えておいた戦法で〈90組〉を追い込む!」

〈ヘカトン山〉フィールドは、中央に巨大なヘカトン山があって遮っているため、拠点に居ながら相手の拠点に遠距離攻撃を打ち込むことができない。

ラナもリーナも、超長距離攻撃は曲射ではなく、直線的に発射されるため、障害物に弱いからだ。

なら、平地ではなく、斜め上から狙えばどうか?

そう、ヘカトン山は、山なのだ。ヘカトン山からは、実はヘカトン小山の頂上が丸見えなのである。

そして、この障害物は人などは入れないが、スキルなどは上を通過することができるのだ。本来はマスの減退を受けるため選択肢にもならないが、ラナならば話は別だ。

つまり、マスの減退を軽減できるなら、ヘカトン山から狙い撃ちが可能なのだ。

〈90組〉はそういうところをよくわかっているみたいで、〈ヘカトン山〉を〈167組〉と手を組んで封鎖し、登ってくるものを迎撃する体制を作っているが、まあ、ラナたちなら突破するだろうな。

東班の5人はリカやシズたちの班だ。シズなら罠も効かないし。

ということで、俺たちも行動する。

「 周囲 ( カタリナ ) 班は防衛に参加してくれ! 俺たち北班と 西 ( レグラム ) 班で〈90組〉の留守を狙うぞ! 〈111組〉が出てくる可能性もあるから警戒!」

「「「「了解!」」」」

〈90組〉と〈167組〉が組んでいると知ったら、まず片方にご退場願うのがセオリー。

〈167組〉を狙うには〈219組〉が邪魔なので、〈90組〉狙いだ。これなら〈111組〉が出てきたとしてもロゼッタ率いる周囲班がカバー可能。

まずは速攻で〈90組〉を落とす!

さあ、作戦開始だ!

◇

「そこをお退きなさい――『ホーリースラストバースト』!」

「うおおおおおお!?」

〈イブキ〉から発射された聖属性の槍砲が、組んでいたバリケードごと粉砕して〈90組〉を吹き飛ばす。

「いや無理ーーー!?」

「レイドボスの助け無く〈1組〉を止められるかーー!!」

「なんかバリケードが一撃で吹っ飛んだんだけど!?」

「だからせめてバリケードは上級産を使えって言ったんだ!」

「そんなお金があるんだったら自分の装備に使うっつうの!」

「追撃いきます! 『スラストゲイルサイクロン』!」

「「「「ああああああああ!?」」」」

「退避ーー! 撤退てったーい!!」

「というか浮いてるってどういうことだよ! トラップ発動しないじゃねぇかーー!!」

ヘカトン山では、まさにエステルが〈90組〉と〈167組〉の部隊を蹴散らしているところだった。

なんか道にもトラップが仕掛けてあったらしいが、〈イブキ〉の前に仕掛け罠とか無意味。

〈イブキ〉は、ちょっと浮いてるのだ。

「さあ、山頂を取ったわ! 次は私の出番ね!」

「ラナ殿下、いくわよ――『シールド・テラ・クワトロ』! 『盾乗り空中移動』!」

「良いわ!」

ヘカトン山の山頂には、障害物がある。

学生が入れる場所は、ちょっと 窪地 ( くぼち ) になっているのだ。

故に切り立っている障害物を登るかしないと、山頂から見下ろすことはできない作りとなっている。だが、ゼフィルスが指示したメンバーはラナ以外、空を飛べるのだ。

『シールド・テラ・クワトロ』で巨大化したシエラの盾に乗ることで、ラナもすいーっとエレベーターのように上昇し、障害物の上にまで上昇する。

なぜ自分の拠点でせず、こんな面倒な手をしないといけないのかというと、フィールドには高度限界というものがあり、要は地上から20メートルくらいまでしか空を飛ぶことができないのだ。〈戦艦スターライト〉などの飛行制限を狙い撃ちしたルールである。

そのため、障害物のせいでヘカトン小山の窪地にある拠点に射線が通らない。

だが、それには抜け穴があり、要は地上が盛り上がっている地点ならその分高度限界も盛り上がるのである。地上から20メートル上空まで飛べるのだから、山の頂上で飛ぶのが最も高く飛べる、という寸法。

ここからなら、ヘカトン山に隣接する拠点が――全てラナの射程内になる。

アーユーレディー ( 準備は良いか ) ?

「行くわよ! 『大聖女の祈りは癒しの力』! 『神の天誅』!」

シエラの巨大な盾の上にはなんと〈白の玉座〉が置かれ、ラナが座って装備していた。そしてタリスマンが光る。

瞬間、〈90組〉の拠点の上空から、光の柱が落っこちた。

〈90組〉のメンバーたちはさぞかしぶったまげたことだろう。

まだラナたちによって撤退させられたメンバーは拠点に帰り着いていないものだから連絡もできていなかったようで、まるで防御もできずに〈六ツリ〉魔法が真上からぶっ刺さったのである。

アタッカーやアシストモンスターはたったの一撃で光になってしまった者もいて、大パニックだ。大成功である。

そこに、ゼフィルスたちが飛び込んでいくのが見えた。

「ラナ様、もうよろしいかと」

「え、ええ!? まだ一発しか撃ってないわよ!? 宝剣もまだ撃ってないわ!?」

「でも、もうなんか陥落しそうデース!」

同じく別の盾に乗せてもらっていたエステルとパメラがそんな感想を言う通り。

ゼフィルスたち大暴れ。なんかもう〈90組〉が負けそうだった。

せっかく射線が通ったのに、宝剣を撃つ前にエンドっぽい予感。

「仕方ないわね! なら宝剣は――〈167組〉に撃ち込むことにするわ」

「それがよろしいかと」

全然よろしくない。

〈167組〉にとっては、何もよろしくないことが決定し、シエラが盾を操作。

南側にある〈167組〉の拠点を、ラナの目が捉えたのだ。

ヘカトン山の周囲に拠点のあるクラスは、ここが最後である。故に、狙われてしまったのだ。

「行くわよ! あと全部打ち込むわ! 『大聖光の無限宝剣』! 『大聖光の十宝剣』! 『大聖光の四宝剣』! 『聖光の耀剣』! 『光の刃』! 『 祈望 ( きぼう ) の 天柱 ( てんちゅう ) 』! 『聖光の宝樹』! 『光の柱』!」

「あの、ラナ殿下って本当にヒーラーなんですか? それにしては攻撃魔法覚えすぎなような」

「ラナ殿下が楽しそうだから、きっといいのよ」

ラナが盛大に大量の攻撃魔法をぶっ放す。

ボス戦ですらダウンの時でもここまで撃たないという数を撃ちまくり、とてもすがすがしい笑顔を浮かべていた。

そんな光景にテイムモンスターというバックアップを連れてきていたフラーミナが目を丸くし、シエラが肩をすくめていたのだった。

なお、この直後に〈167組〉のレイドボスとリーダーは撃破され、それから間を置かずして〈31組〉も敗退。

さらにそれから20秒もしないうちに〈90組〉が陥落してしまい。

〈167組〉もなんかよくわからない遠距離攻撃によって拠点のHPが半分になる大ダメージを受けたのだった。

実は〈31組〉は、あと20秒耐えていれば〈1組〉の横やりで助かってたっぽい件。

「あれ? これもう一回やったら勝ちじゃない?」

「気づいてしまったデスか。実は私もそう思っていたところだったデース!」

「すぐにリーナさんに相談しましょう。〈167組〉も落とせそうだと」

それからすぐに情報は共有された。

すると、〈167組〉はレイドボスを撃破され、20分の長いクールタイムに突入したことが判明してしまう。

ラナたちは〈167組〉へトドメを刺すことになった。

〈90組〉『残り人数:―人』『ポイント:3500点』『召喚盤:―』陥落

〈167組〉『残り人数:13人』『ポイント:10点』『召喚盤:1』