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第2078話 第一回戦の結果を見てカイエンと学園長微修正

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2078話 第一回戦の結果を見てカイエンと学園長微修正

「学園長、報告いたします。今回の新しいクラス対抗戦はおおむね好評、いえ、大好評の賛辞を受けております(新しいクラス対抗戦、俺もちょっと参加してみたかった~)」

「ご苦労じゃカイエン君」

ここは学園長室。

クラス対抗戦が行なわれ始めてから2日が経ち、ここもようやく少し落ち着いてきたところだ。初日はもう、各所への説明や問題点の洗い出し、やってみて初めて判明する改善点を調整するなど相当忙しかったが、それもだいぶ収まってきたところだ。

カイエンの報告に満足そうに頷く学園長。

「やっと少しは休めるかのう?」

「いえ、明日から二回戦が始まるので、今から調整しないと間に合わないでしょう(クラス対抗戦中はお休みなんてないよ学園長! ほら横! コレットさんが元気の出るお茶の準備してるって!)」

「学園長、お茶をどうぞ。自信作ですよ」

「え? う、うむ。コレット君のお茶にはいつも助けられてるのう」

学園長、最近コレットのお茶を飲むのが少しビビり気味です。

十八番の意識を飛ばすもできなくなっちゃうからね。

しかし、グッと覚悟を決めた学園長はズズズとお茶をいただき、しばしの休息を得る。

「美味しいのう」

「ありがとうございます学園長。〈エデン〉が〈食ダン〉の追想で手に入れた茶葉を使用させていただきました」

美味しいは正義だ。故に問題は無い。これは〈神秘の蘇生茶〉ではなかったのだ。純粋に味が楽しめて学園長もリラックスである。

「では学園長、そろそろ2年生と1年生の報告をさせていただいても?」

「うむ。頼むカイエン君」

「はい。2年生はともかく、1年生はまだそこまでLVの開きは少なかったため、一部を除いて拮抗していますね。様々な作戦を組んだりと、色々工夫しながら勝利しようと頑張っています。(懐かしい。俺たちにもこういう時代があったんだよ)」

「うむ。やはりクラス対抗戦としてクラス同士の戦力が拮抗しているときが一番面白いのう」

「そうですね。1年生が一番擦れてなくて可愛いですよ。一部を除いてですが(〈エースシャングリラ〉在籍の1年生は、ちょっとどころじゃなく育ちすぎなんだよなぁ……)」

クラス対抗戦1年生の部は、〈エースシャングリラ〉の面々が最上級ダンジョンに入ダンしていることで一部がとんでもないことになっていた。

〈エースシャングリラ〉のギルドメンバーが在籍する〈1組〉〈2組〉〈3組〉の試合はもうすさまじく、第一試合はどこもKO勝ちで通過している。

「ただ、レイドボスの扱いについては色々と苦心させられましたね」

「うむ。1年生がレイドボス相手に戦えばやられてしまうからのう。 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級のボスの召喚盤などを大量に貸し出して何とかしたが、それでもレイドボスの召喚盤を手に入れたクラスが有利じゃ。良い経験にはなったようじゃがの」

「ええ、だからこそ1年生は全てのレイドボスの召喚盤をフィールドドロップにしましたからね。3年生や2年生のクラスのように最初からレイドボスを所持するクラスを作っては、まずそのクラスが勝ってしまうでしょうから。最初は宝探しゲームみたいだと評判ですよ」

「うむ。さすがはカイエン君が考案したルールじゃ」

「とはいえ、改善点は多いです。やはり1年生にレイドボスはまだ早かったですね。上級職ですらほとんどいないのですから、レイドボスを最初に手に入れられなかったクラスはほとんどが敗退しております」

「やはり1年生の2回戦からはレイドボスを抜くかのう? もう十分当初の目的、全学生にレイドボスに慣れてもらうことも達せられたしの」

「ですね。逆に3年生はレイドボスが無いと勝負ができません。1年生の分の召喚盤を3年生に回してみようかと思います。その代わり1年生は 上級下位 ( ジョーカー ) から 上級上位 ( ジョウジョウ ) までのボスの召喚盤を貸し出すのではなく、フィールドドロップにして配置したいと考えております」

「いいのう。楽しそうじゃ。しかし、大きく変更するのう?」

「やはりやってみないと分からないことは多いですね。第一回戦の試合を見て、1年生にレイドボスは不要だと悟りました(これ絶対ゼフィルスさんたちのせいだって! 1年生って普通、そんな強くないもん! なんで1年生にもレイドボスが必要だと思ってたんだ俺!?)」

ゼフィルスたちが1年生の頃からクラス対抗戦で大暴れしていたおかげで、カイエンの有能な頭脳がバグっていた。

「では続いて2年生の報告です。2年生もかなり優秀な人材が育ってきており、LV100も何人かいるためにここはレイドボスの召喚盤が必須です」

「うむ」

「そしてLV100が複数人組めば、レイドボスが相手でも単体なら倒せてしまうことが分かりました」

「今の2年生、レイドボスが倒せちゃうんじゃのう……。その中に、わしの孫が混じってるんじゃが……」

「学園長、特別なお茶要ります?」

「こほんこほん! いや、まだ大丈夫じゃよコレット君」

「2年生でもそんな状況なので、〈1組〉が居る試合に関してのみ、特例で初期からレイドボスの召喚盤をレンタルできるようにしようかと思います(そうでもしないとレイドボスを持ってないクラス、すぐにやられちゃうもん! 自衛大事だよマジで!)」

「ふむ。あまり例外を作りたくはないが」

「コストが多いだけではハンディとして足りませんでしたから。その代わり、〈1組〉は勝利後の賞品を多めに贈るということで納得してもらいました」

「そうじゃのう。〈1組〉との差が大きいからと言って他のクラスにばかり力を貸せば〈1組〉が不満を抱く。その辺が落としどころじゃ。カイエン君もよくやってくれたのう」

〈エデン〉メンバーが数多く〈1組〉に在籍しているので、他のクラスがマジピンチなのが2年生だ。

これが3年生になるとLV100は〈1組〉と〈2組〉に多少だがばらけているし、LV60以上の学生もそれなりに居るのだが、2年生はトップとそれ以外の差がすさまじく大きすぎるのだ。むしろ〈1組〉と当たったクラス全員に特例でレイドボスの召喚盤というハンディをくっつけないと試合として成立するか怪しいレベル。

ぶっちゃけ3年生よりも2年生の方が気を使っていたりするのだ。

「最後に3年生ですが」

「3年生は良い試合をしていると聞くのう」

「はい。正直このクラス対抗戦のルール変更は3年生のためにしましたから。バランスだけ見れば3年生が最も安定していると言えます。もちろん、レイドボスの召喚盤が足りないという問題もありましたが、1年生から回してもらうことで二回戦からは解消される見込みです」

「助かるわい。本当に助かるわい。ここ毎年、あの世代のクラス対抗戦は周りに与えるインパクトが大きすぎるのじゃ」

「そうですね(いえ、別にインパクトは減っていないよ? レイドボスも平気で3体倒してたし。他の企業の方々も含めてこれがLV100か!? って度肝を抜かれてたもん。あの試合だけで何人の放心者が続出したか……研究所は相変わらず狂喜乱舞していたけど)」

「ちなみにじゃが、レイドボスが増えれば〈1組〉は抑えられそうかのう?」

「もちろんです。と言い切れないのが辛いところですが、複数のクラスで当たればあるいは、というところですね(でも〈1組〉はこういう時大抵奥の手とか用意してるんだ。俺は知ってるんだ。だって〈1組〉、なんか第一試合でアシストモンスター召喚してなかったもん。余力いっぱい残ってるもん。やべぇよ!)」

カイエンは口では「あるいは」とか言いつつ「きっと抑えることなんてできないんだろうな~」なんて思っていた。もちろん口には出さない。

「レイドボスが増える二回戦、わしも見に行きたいのう」

「学園長にはやってほしい仕事が山のようにあるので(あ、学園長はこっちの仕事に集中してもらって)」

「わしも見に行きたいのう?」

「……ではこの仕事と、これとこれとこれも終わらせていただければ可能かと」

「いやカイエン君? これ終わった時には明日どころかクラス対抗戦自体が閉会している可能性が高いんじゃが?」

「今それくらい仕事が溜まっているということです。学園長、よろしくお願いします(見に来るならお仕事してからでよろ! あ、俺は自分の仕事があるので投げないでくださいね)」

「あ、待つのじゃカイエン君!」

学園長室は今日も平和だった。

クラス対抗戦3日目、第二回戦が始まる。