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第2085話 もう1つの準決勝戦!折られるサターンたち!!

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第2085話 もう1つの準決勝戦!折られるサターンたち!!

3年生、準決勝戦の第一試合は、〈1組〉と〈18組〉が勝ち上がった。

これを見て気合を入れなおしたクラスが居た。

「見るのだ! あの〈1組〉がやはり勝ち上がってきたぞ!」

「ふふ、決勝までくるのだろうと思っていましたが、やはり勝ち進んできましたか」

「俺たちと別ブロックで、当たるとすれば決勝と最初聞いた時は少しはらはらしたが、これで〈1組〉を倒せそうだぜ」

「俺様を忘れてもらっては困るぞ。あとは俺様たちが決勝に進むだけだ! ま、既定路線ってやつだな!」

もうお分かりだろう。

それは現〈3年50組〉所属、元〈1年1組〉に所属し、短い時ではあったものの、ゼフィルスたちと一緒のクラスだったこともある元クラスメイト。

サターン、ジーロン、トマ、ヘルクの4人組だった。

「あの昨年度のギルドバトルは忘れもしない!」

「ふふ、〈SSランクギルドカップ〉への出場禁止。あの屈辱は忘れられません」

「本当ならばモニカが残っていたあの時こそ〈エデン〉を下すチャンスだったが、俺たちは思い違いをしていた」

「俺様を忘れてもらっては困る。ゼフィルスに俺様という存在を思い出させることが何よりも重要だ!」

サターンたち、久しぶりの登場の機会に燃えている模様。

以前〈エデン〉と戦うチャンスだった〈SSランクギルドカップ〉戦では、赤点で出場禁止になっていたのだ。この4人は。

そのため〈SSランクギルドカップ〉ではサターンたち不在の〈天下一パイレーツ〉が出場し、なんか良いところまでコマを進め、「これ、サターンたちがいない方が強いのでは?」疑惑が出たりもした。そのせいでヘルクが「俺様を忘れないで病」を発症したりもした。

そんなこんなでサターンたちは〈エデン〉と戦う最後の機会を逃し、もうそんな機会は訪れないかもしれないと歯噛みしていたのだが、思い出したのだ。

サターンたちは別に〈エデン〉と戦いたかったわけじゃなかった、と。

全てはゼフィルスと決着をつけ、負かすのが当初の目的だったのだ。

紆余曲折あってうっかり〈エデン〉を倒すことにすり替わっていたが、ゼフィルスと決着をつけるのならば別にクラス対抗戦でもよかった。

だが、ここでも問題が起きる。

第一ブロックを引き当てた〈1組〉と第三十五ブロックを引き当てた〈50組〉は、トーナメント表では真反対の位置だったのだ。

これでは〈1組〉と〈50組〉が当たるのは、決勝戦になってしまう……!

今年は新ルールで〈1組〉と他のクラスの差はかなり埋まっていると言うし、まさか、〈1組〉途中敗退もありうるのでは?(自分たちが負ける心配はしていない)と危惧していたのだが、それも今払拭された。〈1組〉が決勝戦に勝ち進んだことで。

「さあ、先に進んでくれやがった〈1組〉にこのサターンの鉄槌を下す時がきたな」

「ふふ、僕たちより先に決勝へ進むなんて、生意気ですね」

「まずは次の準決勝に勝たないとな!」

「俺様を忘れてもらっては困るな。準決勝なんて踏み台というところを見せてやろうではないか」

ふふふ、と怪しい笑いを漏らす4人組に、クラスメイトたちもひそひそ話す。

「おい、あいつら大丈夫か? すごい自信なんだが、折られないか?」

「気持ちはわかるぞニッシー。だがあいつらはあれで実力者だからなぁ」

「ニシムーも含め、〈50組〉にはなぜか六段階目ツリーの開放者が6人もいる。まあ、みんな〈天下一パイレーツ〉所属なんだが。まさか俺たちが準決勝まで来られるとは思わなかったぜ」

そう、〈50組〉はなんと準決勝戦に勝ち進んでいた。

その理由が六段階目ツリーの開放者を多く抱えていることだ。

加えて〈50組〉のコストは3000。

〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉すら召喚できる膨大なコストに加え、〈フェアリークイーン〉なら2体召喚できることも加われば、戦闘力だけで見るとかなりの戦力となっていた。おかげで2勝中だ。

〈天下一パイレーツ〉はAランクギルドでもないのに上級上位ダンジョンに入ダンしているギルドでもある。

そのせいか、なぜか最近〈天下一パイレーツ〉すげぇという風潮が増してきて、4人の鼻は伸びっぱなしになっていた。

誰かがへし折らなければならない。

「まあ、準決勝戦の相手も軽ーく捻ってやろう」

「ふふ、力の差を分からせてあげなければなりませんね」

ほら見ろ。もう決勝戦に上がるのは決まったようなものだという態度だ。

鼻が伸びすぎているのが原因!

「大丈夫かな。今回の準決勝戦には〈2組〉が出場するんだけど? 折られないか心配なんだが」

「俺は4人がへし折られるのはウェルカムだぜ」

「ムカルか」

「ニシムーはあいつらを心配しすぎだ。サターンたちはやられてもやられてもへこたれない強靭な不屈の精神力の持ち主。なにせ、この学園で最も勇者たちにやられたのは、他でもないサターンたちだぜ?」

「折れてもまたにょきにょき生えてくると?」

「そういうことだ。あいつらはへこたれても、またすぐに復活する。心配はない。むしろ勿体ない」

「心配が勿体ないなんて言葉は初めて聞いたぜ。折れそう」

ちなみにこちらに居るのは〈ウェルカムのムカル〉。

上級職、高の下、【ベルセルクバーサーカー】に就く〈50組〉六段階目ツリー開放者の1人だ。

そしてムカルと対等に話しているのが上級職、中の上【エクスキューショナー】に就くニシムー。あだ名はニッシー。彼もまた六段階目ツリーの開放者。

2人とも、〈天下一パイレーツ〉のメンバーだ。

ムカルは1年生の時に筋肉に染まって、今ではムキムキのマッチョ体型。性格ももはや脳筋寄りに変化している。おかげで赤点取って〈50組〉だ。

ニシムーは今にも折れそうな華奢な体系の細身男子だった。

これが〈50組〉のトップ戦力たちである。

「さあ、そろそろ第二試合も始まるなぁ。今回も暴れてやるぜ。俺はなんでもウェルカムだ!」

「折れそう……」

試合開始。

完全に自分たちのことを格上と思い込んでいる〈50組〉のトップ陣は、すでに勝った気になって準決勝戦に臨む。

ちなみに今回は――〈2組〉〈6組〉〈7組〉〈14組〉〈15組〉〈50組〉〈100組〉〈209組〉〈245組〉という9クラス。

本来で言えば〈50組〉よりも半数以上が格上のクラスだらけという、かなり不利なクラス対抗戦だが、〈50組〉はどこかと手を組むこともせずに快調に押し進んでいた。

「ふはははははは! これが我の力だ! 見よ! 『アルティメットフレイムソウルピラー』! 『大魔法・メテオ』!」

「ぐおおおおお!? やばい、〈天下一パイレーツ〉だ!」

「あの六段階目ツリーの開放者たちか!?」

六段階目ツリーの開放者というのは学園でもまだ数は少ない。

戦闘職で述べると、SSランクが48人、Sランクが約180人、Aランクが約160人。それ以外が10人だ。

合計で約370人くらいしか学園に居ないとなる。

内訳は3年生が約260人、2年生が約125人だ。1年生は最近約15人ほど増えた模様。

〈3年1組〉は全員が六段階目ツリーの開放者で、残りの約230人は1桁クラスに9割ほど集中し、ちょっと素行の悪い生徒は〈50組〉に振り分けられている。

つまりどういうことかというと。

「まずいサターン! トマの部隊が〈6組〉にやられた!」

「なんだと!」

不意に影が落ちて来たのだ。

〈6組〉は約8割が六段階目ツリーを開放しているクラス。

〈50組〉は2割なので、その差は歴然だ。

だが今まで順調に勝ち上がってきていたサターンからすれば不甲斐ないと映った模様で。

「何をしているのだトマは。ヘルクとジーロンを回せ! 我も出る!」

「了解です!」

サターンたちはクラスのトップクラスの戦力の半分である3人を投入。

〈6組〉へ仕掛けたのだ。しかし。

「ふふ、これで終わりです! ――なに!? ぐはぁ!?」

「お、俺様を忘れないでーーーー!?」

「ジーロン、ヘルクまでだと!? バカな!」

なんとジーロンとヘルクを失うという痛手を被ったのだ。

〈50組〉の快調な足並みは、ここで完全に止まってしまったのだった。

後衛のサターンだけが生き残ってしまったが、それも時間の問題。

追い詰められたサターンの命は風前の灯だった。

「! あれは!」

しかし、ここで奇跡が起きた。

「〈2組〉だ! 〈2組〉の襲撃だ!」

「戻れ戻れ! 〈50組〉の相手をしている場合じゃねぇ!」

そう、〈2組〉が〈6組〉のがら空きの拠点をいただいてしまったのだった。

サターンが駆けつけた時には、すでに〈2組〉は〈6組〉の拠点を陥落させ、帰る直前だった。その中心に居たのは、カルアである。〈エデン〉のメンバーだ。

「あれは〈2組〉か! くっ、ごほごほ、うっ、急に喉の調子が。ここはおとなしく退いてやろうではないか」

さすがのサターンも今の戦力では戦えないと分かっているのだろう。

なんか誰かに言い訳して帰ると背を向けた。すると。

「ん。生き残り?」

「え?」

すぐそばにカルアが居た。早かった。そして。

「倒す」

「ちょ、ちょっと待つのだ! 我はサターン――」

「『512・ヘル』!」

「ふんがああああああああああああ!?」

こうしてサターンもやられて〈敗者のお部屋〉に送られてしまったのだった。

カルア、サターンも敵だと勘違いしてしまったようである。

勘違いじゃないので問題は無い。

こうして〈50組〉は主力の大部分を失うという大きな痛手を被ったのだった。

だが、その後の試合は実に予想外の展開に転がることになる。

「〈2組〉と〈245組〉の快進撃は止まらないーーー! ああっとここで〈7組〉も陥落したーー! 残りは最初のドンパチで主力を失いほとんど動かなくなってしまった〈50組〉ただ1つーーー!」

キャスの実況の通り、最後まで生き残ったのは〈2組〉〈245組〉、そして〈50組〉だったのだ。〈2組〉が手を組む相手に選んだのは、なんと〈245組〉。

理由はレイドボスを多く召喚できるから。

これにより、大きな被害はあったもののここまで勝利を重ね、あとは〈50組〉さえ落とせば決勝戦出場は〈2組〉と〈245組〉のペアになる! というところで〈50組〉が〈245組〉を狙ったのだ。

ニシムーが操るのはレイドボス、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉!

その強靭な足腰のダッシュで見事に〈245組〉の拠点にたどり着くと、大暴れで拠点陥落を目指した。

この時〈245組〉は〈7組〉戦でレイドボスを2体失っていたのが痛かった。かなり無防備な状態で拠点攻撃を受けてしまったのだ。

〈2組〉は〈245組〉が陥落する前に〈50組〉の拠点を落とすことに決定。

拠点の前に立ちはだかりウェルカム~~するムカルを蹴散らし、陥落させる直前。

なんとニシムーが〈245組〉の拠点を落とすことに成功したのである。

大逆転の混沌風景に観客席では「こんとーーーーん」と叫びながらぶっ倒れる者が出たほどの大歓声が鳴り響いた。

こうして3年生の決勝進出4クラスは――〈1組〉〈2組〉〈18組〉〈50組〉に決定した。