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第2095話 対決!〈ア・クマオウ〉VS〈P・R・ホネデス〉

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2095話 対決!〈ア・クマオウ〉VS〈P・R・ホネデス〉

『ゼフィルスさん、〈3年2組〉の一部が〈2年10組〉に向かいましたわ! すみません、おそらくナギさんの索敵妨害で反応が遅れましたわ!』

「索敵妨害なら仕方ない! こっちに戦力を回せるか?」

『了解ですわ。あ、待ってくださいまし、〈2年5組〉も動き出しましたわ! 〈2年10組〉に向かっています! 〈2年1組〉を含めた西側も続々と動き始めましたわ!』

「マジか――指示変更! さっきのは取りやめる。リーナ、そっちの対応は任せる!」

『承知しましたわ!』

〈2年10組〉を強襲し、レイドボスをすべて倒してあと一歩というところで、まさかの事態、〈3年2組〉が援護に駆けつけたのだ。

しかもそれだけじゃない。

どうやら西側にも動きがあったみたいで、予想に反して〈2年5組〉まで迫っているという。

もしかして、狙われたか?

〈3年1組〉の拠点は〈2年1組〉を含む西側同盟の牽制にあっているようでどうやら動けない様子。だからこそ〈2年5組〉が動けるようになり、各個撃破に乗り出したのだろう。

俺は守りを固めるようリーナに指示を出し、こっちは10人の戦力でこの場を乗り切ることに全力を尽くすと決めた。

◇

一方、メルトVSカルアはゼフィルスから少し距離を取り、激しいバトルを繰り広げていた。

「くっ、速い! だが、重力で動きを止めてしまえば! 『グラビティフィールド』!」

「ん、甘い――『猫軽回速』!」

「俺の重力から逃れる速さだと!? 『コキュートス・ゼロ・ディザスター』!」

メルトは重力を操る魔法使いだ。

そしてカルアは素早さ重視の軽戦士スタイル。

メルトが重力を作りカルアの動きを止めようとするが、素早いカルアは回避技でそれを上手く避け、距離を取ってしまう。

一瞬で距離を詰めてくるカルアはメルトにとって天敵だった。

こうなればと地面ごと凍らせ、動きを止めに掛かるメルト。これは攻防一体の攻撃。攻撃をばらまいてカルアを近づかせないようにする作戦は悪くない。

だが、これは一瞬メルトの視界をも塞ぐ猛吹雪となり、カルアを一瞬とはいえ見失ってしまったのが致命的だった。

「『超ネコ隠れ』!」

「なに? どこに――『グラビティ・レビテーション』! 『 重力加速 ( グラビティ・アクセル ) 』!」

それはメルトも初めて見るスキルだった。

カルアと共に最上級ダンジョンに挑んではいるものの、未だにカルアが使っているのを見たことがないスキル――〈六ツリ〉の隠密系。

メルトはまずは回避だと浮遊スキルと加速スキルを使って宙へ素早く回避行動をとる。普通の相手ならばこれで手も足も出ないだろう。

しかし見失ったカルアは、気が付けばメルトのすぐ後ろに居たのだ。

「取った――『256ジ・エンド』!」

「なんだと……?」

まさにジ・エンド。

ネコはジャンプも得意。

カルアに手も足も出ず、メルトは〈3年1組〉初の退場者となってしまうのだった。

マフラーのようなアクセサリーで口元を隠したカルアは――真の最強装備、〈 星猫装備 ( スターキャット ) シリーズ〉全集に身を包む。

最速のエージェントだった。

◇

「メルトがやられたぞ!!」

「マジか!?」

ラウの声にびっくりした。

現在俺はベニテとオルク、それに〈P・R・ホネデス〉と2体の〈火竜〉、5人の〈2年10組〉メンバーに囲まれていて身動きが取れない状態。

そんな時、メルト退場の報告が聞こえてきたのだ。

やったのはきっとカルアだな。メルトでは相性最悪だ。しかも、カルアが装備しているのは新調したばかりの全身真の最強装備である。

メルトにはカルアが相手の場合、逃げるよう言っておいたが、逃げられないよなやっぱり。

「ルル! カルアを頼む! 『サンダーボルト』!」

「了解なのです!」

過去カルアを打ち破ったセレスタンは拠点攻撃を任せたい、今の状況ならば信頼と安心のルルに任せるしかないだろう。

ルルなら誰が相手でもそうそう負けないからな。

俺はルルの相手に牽制を放ちつつルルの離脱を助けると、ルルは素早くメルトが向かった方向へ駆けて行った。

「「ギャアアアアアオ!」」

「おおっと! 『フルライトニング・スプライト』!」

「今だ! 狙え狙え!」

2体の〈火竜〉が空中から火球を放って来るのでステップで回避しつつ雷の花火をお返しすると、その硬直を狙って学生たちから攻撃が降ってくる。良い連携。

だが、遠距離攻撃では【勇者】は倒せないんだ。

俺の『直感』と『超反応』が自動発動してほぼ全ての攻撃を回避してしまう。

「うっそーーー!?」

「あれ全部回避できるのか!?」

「「「ホネデス!」」」

「うぐっ!?」

「あ! 一発当たったぞ!」

違うんだって! 今のはホネデスの挨拶のせいなんだって!!

『超反応』は心が乱されると失敗するのだ。コツは『超反応』に身を任せること、ビビったり動揺すると今みたいに動きが鈍くなる。

あれ? これ〈P・R・ホネデス〉と相性最悪じゃないの?

「イケる! イケるぞ! ホネデスさん、俺と一緒に行くぞ!」

「「「ホネデス!」」」

「オルク先輩、私も一緒だよ!」

「頼むベニテ!」

「やっべ! 俺の天敵来ちゃった!?」

何がイケると思わせたのか、オルクとベニテと〈P・R・ホネデス〉が突っ込んできた。とっても大変!

「「ギャアアアアアオ!!」」

「やかましいぞ〈火竜〉! 『インフィニティ・バニッシュセイバー』!」

「やば!? 『聖なる究極の乙女盾』!」

「うおっひゃあああああ!?」

「冒険者ーーー!?」

「なぜ前に出ちゃったんだ冒険者ーーー!?」

援護目的だろう、俺にまたもや『火球』が放たれたのでお返し。

俺の持つ全体攻撃に巻き込んでぶった切った。

すると、さっき花火を当てた〈火竜〉が光になり、もう1体は落下してダウンする。

どうやら他にも4人ほどキルしてしまったようで、うち1人が〈火竜〉の術者だったっぽい。オルクはベニテに守られていたため無事だった模様だ。

うん、盛大にいろんなものを巻き込んだな!

「あれ? もしかしてイケると思ったあれ、間違えたのか!?」

「「「ホネデス!」」」

「それ俺が骨になるってこと!?」

「オルク先輩、コントしてる場合じゃないですよ! 構えて!」

「混沌もしてないよ!?」

「違うよ、コントだよ! 混沌 ( コントン ) じゃないですよ!」

うーん、カオスってる。

オルクがコントと混沌を聞き間違えているところがカオスだぜ。ベニテもよく楽しそうに付き合えるものだ。俺はベニテに感心した。

いや、感心している場合じゃないな。〈2年5組〉と〈3年2組〉が本格的に合流してくる前に〈2年10組〉を落とす!

「『突貫』です」

ズドン!

「「「きゃあああああ!?」」」

「「「いいいいいいい!?」」」

「拠点のHPがーー!?」

あ、セレスタンが一足先に『突貫』してる。

これで拠点のHPは残り半分だ。

次にセレスタンのクールタイムが終わればイケるな。

あ、オルクが拠点の方を振り向いて隙だらけだ。今だ!

「やらせないですよ!」

「ベニテはさすが!」

スキルも発さずに切り込んだらベニテに防がれた。

さすがは〈2組〉でトモヨに続く盾使い。

「オルク先輩、突いて!」

「うおおおおお! 『デーモンフルスピア』!」

「「「ホネデス!」」」

ヤバ。

ベニテが防ぎ、オルクが槍で打ち込む。〈P・R・ホネデス〉と一緒に。

〈P・R・ホネデス〉は右手の〈ホネデス〉でヘッドパンチ。〈ホネデス〉が挨拶しながら突っ込んでくるんだからもうヤバい。

俺は一瞬腹筋が引きつりながらもなんとか回避。

危ない! 一瞬掠ったぞ! ホネデスのヘッドパンチが!

「よくわからないけどゼフィルス君の動きが鈍いですよ!」

「ああ! 畳みかけるぞ! 『ファイナルスピアーラ』!」

「「「ホネデス!」」」

「『ブレイブシールド・イグニッション』!」

オルクのそれは中々の必殺技だ。超強力な槍の突きが放たれ、ホネデスパンチがダブルになる。これはダメだと俺は苦し紛れの〈六ツリ〉防御スキルで防いだ。

腹筋が引きつる!

「ええ!? 俺の超必殺技が防がれた!?」

なんとか防いだが次どうしよう。まずはホネデスから倒さないといけないが、ベニテが守ってる。ベニテを先に討たないといけないが、俺の腹筋が持たないだろう。

ここからはダメージを覚悟しなければいけない。

そう思った時だ。

「!? オルク先輩!?」

「へ?」

「グマアアアアアアアアアアア!!」

「へ? へええええええええええ!?」

なぜかここに悪魔の王、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が登場する。

「「「ホネデス!」」」

「クマッシャーーーー!!」

立ちはだかる〈P・R・ホネデス〉に容赦なく叩きつけられるクマパンチ。

「ホネーーーーーー!?」

「ホ、ホネデーーーース!?!?!?」

腹筋の限界が近い!

「ゼフィルス君、無事!?」

「シヅキ!」

〈ドラゴレム〉の相手をしていたシヅキだったが、すでに〈ドラゴレム〉は術者がやられて消えている。よって俺の援護に駆けつけたようだ。そして邂逅一発のクマパンチで〈P・R・ホネデス〉をぶっ飛ばしたということだろう。

「援護に来たよ!」

「助かるぜ!」

いや助かったのか?

「ホネーーーー!!」

あ、〈P・R・ホネデス〉が立ち上がった!

〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉VS〈P・R・ホネデス〉の夢の競演!?

俺の腹筋が持たないよ!?

助けに来た存在が、さらに俺を苦しめる。

「グマアアアアアアアアアアア!」

「「「ホネデス!」」」

お互い向き合って 自己紹介 ( 吠える ) 。

もうこの時点でヤバい。

「オルク先輩! 私の後ろに!」

「おっと、ベニテは、俺が相手だ! シヅキ、オルクを、任せた!」

「オッケー! ってゼフィルス君ほんと大丈夫!?」

「おう!」

言葉がとぎれとぎれになってしまったがぎりぎり大丈夫。

オルクのことはシヅキに任せる。あれ? これ、夢の【ルシファー】対決じゃね?

そっちもとっても気になるが、俺はベニテに切り込んだ。

「『テンペストセイバー』!」

「『純真乙女の守り盾』!」

当然正面からの攻撃は防がれるので後ろに回り込まんとする。

「『ソニックソード』!」

「『三つ月の盾』!」

だが、ベニテは難なくついてきた。

やるなぁ。だが、俺の目的は〈P・R・ホネデス〉の撃破だ。

ベニテと〈P・R・ホネデス〉を離せればいい。あとはシヅキがやってくれる。

「グマアアアアアアアアアアア!」

「ホネデス!」

「いっけー〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉ー!」

「負けるなホネデスさーん!!」

チラッと見れば、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉がどこからか取り出した斧を振りかぶり、ホネデスパンチと激突。ホネデスパンチが砕けた。

ホ、ホネデス~~~~~!?!?!?

「どこ見ているのかな!? 『 究極乙女盾突撃 ( きゅうきょくおとめたてとつげき ) 』!」

「おっと! いや、あれは見ちゃうだろう!」

「ちょっと待って、そんな軽く躱されるような攻撃じゃなかったはずなんだけど!?」

驚愕している間も回避行動はしてる俺、スキル名が聞こえた時点で回避行動をとっているので回避が間に合うのだ。

だが、それどころじゃない。ついに〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉VS〈P・R・ホネデス〉の対決に決着が付きそうなのだ。

「グマアアアアアアアアアアア!」

「ホ、ホネーーーーーー!?」

最後は強烈なクマパンチ。

〈P・R・ホネデス〉本体の 髑髏 ( どくろ ) に強烈なクマパンチがヒットしたことでHPがゼロになってしまったのだ。

「ああ!? ホネデスさんがやられたーーーーー!?」

だが、勝った〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉の攻撃はまだ終わらなかった。

〈P・R・ホネデス〉が稼いでいたヘイトは、やられた時点で術者、つまりオルクに向けられる。そう、狙いはオルクだ。

「〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉、ゴーーーー!!」

「うおおおおおおおおおおお!? こっち来たーーーーーー!?!?!?」

「! やらせないよ!」

「悪いなベニテ、ここは通行禁止なんだ! 『フィニッシュ・セイバー』!」

「『フル乙女三角盾』! オルク先輩逃げてーーー!」

「冒険者ダーーーーッシュっっっつ!!」

ベニテがオルクの下に駆けつけようとするが、俺が阻む。

あれ? なんか俺悪役っぽくない? いや、きっと気のせいだ。

オルク、全力 脱出 ( ダッシュ ) で逃げようとするが、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉からは逃げられない。

「アースクウェーーーイク!!」

「グマアアアアアアアアアアア!」

「ぐううわああああああああああああああああああああ!?!?!?」

「上がったーーーー!?!?!?」

「オルク先輩ーーー!?!?!?」

地面から飛び出た土の塊が見事にオルクを高く高く吹き飛ばす。

そしてそれは、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉のフィニッシュパターン!

「トドメいっけーーーー!!」

「クマアアアアッパーーーー!!」

「ほぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?」

「オルク先輩ーーーーー!?」

「こっちでも上がったーーーーーーーーー!?!?!?」

打ち上げ2回目だーーーーーー!!

『必殺・クマアッパー』がオルクに直撃ーーーーーーー!!

これでオルクのHPはゼロになってしまい、また一番高いところで光になった。

なんかこんな光景、さっきも見たんだぜ。

「『突貫』です」

「あ」

そしてこの瞬間、〈2年10組〉の拠点が陥落したのだった。