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第2103話 ルルVSカルア! 超絶二段変身ヒーロー見参!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2103話 ルルVSカルア! 超絶二段変身ヒーロー見参!

「後ろの〈3年2組〉には手出しさせないよ! 『 絶対守護領域 ( ぜったいしゅごりょういき ) の 盾姫 ( たてひめ ) 国守城 ( こくしゅじょう ) 』!」

最初に動いたのは【 国守護 ( こくしゅご ) の盾姫】のテルニアだった。

さっきまで〈3年1組〉と〈3年2組〉の間に割って入ってしまったことに悲鳴を上げていたけれど、〈2年2組〉もやってきて戦力が充実したからか、持ち直した模様。

そのユニークスキルは自身の背後に城を出して防衛するというもの。

テルニアは〈3年2組〉への通路を召喚した城で塞ぐ形で通行止めにしてきたのだ。

「では我も最初から本気の本気で行きますぞ! 『超進化』!」

さらにグラジオラが変身に入ると、それを守るようにレイドボスたちが前に出てきた。

「ご主人様! 数を減らしちゃう?」

「おう! だが場所とタイミングを図る。準備だけしてくれ! ――シエラ、何体まで抑えられる?」

「2体までは余裕よ。エリサが回復してくれれば5体は抑えてみせるわ」

「いや、シエラちゃんすご!」

ゼフィルスの言葉にシエラが自信をもって答えれば、近くのエリサが目を丸くする。

「ルルとセレスタンは〈3年2組〉を頼む! クイナダは〈2年2組〉を攪乱しつつ南側に誘導してほしい。目的は時間稼ぎだ。やられるなよ」

「「「了解(なのです)(です)!」」」

担当を決めると一気にばらけて行動する。

リーナから連絡があった通り、ゼフィルスたちの役目はすでに〈3年2組〉の攻略から時間稼ぎに移行している。

とはいえただ逃げ回るだけでは芸がない。

なにしろゼフィルスたちだ。隙があればドカンととんでもないことを決めようと、4クラス&レイドボス10体に対し、なにやら機会を窺いながら動く。

そこへまず切り込んだ者が居た。

「『神速瞬動斬り』!」

「にゅ!?」

カルアだ。目標はなんとルル。

「狙いはセレスタンよ! 〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉!」

「グマアアアアアアアアアアア!!」

「む、分断されましたか」

さらにアケミがセレスタンを相手に〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を仕掛けてルルとセレスタンを分断する。

セレスタンは過去カルアを仕留めたことのある人物。カルアの相手はさせられないとアケミたち〈3年2組〉のメンバーがその大役を請け負った形だ。

「ん。そろそろ決着をつけたいところ」

「カルアお姉ちゃん、尋常に勝負なのです!」

セレスタンが〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉の攻撃を避けた時には、もうルルとカルアは別のマスで戦っていた。高速戦闘である。

「『プリンセスラブリーチャーム』なのです!」

「『神速』!」

「『小回転斬り』! からの『ジャスティスヒーローソード』なのです!」

「『猫軽回速』!」

ルルの初撃はデバフ。

【ロリータ】系の 職業 ( ジョブ ) が得意とする、可愛くて本気が出せないデバフを相手に与える力だ。

だが、カルアは素早さと移動速度を超バフする『神速』でデバフを相殺、むしろ上回った。攻撃力などは下がっているけれど、素早さはむしろ上がっているので問題無し。

一気にカルアがルルの背後に回らんとするが、これはルルお得意の回転からの斬撃で距離を取らせ、狙いを定めて一閃。

しかし、カルアはこれを余裕で回避していた。

「やっぱりカルアお姉ちゃんにはスキルを使っては間に合わないのです!」

「ん。ルルの攻撃も十分速い」

それはそう。

ゼフィルスがさっきカルアの相手をルルに任せたのは、ルルが2回攻撃系スキルの『ヒーローは2回攻撃していいの』やスキルの回転率が速くなる『真・小回り剣技』などを有しているからだ。

ルルだって十分速い速度で攻撃が繰り出せるのだが、そんな超速のスキルを使ってもカルアは捉えられない。カルアは『直感』持ちなのだ。

ルルは先ほどからの攻防で、まず大技は絶対に当たらないと学習。ならばと小技のスキル、下級職のスキルである『小回転斬り』や『ジャスティスヒーローソード』などでちくちく隙を作り、できたところに大技を叩き込むという作戦で挑んだが、これも回避されたことでようやくスキル攻撃じゃカルアを捉えきれないと学習した。

「ルルは通常攻撃も強いのです!」

ルルはパッシブスキル『ヒーローは2回攻撃していいの』の効果で通常攻撃が2回打てる。というか2倍の速度で打てる。

通常攻撃ならスキル後の硬直も無いため、まずは通常攻撃で隙を作らんと、ルルはカルアの下に飛び込んだのだ。しかし。

「今――『クロスソニック』!」

「にゅ!?」

当然のようにカルアはスキルを選択。ルルの通常攻撃に合わせる形で発動されたそれは、ルルの通常攻撃を弾き飛ばし、カルアのスキルを直撃させた。

通常攻撃とスキル攻撃なら、スキルが勝つのは自明の理だ。

カルアもまた、ルルの攻略を考えていた。

ルルは強い。速さも硬さも力も何もかも強い。さらにデバフまでしてくる上にMPがじゃんじゃん回復するユニークスキル持ちだ。なにそれ? である。

カルアが勝っているのは素早さと回避力くらい。

だからこそカルアは回避に集中し、ルルにスキルでは当たらないと思わせた。

結果ルルは回避できない隙を作るため通常攻撃を選択し、カルアのスキル攻撃の直撃を受けたのである。

「『スルースラッシュ』!」

「『 大回転超切斬 ( だいかいてんちょうせつだん ) 』なのです!」

だが、ルルは『ヒーローだもの、へっちゃらなのです』の効果でノックバックしない。

追撃に踏み込めば、その隙に反撃の大ダメージが返ってくるのはカルアも分かっていたため、すり抜けながら斬って立ち去り距離を取るスキルを発動。

直後にルルは全方位に巨大な回転斬りを放って死角にいるカルアに大ダメージを与えようとしたが――もちろんカルアはすでに効果範囲外に出ていたためノーダメージである。

「むむむ~! カルアお姉ちゃん超強いのです!」

「ぶい」

カルアの持ち味はヒットアンドアウェイ。

ルルは速さも硬さも力も強いが、その攻撃範囲が短く、遠距離攻撃どころか中距離攻撃もほとんど無いのが唯一の欠点だ。カルアの速さであれば、そこを突ける。反撃が届かない間合いまで一気に距離を稼ぐことができるのだ。

ルルも十分速いのだが、カルアとは少し相性が悪い。

とはいえルルの狙いは時間稼ぎだ。別にカルアを無理に倒す必要は無い。

ルルはちょっと「悔しいのです~」と心の中で思いつつ、気持ちを切り替えてカルアを抑えることに集中しようとした。

だが、今の状況はさっきまでの1対1とは違う。

相手の戦力の方が大きくて、レイドボスがいっぱいいるのだ。

そのうちの1体が、なんとルルとカルアの戦いに割り込んできた。

「ルル! そっちに1体行ったわ!」

「にゅ!?」

「カッ!」

「ん! 〈ケルビム〉!」

「ルル様、そちらに1体レイドボスが向かいました!」

「ヴォオオオオオオ!!」

「〈ヘカトンケイル〉なのです!」

それぞれ1年生を抑えているシエラと、〈3年2組〉を抑えているはずのセレスタンから警告。

なんと1年生集団からはコスト2200〈智天使・ケルビム〉が、〈2年2組〉からはコスト2350〈ヘカトンケイル〉がカルアと対峙しているルルに向けて放たれたのだ。

そう、カルアさえ自由にできれば勝機はあると見抜いてきたのだ。

そしてこれは正解。

ルルをレイドボスで抑え、カルアを自由にすれば、〈3年1組〉壊滅もあり得た。

だが、2年生も1年生も、ルルを良く知らな過ぎたのが唯一の欠点だった。

「ん! ダメ! みんな逃げて!」

「とう! 『小回り回避』! からの『ヒーロー・セイバー・モーメント』なのです!」

「え? きゃああああああああ!?」

一瞬のことだった。

〈ケルビム〉の斬撃をルルはでんぐり回避したかと思うと、そのまま〈2年2組〉の〈ヘカトンケイル〉の術者へ急接近。カルアはてっきり〈ケルビム〉の術者を攻撃するつもりかとそっちを庇ったので〈ヘカトンケイル〉の術者は無防備だった。いや、タンク3人に囲まれていて護衛はばっちりだったのに、いつの間にかルルがその護衛の内側にでんぐり返しでコロコロっと入っていたのである。目が点になる術者。

そしてもちろんLV100のヒーローの必殺技がクリーンヒット。

「トドメの――『ヒーロー・バスター』!」

「ふびゃあああああああああ!?」

「「「うっそーーーーーー!?」」」

「ヴォオオオオオオ!?」

たったの二撃。

あまりに速い回転のスキル回しに〈2年2組〉の術者女子は反応することすらろくにできずに退場。貴重な大戦力であるレイドボス、〈ヘカトンケイル〉が消えてしまったのだった。

護衛たちも、まさか一瞬で自分たちが抜かれるとは思っておらず、まさかの事態に目を見開いて驚いている。つまりは隙だらけ。

「『フォースバーストブレイカー』! 『クレセントスラッシュ』!」

「「「ぐわあああああああ!?」」」

ルルは先ほどカルアに良い一撃を貰っていたが、弱いわけじゃない。むしろとんでもないメンバーが数多くいる〈エデン〉でも強者に分類される。

一応この護衛たちも上級上位ダンジョンで戦うような六段階目ツリー開放者だったのだが、ルルに何もさせてもらえずにダウンした。あとはトドメを刺すだけの段階。

「ん! 『神速瞬動斬り』!」

「にゅ! 『瞬間移動』なのです!」

だがカルアが間に合い、ルルの隙を突きかけた。

ルルはさっきやられた攻撃だったこともあってそれを嫌い、『瞬間移動』で大きく距離を取る。

そして。

「『変身・プリンセスメイクアップ』なのです!」

「変身スキル!」

隙を突いたルルは変身スキルを発動した。約6秒ほどの変身時間が必要で、さらに変身中は無防備なこのバフスキルは、ソロや1対1の時まず使えない。

だが、割り込んできたレイドボスと他のクラスがかき回してくれたおかげで、ルルはカルアの隙を見て変身を発動することに成功する。

「『ナンバーワン・ソニックスター』! 『512・ヘル』!」

「みゅ!」

カルアはユニークスキルで一瞬で移動してルルに大技を叩き込むが、わずかに遅く、ルルの変身は完了。

直後に512回の斬撃がルルを襲い、大ダメージを負うが、まだ3分の2ほどHPが残っているので問題は無い。

カルアが大技を使った隙を突く。

「『ヒーロー・スターレイ』なのです!」

「『回避ダッシュ』!」

だが、ギリギリでカルアは回避に成功。

「カッ!」

そこに〈ケルビム〉まで追いついてルルを攻撃する。爆炎に巻き込まれるルル。

「『究極変身・ヒーロープリンセス』なのです!」

対するルルのスキルは、なんと上級職のユニークスキル、第二の変身だった。

これは約8秒の変身時間が必要。

〈ケルビム〉に攻撃され、HPが減りながらも爆炎に隠れたルルは華麗に第二の変身を決める。

「ん! まずい――『スターソニック・レインエッジ』! 『256ジ・エンド』!」

「カッ!」

二回目の変身はステータスが爆上がりするほか、クールタイムが8割減少し、さらに飛べるようになる。状態異常もデバフも無効化だ。

効果は3分だが、とんでもない破格の能力である。

カルアは瞬時にまずいと判断して攻撃に入ったが、すでに第一段階の変身で大きくステータスが上昇している上に、先ほど喰らったデバフの影響で火力不足。

ダメージを受け続けたルルだったがHPが残り1割を切ったところで変身に成功したのだった。そして。

「『ヒーローは負けないんだもん』!」

奥義を発動。

これはHPが20%以下の時にしか発動できない逆境系スキル。ヒーローはピンチの時に攻撃力が3倍に、被ダメージが80%減少するのだ。

第二の変身に加え奥義モードのルルがここに完成した。

この状態のルルは、新装備を着たカルアでも一撃で倒せる火力を持っている。

ステータスが爆上がりしたことで、条件が揃った。

「これでトドメなのです、カルアお姉ちゃん!」

「!」

ルルがここまでバフを高めたのは必要があると感じたから。

多分、カルアをここで抑えるだけじゃ足りない。またレイドボスと一緒にけしかけられる。故に、ここで憂いを立つ。

「必中なのですよ! 『神世界インフィニティ』!」

それは必中攻撃・回避無効が付いたルルの必殺技。

カルアのような速度で負ける相手にも通用する、とっておきの〈六ツリ〉スキルだ。

なお、防御はできてしまうため、今までここだ、という時に使うため取っておいたスキルだが、ここが使いどころに間違いない。今のルルなら防御されても、追撃でカルアを倒すことができる。クールタイム8割減は伊達ではない。

大量の斬撃がカルアに向かって放たれた。

だが、カルアはそれすら上を行く。

「『ディスアピア・モーメント』!」

これはカルアの上級ユニークスキル。絶対回避だ。

回避無効と絶対回避がぶつかったとき、スキルの格が高い方が優先される。

絶対回避がユニークスキルなのに対し、ルルの必中は通常の〈六ツリ〉スキルだ。故に、勝つのは絶対回避のユニークスキル。

ルルの必殺の攻撃はカルアをスルーし、なぜか〈ケルビム〉の術者に必中。

「……へ?」

〈ケルビム〉の術者は、なぜ自分に攻撃が来たのかわからず、そのまま〈敗者のお部屋〉に送られてしまい、〈ケルビム〉も消えてしまった。

「にゅ!? まさか、避けられたのです!?」

「危なかった――『128スターフィニッシュ』!」

「あ、にゅ~~~、負けちゃったのですー!?」

ここで反撃のカルアの攻撃がルルに命中。

128発もの斬撃がヒットし、ルルに128ダメージを与えて残りHPが全部なくなったことで、ついにルルは退場してしまったのだった。

ルルVSカルア&レイドボス2体対決は、レイドボスを2体失ったもののカルアが辛くも勝利した。