第2105話 次々陥落するクラス!決勝戦も終盤へ!混沌!
第2105話 次々陥落するクラス!決勝戦も終盤へ!混沌!
「ああ、あああああ!! 凄まじい! 凄まじい強さだ〈3年1組〉ーー! 〈3年2組〉〈2年2組〉〈1年2組〉〈1年15組〉連合軍を相手に全く引き下がらなーーい!」
実況席のキャスの言葉にまたも会場で歓声が上がる。
「〈3年1組〉、粘ります。残り6人になってなおこの戦果! やはり〈3年1組〉は伊達ではありません!」
「素直にすごいわ。5体のレイドボスでも〈操盾のシエラ〉を倒せていないもの」
「いやいやいや、レイドボスを5体も前にして、なんで〈操盾〉ちゃんは平然と受けきっているのかなー!?」
「〈エデン〉のサブマスターだから、ですかねぇ――む! 待ってください、ここで〈3年1組〉、仕掛けてきました!」
「明らかに1マスに1年生や2年生が追い詰められてるわ。来るわよ――来たわ! 〈眠り姫〉の永眠コンボ!」
「ああああああああ!? 多くの1年生と2年生が宮殿に閉じ込められたーーー!? まずいーー! これはまずいよーー!」
「! ここで竜に変身した〈1年2組〉リーダーグラジオラ選手が助けに――いえ、ゼフィルス氏が止めた!?」
「〈3年2組〉も止めようとしているわ。〈 百中 ( ひゃくちゅう ) のレミ〉と〈 憂撃 ( ゆうげき ) のアディ〉、〈ワイバーンライダーエサント〉、〈千剣フラカル〉のエレメースにナツキ、〈 旋律 ( 戦慄 ) のエドガー〉。――でも〈微笑みのセレスタン〉に妨害されて届かないわ」
「うっそーー!? 〈微笑み〉さんが強すぎるーーー!!!!
「ここで〈眠り姫(眠らせる方)〉がユニークスキルを発動しました!」
「待って、北で〈見晴らしの黒猫〉が〈無双の幼聖〉を倒したわ! そのまま移動!」
「へ? あ!? な、なにが起こったーーーー!? 〈眠り姫〉がやられたーーー!」
「倒したのは――〈見晴らしの黒猫〉ですか!」
「! 連合軍の撃破とほぼ同タイミングよ! ギリギリのタイミングで間に合わなかったわ。でも、あの〈無双の幼聖〉と〈眠り姫〉を倒して〈3年1組〉は残り4人よ!」
「ここでまたも展開が大きく動いたーーー! 最強無敵プリチー幼女、〈無双の幼聖〉! そしてこの決勝戦で最も撃破数の多かった〈眠り姫(眠らせる方)〉がここで退場! 討ち取ったのは〈見晴らしの黒猫〉だーー!」
「痛み分けでしょうか! ここで〈3年1組〉2人撃破は大きいです!」
「輪で確認したわ。今ので退場は33人。特に1年生が大打撃を受けたわね。あ、〈生還のアケミ〉は無事よ」
「あの人も生き残りすぎじゃない? 〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉は全然倒されないし! いつの間にか〈微笑みのセレスタン〉と殴り合ってるし!」
「【憤怒】のグラジオラ氏はファインプレーです! あれで〈勇者〉ゼフィルス氏が護衛から離れた隙を突きました!」
「〈無双の幼聖〉を撃破して〈見晴らしの黒猫〉がフリーになってしまったのがまずかったわね。タイミングも良かったわ。大戦果ね。これで〈3年1組〉は4人。〈エデン〉のギルドマスターとサブマスターが揃って残っているとはいえ、もしかしたらここで押し切れるかしら?」
「おおっとユミキさんが〈3年1組〉の部隊全滅を示唆した!? 鍵は〈見晴らしの黒猫〉かー! 〈3年2組〉の反撃が続くー! しかし今のでレイドボスが2体やられ、残りレイドボスは6体! そして〈見晴らしの黒猫〉で残り4人を倒し切れるのか!」
「〈3年1組〉はギリギリの戦いです。本来なら拠点から応援が欲しいところでしょうが、持ちこたえてます」
「拠点の方では〈2年1組〉が再度大きな攻撃を打ち込んでるからね。これが無かったら今頃援軍が送られるか、宝剣が飛んできて〈3年2組〉が落ちていたかもしれないわ」
「注目してほしいと言えば南側の〈1年1組〉と〈1年3組〉ーー!!」
「こちらも〈3年1組〉、〈列車姫ロゼッタ〉氏率いる部隊の猛攻を抑えております!」
「ここが崩れたら、あの巨大な機関車が一気に解き放たれるわ。すると一気に勝利は〈3年1組〉側になだれ込むわよ」
「この決勝戦で全ての拠点が〈3年1組〉を倒すために戦っているーーー!!」
「いったいどうなってしまうのでしょうかこの戦いは! ドキドキとわくわくのスペクタクルが続きます!」
「〈無双の幼聖〉と、ヒーラーだった〈眠り姫〉がやられたのは大きかったわね。〈微笑みのセレスタン〉も〈戦将のクイナダ〉も、回復役がやられたら最後はやられる。いえ、次に狙われるとすれば、レイドボス5体を未だに抑えている〈操盾のシエラ〉かしら?」
◇ ◇ ◇
カルア、ルルとエリサを撃破。
ユミキも示唆したようにとんでも大きな大成果である。
これはタイミングが良かった。
カルアがルルを倒した瞬間、今までシエラやゼフィルスに守られていたはずのエリサが無防備だったのだ。シエラはレイドボスを抑えるのでさすがに手一杯、ゼフィルスは転移直後で距離があり、カルアはそれを直感的に把握して、『神速瞬動斬り』で切り込み、追撃であっという間にエリサを退場させてしまったのだった。
「ルル!? エリサまで!?」
「ん! 撃破!」
これにはゼフィルスも超びっくりしていた。
なにせルルである。あのルルを撃破するとか信じられないびっくり案件だった。
しかも直後にエリサまで討たれてしまった。
カルアの大金星である。
「やるわねカルア」
「ぶい」
「やっべぇ、さすがに予想外過ぎた」
ルルとカルアなら、9割以上ルルが勝つと思っていたゼフィルスである。
だが、それはレイドボス2体という要素によって覆されてしまったのだ。
結果はレイドボス2体と引き換えにしてルルが撃破され、直後にエリサまでやられてしまったのだからとんでもない。
特にセレスタンとシエラ、ゼフィルスに回復を飛ばしていたエリサがやられたのは大きく、ヒーラーが居ないのは持久戦で致命的だ。
33人を倒し、レイドボスを2体撃破しても、ルルとエリサがやられたら成果はマイナスだ。
まさにカルア大活躍である。
残りの〈3年1組〉メンバーはゼフィルス、シエラ、セレスタン、クイナダの4人。
もしかしたら、ここで全滅の可能性が出てきたのだ。
だが、ここで南側でも大きな変動が起こった。
〈1年1組〉がついに陥落してしまったのである。
「『ゼフィルスさん! リーナですわ!』」
「リーナから通信!」
「ん! やらせない!」
即で入った通信にカルアがゼフィルスに向かわんとするが。
「今度の相手は私だよ! 『必殺・ 大閃 ( だいせん ) 刹那落 ( せつなお ) とし』!」
「『回避ダッシュ』!」
そこに割り込んだのはテルニアとグラジオラを撃破したクイナダだった。
そう、グラジオラは頑張ったのだが、やられてしまったのだ。
セレスタンは〈あのアケミ〉や〈3年2組〉の対処に向かったので、今フリーでカルアの相手ができるのはクイナダだけだった。
「みんな、通信させないで! ゼフィルスにアタック!」
「「「「うおおおおおおおお!!」」」」
「うっひょわー!? 俺大人気!?」
33人撃破しても〈2年2組〉のメンバーはまだかなり生き残りが居る。
ほとんどが六段階目ツリー開放者なのでゼフィルスも油断はできない。
「『朗報ですわ! 〈1年1組〉が陥落したのですわ!』」
「! おっしゃー! ――おおっと!」
ゼフィルスに遠距離攻撃は効かない。全部避けるから。
リーナと通信している間、ゼフィルスは避けつつ逃げつつ、回避に専念した。
通信に耳を傾ける。
「『現在ロゼッタさんたちは〈1年3組〉の拠点に進行の予定を繰り上げ、方向転換、〈1年2組〉の――』」
「『混沌イリュージョン』!」
「『――混沌を狙っていますわ!』」
「ちょっと待て!! 何だって!?」
しかし、途中で混沌が割り込んできた。
「『混沌! 混沌ですわ!』」
「混沌ですわ!? ――これ覚えがあるぞ! オスカー君か!?」
「残念ながら、私」
「誰だ!? いや待て『混沌イリュージョン』!? 【カオス・イリュージョニスト】か!」
そこに居たのは1人の女子。
〈戦闘課1年2組〉所属――掲示板では混沌術師1年生を名乗っている、ルトカである。
【カオス・イリュージョニスト】は【混沌術師】の上級職だ。闇と幻術を操るデバフアタッカーである。通信妨害や索敵妨害も可能な優秀な 職業 ( ジョブ ) だ。
「通信の天敵がいるじゃねぇか!? 『インフィニティ・バニッシュセイバー』!」
「「「「ぎゃあああああああああ!?」」」」
「む、無念ー!? でも満足……」
「『通信終わりますわ!』」
「いや、リーナ! ちょっと待って!?」
短く、要件を伝えただけの通信のようで、クールタイムが終わったばかりの全体攻撃を放ち状況をクリアにした時にはリーナの通信は終わっていた。
「いや、リーナは朗報って言ってたな。あれが成功したってことだろう。なら!」
だが、これだけでリーナの作戦の意図は十分ゼフィルスに伝わった。
通信妨害は、ほんの少し遅かったようだ。
故に、作戦が練られる。
「〈2年2組〉は俺がやる! シエラはそのままレイドボスを! セレスタンは〈3年2組〉を、クイナダはそのままカルアを頼む! 時間稼ぎするぞー!」
「「「!」」」
ゼフィルスの言葉は相手にも味方にも聞こえたし、衝撃も与えた。
時間稼ぎはどういう時にするのか?
もちろん、援軍ないし、別動隊が何か作戦を決行している状態の時にするものだ。
1年生はまだまだ分からない者が多かったが、3年生と2年生の多くには、また〈3年1組〉が何かしようとしているというのが明確に伝わった。
「させない! 『エージェント・レイド・クロネコ』!」
「私だってそうだよ! 『 大軍 ( たいぐん ) 無双 ( むそう ) 乱舞 ( らんぶ ) 粉砕 ( ふんさい ) 』!」
カルアの猫津波発射。
だが、これはクイナダの無双スキルに阻まれた。
お互い手の内を良く知っているので、スキル対決だとなかなか決着がつかない。
しかも、カルアはルルとの対決でクールタイムが全然万全ではなく、本当ならユニークスキルで一瞬で移動すればクイナダを抜けるのに、できなかったりする。
クイナダもクイナダでテルニアとグラジオラの戦いで多くのスキルがクールタイムに入っているので防御寄りだ。おかげで何とかカルアの速度に食いついていけている状態でもある。
「囲め囲め!!」
「『オープン・ザ・サウザンドシールド』!」
「またこれー!?」
「盾多すぎでしょ!?」
「ダメージ与えられないし、与えたところから回復するし、これがタンクの完成系!?」
「私が時間稼ぎをすると強いわよ」
「俺がヒーラーも兼任する! 『ブレイバーオールヒール』!」
シエラは圧倒的防御力でレイドボス5体に囲まれている状態でも全然元気だった。
完全に防げているし躱せているので問題ない。
HPは基本『盾姫ヒーリング』で回復。かなり喰らった場合はポーションで回復しながら、自身だけを守る防御に入った。ゼフィルスもできる限り回復魔法で援護する。こうなるとシエラは本当に硬くて1年生ではレイドボス5体を持っていても突破は難しい。
「いやああああああ!? 〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉早く叩いて! あの執事を撃破して!」
「『 瞬拳 ( しゅんけん ) 』!」
「ひゃああああああ!?」
「む。これも避けますか。『急所はそこです』!」
「そこにはないわー!」
「あの方は、本当に魔法職なのですかね? 僕でもとても疑問に思えてきましたよ」
「グマアアアアアアアアアアア!!」
一方こちらはアケミと〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉。他に何人か〈3年2組〉の学生たちも奮闘しているが、セレスタンは最優先のアケミに対して何度か隙を突く。
しかし、その全てが避けられていた。
セレスタンの神速の拳も転がったり、跳ねたり、後ろも見ずにダッシュして躱し切る。おかげで自由な〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が何度もセレスタンにアースクウェイクや斧による乱舞を打ち込んでいるが、セレスタンはこれも余裕の回避である。
お互い、本当に人か怪しくなってきたころ、また戦況は動く。
「え? うそ! きゃああああああ!」
「転移陣だーー!」
「まさか、拠点が落ちたのかーーー!?」
まだ生き残っていた〈1年2組〉の学生たちの足元に突如転移陣が発生したかと思うと、そのまま退場してしまったのである。
「来たぞ! 撤退するのならば追撃する!」
ゼフィルスの宣言に動揺していた〈2年2組〉がさらにビビった。
今のでこの場に居た貴重なレイドボスが2体消えたのだ。
これでレイドボスは4体。
〈1年2組〉の拠点を撃破した〈3年1組〉の部隊が居た。もちろんロゼッタの部隊だ。〈1年1組〉拠点を落としたという連絡が来たのがついさっき。ならば、地形的に見てロゼッタたちは〈1年3組〉をスルーして〈1年2組〉を狙ったのだろう。
さっきの通信は、その情報共有だったと思われる。
ならその部隊は次にどこの拠点を狙うのか? 近いのは〈1年15組〉だが、正直そこまで優先度は高くはない。
レイドボスは脅威だが、それは〈2年2組〉も同じだからだ。
つまり、次の狙いは、六段階目ツリー開放者を何十人も抱え、コスト7400を持つ――〈2年2組〉である。
しかも、ゼフィルスの言葉で撤退が難しくなった。
ロゼッタの〈スプールルート〉が真っ直ぐに〈2年2組〉へ向かうのが遠目でも確認できてしまい、ついに4クラスの連合軍の結束は崩れてしまったのだった。
結果から言えば、〈2年2組〉→〈1年15組〉→〈1年3組〉の順に次々と別動隊のロゼッタたちが拠点を落としていき、最後に〈3年2組〉の拠点にたどり着いたのだ。
残る拠点は〈3年1組〉〈2年1組〉〈3年2組〉の3クラスに絞られた。