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第2107話 〈3年1組〉VS〈2年1組〉防衛戦と〈猫津波〉!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2107話 〈3年1組〉VS〈2年1組〉防衛戦と〈猫津波〉!

「『現在西側の防壁が突破され、拠点にダメージを受けておりますわ!』」

「拠点にダメージ!?」

クラス対抗戦と言えば防衛モンスター。

ゼフィルスたちがまだ1年生や2年生の時、防壁を突破してもそこには倒せない強敵、防衛モンスターが居て、とてもではないが拠点まで届かなかった。

だが、3年生ではそれが大きく変化。

なにせ、コストの関係で〈3年1組〉の防衛モンスターは、弱いからだ。

レイドボスすらLV100のメンバーが頑張れば倒せるのだから、レイドボスが召喚できない〈3年1組〉の防衛力は、シャロンやカタリナ、リーナやラナたち個人の働きが大きい。

シャロンの防壁はその最も重要な部分で、ここが突破されるということはカタリナの結界も突破されているという意味。

つまり乱戦状態で、拠点に王手が掛けられたことを意味する。

さらに拠点にダメージとか、〈1組〉にとってそんなの初耳!

ゼフィルスはすぐに指示を出す。

「リーナ、ユニークスキル、発動だ!」

「『はい! 通信切りますわ!』」

「全員 傾注 ( けいちゅう ) ! 拠点の防壁が破られた! 転移するぞ!」

通信が切れて数瞬、ゼフィルスの声が届くと共に、〈3年2組〉拠点跡地付近に居たメンバーは転移した。

◇ ◇ ◇

少し時間は遡り、こちらは〈3年1組〉拠点の西側、防壁突破前。

そこはとんでもない光景が広がっていた。

「我が軍城は落とさせはしませんぞ! 『国力回復』!」

「いくですの――『氷龍』!」

「みんな回復するよ! 『神使の継快儀式』!」

なんとシャロンの防壁のすぐ横にヴァンの城が建ち、そこからガンガン攻撃が防壁に向かって放たれていた。

だが、防壁に当たった攻撃は弾かれ、防がれる。

それをなしているのはカタリナの結界で、結界と防壁という二重構造が〈3年1組〉の拠点を守り続けていた。

そう、超至近距離からの城建造とそこからの攻撃。

〈3年1組〉からの反撃も城の硬い防御で受け止め、お互いの防壁と第二拠点を破壊しようと応酬していたのだ。

特に〈2年1組〉は頑張った。

〈2年1組〉のコストは3000、レイドボスはほぼ1体までしか召喚できない。

そうして〈2年1組〉が採用したのは、コスト2150〈座天使・ソロネ〉。

〈聖界ダン〉の30.5層のレイドボスにして、〈戦車〉の天使だ。

これは〈エデン〉が持つ〈ソロネ〉の召喚盤を使い、初期から召喚していた移動手段兼戦力である。

先行させた天使に無理やり壁となってもらって突き進み、〈3年1組〉の防壁に素早く張り付き、攻撃する。

だが、最初の衝突時はヴァンがいなかった。あの〈3年1組〉が北の〈2年5組〉拠点に出撃した時のことだ。

その後、〈2年5組〉が陥落したことでロゼッタの〈スプールルート〉が引き返し、〈2年1組〉も挟撃を警戒して後退せざるを得なかった。

だが、〈スプールルート〉はあろうことか拠点に戻らずそのまま〈1年1組〉拠点へ向かってしまった。戦局を決める王手をかけてきたのだ。

これはまずいと〈2年1組〉はすぐに再攻撃を仕掛けた。だが1年生たちのところで猛威を振るっていたフラーミナたちが駆けつけていたため突破はさらに困難。

それにレイドボスも 耐久 ( HPの ) 限界が近かった。

そこで〈2年1組〉は、レイドボスに最後の仕事を敢行してもらう。

拠点防衛を任せていたヴァンを引っ張ってきて、防壁のすぐ近くに第二拠点を建造してもらったのだ。その過程で レイドボス ( ソロネ ) が犠牲になったが、代わりにこうして第二拠点を防壁のすぐそばに建造することに成功。がっつり、防壁を破壊できる環境が整った。

なにせ〈2年1組〉には【破壊王】のナキキがいるので、なんとか防壁の隙を作り出せれば第二拠点から飛び出してすぐ側の防壁を粉砕できるはずだったのだ。

と思っていた〈2年1組〉だが、〈3年1組〉は恐ろしく強かった。

分かっていたけれど、全然突破できなかった。

ゼフィルスはいないけど、リーナの指揮力はかなり高く、防壁に隙が全然できない。今ナキキを投入しても、撃破されて終わるだろう。それは〈3年1組〉の防壁を破壊するチャンスを永遠に失うということだ。故に〈3年1組〉もナキキを誘う隙をちらちら見せてきたりしている。ということで約20分、千日手状態だった。

これはまずい。時間を掛ければ掛けるだけロゼッタが周りのクラスを攻め落とし、味方が減る。

時間は〈3年1組〉の味方だ。

そして、〈3年1組〉はナキキを全力で警戒している。あかん。

だが、〈3年1組〉の〈スプールルート〉が〈1年3組〉を陥落させ、〈3年2組〉の攻略に入った直後、事態は動いた。

「お嬢様! コスト回復しました!」

そう、クラリスの言う通り、コスト2150〈座天使・ソロネ〉が撃破されて20分、ようやくコストが回復したのだ。

だが、ここで〈2年1組〉が選択したのは、〈ソロネ〉の再召喚じゃなかった。

「ようやく反撃の時ですわ! あれを召喚しますわよ!」

「はい! 召喚します! 術者ヴィレルノーアお嬢様! 召喚盤は――〈猫津波〉!」

そう、回復したコストで別のレイドボスを召喚することも可能。

そして〈2年1組〉が召喚したのは、切り札。コスト2000〈猫津波〉。

「「「「「ニャアアアアアア!!」」」」」

大量の猫たちがコンソール近くにできた転移陣から溢れ出したのだ。

「行きますわよ! 全軍ついてくるのですわ!」

「「「「「ニャアアアアアア!!」」」」」

これこそ〈2年1組〉の切り札。

最上級ダンジョンのランク2、〈猫界ダン〉の30.5層のレイドボス。

階層数的に見れば大したことないが、そのコストはなんと2000だ。

60.5層の〈ヨウネル〉が1850なのに、上回ってらっしゃる。

ちなみに最奥のレイドボス〈ベヒモス〉も2000なので、〈猫界ダン〉 最強種 ( トップクラス ) と考えてもらって相違ない。

そして、今まで〈猫津波〉は、どこのアリーナでも登場しなかった。

ゼフィルスが学園に渡した召喚盤がそもそも1枚だったというのも理由の1つだが、あまりにも強すぎたからだ。

だってこの〈猫津波〉、〈フェアリークイーン〉以上に術者を狙ってぶっ倒してくるんだもん。

カルアの猫たちを見れば分かる。使ったクラスが勝利を握るだろう。

このクラス対抗戦の新ルールでは術者が倒されればアシストモンスターも消えてしまうルール。レイドボス対戦時、その術者を一番効率よく倒せるレイドボスが、何を隠そう〈猫津波〉だった。アカン。こんなの出したら勝負にならない。

ということで学園長とカイエンは、これは決勝戦のみの出現物にしようと、これまでほとんど配置しなかった経緯がある。

ちょうどゼフィルスが持ち込んだレイドボスの召喚盤が64枚だったので、7つのアリーナに9枚ずつ配置すれば63枚。1枚余るのも〈猫津波〉を今まで出さなくてよかった理由だ。

準決勝で64枚を32枚ずつに分けて全て配置することになった時は、非常に分かりづらいところに配置され、結局誰にも召喚盤は見つからずに終わったほどだ。

その解禁された〈猫津波〉の召喚盤は偶然にも〈2年1組〉が入手した。

手に入れたのが結構遅く、すでに〈ソロネ〉を召喚した後だったが、〈ソロネ〉が居なくなったので満を持して召喚した形だ。

そして〈猫津波〉は、ヴァンの第二拠点すらぶっ壊した実績を持つ強力なレイドボス。まさに防壁攻略にうってつけだった。

「みなさん~、乗ってください~」

さらにここで【メディカルキャラバン】のユルシィが専用装備の〈メディカル・アンビュランス1号〉を発進。主要メンバーと〈猫津波〉を最速で前線に送り届けたのだ。

「ありがとうございますユルシィさん! ――みなさん突撃ですわー!」

「〈猫津波〉来てるよー!」

「お嬢様、お待ちくださいって言ってるでしょう!?」

こうして〈猫津波〉を引き連れたノーアが合流。

フラーミナのモンスターを飲み込まんとした。

「そうはさせないよ! 私の〈猫津波〉もここで召喚! 『召喚盤よ。我が軍勢に入れ』!」

だが、甘い。

〈エデン〉が手に入れた〈猫津波〉の召喚盤は、全部で2枚あったのだ。

1枚は学園に売ったが、1枚はフラーミナが持っていた。

これはフラーミナの切り札。〈猫津波〉&ワンちゃんたちを召喚する『ワンダフルパニック』を合わせた技、ワンニャンパレードというフラーミナの必殺コンボ技が光らんとする。

しかし、どうやら甘かったのはフラーミナの方だったようだ。

「今です! 『羨ましいからそれ禁止』!」

「ああ!? しまった!? 狙いはこっち!?」

はい。召喚盤は禁止されて召喚できなくなりました。

「ナイスキキョウ!」

「ずっと狙ってましたから!」

そう、キキョウはずっと狙っていた。

【嫉妬】の非常に強力なユニークスキル、『羨ましいからそれ禁止』をどのタイミングで切り、どのスキルを禁止にするのか。

候補は無数にあったが、やっぱり危険なのはクラス対抗戦などの〈拠点落とし〉で猛威を振るう【傲慢】のスキルである。

マジ【傲慢】は〈拠点落とし〉特化職と言っても納得するくらい〈拠点落とし〉では鬼強く、【大罪】職で総合評価が最も高い【嫉妬】をこの時だけはさらに大きく上回る。

ぶっちゃけ〈拠点落とし〉で一番強い 職業 ( ジョブ ) なのだ。

そんなの弱体化させないとあかん。

狙いはそのユニークスキル、『真の力を取り戻せ』。

あの1年生たちを簡単に全滅させてしまったスキルである。

だが、これを禁止にされるのは当然フラーミナも警戒している。

故にキキョウが狙っていたのは――召喚盤の召喚スキルだった。

たったこれだけでフラーミナの脅威がガクッと落ちる。

『真の力を取り戻せ』だってボス級の召喚盤が無いと使用できないからだ。

だが、それだけだったらシャロンも召喚盤召喚ができるぞ、と思うかもしれないが、シャロンは先ほどからの防衛戦ですでに召喚盤からレイドボスを召喚し、さらに〈2年1組〉に狩られている。再召喚にはあと10分以上のクールタイムが掛かる模様だ。

故に『羨ましいからそれ禁止』はかなり良い急所を突いた。

これが勝負を決めた。

「今ですわ! ナキキさん出撃ですわ!」

「ナキキ、がんば!」

「行くっすよー! 『全ては無に還る』! 『ブレイクシャター・ゼロアーマー』!」

チャンスは今しかないとばかりにナキキがついに出撃し、まずカタリナの結界をアーマーゼロにして破壊。

「やるじゃないの! 『大聖光の無限宝剣』! 『神の天誅』!」

「『 彗星槍 ( すいせいそう ) 』!」

「その攻撃いただきますわ! 『ミョルニル』!」

「お嬢様はやらせません! 『ディバインセイバー』!」

「「「「「ニャアアアアアアアアア!」」」」」

ラナの攻撃にカウンターを合わせてノーダメージ。――とはいかず何本かやられたり、クラリスがエステルの投げ槍に切り込んではじき返そうとしたが、吹っ飛んだりしつつ、猫たちが必死にナキキを庇って攻撃を防ぎ切った。次の瞬間だ。

「『ドワーフ大噴火』!」

ナキキの一撃の威力が一時的に5倍になり。

「『破壊王の鉄槌』!」

ここでドッカーンという音を立てて防壁が破壊されて崩れ、まず〈猫津波〉たちが押し入った。