LNCrawler

第2109話 クラリスVSシズ! ノーアVSエステル!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2109話 クラリスVSシズ! ノーアVSエステル!

「むむ! さすがに厳しいわね! 『大聖光の十宝剣』!」

「近距離で戦えるメンバーが少ないですわ! 『援護兵砲・タクティカルキャノン』!」

「私が抑えるでやがります! 『 大強欲吸覇城占盾 ( だいごうよくきゅうはじょうせんたて ) 』!

宝剣や魔砲撃が降るが遠距離攻撃はモニカが防ぐ。〈3年2組〉でラナの攻撃を防いできたのがトモヨなら、〈2年1組〉ではモニカがその役目を果たしていた。

「アイシャさん、ゼフィルスさんたちは?」

「もう間もなく〈3年2組〉を陥落させそうだよ!」

「陥落させたらすぐに教えてくださいまし、今はゼフィルスさんたちを邪魔できませんわ」

この時はまだゼフィルスたちが〈3年2組〉を倒すために奮闘している状態。

あともう少しというところで〈3年2組〉が陥落することになると〈竜の箱庭〉を観察するアイシャから連絡を受け、リーナは方針を決定する。

まだ余裕があるのだ。〈3年1組〉はまだ陥落しない。

「シズさんとパメラさんを投入ですわ!」

リーナの指示でシズとパメラがそれぞれシュミネとナキキを倒し、拠点が一瞬で落ちる可能性を排除することに成功する。

だが、〈猫津波〉は止まらない。

さすがのフラーミナのモンスターたちも全ての〈猫津波〉を抑えることはできず。ついに拠点に到着した〈猫津波〉が現れ始めたのだ。

「! 〈猫津波〉、到達しましたお嬢様!」

「良いですわ! 私たちは〈猫津波〉を援護しますわよ!」

「「「「「ニャアアアアアア!!」」」」」

とうとう、史上初、〈3年1組〉の拠点にダメージが入った瞬間だった。

ほんのわずかなダメージではあるが、それは限りなく大きな一歩だった。

まさに前人未到の領域へ踏み出したのである。

「みなさん! 〈猫津波〉は一旦放置! とにかくLV100級の方々を止めることに集中してくださいまし! 『殲滅兵砲・エクスプロージョンノヴァ』ですわ!」

「あの辺全部攻撃するわよ! 『神の天誅』!」

「やらせねぇでやが――!?」

「『魔弾』! それはこちらのセリフですよモニカさん」

ラナの天誅で光の柱が降り注ぐ。モニカが防がんとするが、それは攻撃を差し込んできたシズに止められてしまったのだ。

「退避ですわーーー!!」

「きゃあああああああ!?」

「1人やられた!」

〈2年1組〉のメンバーは〈エデン〉所属の14人と6人の六段階目ツリー開放者の計20人の戦力が攻めてきていたが、これで残り17人。

リーナとラナの攻撃に、1名が〈敗者のお部屋〉に送られた。

「やはり接近戦能力が圧倒的に足りませんわね!」

〈3年1組〉の戦力はラナ、エステル、シズ、パメラ、リーナ、シャロン、ノエル、カタリナ、フラーミナ、ルキア、アイシャの11名。

見ての通り、接近戦が得意なメンバーは少ない。

だが、〈2年1組〉はかなりのバランス型。接近戦が得意なメンバーも豊富だった。

「ラナ殿下とリーナさんを倒さないと延々と狙撃を受け続けますわ!」

「あたいがいく! 接近戦ならこっちに分があんだろ!」

「ゼルレカさん、1人では無茶ですわ! 私も行きます! クラリスも来てくださいな!」

「分かりました! 私が援護します! お嬢様はエステルさんを!」

ラナたちの護衛はもちろんエステルだ。パメラはナキキを撃破しに向かってしまったのでここにはいない。

接近戦が得意な3名が一気に飛び出してくるのに、エステルが1人で立ち向かわなければならなかった。

「ここから先は行かせません!」

立ちはだかるはエステル。

「私たちの勝利のため、押し通らせていただきますわ!」

「! お嬢様! 『操剣防御』!」

「仕損じましたか」

「シズ先輩、いつの間に……!」

だが目の前のエステルに集中した瞬間、真横から狙撃。これはかろうじてクラリスが防いだ。

攻撃してきたのは、肩の付近に2つの自由銃を浮かべたシズである。いつの間にか拠点の真上でラナの護衛をしていた。モニカを撃った後、即で拠点まで引き返し、ラナを襲わんとする相手を側面から撃った模様。

「私がやります!」

「頼みましたわ!」

シズの相手はクラリスが承った。従者対決だ。

また、シズを相手に倒せるのは、この中ではクラリスくらいしかいない。

これは強さ以前に相性の問題だ。相性が良くないとシズにはまず勝てない。罠や狙撃でろくに近づかせてもらえず、ただやられてしまうだろう。それがシズである。

しかも、相性が悪くなければ勝てるという存在でもない。

「『千剣突撃』! ファランクス陣形! 発射!」

「『マルチバースト』! 『デスショット』!」

「な!」

即で空に浮かぶ自在剣を剣山、あるいはファランクスに仕立てて突撃させるクラリスだが、これは分裂する銃撃で相殺。さらに追撃の『デスショット』がクラリスに直撃してしまう。

『デスショット』は〈即死〉スキル。命中したクラリスは一瞬で〈即死〉判定された。試合中に1度〈即死〉を無効にする『カメ代わり』が無ければ今の攻防だけで勝負が付いていたことだろう。

クラリスの千剣は超強力だが、射出する関係上、攻撃のテンポが遅いのが欠点だ。つまり、スキルを連打しにくい。だって射出しちゃって手元に自在剣が無いから。よって防御できず、直撃したのである。

「私を相手に油断していますと、すぐにやられてしまいますよ?」

「~~~!! ご教授感謝します、シズ先輩! 『 千剣足場 ( せんけんジャンプ ) 』!」

さすがに従者対決ではシズが上。

クラリスも改めてそれを実感した上で勝負に出る。

〈五ツリ〉の『 千剣足場 ( せんけんジャンプ ) 』はその名の通り、自在剣を足場に使えるスキル。

『千剣の翼モード』を選択しなかったのは、あっちが鳥に乗るようなものなのに対し、こっちは足場で、自らジャンプするからだ。

つまり、『 千剣足場 ( せんけんジャンプ ) 』は縦横無尽に不規則でむちゃくちゃな軌道で動くことができ、回避もしやすい。故に採用。

クラリスの選択は正解だ。『千剣の翼モード』を使っていたら、シズ相手には的にしかならなかっただろう。

自在剣を射出したらその隙を突かれてしまうことが証明されてしまった今、遠距離戦では敵わないクラリスができるのは接近戦しかない。これで一気に近づく。

「『魔弾』! 『ジャッジメントショット』! 『ハートスナイプ』!」

「!!」

空中の剣をジャンプ、ジャンプ、ジャンプしまくるクラリス。

縦横無尽に、時には剣から落っこちてでも転がってでも回避する。

空中を走り、飛び、あらゆる機動で少しずつシズに接近。

だが、シズの肩の自由銃も含めて一度に3連射される攻撃は非常に避けづらく、何発か掠る。

「『グレネード』!」

「! 『 二剣 ( ふたつるぎ ) ・ 流閃 ( ながれひらめき ) 』!」

「!」

ここでクラリスが勝負に出た。

『グレネード』は爆発系。しかもこれも3連発。避けられない。

だが、威力は〈三ツリ〉級。受けても問題ない。

故に被弾覚悟で一気にソニック系スキルを使って距離を詰めてきたのだ。

「『フェニックスショット』!」

「! はああああああ!」

クラリスのソニック系『 二剣 ( ふたつるぎ ) ・ 流閃 ( ながれひらめき ) 』はシズの一撃と相殺してしまうが、あとほんの少し。クラリスがさらに自在剣をジャンプする。もう、残り2メートル。ここだ。

「『ディバインセイバー』!」

シズは逃げない。動かず真っ直ぐ銃を構えクラリスに向けるだけ。もう目と鼻の先にクラリスが接近していても、シズは動じずにスキルを使う。

「『ファースト・クレイジー・リボルバー』!」

ズドンと発射音。

倒れたのは――クラリスだった。

『ファースト・クレイジー・リボルバー』は命中した相手をダウンさせる。クラリスはシズのHPを6割削ったが、無念のダウンをしてしまっていた。

「~~~~!!」

「ここまで近づかれるとは思いませんでした。成長しましたねクラリス」

だが、ここでクラリスは〈敗者のお部屋〉に送られてしまったのだった。

一方エステルVSノーア。

火力最強VSカウンター最強。

「『ロングスラスト』!」

「『カウンタープロミネンス』ですわ!」

ガキーンと金属音が鳴り響く。エステルの攻撃に対してノーアがカウンターを取ったのだ。しかし、エステルにはノーダメージ、なにせ届いていない。

「む~~! これでは届きませんわ!」

「当然です。私は槍使いなのですから、それに、〈乗り物〉使いでもあります」

エステルの 職業 ( ジョブ ) は【戦車姫】。

ゼフィルスが「騎士爵」の 職業 ( ジョブ ) の中で最強と言い、上級部門・ 公式最強職業 ( トップオブジョブ ) ランキングで第六位に輝くガチでマジで超強力な 職業 ( ジョブ ) だ。

現在のエステルは足に〈スカイスローン・ハイローラー〉を装備して 空 ( くう ) を滑り、相手の間合いの外から強力な大砲である槍で一方的に攻撃している。

ノーアがカウンターで防御、反撃しても、すでにそこにはエステルはおらず、間合いの外からの攻撃なので得意のカウンターも決まらず、まさに勝ち目無しという状況。

ノーアもエステルが鬼強いことは知っていたが、それはモンスターに対して、あの〈戦艦・スターライト〉を使った時が一番強いと思っていたため、それが無い今、ノーアのカウンター戦法でも良いところまで行けると思っていた。

だが、とんでもない。対峙したからこそ実感できた。本気のエステルはまさに戦車なのだ。まず接近戦なんかしないし、常に動き続けているし、超強力な攻撃を手が届かない場所から打ち込んでくる強敵なのだ。当然向こうの方が速いので追いかけても追いつけないおまけ付き。なんなら距離が離されたら戦艦まで使われる。

え? これ勝てなくない?

うん、勝てないのだ。ノーアでも。ガチで。

上級部門・ 公式最強職業 ( トップオブジョブ ) ランキング第六位の名は伊達ではないのである。

「こうなったらカウンターは捨てますわ! 『十全武器展開』!」

「もうそれしかないとも言えます」

「ですわ。だからこれで最初で最後ですわ! 『レボリューションセンチュリー』!」

ノーアの必殺にして最強技の1つ。

カウンターを使えない、接近戦もできないとなれば、武器を射出して攻撃するしかない。

ノーアの『ウェポン革命オールマスター』は100本までの様々な武器を収納できる。

大量の最上級武器がノーアの倉庫から顔を出し、狙いを定め、一気にエステルに襲い掛かる。正直エステルではどんなスキルを使おうとも迎撃しきれない攻撃の雨だ。

当たればガチガチに鎧を着たエステルでさえ退場に追い込まれる可能性が高い。

故に必殺。

だが―――それは当たればなのだ。

「『オーバードライブ』!」

エステルの回答は、当然回避。

背に誰かを庇っているわけでもないし、当然回避を選択する。

エステルの方が速いのだ。まず遠距離攻撃とかなかなか当たらない。

これだから【戦車姫】は鬼強いのだ。ぶっちゃけ1対1で勝てる 職業 ( ジョブ ) はほとんどない。

だが、ノーアの目的はあくまで拠点落としであってエステルの撃破ではなかった。

目的はラナからの宝剣を止めることで、エステルの行動はそのラナを守ることなのだ。間違えてはいけない。

故にノーアの攻撃の目的は、エステルをラナから離すことだった。

ノーアは攻撃が終わった瞬間、手に持つ〈智天使・ケルビムの 回炎剣 ( かいえんけん ) 〉をぶん投げた。

「ラナ殿下、お覚悟くださいまし――『投擲必中』ですわー!」

ノーアの最後のスキルは必中付き攻撃、『投擲必中』。

それをラナ狙いで投げたのだ。

これでラナがダメージでも負えば間違いなく宝剣が止む。警戒してエステルたちも動けないだろう。倒さなくてもいい、宝剣が撃たれず、〈3年1組〉の動きが遅くなればと願いが込められた攻撃。しかし。

「悪いけど、ラナ殿下はやらせないわ――『クイーンオブカバー』!」

残念。

しかし残念!

「あ、た、た、た、大変ですわーーーー!?」

そう、このタイミングで、ゼフィルスたちが帰ってきちゃったのだ。