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第2119話 ニーコ大暴走!〈王〉〈神〉〈宝〉系装備!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2119話 ニーコ大暴走!〈王〉〈神〉〈宝〉系装備!

それから3層では 初級下位 ( ショッカー ) の最後の1つ、〈静水の地下ダンジョン〉の最奥ボス〈アリゲータートカゲ〉のレイドボスが出て、第三形態では 上級下位 ( ジョーカー ) のランク1、〈嵐ダン〉の徘徊型、〈リザーロス〉のレイドボスが登場したところでほぼみんな確信に至った。

「やはり、〈万界ダン〉とは違った追想の一種ですわね。歴代のボスがレイドボス化して相手になるのですわ」

「ええ。本来ならレイドボスがそんなコロコロ他のモンスターに進化して襲ってくれば、行動パターンが大きく変わるだろうから対応は難しいはずなのだけど」

「私たちはボスと戦い慣れてるものね! あれくらい難なく対処可能だわ!」

「ゼフィルス殿が早々に始めたボス周回が、巡り巡って今みなさんの力になっているわけですね」

リーナの考察にシエラが同意しながらなぜか俺を横目でちらりと見る。

ラナが核心を突く言葉を紡いでいるな。エステルも同意するように二度頷いていた。

そう、みんな大体予想が付いたように、ここは過去のボスがレイドボス化して勝負するダンジョン。

過去にどれだけボスと戦い、ボス戦に慣れ親しんでいるかが焦点になる。

対ボス戦闘にしっかりと取り組んできたギルドメンバーの実力が試される場所だな。

「これが90層まで続く、ということでしょうか?」

「わかんないぞ。もっと深いかもしれない。何せ、ここは最後のダンジョンだしな」

「確かにそうね。ボス戦の時間は今は20分ほどで、階層攻略速度としてはかなりの早さだけど、もう少し慎重に進むべきかもしれないわ」

俺の助言にシエラが真剣に悩み込む。

実際、この〈神界ダン〉は90層ではないのだ。もっと先がある。なにせ、最後のダンジョンだからな。この先何が起こるか分からない。

ボスを簡単に倒せるからとポンポン前へ進むと、うっかり何かとんでもないものを踏み抜きかねない。今一度慎重に進もうとシエラが締めた。

「うっひょおおおおおおおおおおおお!」

「あ! またニーコ君が爆発したよ! サチたち、手伝って!」

「はいよー! 落ち着くんだよニコちゃーん!」

「はーい、ニッコニコ~、ニッコニコ~」

「うん。落ち着いて落ち着いて」

「ここは天国なのだよー!」

そんな俺たちが大事な会議をしている側では、これまで手に入れた〈宝具〉たちが並べられ、鑑定していたニーコがトリップしてカイリたちに取り押さえられていたりする。

ここは4層の 救済場所 ( セーフティエリア ) 。

現在モナたち〈採集無双〉がこれまで通り 救済場所 ( セーフティエリア ) 内でがっつり採集中。

俺たちはその間、こうして今後の方針を練っているところだった。

3層も突破すれば余裕は出るもので、それまであった何が起こるか分からない、という緊迫感は大体霧散し、みんな思い思いに心身を休めている。

なお、ニーコは今までに獲得した〈宝具〉の類を並べて大変癒され……癒され? あれは休んでいるうちに入るのかな? まあ、充実はしているっぽい。

とりあえず俺たちも会議は終わりにして休むことにした。

とにかくここからは急がなくてもいい。慎重さを忘れないようにしようという結論だ。

「あ、会議終わったゼフィルス君?」

「ならこっち来て~。ニコちゃんがゼフィルス君と話したいんだって」

「あ、ニコちゃんはこっちで半分捕まえておくから安心して近づいてきていいよ」

「ニーコはなにをしたんだし?」

サチたちに誘われて〈宝具〉が置いてあるところに向かうと、ニーコが両腕を固められた姿で出迎えてくれた。

「勇者君、待っていたのだよ。ちょっと見た目が悪いところはご容赦してほしい。それよりも重要なことがあるのだ。これを見てほしい」

「おう。3層で手に入れた〈王弓〉〈神弓〉〈宝弓〉だな」

「うむ。まさか一度に弓が3張も出るとは思わなかったよ。しかもそれぞれについている称号が素晴らしい。王、神、宝だ。今までドロップした装備には必ずこのどれかの称号がついていた。どの武器が強いのかがこれではっきりするよ」

そう、この〈神界ダン〉の汎用装備は、主に〈王〉、〈神〉、〈宝〉の3種類の名前で登場する。

この3層までにドロップした現物ドロップ12個は全て、このいずれかの名前が付いていたのだ。ニーコはここに注目したらしい。お目が高い!

「勇者君も気になるだろう? いったい一番強いのはどれなのか、王の名の付く武器なのか? 神の名を持つ武器なのか? それとも宝こそ最強か? ぼくの知的探求心が何度か爆発したくらいのテーマ、そして、答えがここにあるのさ」

「ああ、会議中3回くらいトリップしてたな。良く聞こえてたよ」

「いやはやお恥ずかしい」

サチたちに頭をなでなでされて気を静められている(?)ニーコ。荒ぶる神かな?

まあテンションが暴走するのは仕方ない。テンションは上がりすぎると暴走するものなのだ。俺は理解ある勇者だ。

「結論から言えば、能力が一番高いのは、〈神〉だ」

「妥当と言えば妥当だな!」

「うむ。ぼくも思ったよ。妥当と言えば妥当な結果だってね! だけど、じゃあ王や宝は弱いのかと言われればそうでもないのだよ。見てくれこのスキルを」

「〈王〉は攻撃寄りのスキルが4つもあるな。そして〈宝〉は補助系のスキルを持っていると」

「そうなのだよ! ちなみに〈神〉はどっちも持っていて半々だ。どっちつかずの中途半端。でも能力値は〈神〉が一番高いんだ! 例えばカイリ君やぼくみたいに攻撃スキルをあまり持っていない 職業 ( ジョブ ) 持ちには〈王〉が適しているだろうね。武器の攻撃スキルを十全に使えれば戦闘でも十分貢献できるはずさ!」

「ほほう。もうそこまでたどり着いたか、さすがはニーコだぜ」

「なぬ!? 勇者君、まさかぼくより先に気づいていたのかい!?」

「勇者だからな!」

「ぬぐぐ!? ま、待ちたまえ、ならこれはどうかな?」

さすがはニーコ、王や神、宝の特性をいち早く見抜いたか。

だがこれは武器の話。なら〈王鎧〉はどうなんだい? と装備の話にニーコは持っていく模様。

ふふふ、こういう〈ダン活〉知識を語れる相手というのは大変貴重だ。

ニーコとの話はとても面白い。

「盛り上がっているところ悪いのだけど、そろそろ次の4層ボスに挑む準備をしておいて、モナたちが大体終わったそうよ」

「マジか」

「な、なぬ! 今いいところなのに! シエラ君、もう少し延長を!」

「帰ってからにしなさい。どうせまだまだ増えるのよ?」

「ぐぬ!? た、確かに。ぼくとしたことが、4層のボスを倒せばまた新たに4つのお宝が……手に入るじゃないかやっほー!」

「「「はいはいニコちゃん落ち着いてね~」」」

楽しいやり取り。

シエラが来たことで終いと思いきや、新たな幕開けだった模様だ。

ニーコのテンションがまたもポーンと突き抜けていったな。

さて、俺も準備をしなければ。

「たっだいまー! ご主人様! 私が帰ってきたわよ! なでてなでて~ぐはっ!?」

「なにをナチュラルに寝言を言っているのですか姉さま。教官、報告です。周囲に敵影無し。モナさんたちも採集を終えたようです。そして、やはり3層よりも4層の方が採集できる量は多いとのことです」

「ああ!? フィナちゃんずるい! 報告私の分も残しておいてよ!?」

「教官、労いのなでなでを所望します」

「あれ!? フィナちゃんも寝言言ってるよ!?」

4層のフィールドも異常なし。

フィナとエリサにはちゃんとなでなでして労っておいたので問題無しだ。

全員そろったところで四度目の出発。

「4層ね! 4層というとボスは何かしら?」

「あれじゃないですか? 〈ナイトゴブリン〉です」

「〈エンペラーゴブリン〉じゃないのね?」

「……うむ」

これまでの結果を踏まえればその結論に思い至るだろう。俺も重々しく頷く。

初級下位 ( ショッカー ) は3層までで終了だ。

4層からは 初級中位 ( ショッチュー ) ボスが登場することだろう。

そのトップバッターは、当然〈野草の草原ダンジョン〉になるだろうから、〈エンペラーゴブリン〉がくると思うじゃん?

だけど〈エンペラーゴブリン〉って、レアボスなんだよ!

最奥ボスは〈ナイトゴブリン〉なんだ。そんな~。

そうして俺たちが4層のボス部屋の門を潜ると、――そこには豪華で大きな〈ウルフ〉系に跨る30メートル級の巨大なゴブリンと、その取り巻き眷属である4体の20メートル級ゴブリンたちが待ち構えていた。

やっぱり〈ナイトゴブリン〉のレイドボスや~!

切り替えて行こう!

「敵は5体、まずは眷属の4体中2体を撃破し、残り2体のHPを均等に減らしていくぞ! 奥のボスは最初は警戒だけしておけばいい、おそらく来ないだろう!」

「「「「おおー!」」」」

〈ナイトゴブリン〉は初めての眷属使いのボスのため、その戦法はかなり緩い。

最初は4体の眷属のみ戦わせ、3体がやられたところでボスが乱入してくる行動パターンが組まれているからだ。もちろん、ボスに攻撃するとすぐに乱入してくるので要注意。

最初乱入してこないなら、まずは4体中2体を速攻で撃破し、残り2体のHPを同じくらいの速度で削っていってまとめて倒せば、〈ナイトゴブリン〉は単体ボスになってしまうのだ。うむ、しょっぱい。

「ゴブーーーーーー!」

そして結局〈ナイトゴブリン〉は単体ボスとして飛び込んできたところを容易く撃破され、第一形態戦は手早く終わったんだ。

やはり、 行動パターン ( ・・・・・・ ) は初級の頃と ( ・・・・・・ ) 大きく変わらない ( ・・・・・・・・ ) 。

そして第二形態に移る。

その第二形態は、とんでもない姿だった。

なんとそれは中級ボスではない。

「これは――〈ゴッド・フォース・エンペラーゴブリン〉だってー!?」

ニーコの驚き声がすべてを物語る。

最奥ボスがやられたらレアボスに進化したんだ!

やったー! 〈エンペラーゴブリン〉と再戦だーー!!

登場した〈エンペラーゴブリン〉がニヤリとすると、歯がキラリンと輝いた気がしたんだ!