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第2121話 これが〈神界ダン〉のレシピの力だーー!!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2121話 これが〈神界ダン〉のレシピの力だーー!!

「うっひょー! 今度はどんな〈宝剣〉〈宝槍〉が手に入るというのかね!?」

「ニコちゃんがまた興奮してる!」

「むしろ暴走してる!?」

「はいはい、落ち着いて落ち着いて~」

〈パーフェクトビューティフォー現象〉万歳!

ニーコがまたもテンションが天元突破してサチたちに介抱されているな。

おかしい、俺もテンションが爆発しているはずなのに介抱してくれる人がいないぞ!? このままではクルクルもいっちゃうかもしれない!? まあ冗談だ。

「まあ待てニーコ」

「止めないでくれ勇者君!」

「テンションが暴走する心のままにハジケたい気持ちは俺にもとてもよくわかる!」

「分かっちゃうんだ!?」

「さすがいつもハジケてるゼフィルス先輩の言葉には説得力があるですの!」

「だが、いつまでも現物装備で満足していていいのか?」

「なぬ! どういう意味かな勇者君?」

「そのままの意味さ。ここまで12箱、すべてが現物装備だった。ここは現物装備が出やすいと考えて間違いない。確かに、〈宝剣〉〈宝槍〉の類もまだまだ見たいだろう。だが、そろそろレシピドロップを出してもいいんじゃないか?」

途中横からカグヤとサーシャのツッコミがあった気がしなくもなかったが、俺はニコリとだけしてそのままニーコの説得に掛かった。

俺の言葉にようやく暴走気味のテンションを落ち着かせ、いつものクールなニーコがひょっこりと顔を出す。

「確かに! ぼくとしたことがうっかりしていたよ。現物装備ドロップがこんなに出るんだ。確かに出やすい部類だったね! 確率を変動させてもまだ現物装備ドロップが出る可能性は高い。ならば、今の内から他の類が出るよう確率を変動させておくのが吉というわけかね!」

「分かってくれるかニーコ!」

12連続で現物装備ドロップとか尋常じゃない確率だ。

今のままでは、どんどん現物ドロップが山になっていくことだろう。

故に俺はそろそろレシピとか見たくないかい? とニーコに囁いたのだ。

ニーコのスキルは宝箱の中身の確率を変動させることができる。

例えば現物装備が90%、他10%だったとして。

それを現物装備45%、レシピ50%、他5%くらいに変動させることが可能だ。

それでも現物装備が45%も出るので、今の内から偏らせておいた方がいいという判断。

ニーコは納得してくれたよ。

「ということは、全集レシピだね勇者君!」

「おうよ! 今日もニッコニコにしてください!」

「任せたまえ! 『レアドロップ率上昇』! 『レシピドロップ率アップ』! 『装備全集ドロップ率アップ』! ――オン!」

「カグヤも頼むぜ!」

「オ、オッケー! 『神頼み』!」

「〈幸猫様〉お願いします!」

ニーコが次々とスキルをオンにして〈金箱〉の確率を偏らせていくと、俺もカグヤに『神頼み』をお願いする。レアドロップ率を上昇させる〈六ツリ〉スキルだ。

ちなみに俺はこっそり『神頼み』を『〈幸猫様〉頼み』と呼んでいることは秘密なんだぜ。

なんだかカグヤがこのスキルを使うと、普段よりも〈幸猫様〉たちに願いが届く気がするんだ。

「クジを用意したわ!」

「サンキューラナ! よっしゃみんな引けーー!」

「「「「おおー!」」」」

くじ引きタイム!

さあ、今回〈金箱〉を手にするのは誰だ!

「うひょー! 当たりがキタのだよー!」

「うっわニコちゃんの運がすごいんだよ! 私も当たったけど!」

「ニコちゃんとサチっちが羨ましい~」

「当たりおめでとう~!」

最初に当たりを引いたのは、なんとニーコだった! どんな豪運だし!

続いてサチ。

残りは2つ。

「あ、当たっちゃった!」

「3本目はカグヤですの!? まさか、本当に『神頼み』で!?」

「届いちゃったのかも~」

なん、だと!?

3人目はカグヤだった。まさか、本当に『神頼み』にそんな効果が?

俺もお願いします〈幸猫様〉!

ラナがハズレくじにショックを受けている顔をしている横で、ついに残り2つ。

最後に引くのはいつもシエラ。そしてシエラが1本を掴みそれを引くと――結果はハズレ。

つまり。

「おお、おおおおお! 最後に当たりが残ったーーーーー! 〈幸猫様〉ありがとうございます!」

そう、当たりクジが俺の手に残ったんだ! 4人目は俺だ! 俺の〈幸猫様〉頼みが届いたに違いない! ありがとうございます〈幸猫様〉!

「勇者君も当たったのかね! これは、何かが来る予兆なのかもしれないのだよ!」

「予兆! その可能性、大いにあるぞ!」

ニーコが心躍ることを言う。

瞬間、俺とニーコは思い思いの〈金箱〉に飛びついたんだ。

「「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉〈神猫様〉いつもありがとうございます! どうかいいものお願いします!!」」

ニーコとお願いのセリフが被った。

お願い2倍だ!

「いざ、オープン!」

「オープンなのだよ!」

2人でオープンすると、中に入っていたのは、両方ともレシピだったんだ。

「おっしゃー!」

「うっひょー! レシピが来たのだよー! エステル君!」

「はい。『解読』です!」

まずは俺から『解読』だ。ギルドマスターだからな! ニーコがガビーンみたいな顔している、悪いな!

これは、〈神界ダン〉で初のレシピドロップ。

やはり、最初のレシピドロップはギルドマスターが解明しなくてはなるまい!

そうしてミミズののたくったような文字が読めるようになると、そこにはこう書かれていた。

「こ、こいつはまさか!? ――〈 幼姫英雄 ( プリンセスヒーロー ) シリーズ〉装備全集レシピだとーーーー!?」

「にゅ!? ルルのレシピなのです!?」

キてしまった。しかも1発目のレシピで。

これこそが、最終装備の一角。もうこれ以上の装備は無い、マジもんのトップクラスの全集装備にして専用装備。

「こ、これは、【プリンセスヒーロー】の専用装備なのですーーー!」

「〈上級姫職〉の専用装備キターーーー!!」

最上級ダンジョンランク4、〈万界ダン〉でドロップした専用装備を覚えているだろうか?

あれはほぼ全て、 下級職 ( ・・・ ) の専用装備だった。

〈万界ダン〉ドロップの専用装備を身に着けた下級職こそが最強だ。

なら当然上級職の専用装備の全集も、あるはずだろう?

そう、それこそがここ、〈 神界ダン ( ラストダンジョン ) 〉で登場する。

最上級ダンジョンのランク5、〈神界ダン〉は、本当に最後にして最強の最終装備、上級職の専用装備全集レシピがドロップするダンジョンなんだ!!

ルルが俺の手にあるレシピを食い入るように、しかしキラキラしたお目目で見て「すごい、すごいのです!」と言ってる。超可愛い。

「能力も超すごいのです! この『大強化フルバージョン』ってなんなのです!?」

「作製してみてからのお楽しみだな!」

「楽しみなのです! 帰ったら、早速専用装備を作ってもらうのです!」

無論だ! 俺もこれは真っ先に作りたいと思う!

まさかたったの4層目でドロップするとは、〈エンペラーゴブリン〉最高だよ!

「勇者君には負けていられないのだよ! エステル君、次こそこっちに!」

「承りました。『解読』です!」

「ほほー! 来たのだよ! ん?」

「ニーコ、どうした?」

おかしい。

テンションがもはや噴火爆発寸前だったニーコが、いきなり鎮火しちゃったぞ?

「ぼくのレシピには〈 上級剣闘士 ( グラディエーター ) シリーズ〉の全集装備と出ているんだね。上級職、高の下の 職業 ( ジョブ ) なのだよ」

「お、おう」

そいつはノーカテゴリー、【戦士】系の上級高位職【グラディエーター】専用装備だな。残念ながら〈エデン〉に【グラディエーター】は居ない。

まあ、そういうこともある。

というか、ノーカテゴリーの方が圧倒的に多いからな。〈上級姫職〉が超大当たりだったのだ。

「それじゃあ次、私も開けるね!」

続いてサチがお祈りしてオープン。

中に入っていたのは――。

「あ! レシピだ!」

「「よっしゃー!」」

レシピがキタ! 俺とニーコでよっしゃーした。

エステルに『解読』してもらい、その姿が明らかになる。

この4層のドロップでは、【戦士】系や【剣士】系の専用装備ドロップが多い。

サチの【神装剣士】の専用装備も十分当たる可能性がある。祈れば届く!

果たして?

「え? あわ、わわわわわ! これ、〈 神装剣士 ( しんそうけんし ) 女神シリーズ〉全集装備って書いてあるよ!?」

「マジで【神装剣士】の専用装備の全集来ちゃった!?」

サチよ、いったいどんな徳を積んだの!?

なんとサチが当てたのは、自分の 職業 ( ジョブ ) の専用装備、その全集だったのだ。

いったいどんなお祈りをしたのか、後で聞きださねばなるまい!

「サチ君、君ってやつは! ぼくにもその幸運を分けてほしいのだよ!」

「あ! ニーコずるいぞ! 俺だって分けてほしい!」

「はわ、はわわ!? 私いきなり人気者になっちゃった!?」

「サチっちおめでとう! 羨ましい!」

「おめでとうサチ! 羨ましいよ!」

「ゼフィルス?」

「え? あ、ちょっと待っ――ぐほっ!?」

しまった。サチに突撃しようとしたらいつの間にか接近していたシエラに脇を突かれた! これでは動けない……。

「ぼくがサチ君の秘密を暴いてやるのだよー!」

「はいはいウェルカムだよ~いいこいいこ~」

あ、ニーコが逆にサチに捕まってる。世界は平和だ。

「さ、最後に私が、行かせてもらうんだよ!」

「おう! 頑張れカグヤ!」

ラストはカグヤ。『神頼み』でお祈りはばっちりだ!

パカっと宝箱を開ける。

すると中に入っていたのは――なんと召喚盤だったんだ!

「召喚盤なんだよ!?」

「召喚盤だとーー!?」

「間違いなくレイドボスの召喚盤ですの! この場合、どのレイドボスになるですの!?」

「気になるわエステル! すぐに解明するのよ!」

「では『解析』です」

驚きの展開! 最後の宝箱に入っていたのは、見慣れた召喚盤!

まさか、まさか来るのか?

カグヤの『神頼み』がそっちに届いちゃったのか!?

そういえばここのボス、ゴッドじゃん!

「分かりました。これは――〈ゴッド・エンペラーゴブリンの召喚盤〉です!」

「〈エンペラーゴブリン〉の召喚盤キターーーーーーーー!?!?!?」

マジで来ちゃったーーーーー!!

俺の脳裏にニヤリとする〈エンペラーゴブリン〉のナイスガイが映った気がした。

今まで「また呼べよ」とばかりに〈笛〉をドロップしてきた〈エンペラーゴブリン〉。

まさかの召喚盤を落としていった!?

今度はこれで「また呼べよ」ってことかよ!?

しかも敵としてじゃなく、仲間として戦ってくれる予感!?

いいね、いいよ! これはすごい!

〈エンペラーゴブリン〉よ!

一緒に戦おうじゃないか!

俺がそう心の中で叫ぶと、〈エンペラーゴブリン〉がキラリと歯を煌めかせながら親指立ててイエスした姿を幻視した気がした。