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第2123話 〈デブブ〉の〈金箱〉でとんでもないのキター

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2123話 〈デブブ〉の〈金箱〉でとんでもないのキター

「おかしいですの。なんだか4層と5層のボス、第三形態よりも第二形態の方が強かった気がするですの!」

「ユニークスキル使ってたもんね! それを抜きにしても第三形態やられるの早すぎと思ったのはきっと気のせいじゃないよ!」

サーシャとカグヤのツッコミが留まるところを知らないな。

確かに、上級ボスの第三形態、さらっとやられてたもんね。分かるぜ。

「なんだか久しぶりに〈デブブ〉と戦えて、ちょっと楽しかったわ!」

「〈万界ダン〉の時の〈デブブ〉は、ちょっと違いましたからね。分かります」

ラナはにっこりだ。

初級中位 ( ショッチュー ) のボスには 初級中位 ( ショッチュー ) のボスにしか出せない味がある。

非常に分かりみが深いね。〈エンペラーゴブリン〉との戦いは、〈万界ダン〉も良かったが、やっぱり〈神界ダン〉の方が俺も好きだもん。

「はぁ。何とか終わったわ」

「お疲れ様だシエラ。大丈夫だったか?」

「ええ。一度経験していたけれど、あの数は驚いたわ。ゼフィルス、守ってくれて、ありがとね」

「任せろ! 今後もホラー系は、俺がシエラを守るぜ!」

「……頼りにしているわ」

シエラがボス戦が終了したことで息を吐いていた。

だがシエラの切り替えは早い。ボス戦の時はいまいち覇気がなかったが、今はもうしっかりいつものシエラだ。300体どころか、ユニークスキルの時は1280体も出てきたからね。確かにあの数は驚くよ。

「さあ! 〈金箱〉を開けましょう! 今度こそ私が開けるわ!」

「いいや今回も俺が開けさせてもらおう!」

「ルルが開けちゃうのです!」

「アリスも~!」

ということで、〈デブブ〉のドロップ〈金箱〉オープンの時間だ!

ちなみに当たりクジを引き当てたのは、シエラ、ニーコ、オリヒメさん、マシロ、になった。

「ま、またハズレ!?」

「にゅ~、今日のクジは手厳しいのです!」

「ハズレなの~」

ガビーンとなっているラナとルルとアリス。俺はさっき当たったのでまだ余裕があるぜ。いや、やっぱりないかも、せっかくクジが最後の2本まで残ったのに……!

「なんだか、懐かしいわね」

〈金箱〉の前に座るシエラがそう言うのを俺の優秀な耳(?)がしっかり拾った。

「その気持ち、ちょっとわかるぜ。〈マナライトの杖〉のことだろ?」

「ええ。私、なんでかしら? 〈デブブ〉に好かれたりしているのかしら?」

「う~ん、無いとも言い切れないのか? シエラのリアクションを楽しんでいるとか?」

「嫌な楽しみね……」

最初の〈デブブゴース〉戦からは〈マナライトの杖〉がドロップした。

あれを引き当てたのはシエラである。

さらに〈万界ダン〉の〈デブブ〉戦でも〈マナライトの杖〉の上位武器、〈サーテントマナライトの杖〉をドロップしたのもシエラだった。今シュミネが使っている杖な。

〈デブブ〉戦の時、なぜかシエラが宝箱を担当することが多いのは〈デブブ〉の呪いか祝福か?

シエラがちょっと嫌そうな顔をしていた。珍しい。でも〈マナライトの杖〉とかは欲しいぞ? シエラ、どうか良いのを当ててください!

そんな俺の思いが通じたのだろう。いつの間にかシエラが嫌な顔からジト目になっていて俺を見つめていた。

「はぁ。それじゃあ開けるわ。〈幸猫様〉たち、お願いします」

「お願いします!」

あ、心の中で祈ろうと思ったら声に出てしまった。

まあいい。どうか良いものください〈幸猫様〉!

なお、すでにニーコとカグヤに言ってレアドロップと装備全集レシピに確率偏らせ済みだ。

そして俺とシエラの真剣なお祈りが通じたのだろう。

〈金箱〉からドロップしたのは、装備全集のレシピだったのだ!

「『解読』です!」

「ありがとうエステル。これ、は――〈 錬金王 ( アルケミーマイスター ) シリーズ〉装備全集!?」

「なにー!? ハンナのレジェンド装備キターーーー!!」

「「「「おお!!」」」」

驚きは一瞬でテンションゲージをマックスへ。

続いて大きな歓声が上がったんだ!

そう、シエラが当てたのはなんと、〈 錬金王 ( アルケミーマイスター ) シリーズ〉の装備全集レシピ!

名前の通り、これは【アルケミーマイスター】の専用装備、つまりハンナのレジェンド装備全集なのだ!

やっべぇぞ! 1日目でいきなりとんでもないものが当たってしまった!

「な、なんと! ハンナ君はあれから、さらに技能が上がってしまうというのかね!?」

「上がってしまうというのだよ! 見ろニーコ! この数値を! ここから打ち出される品質の上昇を想像してみろ!」

「ふおおおおお! こんなのハンナ君に着せたら、世にまた大革命が起きてしまうのだよ!」

ニーコが思わず興奮で吠えるほどのインパクト。

シエラや俺が現在着ている【盾姫】や【勇者】の専用装備もとんでもない反響を生み出していたが、これだってまだ下級職の専用装備なのだ。

この〈 錬金王 ( アルケミーマイスター ) シリーズ〉は上級職の専用装備レシピ。それだけでどれだけの上昇値を誇るのか察するに余りある。少なくとも、シエラや俺の装備よりも上なのだ。ヤバいぞ。特にRESとDEXの上昇値がすげぇ!

これでアイテムや素材をグレードアップさせたら――ふはは!

やはり、まずは生産職のレジェンド装備を集めたいところだな。

となれば、次に狙うのはマリー先輩とアルル、それにタネテちゃんだろう。できればミリアス先輩、レンカ先輩、ソフィ先輩、そしてエルフの先輩の専用装備も欲しいところだ。

最強の最終装備を作るには、まず生産職が最終装備を着るところから始めなくてはならない。

「面白くなってきた!」

「ゼフィルス先輩が笑ってる!」

「これは、例の予感をひしひしと感じるですの!」

「ゼフィルス、ちょっと待ちなさい」

「おう。分かってる。あとで、だよな! ちゃんとわかってるって!」

「本当に分かっているのかしら?」

欲しかった生産職のレジェンド上級職専用装備、つまりは最終装備レシピを手に入れたことで俺の中のわくわくとハチャメチャがムクムク伸びてくる。

シエラが待ったしてくれなかったら危うく飛び出ていってしまったかもしれない。危ない。俺は大丈夫だ!

シエラもジト目、ありがとうございます!

この〈神界ダン〉には90層以上の階層がある。

正直に言おう。〈神界ダン〉の階層は、なんと全100層だ!

つまり100体のレイドボスが待ち構えているということ……!

〈ダン活〉の上級職は全612職あるため、その全ての専用装備レシピをドロップすると考えると、レイドボス1体辺り、6種類の専用装備レシピをドロップする計算になる。

まあ実際には1体のレイドボスからはダブりも含めて20種類から30種類くらいドロップするので、欲しい装備があればやりやすいレイドボスを選べる優しい仕様だった。

いや、優しいのかな? 結局欲しいのがなかなか来なくて悲鳴を上げていたことが多かった気もする。

まあとにかくだ。

マリー先輩の最終装備なら次の6層が狙い目だろう。ソフィ先輩のなら7層で手に入る。ミリアス先輩とアルルは9層が狙い目だ。レンカ先輩は10層だな。

ここから生産ラッシュ。

まずはここで生産職の専用装備を整えろということだ。

もちろん、俺はイエスしかない。

元々今日は5層までと言ったのは、この生産ラッシュである5層から10層を周回したかったからだ。

最初は慎重に行くのはもちろんなので、5層までは慎重に、5層からはやや大胆に行くという意思の表れ。そして、5層刻みで進むというリズムとテンポを周知した。

最初の3層までは現物ドロップが出る確率が高いので、専用装備を出すには4層以降に足を延ばす必要がある。故に最初は5層から10層の周回に行きつくと予想していた。

やはりみんなの注目は装備全集レシピに集まっているな。

装備全集レシピが4層以降にしかドロップしないことを突き止めれば、まずは5層から10層で周回しようと考えるだろう。

生産職の専用装備レシピも集まるはずだ。完璧な計画だな。ふはははは!

おっと、まだ〈金箱〉を開けている最中だった。

シエラの次は、もちろんニーコの番。

くそうニーコめ、2連続で当たりだと!? 上手くサチから幸運の何たるかを聞き出したに違いない! 俺も後で聞きださなければ。

「お、おおおおお! 『解析』なのだよ! うむうむ! これは〈王銃・タカラジマ〉!? 片手銃の現物ドロップなのだよ!」

「「「おお!」」」

ニーコは良いのを当てていた。

〈王〉系ということは、攻撃スキルを内包する武器ということ。

ニーコとしては〈神〉や〈宝〉よりも嬉しいだろうな。しかも片手銃だ。

もちろんこれはニーコが使うことになったよ。

「オリヒメはどうだ?」

「はい。一緒に開けましょうレグラム様」

「あ、ああ。そうだな」

続いてオリヒメさんの番。話を振ったレグラムを巧みに引き寄せて一緒に宝箱を開ける。中に入っていたのはレシピ。

「〈 上級中位魔女 ( ウィッチ ) シリーズ〉ですね」

「上級職、中の中、【ウィッチ】の専用装備だな」

「【魔女】とはまた違うのですね」

「ここら辺は少しややこしいよな」

オリヒメさんは【ウィッチ】の専用装備だった。残念ながらハズレだな。

ちなみにオリヒメさんが言っていた【魔女】とは上級職、高の下である。【魔女】の方が高位の 職業 ( ジョブ ) として扱われているな。

他にも【錬金】系統の【闇の魔女】、アンジェ先輩の【流星の魔女】、エリサの【睡魔女王】など、【魔女】と名の付いた 職業 ( ジョブ ) は多いので、ちょっとややこしいのだ。

「最後は私です。えい!」

最後はマシロの番。ラナ、オリヒメさんたちと一緒に〈デブブ〉に特効大ダメージを与えていた1人だ。ご褒美かな?

なお、なぜラナだけ宝箱にありつけなかったのかは〈 幸猫様 ( 神 ) 〉のみぞ知る。

ちなみにマシロが当てたのもレシピ。

「だ、〈大賢者シリーズ〉と書いてあります!」

「「「おお! ……おお?」」」

【大賢者】の専用装備! っと一瞬だけ沸いたところで、徐々にその声が鎮火する。

〈エデン〉には【大賢者】はいないのが無念。おしい! メルトは【賢王】なのだ!

だが、〈デブブ〉ドロップの中には【賢王】専用装備もあるので、あきらめなければいつかは出るだろう。

「惜しかったなメルト」

「ああ。だが、非常に近かった。……もしかしたら〈デブブ〉は【賢王】の専用装備もドロップするのかもしれない」

「確かにな!」

そうそう! こういう発想が欲しかったんだ!

もしかしたら【賢王】も出るかもしれない。

そんな予想と夢が、周回に舵を切らせるのだ。

よし、今日はここまで。いや、この後どうしようかなぁ~?

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あとがき説明失礼します!

〈マナライトの杖〉について。

Web版だと〈デブブ〉戦で〈マナライトの杖〉を当てたのはエステルになっていますが、書籍版とアニメ版ではシエラが当てているのでそっちに合わせております。