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第2130話 カイエン新ルール考案、〈新・迷宮防衛大戦〉!!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2130話 カイエン新ルール考案、〈新・迷宮防衛大戦〉!!

「ゼフィルス君。頼みがあるんじゃ」

「聞きましょう」

「学園祭の〈迷宮防衛大戦〉のことじゃ」

「はい!」

俺は早速学園長から相談を受けていた。ご相談だ!

しかも〈迷宮防衛大戦〉についてだってさ!

イベントごとと言えば、クラス対抗戦のことを思い出す。

今では〈クラス対抗戦・カイエン杯〉と呼ばれているあの超イベント。

あれで俺はカイエン先輩の智謀は 世界 ( ワールド ) 級と認識したんだ。

聞けば、カイエン先輩がまた何か新たな試みの考案を出したらしい。

最高ですカイエン先輩!

俺はワクワクする気持ちを抑えられず、キラキラした瞳で学園長の後ろに控えたカイエン先輩を見る。

「うっ(ちょ、なんかゼフィルスさんが見てくるんですけど!? しかも超期待した目で!? 待って、そんな目で見ないで!? そんなに期待されても応えられないかもしれないから!? 本当だよ!?)」

カイエン先輩はクールないつもの表情と、いつものお腹に手を当てる独特のポーズをしている。うん、クールだ。俺も見習わなくては。

「おっほん。学園祭は今、窮地に立たされておる」

「なんと……」

学園長の説明が始まると共に――衝撃の告白。

学園祭が窮地に立たされている!? まさか、中止? そ、そんなバカな!

いや待て、まだ学園長の話は始まったばかり、まずはしっかりと話を聞かなくては。

「クラス対抗戦を、覚えておるじゃろ?」

「もちろんです」

「うむ。その時のレイドボスを使ったアシストモンスター、それが問題に上がっておる。具体的に言うとじゃ、学園祭の目玉である大型イベント、〈迷宮防衛大戦〉でレイドボスを召喚しても、瞬殺されて大して盛り上がらないのではないか、と」

「…………」

なぜか学園長とカイエン先輩の視線が俺へと注がれる。

はて、身に覚えがありませんよ? 本当です!

今年の〈迷宮防衛大戦〉と言えば、出現するのはもちろん〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉。学園祭に登場する最強のレイドボスだ!

しかもクラス対抗戦の時のような、ボス補正無しのアシストモンスターではなく、ボス補正有りのレイドボスである。ちなみにHP以外にハンディはほとんどないため、ほぼ完全体状態で登場するぞ。そりゃこれまで勝ったことが無いはずだわ!

そんな〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を瞬殺できるんじゃないかって?

…………まあ、1000人くらいの六段階目ツリー使用者を集めれば? うむ。

いけなくは、ないなぁ。

「むしろ〈エデン〉の50人だけで勝ててしまうじゃろ?」

「勝てちゃいますねぇ。もう本物の方を何度も狩っちゃってるので」

「「…………」」

本物と学園祭のボス、どっちが強いの?

そう聞かれたら、もちろん本物の方が強いと答えるさ。当然だ!

そんな強い本物の〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を50人で倒せるんだから、もう勝利は決まったも同然。

むしろ〈エデン〉の独壇場になる可能性も否定できない。

学園長たちの懸念が分かった気がした。

だが、ちょっと待ってほしい。これって、まさか、〈エデン〉出場禁止の流れになるんじゃ!? そのための呼び出しってこと!?

カイエン先輩の案って、そんなまさか!?

「そこで協議した結果……」

ちょっと待ってマジで!? 協議!? 協議って言った!? なにを協議する必要があるというのかね!?

あまりの出来事に続きを聞くことを拒否したくなったが、学園長の話は続く。

「カイエン君が考案した、新たなルールの〈新・迷宮防衛大戦〉を開催することに決定した」

「――な、なんですってー!?」

全然違うじゃん! 思いっきり思い違いだった!

カイエン先輩! やはりあなたは救世主だったのか!? むしろ神!?

俺は思わずカイエン先輩を崇めるような眼で見つめてしまった。

「うっ(な、なんかゼフィルスさん、めちゃくちゃ崇拝っぽいような眼で見つめてきている気がするんだけど!? やめて、そんな評価を上げなくてもいいから!? ゼフィルスさんがこの前のクラス対抗戦の勝利者インタビューで「俺の尊敬する人? それはカイエン先輩だ!」って答えた時なんて大変だったんだよ!?)」

「ゼフィルス君、良いかの?」

「はっ!? はい! 学園長大丈夫です! 詳しくお聞かせください!」

「うむ。カイエン君が考案した新たな〈迷宮防衛大戦〉、それは超大戦型! ボス補正を得た〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を本丸のボスとし、大量の召喚盤で召喚されたレイドボスを始めとするモンスターたちが、配下となって軍勢で攻めてくる! 学生及び参加者たちはボスの軍勢から学園を守り、防衛し、本丸たる〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を撃破する! 学園始まって以来の――総力戦じゃ!!」

「な、なんですってーーーー!?」

俺はまたもぶったまげた。

〈迷宮防衛大戦〉の規模、拡大! ――超拡大!?

〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を出すだけにとどまらず、なんとクラス対抗戦で登場しまくった、あのアシストモンスターたちが大量召喚され、軍勢として攻めてくる!?

その軍勢を倒し、防衛し、隙を見て本丸である〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を倒せ、だってーーーーー!?!?!?

なにそれ、超面白そうじゃねぇかーーーーー!!!!

「カ、カイエン先輩……!!」

「ううっ(ちょ、そんな嬉しさを抑えきれないみたいな声で名前を呼ばないで!? 胃に、胃に来ちゃうから! いや、今日はもうお茶を飲んでるから大丈夫なはずなんだけど、なんか継続ダメージ受けている気になっちゃうから!)」

思わずカイエン先輩の名を呼んでしまったのは仕方のないことだ。

こんな面白そうな大イベントを何度も考えてくれるなんて!

〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉はやはり魔王!

魔王軍が攻めて来たというシチュに勇者率いる防衛軍が立ち向かうとかもうさ!

カイエン先輩は天才じゃーーーーーーーー!!

やばいな、どこかにカイエン先輩ぬいぐるみとか売ってないだろうか? 今、俺凄くカイエン先輩を崇め奉りたい気分なんだけど。

「そこでゼフィルス君に、是非パワーバランスについて意見を聞き、参考にさせてもらいたいと思うての、今日は来てもらったのじゃ。おそらく、戦力というものを一番よく把握しているのはゼフィルス君じゃからのう」

学園長、よくわかっておいでで!

俺は〈ダン活〉のデータベースと呼ばれた男。俺に勝るデータを持っているやつはいない!

そして俺が呼ばれた理由もついに分かった。

なるほどな、そういうことだったのか。

「任せてください学園長! カイエン先輩!!」

「おお! やってくれるか!」

「はい! では早速話を詰めましょう。当日は、学外からも参加者が来る、ということで良いのでしょうか?」

「うむ。開催場所は第一アリーナじゃ。これまで以上に多くの者を集め、16歳以上ならば誰でも参加可能、人数の上限も無し、途中参加もありとする」

「途中参加!? 観客席の人たちが熱にやられて自分もやると参戦してきても、それはありだと!?」

「うむ。学外の者で六段階目ツリーの開放者はまだほとんどおらんからのう。いくら参加しても最終的に〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を倒せるのは学生じゃ」

学生に花を持たせてくれるとは、学園長はなんて優しいんだ!

今まで〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉戦では5000人規模で投入し、毎回第一形態で全員がやられていたという。

なら〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉戦に何人投入しようが全く戦力的に関係はないという判断。むしろ人数が増えれば増えるほど盛り上がる。

みんなで配下たるアシストモンスターたちを蹴散らし、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉までの道を作るのだと一致団結する総力戦。

良い。実に良い!!

さすがだよカイエン先輩! こんなすげぇの思いつくなんて、マジでカイエン先輩が凄すぎる!

しかし、カイエン先輩ではルールは思いついても、どれくらいのアシストモンスターを召喚すれば適当なのかは分からないということで、俺という〈ダン活〉のスペシャリストが呼ばれた模様だ。

俺の〈ダン活〉知識を総動員して相談したよ!

第一アリーナ以外でもこれと同じスタイルを行なうようで、そちらに回す戦力をも含めて戦力バランスを聞かれたね。

あと第一アリーナには黒衣は無し。代わりに第二アリーナ以降では有りとした。

あれがないと【賊職】系の発現条件が満たせないからね。

また今回のアシストモンスターに術者はいない。

クラス対抗戦の時のように、術者を倒せばアシストモンスターを撃破したことになるルールではないので要注意だ。

第二アリーナ以降では飛び入り参加のルールなどは無しとして、第一アリーナだけ特別感を出すことも忘れない。

本当に総力戦をしたいのは、この第一アリーナなのだ。

こうして導き出した結果、第一アリーナではレイドボスを15体。最上級ボスを30体、 上級上位 ( ジョウジョウ ) 級ボスを60体、 上級中位 ( ジョーチュー ) 級ボスを120体、 上級下位 ( ジョーカー ) 級ボスを240体配置して、軍勢とすることに決定した。

さらに話を詰めていき、話が纏まるまでに丸1日も掛かったよ。〈エデン〉からも大量に余っている上級の召喚盤を提供させてもらう予定さ!

そしてイベントの草案が固まった日の夕方。

マリー先輩からお達しが届いた。

むろん、我らがマリー先輩たちの装備がひとまず仕上がったという連絡だった。