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第2131話 生産職の装備作製、はっじまっるよ~!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2131話 生産職の装備作製、はっじまっるよ~!

「マリー先輩はいるか~!?」

「いるで~」

即日俺は〈トップマリー〉へと向かっていた。

何しろ、大きな一歩を踏み出す出来事が起こったのだ。

「邪魔するでマリー姉」

「お邪魔しま~す」

「アルル、ハンナはんも来よったんやね! 3人ともいらっしゃい、こっちや」

今日は連れが居る。アルルとハンナだ。

2人とも生産に忙しい日々を過ごしてはいるものの、この大ビッグニュースの発表会はこの目で見たいとのことで、連れて来たのだ。

マリー先輩もニシっとやや企みを含む笑みを浮かべて店の奥、マリー先輩の工房へと案内してくれる。

なにせ、これからトップ生産職の命とも呼べる逸品を見せてくれるのだ。

そりゃこんな笑みも出てしまうのも分かる。マリー先輩、すげぇワクワクしてるな!

先日来たばかりのマリー先輩の工房にお邪魔すると、そこには布をかぶせてある展示品のようなものが鎮座していた。間違いない。あれだな。

「「おお~」」

「まだ驚くのは早いでアルル、ハンナはんも」

「せやった!?」

「あ、あまりの迫力につい!?」

まだ布をかぶせてあるのにフライング驚きをしてしまったアルルとハンナにマリー先輩がツッコむ。

そうだ。まだ驚くには早い。

でも布を被せてあるのにこのオーラ。

マリー先輩め、しっかり仕上げて来たな!

「みんな待ちきれんみたいやからほな行くで!」

品の横に立ち、じっくりと俺たちを見渡して溜めを作ったマリー先輩が、いよいよその布に手を掛ける。そして、

「これがうちの至高の逸品! 間違いなくこれ以上の装備は無いと断言できる最終装備、〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉装備やーーー!!!!」

「「「おおーーーーーーー!!」」」

バサッと布が取り払われると、展示された装備が露わになったのだ。

マネキン、いやトルソーかな? に着せられた姿は一目で最高傑作だと分かるオーラを放っていた。1つの芸術と言われても納得できそうな服。

ゆったりとした、薄地の白の上、右肩には飾り羽の装飾があしらわれており、非常に豪華。下はスカートで、腰には凝った意匠の帯が巻かれ、ベルトまでつけられている。ベルトからは裁縫道具類のポーチがぶら下がり、服飾師の装備というのが分かる雰囲気を放っているな。

さらに腰やら胸には豪華な飾りもつけられていてオーラが強い。

まさに、最高の逸品だと分かる装備だったのだ。

「どや?」

「す、すっげぇぜマリー先輩!」

「わわわ! なんやこれ、すっごいオーラ出しとるやないか! 飾りも本気やし、マリー姉マジのガチで作り上げよったな!?」

「きれいですね~」

ドヤるのも分かる。

特にアルルのコメントは非常に満足のいくものだったようで、マリー先輩の背がにょきにょき伸びていくようにも見えたんだ。

いや、よく見ると背伸びしていらっしゃる! マリー先輩が嬉しい時にやってしまう独特な表現だ。俺も最近になって知った。

「せやろう~? ハンナはんに頼んで真素材をたくさん作ってもろうて、もう何回も作り直してるかんなぁ。もちろん、これが今のところ一番の出来や! 一番力を入れて仕上げたんやで?」

マリー先輩のドヤが止まりません!

ちょっとつま先がプルプルしてきているのが俺は気になってきました!

「おっとせやった、能力も見せんとな! アルル、そこにある〈幼若竜〉を持ってくるんや」

「分かったでマリー姉!」

おっと俺たちの気を〈幼若竜〉に向けたところでマリー先輩のドヤも終わってしまった。少し残念。あのプルプルした背伸びがいつまで続けられるのか、ちょっと俺気になります。

「持ってきたで! 『解析』してええか?」

「ええで~」

「ほな、『解析』や!」

マリー先輩の許可を得てアルルが〈幼若竜〉で『解析』すると、その数値が露わになる。

「お、おお、おおおおお!? なんやこれ!? パワーアップ? スキルに『効果大上昇』が付き過ぎやないか!?」

「すごーい! 生産スキルが軒並みパワーアップするってことだよこれ!?」

「どや?」

ああっと第二回目のドヤが始まりました!(歓喜)

じゃなかった! そう、〈幼若竜〉に書かれた『解析』結果にアルルもハンナも目を丸くする。

生産職の専用装備は戦闘職の『耐性』や『無効』系スキルが無い代わりに、自身の持っているスキルの能力を上げるスキルを保持していることが多い。それが『効果大上昇』系だ。

『効果大上昇』は特定のスキルの効果を文字通り大きく上昇させる。

マリー先輩の『最上級魔錬』の効果を上昇させたり、品質の上昇、完成品の能力値の上昇などにも大きな補正を得ることができるのだ。

加えて『DEX+』の値もすさまじい。

しっかりすべてが『スキルLV10』まで強化された装備の数値は、これ以上のものは無いと雄弁に語っていた。

だが、まだ仕上げが残っている。

「あとはこれにアルルが『DEX+★』のエンチャントを施せば、ひとまず完成やな!」

「責任重大やないか!」

そう、アルルを連れてきたのにはもう1つ目的があって、マリー先輩の最終装備にエンチャントを施してもらうためだったりする。

その数、なんと8種類。

マリー先輩の〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉は武器が両手用の本、他5種類の防具と2種類のアクセサリーで構成されている。

その全てに『DEX+150★』のエンチャントを施せば、数値は1200上昇だ。すさまじい。

「どや兄さん?」

「おう。すげぇ仕上がりになるだろうぜ! だが――」

「せや。これでもおそらくまだ足りひん」

そう、これでもまだ足りない。

最高の装備を作るには、このエンチャントで強化済みの装備を着て、さらに作った〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉でないといけないだろう。

まだ装備の質は上がるのだ。

もう1回、もしくは2回、同じく〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉を作らなければいけないだろう。これは必要経費だな。

「エンチャント! ふう、完成やでマリー姉! うちもほれぼれする出来や!」

「おお! おおきにアルル! こりゃすんごいもんができたなぁ!」

アルルが〈トップマリー〉にある工房で仕上げてきたのは、まさにこの世で最も強力な生産装備。

「あんがとぉな! これを着て、うちはまた、〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉を作る!」

「ええ!? まだ作るんですか!?」

「せや! そうやよな兄さん?」

「ああ。むしろここからが本番だ。この〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉を着たマリー先輩にはまずハンナやタネテちゃんなど、他の生産職の装備を作ってもらう。そしたらハンナのパワーアップした腕で作った、品質がカンストした〈真素材〉を使ってタネテちゃんの装備を作る。パワーアップしたタネテちゃんがアクセを作ってそれをマリー先輩が装備して〈 魔錬服飾王 ( マギクロスアデプト ) シリーズ〉を作る。このループだな」

「それで、もう数値が上がらんところまで来たら、晴れて真の完成やな!」

「ほへぇ」

服飾生産職のストイックな装備作製方法を聞いてハンナもほへる。

なにせ、今回は〈装備強化玉〉も〈性能限界玉〉も大量に投資する予定なのだ。

生産職への投資は必要経費。最強を目指したかったら怠ってはならない。

ハンナが少し目を回している気がするのは、きっと気のせいだろう。

「兄さん、ここからは多分早いで。おそらく、次の土日までに1周イケるはずや。――アルル、ハンナはん、手伝ってほしいで!」

「だな! アルルとハンナ、そしてタネテちゃんの装備作製に入ってもらうぜ!」

「「ほへ?」」

続けて言った俺のセリフが理解できなかったのか、アルルとハンナが目を丸くしてハモッてほへる。

そういえば、言ってなかったっけ。

「ふっふっふ、聞いて驚けアルル、そしてハンナよ。先日〈神界ダン〉に行ったときにな、マリー先輩専用装備だけじゃない、アルルやハンナの上級職専用装備全集レシピも手に入れたんだよ!」

「へ?」

「え?」

「「えええーーーー!?」」

「なんや兄さん、言ってなかったんか?」

「レシピは全部マリー先輩に渡しちゃったからな!」

そう、ここまで来たらあとは早いぞ。

マリー先輩の装備ができたら次はハンナの装備。

そしたらハンナが〈六ツリ〉の『 魔釜 ( まか ) 合成昇華』スキルで〈真素材〉を作ってマリー先輩に渡す。マリー先輩はタネテちゃんや他の生産職の装備を作る。

そして新しいアクセや武器が届いたらそれを装備して今度こそ自分の装備を作る。

これでおそらくマリー先輩の装備が完成の域に到達する見込みなのだ。

ここまでマリー先輩は次の土日にはたどり着けると踏んでいるっぽい。

そうしてハンナとタネテちゃんが終われば、次はアルルだな。アルルはハンマーなんかが金属なのでマリー先輩との合作になる。そのためかなり時間が掛かるだろう。

それでもマリー先輩のノウハウを流用できるので1週間も掛からず作れるはずだ。

それができたら次は――ふはは!

俺たちの戦闘メンバーの装備作製だ!

楽しくなってきた!

戦闘メンバーのレシピも手に入れに行かないとな!!