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第2132話 仮装備が仕上がって!学園長にもプレゼント!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2132話 仮装備が仕上がって!学園長にもプレゼント!

俺の予想は正しかった。

数日後、そこには完成した真の最強装備を着たマリー先輩が超どや顔で待ち構えていたからだ。

「どーーーーーや!!」

「すっげぇどやだぜ!?」

「マリー先輩! ついに完成したんですね!」

「せや! これが先日の数値、そしてこっちが、本日の数値や! これでも3回作り直してんやで!」

「「おおおお!!」」

マリー先輩のお店を訪ねて、というか呼ばれてきてみれば、それはマリー先輩の最終装備が完成したというお知らせだったんだ!

隣ではエンチャントを手伝ったのだろう、アルルとタネテちゃんが自慢そうにドヤしてる。

俺とハンナは、2人ですげぇしたんだ。超お祝いの言葉と拍手を贈りまくったぜ。

パチパチパチパチ!!

「ということはマリー先輩、これ以上の装備は?」

「せや。うちがこの最終装備を着こんでもう1つ作ってみたんやけどな、数値は全く同じやった。つまりは限界値にして上限値、ついに完成したんや。これ以上無いほどの真の最終装備がな!」

「「おお~~~!!」」

ついにマリー先輩はやり遂げた。

これで、他の装備の真の最終装備だって作れる土台が出来上がったのだ。

今のマリー先輩、超輝いて見える!

「ふふふん」と逸らしたあごは思わずゴロゴロしたくなるほど決まってるし、両腰に手を当てて胸を反らしているおかげで思わず腋に手を入れて高い高いしながら誉めつくしつつクルクル回ってあげたくなる衝動が湧いてくる。

もちろん実際にすればマリー先輩との間に修復が難しいほどの溝ができてしまいかねないのでしないけどな! いや、クルクルくらいはいいか? よし、やるか!

そう思った時のことだった。

「これだけやないで? なぜうちがハンナはんにまで来てもろうたと思う?」

「なに!? まさか!? ハンナの装備も!?」

「え? え?」

「せや!! ここでサプライズや!」

「はい、ハンナはんはこっちに来たってな~」

「装備品は自信作です。これ以上無いほどの出来ですよ」

「ええ!?」

「ハンナ、行ってこい!」

「い、いってきま~す!?」

ハンナはアルルとタネテちゃんに連れていかれてしまった。

そして5分後、装備試着室から出てきたハンナは、例のあの装備を着こんでいた。

「おお!」

思わず目を引かれて歓声を上げてしまう。

おずおずとアルルに促されて前に出て来たハンナは――最終装備、〈 錬金王 ( アルケミーマイスター ) シリーズ〉を着込んでいたんだ!

マリー先輩、ハンナの最終装備も作っちゃってた!?

見た目は魔女っ娘。

黒をベースにした魔女帽子と魔女が着るようなワンピースをベースにし、様々な装飾がされまくって豪華な装備となっている。

なのに威圧的な感じではなく、ノースリーブで肩の肌色がまぶしいからか、身近な雰囲気を感じるデザイン。スカートからは錬金術で作ったような飾りが伸びていてより錬金っぽい感じを醸し出していた。

「ど、どうかなゼフィルス君? 似合ってるかな?」

今まで何度も作り直す過程で着たことがあるらしいのだが、実は俺がこれを見るのは初めて。お披露目一番手は俺が貰った!!

「もちろんだ! 完っっ璧似合ってるぞハンナ! 超かっこいいし、超おしゃれ! 総合して――すっごくいい! 俺は好きだぞハンナの今の姿!」

「す、好き!? そ、そっかぁ。う、嬉しいかも……」

俺の感想に思わず照れ照れして落ち着きなく体を左右に揺らすハンナがマジ可愛い。

顔に手を当てていても分かるくらい赤くなっているのもプライスレスだ。

マジグッド!

「なんや、うちの時よりも反応よくないかい兄さん??」

「そんなことないぞマリー先輩! マリー先輩の完璧な仕事に俺は感動を禁じ得ない! くぅ! マリー先輩はやっぱり最高だーーー!」

「ぬわーーーーー!?」

「ゼフィルス君!?」

「ああ!? またゼフィルス兄さんが狂った!」

「ゼフィルス先輩、落ち着いてください!」

さっき寸止めしていたからな。マリー先輩がいじらしいことを言ったのをきっかけについに俺の感動が爆発!

速攻でマリー先輩を捕まえて右手を腰に回し、左手でマリー先輩の右手を捕まえてクルクルしたんだ。

どうか届け! 俺のこの思い、この感動を!!

クルクルクルクルクル~~~!!

「分かった、兄さんの感動は十分伝わったで…………いつまで回ってんのや!」

「おお!?」

ふと我に返る。俺は、いったいどのくらいクルクルしていたのだろうか?

マリー先輩の顔を見れば、おお! 俺の思いが伝わったっぽいぞ!

ありがとうございます!

「ゼフィルス君、マリー先輩ばっかりずるいんじゃないかな?」

「そうだったな! 次はハンナの番だー!」

「ひゃあああああ!?」

「ああ!? 今度はハンナはんが餌食に!」

「いえ、あれは進んで飛び込んだ側ですよ……!」

マリー先輩を解放して続いてハンナに抱き着くとクルクルクル。

ハンナも最高だーー! ハンナもこの装備を着て、最っ高のポーション類で俺たちを支えてくれるだろう。ふははははは!!

「もう完全に2人の世界やな。ハンナはん、最初はちょっとびっくりしてはったが全然嫌そうやないし」

「いつまでも回ってそうや。切りの良いところで止めんでアルル? タネテはん?」

「え? うちは遠慮しておくで、下手をすれば兄さんの衝動がこっちに向くわ!」

「私はちょっと興味ありますが、〈エデン〉の方々にバレた時、 仕事場 ( 地下室 ) が無くなりそうなのでやめておきます」

「あ~うん、せやな。全く兄さんわ~」

俺とハンナのクルクルはその後も30分くらい続いたらしい。

最後は「いつまで回っとんねん!」とマリー先輩に裏平手ツッコミを受けて正気に戻ったよ。

いやぁ。久しぶりだったからつい。

「ひゃ~、目が回っちゃったよ~」

「おおっとハンナ大丈夫か? 俺が支えよう」

「お、お願いねゼフィルス君~」

「なんやこれ? 策士か? ハンナはんは策士やったんか?」

「それじゃあマリー先輩! 俺たちも引き続きレイドボスを相手にレシピの入手を目指すぜ! マリー先輩には引き続き生産職の装備作りと、それが終わり次第戦闘職の専用装備の生産に入ってほしい!」

「せやな! これだけは絶対に妥協できひん、最っ高の仕上がりで作り上げるで!」

「私も最高の真素材の提供、任せてください!」

「私も最高のアクセを提供しますよ!」

「頼もしい!」

おお! マリー先輩たちが燃えている。

ちなみにタネテちゃんも実は最終装備となった〈 工芸の匠王 ( プロフェッショナルクラフター ) シリーズ〉を装備している。

オレンジ色を基調とした、どこか異国風、暑い地方を思わせるゆったりとした服装に加え、彫金師を感じる職人の意匠が編み込まれ、彫金で作られた金属のアクセサリーで大きく彩られている。これはマリー先輩とタネテちゃんの合作だ。

マリー先輩、ハンナ、タネテちゃんとくれば、次のアルルの番だ。

アルルの装備が完成すれば、いよいよ戦闘職の装備作製に入れる。ふふふ、わくわくするな!

〈神界ダン〉に入ダンして10日目には、ちゃんと報告書の第一報を仕上げたので学園長室に向かったよ。

なんか学園長、首を長く長く、それはそれは長くして待っていたみたいだ。

まだ10層しか書けていないけど、なかなか良い出来に仕上がってますぜ?

あ、それとこれ、マリー先輩の部下が作ったお土産も持参したよ。

「え? バトルタワー型ダンジョン? 各階層にはレイドボスが登場する、じゃと?」

「そうなんです! しかも〈万界ダン〉と同じく過去ボスだったものがレイド化して再登場ですよ! 攻撃パターンは同じでも効果範囲は大きく変わっていることが多いのでそこは注意ですね。しかしです、このダンジョンにはそんな各階層にレイドボスが現れるという難物が気にならないほどの成果があります! そう、各階層でレジェンド級をドロップするのです!!」

「…………(ああ!? ゼフィルスさんが生き生きしていくごとに学園長の顔色がどんどんと……!? まるでゼフィルスさんに元気とか諸々を吸い取られているように見えるんだけど!?)」

「学園長、お茶です」

「コ、コレット君?」

「今が必要かと」

「そ、そうじゃのう……。ごくり。うむ、美味い……」

「良かったです」

「…………(ああ、コレットさんのお茶で学園長の顔に生気が戻った。これで良かったんだ)」

学園長がなんだか固まってしまったが、コレットさんのお茶で再起動していた。

きっと喉が渇いていたのだろう。

その後も俺はしっかりと〈神界ダン〉の特徴と、ドロップしたものについてを説明した。

あ、ダブった現物も持ってきたぞ。これ、〈エデン〉じゃ使わないしな!

「ちなみにこれが〈王剣〉〈神剣〉〈宝剣〉です!」

「持ってきちゃったの?」

「ダブっちゃったので、これは学園に寄贈しようかと思いまして」

「ダブっちゃったの!? いや、ありがたいがのう……」

周回してると、よくダブっちゃうんだよね。装備あるあるである。

もちろん〈神界ダン〉で初めてツモった記念すべき〈神剣・エターナル〉も学園長に届けたよ。ダブっちゃったからね。

「カヒュ!? あ、ああ、うむ。大事ない……」

何やら震える手で〈解るクン〉を用いて〈神剣・エターナル〉を『解析』した学園長が一瞬ビクンする。

うんうん、次は是非カイエン先輩、見てくださいよ~。

「どうです? カイエン先輩も見てください」

「…………それでは、せっかくですからありがたく(ちょ、こっち来た!? ずっとだんまりして背景に溶け込んでたのになんで!? というかなんじゃこの数値はーーーーー!?!?!? え? え? えええ!? 何じゃこの数値はーーーーーーーーー!?!?!? これでレシピ産じゃなく現物とか、本気かよ!?)」

ふむ。学園長もカイエン先輩もリアクションが薄い。

もうちょっと驚いてくれると思ったのに、よし、ならば次だ! これなら良いリアクションをさせられると思うぜ!

「学園長! あと、これもどうぞ!」

「こ、これは?」

「これはですね――【学園長】の専用装備です!」

「え?」

実は学園長の 職業 ( ジョブ ) は、教師のトップ、「公爵」カテゴリーの上級職、高の上、【学園長】なのだ!

教師とは教育するもの。そう、【学園長】の主な能力はサポート、獲得経験値増加だな! 他にも学園で行動する時、様々な優遇措置を受けられるスキルをたくさん持っているぞ。アイテムの値引きとか。珍しい装備が交換所やオークションに置かれやすくなるとか。下部 組織 ( ギルド ) の維持費が掛からなくなるとか。

リアルでは使えるのかちょっと分からないが、何かしらの 職業 ( ジョブ ) 補正でもあるのではないか、と俺は睨んでいる。

「こ、これは――ふほ、ほほほほほほほほ!」

「ふふふ。とても喜んでもらえたようで良かったです!」

装備を『解析』したところ、学園長が心底可笑しそうに笑いだしたんだ。

学園長はとても愉快なことになると笑いが止まらなくなることを、俺は知っている。(※勘違いです)

これは学園長の最大のリアクションだろうな! 出してよかったぜ!

「あ! もうこんな時間か! ――では今日はこの辺で失礼します!」

「では私がお見送りいたしますね。ゼフィルス様、門までご一緒させていただきます」

お見送りはコレットさんがしてくれることになった。

カイエン先輩はお腹に手を当てたままぺこりとこちらに頭を下げている体勢だ。

俺も一礼して部屋を去る。

「…………(うっ! 今ズドンと胃にキタ!? あ、コレットさん待ってー!?)」