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第2134話 ハンナが新しい装備ではっちゃけてるってさ!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2134話 ハンナが新しい装備ではっちゃけてるってさ!

11層を攻略した俺たちはそれから順調に攻略を進め、15層を攻略し終わったところで――周回して帰還することにした。

「ハンナ君のポーションレシピは残念ながら手に入らなかったね」

「なにこれからこれから。〈聖界ダン〉の時だって〈生命の 神玉薬 ( しんぎょくやく ) 〉と〈知恵の 神玉薬 ( しんぎょくやく ) 〉のレシピが手に入ったのは60.5層の時だったからな」

「確かにそうだったね! まだ15層だしこれからだったね! それに、今回も大成果があったしね!」

ニーコの言うように残念ながらハンナの希望する最上級ランク5でドロップするような最終ポーションのレシピは手に入らなかった。

とはいえこれは順当。まだ最終ポーションのレシピがドロップする階層じゃないしな。

ニーコの言う大成果はもちろん〈エスケープドロリン♪〉のことだ。

素材もモナたちがたっぷり採集してくれたし、早速ハンナの下に持っていく。

「ハンナー、いるかー」

「あ、ゼフィルス君! いるよ~。でもちょっと待ってね。もうちょっとで終わるから~」

「なんかまたすごいことやってるな~」

ハンナの錬金工房にお邪魔すれば、ハンナは現在進行形で錬金中だった。

しかも、錬金釜をいくつも使って同時に作りまくっている。

これぞハンナの奥義にして荒業。

大量生産の真骨頂だな。

ぶっちゃけ 上級中位 ( ジョーチュー ) 級のものならこうして大量の錬金釜で同時進行しながら作れてしまうらしいのだハンナは。

そりゃ短時間で数百個単位でできるわ。

で、その錬金釜の数がなんかすっごい増えていた。

数えてみると――35個。35個!?

ハンナが1つの錬金釜で錬金棒をかき混ぜれば、同じ動作で他の錬金釜に突っ込まれている錬金棒も一緒にかき混ぜ始める。ハンナが触ってもいないのに全く同じ挙動をする錬金棒。これは錬金棒自体の能力だな。

ハンナは装備やアイテムを上手く使って上手く大量生産しているようだ。

でも錬金釜の数が大変。前は20個も無かったはずなのに、なぜか30以上になっているんだが、もうハンナの錬金工房も手狭になってんじゃん! あ、終わりそう。

「うん! 良い感じだよ! 仕上げにー『最上級錬金』! かんせーい!」

「おお~」

ハンナがスキルを使うとそれが伝播するように全ての錬金釜にスキルが掛かり、文字通り完成してしまう。

さっきまで妙な色をしていたはずの錬金釜の中に、大量のアイテムができていたんだ。あれ? これ 最上級 ( ・・・ ) のランク1、〈アルティメットエリクサー〉では?

あれれ~? 全部の錬金釜に同じのが数十本単位で完成しているぞ~?

「うん。多分、みんな品質は良い感じかな? ――あ、聞いて聞いてゼフィルス君! この装備すごいんだよ! なんとね、こんなにいっぱいの錬金釜でも同時に作業できるの! それにね、品質も落とさずに最上級のランク1なら作れるみたいなんだよ!」

「そ、そうか~」

目をキラッキラにしていつもの両手を胸の前に寄せるポーズでハンナが熱弁する。

新しい装備の性能を試し、その効果に感動しているのだと一目で分かる姿だった。

そのために〈アルティメットエリクサー〉は超大量に生産されてしまったらしい。

ハンナに言わせれば、今までの最上級〈アルティメットエリクサー〉は、品質を落とさずに作るなら1回で大体5つの錬金釜を操って100本くらいしか作れなかったそうだ。

いや、同時に100本作っている時点ですごいからなハンナ? そんなことできる人学園には皆無なんだよ?

だったのに今回はどうだろう? 数えてみれば、1つの錬金釜から20本、その錬金釜が35個もあるんだ……。700本?

ちなみに今日1日の探索で使った〈アルティメットエリクサー〉は合計200本程度だ。

うむ…………。

なお、この1回の作業は、ハンナなら大体3分くらいでクッキングできるらしい。

3分で700本。単純計算で1時間14000本か~。

ついに最上級ダンジョンのアイテムも1時間に1万を超える生産量が作れるようになっちゃったのかハンナは……。

最終装備がすごい……!

俺も思わず目を見張る出来だったんだぜ!

「ハンナはすごいな!」

「えへへ~」

とりあえず褒めておこう! 誉めるべき偉業のはずだ!

「それでゼフィルス君、どうしたの?」

「おっと俺の用事がまだだったな。実はな、今日〈神界ダン〉に行ってきたんだが。ポーション系のレシピは出なかったものの、こんなのがドロップしたんだよ!」

そう言って俺は〈エスケープドロリン♪〉のレシピをぺらりと見せる。

「わ~! 〈転移水晶〉の親戚さんかな?」

「その認識で合ってるぜ。また学園に納品したいから、ちょっと作ってもらえるか?」

「いいよ~。ちょっと待っててね~」

この軽い感じよ。

ハンナは初めて見るレシピの作業にも物怖じせずにちゃちゃっと準備を整え、1つの錬金釜の前に立った。

「最初はどの程度の手ごたえか分からないから、錬金釜は1個だけ使います!」

「おお~」

ハンナがちょっとふふんとドヤ顔で錬金釜の前に立ったので俺も拍手で盛り上げた。ハンナのテンションが高い! ありがとうございますマリー先輩!

素材を入れ、錬金棒でかき混ぜるハンナ。

「ま~ぜ~ま~ぜ~」

口から「ま~ぜ~」と出ちゃっているところがもう萌える。

そして2分くらいすると満足したのか頷いたハンナが手をかざした。

「うん。この子、素直でいい子だよ~『最上級錬金』!」

ハンナのスキルが発動されると錬金釜が光り、後には3つの〈転移水晶〉に似たアイテムが入ってたんだ。取り出して〈幼若竜〉で『解析』を掛ける。

「はい。ゼフィルス君!」

「おう。それじゃあ行くぞ――『解析』! 間違いない。これは〈エスケープドロリン♪〉だ! さっすがハンナだぜ!」

見た目からして分かっていたが、『解析』を使ったことで確定。

ハンナは初チャレンジにも関わらず、普通に成功してみせたんだ。さすがはハンナ!

「えへへ~。これを量産すればいいんだよね? どのくらい?」

「この素材たちが全て溶けるくらいかな」

そう言って俺が作業台の上に素材を山にして積み上げる。

こんもりと盛られた小山が、モナたちが今まで採集で集めてきた成果だ。

「うん! これくらいなら大丈夫! 10分くらいあればいいかな?」

「マジか~」

そう言ったハンナはテキパキと素材を錬金釜たちに入れていったんだ。

なにが10分くらいあればいいのか?

それは10分後に判明する。

「できた~! はい、ゼフィルス君! 〈エスケープドロリン♪〉、1300個になったよ~」

「もう完成しちゃったよ~!」

そう、あの山だった素材が消え去り、全てアイテムになってしまう時間が10分だったのだ。

これが真の最強装備に強化した――最終装備の力!?

いや、多分ハンナの技能面もだいぶ重要そうだが、その全てが合わさると10分で1300の〈エスケープドロリン♪〉が完成する模様だ。やっばいね!

「ありがとうハンナ。助かったよ」

「えへへ~。また何かあったら言ってね! 今の私なら、もっともっといろんなものをいっぱい作れると思うんだ~」

「その時は頼むぜ。俺も早く〈神界ダン〉で最終ポーションのレシピを当てないとな~」

「無理はしないでね?」

「もちろんだ! それじゃあ、今日はこれで帰ろうぜ?」

「え? もうちょっと錬金したい……」

うん、知ってた。新しい装備を手に入れたら、満足するまで使ってみたいと思うよね。

でももう夜になるので却下である。

「さっきの無理はしないでの言葉をそっくりそのままハンナに返すぞ。さあ、帰ろうか!」

「ああ!? ま、待ってゼフィルス君!? もうちょっと~!?」

その日はハンナをしっかり寮に送り届けたよ。

そして翌日の放課後、俺はまた学園長室に向かうのだ。

1000個以上のお土産を持ってな!