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第2150話 始まりはハンナと朝。そしてミリアス先輩訪問

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2150話 始まりはハンナと朝。そしてミリアス先輩訪問

時が過ぎるのは早いもので、11月に入った。

11月と言えば何がある? そう、忘れてはいけない。学園にとって、〈ダン活〉にとって、素晴らしいイベントが待っているのだ!

「ゼフィルス君、学園祭まであと2週間だね」

「おう! もう俺も今からわくわくしてるぜ!」

そう、迷宮学園祭! 通称学園祭が11月半ばに行なわれるのだ!!

朝のいつものハンナとのひと時を謳歌しながら、迷宮学園祭に思いを膨らませる。なんと贅沢なことだろう!

「もうゼフィルス君ったら気が早すぎるよ~。まだ11月に入ったばかりだよ?」

「そんなことないぜハンナ? なにせ学園祭が行なわれるのは11月11日水曜日からなんだから!」

そう、俺はグッと拳を握り締めて熱弁する。

今は11月1日、2週間というか後10日である。

しかもだ、迷宮学園祭はその規模はとんでもないものなので、毎年開催2日前の月曜日から完全準備期間に突入し、授業は無し。

全学生で全力で学園祭に取り組むことになる。

つまり、ほとんど後1週間で学園祭期間に突入なのだ!

こんなの落ち着けるだろうか? いいや落ち着けるわけがない。今の俺がその証拠だ! 1週間前なのに俺のわくわくが留まらない!!

「でも今日も行くんでしょ〈神界ダン〉?」

「おっとそっちもばっちり順調だ! 問題ねぇぜ!」

また、テンションが上がっている理由がもう1つある。

それが、〈神界ダン〉攻略だ。

先週の月曜日、マリー先輩から15種類の最終装備完成が告げられた。

もうさ、そんなの受けたら大お披露目会を開催しちゃうってものだろう?

大々的にやったよ!

これでカルア、リカ、メルト、ラクリッテ、シャロン、サチ、ロゼッタ、ヴァン、ミジュ、ナキキ、クイナダが新たに最終装備を着ることになった。

超盛り上がっちゃったよ!

え? 4人足りない。

うむ。それはミリアス先輩たち生産装備だな。

翌日に日を跨ぐことにはなったが、ちゃんとミリアス先輩、ソフィ先輩、レンカ先輩、フラーラ先輩にも渡したぞ。

マリー先輩、うっかり従業員のミリアス先輩たちを連れてくるのを忘れちゃったみたいなのだ。分かる。嬉しいことが目の前にある時、うっかりするのはよくあるのだ。

ミリアス先輩、ソフィ先輩、レンカ先輩、フラーラ先輩はとっても喜んでくれたよ。

あのミリアス先輩の少し引きつった笑いは忘れられないんだぜ。喜んでくれたよね?

お値段を見て目を点にしていたように見えたのはきっと気のせいだろう。

話を戻して〈神界ダン〉の話だな。

最終装備を大量に渡したことで防御面の心配事が減り、俺たちはとうとう41層の攻略に乗り出したんだよ。その日のうちにな。

それから1週間、昨日10月31日土曜日の時点で60層に到達した。

今日は、その60層の一風変わったボスを撃破するのを目的にしている。

「そうだ。ミリアス先輩から連絡あったかハンナ?」

「あ、そうそう。ようやく納得できるクオリティの料理ができたから、あとで受け取りに来てだって」

「そうか~! ようやくか!」

「あと、なるべく高い値段で買ってだって」

「そうだな。バフの数値を見てから決めようか!」

今日は日曜日。

60層のレイドボスに挑むには、絶好の日だ。

もちろん、最終装備をミリアス先輩に渡したのだから、その料理もいただかなければいけない。

準備完了のバフ増し増しで万全の状態で挑んでくれるぜ!

「60層レイドボスを撃破する時は近いな! ドロップも超期待できるだろうぜ!」

「楽しみだね! 今度は誰の専用装備が当たるのかな~」

「それな!」

現在のギルドメンバーの専用装備収集率は4割と言ったところだ。

ルルとこの前のお披露目会の11人合わせて12人。そこからさらに数日で数枚の専用装備の全集レシピを手に入れて、マリー先輩に渡している〈エデン〉メンバーのレシピは合計20枚になった。

〈エースシャングリラ〉の子たちは〈エデン〉メンバーの分が完成するまでちょっと後回しにせざるを得ないが、そっちの収集率は約6割(17枚)なので順調。

〈エデン〉のみんなが最終装備を装備したら、即最終装備の作製に入れるだろう。

「ハンナは今日の予定は?」

「私は学園祭の準備かな~。〈生徒会〉もてんやわんやだよ~」

「そっか。ハンナは〈生徒会〉があるもんな」

「あ、装備の素材はもうマリー先輩たちにいっぱい渡してあるから、安心してね?」

「さすがはハンナ、マリー先輩たちの驚く姿が目に浮かぶぜ……!」

「〈アークアルカディア〉のみんなもだいぶ育ってきてね。今は〈エデン店〉のポーションをほとんど任せられるようになったんだ~。大助かりだよ~」

「マジか! すげぇじゃん!」

朝食の席でハンナと進捗状況の情報交換。

もはや学園には無くてはならなくなったお店、〈エデン店〉。

その商品は今まで、ハンナ、アルストリアさん、シレイアさんという3人で賄ってきたが、ようやく〈アークアルカディア〉に新規で加入してもらった【アルケミーマイスター】のメンバーたちが育って、〈エデン店〉の商品の大部分を任せられるようになったらしい。

つまりはLV80を超えてきているのではなかろうか?

〈エースシャングリラ〉のメンバーも今は平均LV95だし、驚くほどでもないのか?

このままLV100まで到達してくれればハンナが卒業した後も〈エデン店〉は安泰だな。

そんなわけで、〈エデン店〉の商品でハンナたちが手掛けるものはだんだんと少なくなり、かなり手が空いた模様。その時間で今は最終装備用の素材、真素材の作製と、〈生徒会〉の仕事を頑張っているそうだ。

大変忙しそうに聞こえるが、ハンナからすると「もう楽なものだよ~」だそうだ。

一番忙しい時期は、とうに過ぎてしまったらしい。さすがすぎる!

「それじゃ、そろそろ行くかな」

「ゼフィルス君、気を付けてね。頑張って!」

「おう! 今日も勝ってくるぜ!」

時間を見ればそろそろ出発だ。

ピンクの花柄エプロンに制服姿というハンナが玄関まで見送りに来てくれて、手を振ってくれるのだ。

「ゼフィルス君、いってらっしゃい」

「いってきま~す!」

ということで、俺は自分の寮部屋からハンナに見送られて出発した。

え? ハンナを残したままでいいのかって?

いいのだ。細かいことは気にしなくて大丈夫!

俺の寮部屋はハンナの部屋でもあるのだから!(錯乱)

俺はその足で〈トップマリー〉へ向かう。

「ミリアス先輩はいますかー」

「ゼ、ゼフィルス様! い、今呼んできます!」

受付にミリアス先輩の所在を尋ねると、なんかすごい勢いで階段を駆けていき、受付の子が自ら連れて来た。おかしいな。受付の仕事ってこんな感じだったっけ?

「な、なに!? 何事!? 今ビーフシチューの灰汁取り作業中なんだけど!」

「大切なお客様です! あとにしてください!」

「品質下がっちゃうからー!」

あ、連れて来た。

「ってゼ、ゼフィルス君!?」

「おはようミリアス先輩、その、忙しかったか?」

「うん! じゃなかった、そんなことないよ! あ、ちょっと調理工房についてきて! ここじゃ受付の目――じゃなかった、立ったまんまじゃなんだしね!」

そんなことを言われて受付さんの目が届かないミリアス先輩の調理工房部屋へと引っ張られた。

「ちょっと待ってて! 今きりの良いところまで片付けちゃうから」

「おう」

ミリアス先輩がパパっと後片付けをする。装備と 職業 ( ジョブ ) の補正だろう。素晴らしい動きだった。

そう、ミリアス先輩は今、火曜日に渡した最終装備、〈 料理王 ( マスター・シェフ ) シリーズ〉を装備していた。

うーん、白のコック姿が大変似合っている。

「おーまたせー!」

あ、気を使わなくなった。これでこそミリアス先輩だ。話が早い。

「ハンナに聞いたぜミリアス先輩! 例の料理、できたんだって?」

「そう! そうなの! 私が手掛けた中でまさに最高の逸品たちだよ!」

〈神界ダン〉では食材も少量だが採集できる。ここから作製できるのは、神の調味料だ。

そしてミリアス先輩はここ数日でこの調味料を使い、自身にできる最高傑作にまでバフ率を上げたようだ。

「全部このかばんの中に入れておいたから、お昼にでも食べてね。今出したり鑑定したりしてると冷めて味落ちちゃうから、食べる時にでも見てみて。味は最高を約束するよ!」

「それは楽しみだ!」

ミリアス先輩から〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉を受け取る。

ミリアス先輩のことだから味もバフ率もとんでもない最高のものが入っているに違いない。

お礼を言ってミリアス先輩の工房を出ると、次に出向いたのはもちろん、マリー先輩の工房だ。

さあ、次はどんな最終装備が仕上がってるのかな?