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第2163話 ゼフィルスが教えた【通信兵】が超育ってる!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2163話 ゼフィルスが教えた【通信兵】が超育ってる!

「この子たちがオペレーターとなる【通信兵】の子たちです」

「「「「「よろしくお願いします!」」」」」

その後、リアルタイムで通信するオペレーターを紹介された。

クエナに呼ばれて出てくる〈秩序風紀委員会〉の腕章を着けた子たち。

その数、なんと50人を超えていたんだ。

「【通信兵】? こんなに【通信兵】の方がいるのか?」

「驚きましたわ。確か、発現者が少ないと言われていた 職業 ( ジョブ ) ですわよ? 研究所は、まさか【通信兵】の発現条件まで見つけていたなんて!」

リカやリーナが驚きの声を出して【通信兵】の諸君を見る。

うむうむ。無事芽はすくすく育っているようで嬉しい限り。

もちろん【通信兵】の発現条件を研究所に、いや、〈秩序風紀委員会〉に直接教えたのは俺である。元【伏兵通信士】だったシヅキを引き抜いた時に対価として教えたのだが、今ではこんなにたくさんの【通信兵】を抱えて組織立った行動もできるよう訓練されているとは。

あ、シヅキがジーっと俺を見つめてくる! シエラもジト目だ!

その情報、リーナやクエナも知らないっぽいからまだ秘密にしておいてね!

「今までのオペレートは〈 学生手帳 ( スマホ ) 〉のチャットを使った通信システムだったから通信にラグがあり、リアルタイムでの案内が遅れたり、やり取り自体が滞ったりと、色々問題がありました。でもそれも彼ら彼女らの奮闘により、正しく正確に、より分かりやすくオペレートし続けることが可能になったのです」

おお、クエナが自慢するようにちょっとドヤッている。

きっと、クエナたちの奮闘で育てたんだろうな。〈秩序風紀委員会〉の自慢の部隊って感じだ。

「ですからみなさん、どうぞ安心してください。何か困ったことがありましたら私たち〈秩序風紀委員会〉の方でしっかりサポートしますから、分からないことなどがありましたらオペレーターの方と相談して聞いてくださいね?」

「「「「はい!」」」」

こうしてその日は打ち合わせと顔合わせ、そして予行練習をすることになった。

自分の担当区域、その担当区域を任されているオペレーターとのコミュニケーションを構築しつつ、どんな感じにオペレーターと連携していくかを学ぶのだ。

また、どうやらオペレーターは担当区域が決まっており、場所によってオペレーターの人が変わってしまうとのことだ。

しかし、オペレーターの人はその区域のスペシャリスト。区画を区切ることでよりその場所のことを詳しく把握しているため、リアルタイムで様々な情報を入手し、それを現場に送ることができるとのこと。

いやぁ、それを語る時のクエナは生き生きしていたぜ。

一生懸命考えました! と自慢しているかのようだった。いや、たぶん自慢していたんだろう。俺もその一助になれたと思うとちょっと誇らしいぜ。

「では初日、2日目、最終日の3パターンで早速予行練習と参りましょうか」

というわけで今日は練習。まず初日の班で集まった。

俺と組む初日のメンバーは、アイギスとリーナだ。

「ゼフィルスさん、リーナさん、よろしくお願いします」

「クワァ!」

「こっちこそなアイギス、ゼニス。――リーナも、今日はオペレートされる側だな」

「本物のオペレーターのお手並み拝見ですわね。もちろん、良いところはたっぷり吸収させてもらいますわ」

リーナは〈エデン〉のオペレーター役として、貪欲に自分の力にできそうなことを吸収しようとしているな。

素晴らしい向上心だ。

「リーナさん、あれだけ出来てまだ不足があるのですか??」

「わたくしたちはダンジョンやギルドバトルに特化している部分がありますもの、地上でのオペレーターはわたくしでも経験がありませんから。特にお祭りなど人が多くあふれていたりする場所での誘導、現場に急行させる手腕、どんな指示をリアルタイムで送ってくるのかなど、興味がつきませんわね」

「リーナさんがガチです……!」

「クワァ!」

「それも良いが、目的を見失わないようにな?」

「もちろんですわ!」

ということでオペレーターの指示により、俺たちは第一アリーナへ急行。

途中、メインストリートが混んでいるため迂回する、という想定で裏道を走らされたり、建物の上を走ったりもしたよ。

というか、建物の上を走っても良かったのか?

え? 建物の上階であれこれしていた人も過去には居た?

ガチの戦闘となると建物の上は人がいないので良いバトル会場に……?

さいですか。

「さすがは本場の【通信兵】ですわね。なかなか粋な指示を出しますわ」

「リーナに変なこと教えないでね……!」

俺は今後のギルドバトルの動きなどで、リーナの指示出しがちょっと心配になった。

リーナがアンビリーバボーで無茶な指示を出し始めたらどうしよう?

もちろん俺はリーナを信じてるぜ。

そんなこんなありながら第一アリーナに到着。

ここから先は現場の俺たちの役目だ。基本的な行動方針は教えられているのでその通りに動き、何度かオペレーターに報告。

〈秩序風紀委員会〉的にこう対処してほしいという要望があれば聞くなど、今までの現場に一任するという感じの内容から若干変化が生まれているな。

俺たちもできる限り応えるという形で何か問題があった時の対処法を詰めていった。

そんな感じのことを一通りこなしたら、今度は2日目のメンバー、ラナとエステルと一緒に第一アリーナへ。

「さあ、オペレーターさん、指示を出しなさい!」

「『え? えっと、助けて勇者様!』」

おかしいな。さっきまでイケイケでオペレートしていた彼女がいきなり言葉少なくなってしまったぞ? 現場にお任せします? 王女様相手に指示出しするとか恐れ多いですって? 知ってた。去年も一昨年もそんな感じだったし。

ラナと一緒だと「現場に急行してください」という指示がね、来なくなるんだよ。

ということでぐるっと4分の1くらいアリーナを回って帰ってきた。

3日目のシエラとルルとも練習でペアを組む。

「よろしくねゼフィルス」

「ルルたちと一緒に警邏、じゃなくて遊ぶのです!」

「こっちこそよろしくなシエラ、ルル。あとルルのセリフ、警邏と遊ぶの部分が逆じゃない?」

「にゅ? あ、間違えたのです! 警邏頑張るのですよ!」

「おおー!」

危うく警邏を放り出して遊ぶことに全力を出しかけてしまいそうになったが無事軌道修正。

オペレーターの人も今度はリーナの時と同じくイケイケで指示を出し始めたので、そのノリについていく。

「【通信兵】はリーナのやり方とは結構違うのね。エリアや区画が変わったら別の人に代わるって言われた時はどうやってそんなことするのかと思ったけれど、このバッジを隣の【通信兵】にパスするだけなんて」

「面白いのです!」

「ああ。このバッジ、というか実は何でもいいんだが、【通信兵】のスキルはなんでもいいから何かを触媒にして発動し、それを簡易通信機にしてしまう、ってスキルだからな。リーナのように仲間にパスをつなぐという方式とはだいぶ違うな」

リーナは対象に向けて直接通信のパスを繋いでしまうが、【通信兵】は物に頼る。

2つの物を相互通信可能な簡易的な通信機にしてしまうスキルを持っているのだ。

その簡易通信機の片方を【通信兵】が持っている時、通信ができるシステムである。

で、俺たちはそれを施した〈秩序風紀委員会〉のエンブレムが彫られたバッジを1つずつ渡されているので、バッジに話しかけたり、バッジから声を聴いたりして対処する感じ。

司令部には何十人ものオペレーターが居て、区画が変わると俺たちが持つバッジとペアの簡易通信機を、その区画の担当者にパスするという荒業でオペレーターの担当者 チェンジ ( スイッチ ) をこなしているのだ。

確かに、これはリーナじゃできないな。さすがは通信特化型の 職業 ( ジョブ ) 。

たくさんの【通信兵】という 職業 ( ジョブ ) で前線を支えるスキルを持っているわけだ。

「とりあえずこんなもんかな?」

「ええ。オペレーターの練度も悪くないわね」

「ルルはちょっとお疲れなのです! シェリアお姉ちゃんにジュースをもらってくるのです!」

無事今日の予行練習は終了。

翌日の予行練習も、俺たちは過去2回警邏をしてきたこともあって基本的なことは身についているので、2年生や1年生たちとの連携の練習なんかもやった。

1年生の模範となるべく頑張らなくては……!

そんなこんなで学園祭準備期間は瞬く間に過ぎていき、水曜日。

ついに学園祭当日がやってきた。