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第2168話 ゼフィルス、仮装コスプレしていざ出陣だぜ!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2168話 ゼフィルス、仮装コスプレしていざ出陣だぜ!

なんとかミストン所長との打ち合わせを学園祭開催までに終えると、俺たちは第一アリーナの観客席でその時を迎えようとしていた。

「リーナ、アイギスも付き合ってくれてありがとな。俺と研究所が打ち合わせしている間、退屈だっただろう?」

「クワァ!」

「ははは、もちろんゼニスもな」

「そんなことはありませんわ。実に有意義な時間でした」

「はい。普段ゼフィルスさんがどういうことをしているのか、リーナさんとは違い、私はほとんど知りませんでしたから、知れて良かったと思っています。むしろもっと知りたいと思っているくらいです」

道中リーナとアイギスに聞けば、嬉しいことを言ってくれる。

とりあえず、退屈にさせたのではなさそうで良かったよ。

「あ、そろそろ開催の時間みたいです」

「アリーナのスクリーンにカウントダウンが表示されていますわ! 残り15秒!」

「会場も、盛り上げ準備万端と言ったところだな!」

観客席の先頭で会場を見れば、学生たちが準備を整え、その時を今か今かと待ち構えている雰囲気だった。

上空スクリーンはすでに最後のカウントダウンに入っており、学生たちが大声でカウントする。俺たちも乗らなくては、このビッグウェーブに!

「――5! 4!」

「――3! 2!」

「――1!」

「「「ゼロ!(クワァ!)」」」

――――迷宮学園祭、開催だーーーーー!!!!!!

瞬間、そこら中から大歓声が上がった。

巨大バルーンとカラフルな風船が登って開催の狼煙をあげ、観客席では「学園祭大開催!」の文字の横断幕を掲げている者多数。

一部では筋肉たちが胴上げもしている。気が早い!

会場中でも巨大な布に「迷宮学園祭!」「学園祭スタート!」「3日間楽しもう!」といった文字が踊り、布を持った多数の人がダッシュで観客席の前をダッシュしていく。あ、大変そう。

だが、みんな盛り上げたいという気持ちがひしひしと伝わってくる。

「ん~! お祭りの雰囲気に染まっていくのを感じるぜ!」

「ゼフィルスさん、楽しみましょうね」

「仕事もこなし、休憩もしっかりこなさないといけませんね」

「おうともー!」

「クワァ!」

さあ、お仕事の時間だな!

開催から1時間はみんな浮ついた気持ちの人が多いので、俺たちの巡回の任務が重要な意味を持つのだ。

腕章確認! 腕章確認良し! いざ、出撃だ!

お、第一アリーナにアナウンスが流れる。

「『さあ開催されました! 迷宮学園祭! この第一アリーナでは、今年のクラス対抗戦で登場したアシストモンスターと戦えてしまいます! 皆様も奮ってご参加ください!』」

―――――うおおおおおおおおおおおお!!

「観客席では走らないでくださいー!」

早速俺たちが活躍する場が……!

「んん!? ちょっと待て! あれはまさか、今年の〈クラス対抗戦・カイエン杯〉で貢献度1位を獲得した、ゼフィルスさんでは!?」

「マジかや!?」

「えらいこっちゃやで!!」

「ありがたや、ありがたや~」

おおっと、走り出した人たちが俺たちに気が付いて人が集まりだした!

なんか拝んでいるおばあちゃんもいる!

「去年から思っていましたが、ゼフィルスさんを警邏要員にするのはやはり無理があるのではないでしょうか?」

「わたくしも実はうすうす感じておりましたわ。絶対騒ぎの中心になってしまいますわよね」

アイギスとリーナの指摘で忘れていた去年の学園祭の記憶がよみがえる。

そういえば去年もこういうのあったわ! 忘れてた!

「あの! 勇者さんと模擬戦することは可能ですか!?」

「なに!? ゼフィルスさんと模擬戦ができるのか!?」

「あにょ! 私とも、一戦お願いしましゅ!」

なんか一瞬で話が大きくなった! なにこの尾ひれが付く速度!?

これが噂が一瞬で大きくなるってやつか!? 本人が目の前にいるのに!

「お待ちくださいな! 模擬戦はいたしかねますわ!」

「はい! アシストモンスターを用意しています。まずはあれに勝てないと話にもなりませんよ」

「クワァ!」

「悪いなみなさん! そういうわけだから諦めてくれ!」

「きゃー! 勇者君とお話ししちゃったわ!」

「つまり、勇者さんに挑みたければアシストモンスターたちを制覇しろと?」

「アシストモンスターを全部倒した先に待ち構えているってことかよ!」

「え? それ勇者じゃなくて、魔お――」

「ちょっとよろしいですか?」

「ひえ!? な、なんでもないですー!?」

「あ、ゼフィルスさん、今オペレーターの方から連絡が来ました。人員を送るとのことです」

「ちょっとよろしいですか?」

「ひょわっち!?」

「あれですね。さすがは本職。手際が良いです」

お、おう。

騒ぎなどを解決しなくちゃいけないはずの俺が、なぜか騒ぎを助長している気がする不思議。

〈秩序風紀委員会〉からも応援が来て、ものすっごい手際よく肩ポンしてつれていかれていく。あれが本職か。すごい。

「ゼフィルス様、ちょっとよろしいですか?」

「ひょ!?」

俺にも肩ポンきた!

ち、違うんですおまわりさん! 俺はそんなつもりはなくって!

俺は連れていかれてしまった。

「混沌!!」

◇ ◇ ◇

「こちらへ」

「あ、どうも?」

黒い装束を身に纏い、いかにも忍者みたいな装備の女子に連れてこられたのは、とある空き部屋。

いや、〈連行された人のお部屋〉って表札に書いてあった! 〈秩序風紀委員会〉がこの学園祭中に借りている簡易部屋だ!

俺、連行された人になってる!? ち、違うんです!

「あ、ゼフィルスさん!」

「ご無事でしたか!」

「リーナ、アイギス!」

2人も連れてこられたようで無事部屋で合流する。

「あの肩ポン、隠密系のスキル『共隠れ』ですわね」

「ゼフィルスさんが一瞬の間に姿が見えなくなって場が騒然としていました」

あとから来たリーナとアイギスの言葉を聞いて、俺はようやく理解を得る。

そうか、俺をあの場所から移動させることで場を静める狙いだったようだ。

俺は悪くなかったんだ!

そこでオペレーターから通信が入る。

「『ゼフィルスさん、こちらの不手際です。失礼いたしました。〈クラス対抗戦・カイエン杯〉のアシストモンスターが注目されて人が押し寄せているこの時に、そこで大きく活躍したゼフィルスさんが居ればこうなることは火を見るより明らかでした』」

「いえいえそんなそんな?」

うむ。とりあえず、去年よりも人が多く、噂が広まるのも早い印象だった。

ものすごい速度で人が集まってきてたもんな。

「『今、〈秩序風紀委員会〉からコスプ……いえ、変装用の装備を届けましたのでお着換えください』」

「今コスプレ衣装って言いかけなかった?」

「『気のせいです』」

俺の勇者魔王装備は目立ちすぎていかんらしい。

〈クラス対抗戦・カイエン杯〉の決勝戦でお披露目しちゃったからね。

音もなく部屋に入ってきた例の黒装束の人が無言で装備をテーブルに置く。

そしてまた音もなく部屋から出ていった。プロの仕事だ。

「影ですわね。よく訓練されていますわ」

「リーナあれ知ってるの!?」

どうやら俺の知らない世界がまだある模様だ。

でも後で教えてって言ったらなぜかリーナに断られてしまったんだよ。

なぜだぜ? やっぱり影の仕事だからなのか? やばい、余計興味が湧いてくるんだけど!?

「ゼフィルスさん、着替えましょう。とにもかくにも、ゼフィルスさんがその装備のままですと目立ちますわ」

「だな。まあ、万が一の時は〈マイセット早着替え〉を使えばいいか」

ということでフォルムチェンジ。

リーナとアイギスには一度部屋を出てもらい、衣装をチェンジする。

「いいぞ」

「失礼いたしますわ。――まあ!」

「い、いつものかっこよさとはまた別のかっこよさの雰囲気で、とても良いと思います」

「そうか? いつもの雰囲気と違うから正直よく分からないんだが、似合ってる?」

「「似合ってます」」

「お、おう。ありがとな!」

今の俺は、一般服に見える装備を身に着けていた。

俺のイメージカラーである青と白をベースに、シャツと羽織る上着、長ズボン。ベーシックスタイル?

顔には作家がかぶりそうな帽子に遮光付きの丸メガネ。サングラスとはまた違う、伊達メガネに近いおしゃれ変装メガネだ。

変装にメガネと帽子は基本。あとはマスクがあれば完璧だが、そこはマフラーマスクスタイルになった。11月半ばだけど、マフラー巻いても厚くないやつなので大丈夫。そこらへん、装備の良いところだな。

「一般服に見えますから、わたくしたちがこの装備で横に並ぶと浮いてしまいますわね」

「はい。私たちも変装しましょう」

ということで、リーナとアイギスも衣装チェンジ。

リーナはおしゃれな白と紫をベースにしたワンピースに紫のカーディガンを羽織ったような姿だ。

アイギスは白と赤をベースにしていて、目立つのはそのロングスカートだな。

アイギスは高身長でスタイルが良いので足が際立つスカートが良き。上は袖なしのコートが大変似合っていた。

「ゼフィルスさん、どうでしょうか?」

「もちろん、リーナもすごく似合っているぞ。アイギスもだ。あまり装備らしくない衣装っていうのは初めて見たが、2人とも新鮮でとても良いと思う」

「あ、ありがとうございます。そ、そうですか。新鮮ですか。覚えておきます」

「これは盲点でしたわね」

学園では外出時は装備品の着用が校則で決まっている。

だからこういう普段着っぽい装備は非常に新鮮だ。

しっかり2人を誉めておいたぜ。もちろん本音だ。

「よし、これで警邏も再開できるだろう。行くか!」

「はい!」

「いざ、出陣ですわ!」