LNCrawler

第2169話 第一アリーナレイドボス戦にゼフィルス乱入!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2169話 第一アリーナレイドボス戦にゼフィルス乱入!

「「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」」

「マッスルマッスル!」

「わっしょい! わーっしょい!!」

「「「「「ウォーン!!」」」」」

第一アリーナに戻ってきてまず視界に飛び込んできたのは、筋肉集団VS〈バトルウルフ(最終形態)〉の対戦風景だった。

スクラムを組んだ筋肉たちが〈バトルウルフ〉のブレスを突破して脇腹にズドンとする光景が大変シュール。

あと観客席から応援がすごい。いや、わっしょいは応援なのか? 今は学園祭。お祭りの最中。なら、間違ってない? あかん、これ、筋肉汚染だ。早くここから離れなければ!

「ゼ、ゼフィルスさん、ここは危険ですわ! 向こうへ退避ですわ!」

「い、いきましょうゼフィルスさん。ここに居てはゼフィルスさんが筋肉に……それはいけません!」

「クワァ」

「お、おう!」

リーナとアイギスも同意見だったようで素早く離れる。

ちなみにゼニスはアイギスが肩から下げているボストンバッグの中だ。

ゼニスは目立つからね。なお、たまにチャックを開けて顔を出したり引っ込めたりしているのはご愛敬。楽しそうなので良しだ。

無事筋肉エリアから移動できた俺たちはオペレーターさんの指示通りの巡回ルートを巡りながら会場も確認する。

「みなさん、張り切っていますわね」

「壮観だな。やはりレイドボスは大人気か」

「あちこちで見慣れたボスが集団と戦っていますね。ほとんど選手側が負けているみたいですけど」

俺たちが最上級ダンジョンで集め、学園に売ったレイドボスの召喚盤を使い、ボス補正が無いとはいえレイドボスといつでも戦えるようになった。

そんな謳い文句は大量の人を集めに集め、こうして初の一般体験会が行なわれている。

第一アリーナは広いため、レイドボスをどれだけ召喚してもまだまだスペースが大きく余るのだ。故にエリアを区切って、エリアごとにレイドボスを召喚し、戦えるブースを作っている。

ちなみに第一アリーナの中心地には〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が1体。腕を組んで挑戦者を待ち構えているんだ。超壮観……!

なお、まだ〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉にチャレンジしたいという粋な集団は現れていない模様。

人気なのはランク1〈樹界ダン〉のボスだった〈フェアリークイーン〉、〈ネファイブ〉、〈バトルウルフ〉で、その時に集まった50人で臨時チームを組んで挑んでもらう形。

もちろん、自分たちで50人の仲間を集めて挑んでも良しだ。

「ははははは! こいつは楽しいな! うおらー! 『エンペラーバスター』!」

「ジャオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

ガルゼ先輩たちはしっかり50人を集めてきたようで、〈ネファイブ〉と遊んでいた。

これがかなり有利に戦っていたんだ。そして。

「うおおおおおお! 倒したぞー! 勝ち鬨を上げろーーーー!」

―――――うおおおおおおおおおおおお!!

ついに〈ネファイブ〉を撃破!

レイドボスチャレンジに初めて勝利した団体は、ガルゼ先輩たちだったんだ。

これでまた名を上げたな。

「盛り上がっていますわね」

「はい。ガルゼ先輩たちが勝利したことで、他の選手たちも燃えております。元々レイドボスチャレンジに参加するのは血気盛んな人が多いですから、自分たちもやってやる、という人ばかりですね」

「これは、最終日が俄然楽しみになる光景だな!」

人、多っ!!

いったいどれだけの人たちがレイドボスチャレンジに参加しているのか。

これが最終日、もっと増えることになると思うと今からワクワクが止まらない!

みんな、この日のために自慢の技とレベルとスキルを磨いてきたのだろう。

素晴らしすぎる!

「あ、あちらでは卒業生を含む〈ギルバドヨッシャー〉の方々が〈フェアリークイーン〉を倒しましたわ!」

「おお!」

盛り上がってきてる!

そして俺たちのお仕事はその盛り上がりすぎてタガが外れた人たち、いや、タガが外れないよう抑えるのが仕事だ。

「あ、見てください!」

「お! ラナたちじゃないか!」

レイドボスチャレンジの最大の難関、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉。

挑戦者たちがまずは力試しとランク1のレイドボスに挑み、そして敗退していく中、ランク4であり最強にして最凶のレイドボスである〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉に挑むチャレンジャー現る。

これにはどよめきと共に注目が集まった。

なにせそのチャレンジャーたちは、たったの10人しかいなかったのだから。

「グマアアアアアアアアアアアン!!」

「いくわよみんな! なるべく派手にやるのよ!」

「はい! 〈スターライト〉、召喚です!」

「初手から派手過ぎるデース!?」

「ルルも飛び出すのです! とう!」

「初手から本気で行きますね――『大精霊様、全六霊機降臨』! ――この場に集いしは6属性全ての精霊! 精霊の王よ、今こそ呼びかけにお応えください――『精霊王降臨』!」

「グマアアアアアアアアアアアン!?」

まさか、たった10人であれに挑む? 無理だろ。

誰もがそう思っていたが、結果は全くの逆。

戦艦が召喚され、大精霊六機が召喚されたかと思えば精霊王も降臨。

派手に〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉と戦い始めたのだ。

しかもその実力は拮抗している。いや、それも選手側の準備が終えるまでだった。

「エステル、準備できたわ!」

「いきます――『戦車姫最終奥義・戦車覚醒』!」

「『大聖光の無限宝剣』!」

「『バースト・フォース・ガン・メイデン』! 『メイド・フォーシス・バルカン・グレート』!」

「『レード・セーゼ・スラスト』!

「「「「え、えええええええええええええ!?!?!?」」」」

戦艦から飛び出す大量の宝剣、銃撃の連射、槍砲の連射が〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉を襲う!

ラナが〈スターライト〉のデッキで〈白の玉座〉に座って指示を出している姿がありありと俺の脳裏に過った。

ラナが超王族してる!!

呆気に取られて愕然とするレイドボスチャレンジャーたち。

なるほど、学園の狙いが分かったぜ。

今の学園の実力を見せつけると共に、血気盛んで羽目を外しまくりそうな人たちに向けて「学生たち、このくらい強いんだけど。学園で羽目を外し過ぎたら、分かるね?」というメッセージだろうな。

レイドボスを倒せて「俺たちは強いんだ! だから何やってもいいんだ!」などと勘違いして羽目を外し過ぎたら、もっと強い人たちが出てきて「ちょっとよろしいですか?」されてしまうのだ。きっとおとなしくなるだろう。実に効果的な戦法!

それと同時に最終日の布石も仕込んでいるのだろうな。

「最後のボス補正有りの〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉は彼ら彼女らに任せろ」というメッセージも含まれているに違いない。

あれを見たらね。レベルが違うやってすぐわかるからね。

「でもちょっと待ってほしい! 俺も参加したかったんだが!?」

「オペレーターの方、ゼフィルスさんを参加させないとは、いったいどういうことですの?」

「『ちょうど着替えていましたので』」

「なんということですの……!」

どうやら俺たちも誘いの言葉が来るはずだったけど、例の問題で話が別の人に行った模様。

ちょっと待ってほしい! 俺はリーナの通信機に提案した。

「はいはいはい! 質問です! 今から参戦はありですか!?」

「『確認します。…………元の装備でならありだそうです』」

「おっしゃーーー! 飛び入りするぞリーナ! アイギス!」

「ええ!? ――分かりましたわ! アイギスさん、わたくしたちも派手に行きますわよ!」

「いつの間にかとんでもないことになってしまいました!?」

「『話はこちらでつけておきます。存分に、派手に、周囲を分からせてあげてください。とのことです』」

「オペレーターさん有能! 任せておけ! 〈マイセット早着替え〉、発動だ!」

「行きますよゼニス! 『小型化』スキル、解除です!」

「クワァ!」

まだ観客席に人が少ない時で良かった! さらにはみんなアリーナの方に熱中している。

早着替え目撃者は極少数、迷惑にもほぼならない。

俺たちはさっき着替えたばかりの私服装備をもう〈マイセット早着替え〉してしまい、フル装備に換装。

ゼニスは『小型化』スキル解除で30メートル級の竜に大変身! 観客席の一角に巨大な竜が降臨した。

「な、なんじゃありゃー!?」

おっと気が付かれたか。いや、今は気が付かれた方が良いな!

「『ハイジャンプ』!」

「行くぞリーナ! 『 英勇転移 ( ブレイブポート ) 』!」

「はい!」

リーナの手を掴んでゼニスの背中へ。

同時にアイギスもジャンプで乗り込んできて、騎乗良し。

しっかり掴まっていざ出陣!

「アイギス、ぶちかませ!」

「はい! 行きますよゼニス――『神飛・ドラゴンオーバーストライク』!」

「クワァ!」

「「「「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?」」」」

途中参戦!

最終日は途中参戦が可能なので、おそらくこれも布石だろう。

途中参戦は、こうやってかっこよく決めるんだよ!

ゼニスの『神飛・ドラゴンオーバーストライク』は神速のドラゴン突撃スキル。

ものすごい飛翔速度で飛び込んできたかと思うと、ちょうど『必殺・クマアッパー』で精霊王を殴らんとする〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉の側面にぶち当たり、攻撃を阻止したのである。

「グマアアアアアアアアアアアン!?!?!?」

「ちょ、ゼフィルス!?」

「助けに来たぜラナ!」

「きゅん」

「いいえ、ゼフィルスさんは途中参加したかっただけですわ!」

「あ! バラしちゃダメじゃないかリーナ!?」

タイミング完璧。

ここはピンチなヒロインを助ける勇者がドラゴンに乗ってやってきたシチュしかない! と決め顔で言えば、リーナが速攻でネタばらししてしまったのだった。そんなー。

「ええい! こうなったら〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉に責任を取ってもらうぜ! 『 天光勇者聖剣 ( あまのひかりのゆうしゃせいけん ) 』!」

「グマ!?」

なんの責任かは俺も分からないが、とにかく倒せばいいんだ!

俺はゼニスから単身飛び降りて、光の30メートル級聖剣でぶった斬り、派手な演出で登場する。

斬られた〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が固まると、そこに攻撃が叩き込まれた。

みんなタイミング完璧だ!

「とう! これがルルのスペシャル攻撃! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』大強化フルバージョンなのです!」

「行きますよゼニス! 『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』です!」

「クワァ!」

「グマアアアアアアアアアアア!?」

いつの間にか2回変身していたルルがここで必殺技の大強化フルバージョンをズドン!

さらにアイギスとゼニスまで最強火球ブレスでズドンした。

ものすごい衝撃を受け、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉が大きくノックバックすれば、そこに大量の攻撃が派手に叩きつけられて、ダウンする。

「そこだー! 『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』!」

「トドメの――『神の天誅』よ!」

そこに俺とラナの攻撃が叩き込まれると、〈 悪魔王 ( ア・クマオウ ) 〉のHPがゼロになったのだ。

でも、なぜか会場はシーンと静まり返っていたんだ。