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第2173話 この世界の秘密とエンディングに一歩近づく。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第2173話 この世界の秘密とエンディングに一歩近づく。

「まず最初の話はこれまでゼフィルス君が各ダンジョンから持ち帰り、そして販売を待ってもらっている各種アイテムのことだ」

来た。そう来ると思ったよ。

実はこれまで最上級ダンジョンでドロップしたアイテムなどで、市場に流せずにいた物がいくつもあったのだ。

いわゆる、国を大きく震撼させてしまうのでちょっとその辺の法律やら整備やらが決まるまで売るのは待ってほしいと言われていた類だな。

例えばランク3、〈聖界ダン〉でドロップした装備、〈上位天使の飛天翼〉。

これはアクセ枠を2つ使うが、装備すると誰でも天使スキルである『天空飛翔』が使えるようになる汎用装備だ。つまり、誰でも空が自由に飛べてしまうのである。

こういう、法整備も行き届いていない中で広まるとやべぇものは、一時的に報告だけして広めなかった経緯がある。

ちなみに本物の【天使】職など、空が飛べるスキルを持つ 職業 ( ジョブ ) はいくつもあるが、こちらはしっかり法整備されており、許可された特定の場所以外での使用を制限するほか、もし許可された場所以外で使用した場合はペナルティが適用される形になっていたりする。

空が飛べる 職業 ( ジョブ ) 持ちはしっかり国が把握していたりとかな。

だが、この装備が広まれば国が把握することは不可能だ。故に装備が広まる前に手を打っておく必要があった。

例えばランク1、〈樹界ダン〉でドロップしたアイテム、〈ダンジョンワールド・エンド・テレポート〉、通称〈エンテレ〉。

これは攻略者の証を持った4人と同行するならば、1人まで最奥に転移できるアイテムだ。つまり、攻略者が身内に居るなら階層をすっ飛ばせる夢のパワーキャリーアイテムである。

こんなものが市場に出回ったら、実力主義が根付いているこの世界は大混乱必至。

レベルと攻略者の証という、非常に分かりやすいステータスの信用がガタ落ちしてしまう。ゲーム用語で言ういわゆる養殖された人たちが大量生産されてしまうだろう。

これも、安易に広めてはいけないアイテムの1つに指定されている。

そんな感じに国が「え? そんなアイテムがドロップしちゃったの!? ちょ、ちょっと待ってね! これから会議開いて決めるから!?」としたものが〈エデン〉にはゴロゴロあるのだ。

〈エデン〉が攻略目的で使うのならば構わないが、市場に流すのはもうちょっと待ってと頼まれていた形だな。

それが、ようやく決まったのだろう。

ユーリ先輩がさっき言った「……いっぱいあるんだ」がなんとも重みが深い。

いやだって、攻略階層更新するたびに出ちゃうんだもん! 〈エデン〉は悪くない!

「それじゃあ結果から言うね。まず〈エンテレ〉から」

「初手から一番デカいところに行きますね」

「うん。一番影響が大きいからこそ真っ先に明らかにしておかないとね。本当にね」

あ、ユーリ先輩の声から「本当に大変だったんだよ?」という思いがにじみ出てらっしゃる。

ゲームの時には考えなかったが、リアルになるととんでもない影響力を持っちゃうものってあるよね。特に〈転移〉系。

この前当たった〈エスケープドロリン♪〉なんか、一度倒したことのあるレイドボスのボス部屋や守護型ボスを スキップ ( ・・・・ ) できることが判明して大騒ぎになっちゃったのは記憶に新しいし。

「結果から言うと、とても高い税金が課される、非常に高価な使い捨てアイテムにすることが決定した」

「あ、なるほど」

要は重課税みたいな感じになるみたい。使い捨てアイテムに。

確かに、それならば〈エンテレ〉を生産するよりみんな他の最上級産アイテムを生産する方向に舵を切るだろう。作っても高い税金を持っていかれるのだからさもありなん。

「ちなみに抜け道があって、自分たちが生産したものには当然税は掛からない」

「〈エンテレ〉のレシピを手に入れたところは大フィーバーですね」

「うん。とりあえず今はね。だけど、この先最上級ダンジョンの入ダン条件をクリアした者にしか使うことができない、という追加項目ができる予定なんだ」

「……追加項目が、決定している??」

ユーリ先輩のおかしな予定発表に思わずツッコんでしまった。

それなら予定ではなく今発表すればいいだけなのだ。

確かに最上級ダンジョンの入ダン条件を自力でクリアできるほどの実力者ならば〈エンテレ〉を使っても問題は無いだろう。すでに実力があるからだ。

もちろん全員が最上級ダンジョンの入ダン条件をクリアしている〈エデン〉と〈エースシャングリラ〉には何の影響もない。

つまりこれは俺たちに、ではなく、ユーリ先輩たちに、とってその方が都合がいいということだ。

そして都合が悪くなる前に追加項目を付ける、という魂胆だろう。さすがは王族。

〈エンテレ〉を今はどのダンジョンでも使用できるよ! 今だけはね! 誰でもパワーキャリーさせることができるんだ!

つまりはそんな意味を持つ。

そんなこと言われたらさ、誰かをパワーキャリーさせてくれって言っているようなものじゃない?

「つまり、誰かパワーキャリーしてほしい人がいる、と?」

「はは。ゼフィルス君は話が早いね。うん。対象は――僕たちだ」

ババンと自身の胸に手を当ててそう言い切るユーリ先輩。

パワレベ希望者、目の前に居た!

「実はね。僕のレベルが今問題になってきているんだ」

「……なるほど」

実はそれ、俺もちょっとだけ気になってた。

ユーリ先輩が卒業する前、俺は当時最高メンバーを集めて、上級下位ダンジョンのランク6、〈岩ダン〉へと攻略しにいった。その時はユーリ先輩にガルゼ先輩なども一緒だったなぁ。

そして〈岩ダン〉のレベルキャップは、上級職LV30である。

〈岩ダン〉でレベリングして卒業していき、そこから王宮で仕事をしていたユーリ先輩のLVはお察しである。

そして、もう1人の王族、ラナのLVは言わずもがな、100である。人類の頂点だ。

ぶっちゃけ今のユーリ先輩とラナが戦ったら、ラナの圧勝である。

「このままでは少しまずいんだ。せっかく王太子としての地位が盤石になったのに、ラナがすごいことしちゃってるしね」

「そこで、レベルを上げてほしいということですね?」

「もちろん、謝礼はたっぷり出すよ。望みのものを言ってほしい。どうかな?」

「受けましょう」

即決。ユーリ先輩も王が弱いと思われるのはいかんのだ。

いや、それだけならまだいいのだが、近くにいる他の王族の方が実力主義的に見て優秀と思われるのは非常にまずい。

ラナなんか偉業を上げまくってるからね、俺たちと一緒に。

それだけならユーリ先輩の指示でダンジョンの攻略をしているのだ、ということにできるのだが、LVはいかんせん難しい。

そしてユーリ先輩も卒業し、すでに王族としての仕事に携わっている以上、地道に最上級ダンジョンをランク4まで攻略し、LV100に至るなんて年単位の修行をやれるほど時間はない。そんな時にひょっこり登場したのが〈エンテレ〉だったようだ。

「〈エンテレ〉ならば、そして〈エデン〉のキャリーならば僕を、僕たちをLV100まで押し上げることもできるだろう?」

「もちろん可能です! やってみせましょう! これもこの世界のためです!」

「ありがとうゼフィルス君。いや、本当に助かるよ。特に、北の様子がおかしい今の時勢では、強い王が求められているからね」

「北の様子?」

俺はぴくっと反応して思わず聞き返してしまう。

前にシヅキをスカウトした時や、学園長からもちょろっと聞いていた話だ。

まずこの世界には国は1つしかない。ここ、シーヤトナ王国のみだ。

ゲームの世界な上に学園で3年間暮らすため、他の国は作られなかったのだ。

俺も学園に入学して、改めてリアル地理を学んだが、マジで1国しかなかった。

しかし、この国には軍があり、他国ではない何かの脅威に備えている。

その正体こそが、モンスター。

「北にある巨大ダンジョン、〈次元の大樹ダンジョン〉からスタンピードの兆候が表れている」

「スタンピード!」

――スタンピード。

それはダンジョンからモンスターが溢れ、地上に出てきてしまうこの世界のバグ。

地上に出てきたモンスターは地上の様々なものを食い荒らし、人間の街すら飲み込んでしまう。

この世界のダンジョンは、全て 古 ( いにしえ ) の勇者と 古 ( いにしえ ) の神竜が作り出したと言われている。

職業 ( ジョブ ) やステータスのシステムも同じくだ。

基本的に人側に富を生み出すために作られているのだ。ダンジョンというのは。

試練 ( ボス ) を突破したものへ褒美としてドロップが落ちるのもダンジョンが神の試練だから、という設定である。

そんな人類の味方寄りのダンジョンが、本来ならスタンピードなんて起こすはずがない。そんなことをすれば、非戦闘職や、15歳以下の未覚職の者はなすすべもないからだ。加えて、ダンジョンの外では安全システムが稼働していないので、やられたら転移で別の部屋に送られる、ということもないのである。

故に、スタンピードとはバグなのだ。

非常に恐ろしい現象なのだ。

「今まで小規模なスタンピードは何回かあったんだ。56年前、マルグリット伯爵領の近くのダンジョンであったのもまだ記憶に新しい。でも、今回のものはそんな規模ではなさそうなんだ」

ユーリ先輩は語る。このスタンピードは、王国を揺るがす非常に危険なものだと。

「〈次元の大樹ダンジョン〉は、最上級ダンジョンに指定されている……! 強い王が必要なんだ。ゼフィルス君、改めて頼む。僕たちのレベリングを手伝ってほしい」

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あとがき失礼いたします。

昨日新しい〈ダン活〉のティザーPVが公開されました!

「TVアニメ『ダン活』公式サイト」や「ユーチューブ」などで公開しております!

OPソングや声優さんの紹介、ハンナやシエラ、ラナやエステルのセリフも流れてて、素晴らしい仕上がりになっております。よろしければご視聴ください!

(作者からのこっそり注目ポイント、入学式のシーンではハンナの発現しているジョブ一覧が約20職、チラっと見えていたりする)