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第459話 合宿最終日の締めはやっぱりBBQとカレー。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第459話 合宿最終日の締めはやっぱりBBQとカレー。

楽しい時間というものはなぜ瞬く間に過ぎていくのか……。

〈食ダン〉合宿3泊4日の行程はビックリするほど早く過ぎていき、最終日のレアボス周回を行なえば残りの行程は夕食のBBQくらいしか残っていない。

マジかよ。〈ダン活〉楽しすぎだろ。時間過ぎるの早いよ! また来ようね!

カレー作製スペシャルアイテム〈カレーのテツジン〉を起動しながら俺はこの4日間を追憶する。

しかし、側から「ぐぅぅ~」という腹の音が聞こえてきて俺の思考は中断された。

「カレー。今日のカレーは何?」

〈カレーのテツジン〉の真ん前にいつの間にか座り込み、ジッと見つめながら俺に問いかけてきたのはカルアだ。

うん。腹の音ですでに知ってた。

〈エデン〉では腹の音を鳴らすのはカルアしか居ない。

「当然ビーフカレーだ。良い肉が手に入ったからな。ビーフは心を豊かにするんだ」

「真理」

冗談で適当に答えるとなぜか真理という言葉が返ってきた。

とりあえず「ビーフって美味いよな」とだけ返しておく。

後はビーフの他にポークカレーとカレースープもあるぞ。早速レシピ活用。

俺に料理スキルは無いが、〈カレーのテツジン〉のおかげでバフ有り 美味美味 ( うまうま ) カレーを作ることが出来る。テンションが上がる!

海行ったらシーフードカレーもやりたいね。

今回の〈食ダン〉合宿。

合宿という名目上、ギルドのステップアップをメインに織り込んでいたため食材集めにはそれほど積極的ではなかったのだが、やはり初の食材狩り参加者がいたからだろうか、なんかもの凄い数の食材が集まってしまった。

あと、みんながここの食材に味を占めたというのも理由に挙がるだろう。

ここに来る前に購入して馬車に積み込んでおいた〈 空間収納倉庫 ( アイテムボックス ) 〉5つがすでに食材で9割以上埋まっているのだ。これは、俺の見積もりが甘かったと言わざるを得ない。

ゲームの時はオートで採取探索だったのでゲットできる数はスキルによるところが大きかったがここはリアル、各自がオート以上の成果をかき集めてくるのだ。(23人分増し増し)

それなりに高く見積もっていたはずなのに、あと少しで溢れるところだった。

危ない。

今度はもっと人数も増えるだろうし、もっと大量に〈 空間収納倉庫 ( アイテムボックス ) 〉を購入しておいた方が良いかもしれないな。

〈助っ人〉組とも相談しておこう。

あと、これ持って帰ったらどうしようか。保管するのか? 売っぱらうのか?

その辺もシエラたちと相談しておこう。

本番の〈海ダン〉に行く前に判明してよかったぜ。

そう考えているうちに〈カレーのテツジン〉がチーンという音を鳴らして調理が完了したことを教えてくれた。

側に居たカルアの猫耳と猫尻尾がピンと伸びていた。

「おーい、こっちはカレーできたぜ」

「こちらも野菜がいい感じに焼けています。そろそろお肉を焼きましょう」

声を掛けるとBBQの進行具合を教えてくれたのはセレスタンだった。

仲良し三人娘やハンナ、アルル、カイリと共に食事の準備を進めてくれている。

「はーい、ご飯が欲しい人は私の所に来てねー」

「私はパン担当ねー。パン欲しい人はこっちだよー」

「麺類が欲しいという人は私の所へ。焼きそばか焼きうどんを進呈しよう」

仲良し三人娘の、サチ、エミ、ユウカが明るい声で主食を配っている。

「うん。良い感じかも。卵スープ欲しい人はこっち来てねー」

ハンナは卵スープ担当だ。

良い卵が手に入ったので卵スープを作ったようだな。

焼き肉に相性ピッタシだ。後で貰いに行こう。

「うーん、火力がいまいちな気がすんなぁ」

「それは鍛冶と比べてるからじゃないかな? だからってスキルは使わないでよ? アルルのスキルは鉄をも溶かすんだから」

「そんなことやらんわ! むしろコンロでできるか! カイリはんがうちのことどう思っているのかちょーっと気になってきたわ」

バーベキューコンロの前でアルルは焼きそばを、カイリはお肉とお野菜を焼いてくれている。冗談を口にしながら楽しく焼いていらっしゃる。

「サブメンバーの子たちは料理が出来るんだよな……」

「何?」

俺の呟きにカルアが半分ごはんが盛られたお皿を持ちながら首をコテンとした。

準備が早い。

うーむ。不思議なことに〈エデン〉のメンバーで調理ができるメンバーは少ない。

特に王族貴族関係はほぼ全滅だ。騎士のエステルだけはそれなりにできるが、アイギス先輩は完全に初心者だった。

よってノーカテゴリーの集まる〈アークアルカディア〉のメンバーの方が調理関係が優秀という結果が生まれている。不思議だなぁ。うん。

ちなみに調理班以外の人たちは食事処をセッティングしたり、〈助っ人〉組と共に食材の管理と整理整頓の方を手伝っている。

「カルア、夕食出来たみたいだからここにいないメンバーを呼びに行ってもらえるか? 早く済めばそれだけ早くカレーが食えるぞ」

「! 行ってくる」

合宿最後の夕食の準備も出来たのでカルアにここに来ていないメンバーへ通達してもらう。さすがは〈エデン〉一のAGI持ち。すごい速度だ。シュパッとカルアが消えたように見えた。これがカレーの魔力?

少しして全員が集まったので、俺が軽く音頭を取る。

「みんな、合宿お疲れ様。3泊4日の行程だったがあっと言う間だったな。この夕食で合宿も終わりだ。みんな最後まで楽しんでくれ。ではいただきます!」

「「「「いただきます!」」」」

もうみんな慣れたもので、思い思いに食事しては高級食材のみで作られた料理に顔を綻ばせる。

「くぅ。焼肉美味! さすがレアボス肉は違うぜ」

「ん。美味、こっちも美味だけどやっぱりカレーが最強」

〈圧倒的高級ビーフ〉という名の食材アイテムで作りし焼肉はマジで極上の味わいだった。

カルアも焼肉とカレーライスを交互に、しかしガツガツと食べまくっている。野菜も食えよ? リカがこっそりカルアの前に野菜の盛られた皿を置いたが、カルアはそれを断固無視していた。

他のメンバーを見てもやはりビーフカレーばかりが人気だ。

ポークも女性陣にはそこそこ人気だ。

カレースープはカルアがごくごく飲んでいた、どんぶりで。

マジ、カレーは飲み物。いや違うぞ、カレースープを出したのは失敗だったか?

「このカレーも美味!」

「よかったなぁ」

まあ、とりあえず好評でよかったよ。今度はカレーうどんでもやるかなぁ。

俺は他の席も回る。

この人数なので食事用テーブルはいくつかあるのだ。

するとミサトから声を掛けられた。

「ねぇねぇゼフィルス君見てよ、メルト様ったら自分だけ釣った魚を食べているんですよ。BBQなんだからお肉食べれば良いのに。そんなに身長が――」

「ええいやかましいぞミサト! 最終日の最後で高級食材の〈ハイイワナ〉が釣れてしまったんだ。これは食うしか無いだろう。決して身長がどうかとかは関係ないからな」

「お、〈ハイイワナ〉の塩焼きか! 美味そうだなメルト」

「やはりゼフィルスは分かってるな。数少なき〈ハイイワナ〉だが3匹も釣れたのだ。後で1匹ごちそうしよう」

「え? メルト様、私には?」

「ミサトにはやらん! 残りは俺が食う!」

「ええー!」

この二人は本当に仲が良いな。

また〈ハイイワナ〉は高レベルの釣りスキル持ちではないと釣れる確率が非常に低い高級食材だ。

それを3匹とか、メルト頑張ったな!

ミサトよ、それ本当に釣るのむずいから、諦めろ。

続いて他の所も回っていき、最後に調理担当のメンバーの下へ行く。

「うーん。自分で取った食材で調理して外で食べるの、すごくいい!」

「いいよね! こんな体験中々できないよ!」

「ゼフィルス君には感謝だな。とてもおいしい思いをさせてもらっている」

仲良し三人娘はこのBBQと合宿がとても気に入ったようだ。

そう言ってもらえると企画者として嬉しいかぎりだ。

「少し、火力を上げすぎたかなぁ。BBQコンロの調理って火調整が結構難しいわぁ」

「夏祭りまでに要練習ですねアルルちゃん。すっごくおいしいものを作れるように頑張りましょう!」

アルルが自分が作った焼きそばを頬張りながら首を傾げ、ハンナがエールを送っていた。

「私もできる限りがんばろう。今回の合宿でコツは掴んだ。次はもっとおいしい物ができるはずさ」

そう言うのは2人の側に居たカイリだ。どうやらカイリも夏祭りにハンナとアルルが行なう予定の出店に参加するみたいだ。

鉄板物を考えているのかな?

今回の合宿は出店の練習にも役立ったみたいだ。

カイリは今回の合宿、能力がこのダンジョンだとあまり役に立たなかったため色々試したらしかった。

3日目にもゴブリン拠点を見つけた以外、カイリはこの合宿中採集と調理ばかりしていた。

採集技能のスキルは少しはあるので、取ってきた食材の量ならメンバーの中でトップに近い。

そこで見つけたのが調理の練習みたいで、取ってきた食材を捌く所から大人数の調理をする方法を今回の合宿で模索、ハンナに教えてもらいつつ腕を磨いたみたいだ。

結構楽しそうにしていたみたいだったので良かったよ。

こんな感じに〈エデン〉〈アークアルカディア〉の初合宿はそれなりの成果を得て、大量の食材を獲得して終了した。