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第726話 〈宝箱回〉! やりきった達成感にハイタッチ!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第726話 〈宝箱回〉! やりきった達成感にハイタッチ!

「いやー、どうなることかと思ったが何とかなった! みんなお疲れ様~」

「お疲れ様~。もうほんとよ~、ボスの2体目が現れたときはどうなっちゃうのかと思ったわ」

「ラナも回復助かったよ。今回は結構ダメージ覚悟だったからな、ラナの回復には助けられた」

ボスが参戦するというこれまで経験したことのない事態だったにもかかわらず、ラナはしっかりヒーラーの勤めを果たしてくれた。マジ感謝だぜ。

おかげでダメージ覚悟で突っ込むことができた。今まではダウンを取って総攻撃が俺たちのフィニッシュパターンだったが、ダウンを取らない総攻撃は反撃によりこっちも手痛いダメージを受ける場合がある。ヒーラーが機能しているからこそあんな短期決戦が出来たんだ。

エステルとカルアも素早く立て直してくれたし、切り札の『全体回復の願い』も躊躇無く切る思い切りの良さ。ラナも腕を上げてきているな。頼れるヒーラーだぜ。

そう思って感謝を籠めて手放しで褒めながらハイタッチした。イエーイ!

「ふふん、当然よ。もっと褒めていいわ。でもおかげでMPは結構使っちゃったわね」

ご満悦のラナだったが自分のMPを見て少し眉をひそめた。効果の高い回復魔法はMPの消費が激しい。『全体回復の願い』はラナの魔法の中でもトップの消費量を誇るのだ。

ボスの2体抜きだったこともあり、いくら『MP自動回復LV10』『MP消費削減LV10』を持っているラナでも、今までにない規模の回復だったしMPがここまで一気に減るのは初めての経験だったかもしれない。

俺もずいぶんMPを使った。

「ラナ、MP回復頼むよ」

「いいわよ――『魂の誓い』っと!」

ここでラナが使ったのは『魂の誓い』。

単体対象ではあるが、掛けた相手のバフを全て打ち消す代わりに打ち消したバフの分だけMPを回復する魔法だ。

基本的にバトル終了時にかけることを推奨。

ゲームでは、戦闘中でバフを上書きする直前に『魂の誓い』を挟む戦法などを使いMPの枯渇を軽減する戦法もあった。

しかしリアルだとバフが切れると身体の感覚が結構変わるため、戦闘中にバフを消す『魂の誓い』とバフを交互に掛けるのはメンバーから嫌がられている。

そのため使用は戦闘後のみとしているのだ。

ラナは俺に掛かっていたバフを打ち消してMPを回復させてくれた。

バフが抜けて少しだるくなると同時にMPが少し回復する。

MPを回復できるのはMPポーションの節約になってちょっとありがたい。

なら戦闘中以外にバフと『魂の誓い』の連打でMPを回復すればいいじゃないかと思うかもしれないが『魂の誓い』はクールタイムが3分もあるので時間が掛かりすぎるんだ。

時間が限られているダンジョン攻略では多少MPの回復を補助してくれる魔法くらいに思っておかないと、頼りすぎると時間が足りない、なんてことがよく起きるので注意な。

そんな感じでラナと話していると、そこへカルアがやって来た。

「ゼフィルス、宝箱、両方とも〈金箱〉だった」

「何ィ!!」

「なんですって!?」

――イッツ〈幸猫様〉バンザイ!

俺とラナの目が変わり、金の箱を二つ、その目に捉える。

「お宝超ゲットー!」

「私が開けるわ!」

「はいはい2人とも、焦らないの。宝箱はどこにも逃げたりはしないから」

そこで俺たちをいさめたのはシエラだった。

おっといけない。少しテンションが振り切れてしまったようだぜ。

冷静にいこう。

今回は一番乗りとかは関係ない。

純粋に開けるのは誰かを決めようじゃないか。

「では開けたい人、挙手!」

「「はい!」」

返事は二つ、しかし挙がった手は五つ。

「まさか、全員だと!?」

「私もたまには開けたいから」

「今回はボス2体という稀有な体験でした。その困難に打ち勝った記念に〈金箱〉を開ける名誉をいただきたく」

「まさかこんなことが起きるとは!」

「エステルとシエラが自分から開けたいと言うなんて珍しいわね! 良いことだわ!」

どうやら今回は大困難を乗り切った、打ち破ったことで2人もテンションが上がっているらしい。見れば頬が軽く高揚しているように見える。

なら、仕方ない。

いつもは滅多に宝箱を開けたいと言わない2人が立候補しているのだ。

ここは俺たちの器量を見せる場面だろう。俺たちはいつも開けてるしな。

俺たちはこの次のレアボスを狙うぜ!

……はて、なぜか最近同じ事を思ったような気がする? 気のせいかな?

「じゃあ、今回はシエラとエステルに開けてもらおうと思うんだが、ラナとカルアはどうだ?」

「いいと思うわ。2人ともいつも遠慮しすぎなのよ。宝箱を開けたいと思うのは良いことだわ!」

「ん。私もいい」

「決まりだな」

「やったわね」

「はい」

俺たちの決定にシエラとエステルがハイタッチを交わす。

いいな~。俺もしたい。俺はさっきラナとしたけど。

「ん、ゼフィルス」

「おお、カルアもか、イエーイ」

「イエーイ」

「ちょっとゼフィルス、羨ましいことしてるじゃない、ちょっと代わって! カルア、私ともやるわよ!」

「イエーイ」

俺とラナもカルアとハイタッチを交し合う。

はっはっは!

その後はシエラが〈光の中精霊〉の〈金箱〉。エステルが〈闇の中精霊〉の〈金箱〉の前に座り、願う。

「良い物ください。〈幸猫様〉〈仔猫様〉」

「俺からもお願いします! 良い物ください〈幸猫様〉〈仔猫様〉!」

まずはシエラから、大事なお祈りを済ませて宝箱を開く。

すると中から出てきたのは、レシピだった。

「〈金箱〉産のレシピキターー!!」

レシピ、それは量産に特化したアイテム。

〈金箱〉産というレアアイテムが作り放題になるという超やべぇ物だ。

これだけですでに大当たりだぜ!

「タイムリーな当たりね。誰か作れるかしら」

シエラの言うとおり、これはタイムリーだぜ。

ちょうどギルドには上級職になった生産職が3人も待ち構えている。

3人もいれば誰かしら該当するかもしれないからな。

上級ダンジョン進出の助けになってくれると嬉しいぜ。

「後でギルドに戻ったら即『解読』しよう! しかし、そうなるとこの冬エリアでゲットした素材が使われる可能性が大だな。もっと素材を集めてくるべきか?」

シエラが開けたのは40層ボス〈光の中精霊〉のドロップ、つまり31層~40層までの冬エリアでゲットできる採集素材で作れる類のものである可能性が高い。

しかし、今から引き返して雪の中で素材集めをするのはどうだろうか。俺たちが集めた素材はお土産用で量はさほど多くはないんだ。こんなことならもっと多くゲットしておくんだったぜ。

とりあえず『解読』してから足りなかったらまた来るとしよう!

ちなみに〈エデン〉の『解読』用アイテム〈レシ見ちゃん〉は1個しかないので現在はギルドに置いてある。

ダンジョン週間中だからダンジョンを回るメンバー全員が使うためだ。

うー、早く解読したいぜ!

さて、幸先の良い出だしだ。

しかも次のエステルは徘徊ボスの〈金箱〉だ。

徘徊ボスは撃破するその難易度から、ドロップに低確率ではあるがレアボスのドロップが含まれる場合がある。期待大だ!

「では私も祈ります。〈幸猫様〉〈仔猫様〉良い物ください」

「私も祈るわ! 〈幸猫様〉〈仔猫様〉、お願いします!」

「お願い」

エステルの方ではラナとカルアも祈りを捧げている様子だ。

そうしてエステルがパカリと開ける。そこにあったのは。

「これも、レシピですね」

「まさかのダブル!?」

なんとエステルのほうもレシピだった。もしかしたらレアボス〈金箱〉レシピの可能性すらありうる〈金箱〉産レシピ!

「やっべ、今すぐ帰って『解読』してもらいてぇ!」

「はいはい。それは最奥のボスを倒してからね。今すぐ帰ってなんのレシピか分かっても仕方ないでしょ」

「はーい」

残念無念。

まあ、仕方ない。最奥ボスを攻略し終わって帰還したらすぐに『解読』するとしよう。

「よし、こうなればさっさと最奥のボスなんて倒してしまうぞ!」

「おおー」

良く分かっていなさそうなカルアの返事を背に、俺たちはドロップを全て回収したのちショートカット転移陣を起動して、そのまま41層への門を潜ったのだった。

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