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第729話 レアボス〈妖精女王・シーズン〉のお供を倒せ!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第729話 レアボス〈妖精女王・シーズン〉のお供を倒せ!

最奥のボスは〈聖の中精霊〉だが、俺たちはレアボスを狙うので中精霊はいらない。

「この〈妖精ダン〉のレアボスは〈妖精女王・シーズン〉。俺たちの狙いはこっちだな」

見た目は30層Fボスの〈ハイフェアリー〉をさらに進化させたような女性型のフェアリー種だ。

自然を思わせる黄緑色を基調とした豪華な装い。通常のフェアリーたちの服とは違い、色々と凝られた装飾がなされた法衣のような装い、頭にはでっかいバラの花が髪飾りのように着けられている。

背中には赤と黒を基調とした大きな蝶の羽が生えており、若干妖艶な風格を持っている。

それが〈妖精女王・シーズン〉。この〈四季の妖精ダンジョン〉の女王だ。

「戦闘手段は魔法攻撃だが、眷属のフェアリーが4体いるのと『妖精のイタズラ』というデバフ、状態異常にしてくる攻撃が厄介だ、ラナは『病魔払いの大加護』と状態異常回復を意識して立ち回ってくれ」

「了解よ!」

今回のレアボスにはお供がいる。

単体で来ることが多いレアボスにしては珍しいため、その辺注意だな。

「シエラは俺とお供の分断工作だ。〈バトルウルフ〉の時と同じようにお供とボスを分断する。シエラにはボスを頼みたい」

「ゼフィルスがお供担当? 4体も受けて大丈夫なの?」

「相手は魔法による遠距離攻撃ばっかりしてくるからな。『超反応』を駆使すれば問題無い。後はシエラがボスを引き受けているうちにカルアとエステルがまずお供から潰していき、全部倒し終わったらボスを相手にするいつもの流れで行く」

「了解しました」

「いつもどおり、わかった」

「他に注意点は?」

シエラの言葉に俺は頷く、中級上位ダンジョンのレアボスがこんな簡単な訳がないと見抜いているな。

「妖精はイタズラ好きでな。レアボスがポップした瞬間、上から黒板消しが降ってくる。命中すると高確率で〈気絶〉になるから先頭の人はしっかり上をガードする事」

「何それ、ちょっとイタズラの範疇を超えてない?」

ラナの言うことにも頷く。うむ。

黒板消しが落ちてくるのは百歩譲って良しとしても〈気絶〉はやべえ。

へたをすれば初見殺しで全滅する。レアボス開始からタンク気絶はヤバい。

「他にもとんでもない効果のイタズラが結構ある、代表的なものを言うから覚えておいてくれ」

それから俺はどんな状態異常があり、どんな攻撃を仕掛けてくるのかを説明した。

まあ、今回は俺かラナが状態異常回復の魔法持ちなのでどっちかが何かに掛かればフォロー出来るのが良いな。

回復役が麻痺ったり寝たりすると本当にまずいから。

状態異常回復担当を2人以上入れておくのがお勧めだ。

それからユニークスキルの説明もして準備万端。

〈笛〉を吹いていざ、ボス部屋の門を潜ったのだった。

「よし! レアボスツモだ! シエラ、頭上注意」

「了解よ」

ボス部屋の中にはボスはおらず、転移陣も光っていないためレアボスをツモったのだと瞬時に理解する。

同時にシエラへ頭上を警戒するように促した。

そしてレアボスポップのエフェクトが現れ、レアボスが出現すると同時にシエラが上へ掲げていた盾に何かが当たる。「ポフン」と音がしてシエラのカイトシールドの上にはいつの間にか黒板消しが乗っかっていた。セーフ!

しかし、次の瞬間には一つ驚愕な事が起こった。

俺たち以外からの声が聞こえてきたのだ。

「『あ~あ、失敗しちゃった~』」

「!?」

「今しゃべったわ!?」

その声に全員がビックリする。

あ、そうか、ここのボスは喋るんだった。

とはいえテンプレートで決まった言葉しか喋れないんだけどな。

ゲーム時代は音声が入っていなかったからうっかり驚かされたぜ。

こちら側が驚いていると、その間に向こう側は向こう側で盛り上がる。

妖精女王の周りに4体の妖精が現れる。

「『次、次私イタズラした~い』」

「『あ、ずるーい、私もしたいんだけど』」

「『待ってよみんな、順番、順番でしょ?』」

「『むしろ全員でやればいいのでは?』」

「『『『それだー!』』』」

〈妖精女王:シーズン〉の背後から現れた小さなフェアリー種。

〈 並 ( ただ ) フェアリー〉〈フレイムフェアリー〉〈アイスフェアリー〉〈サンダーフェアリー〉の4種が何やら会話したかと思うとこちらに向きなおったのだ。

しかし、こちらの混乱は収まっていない。

「ゼフィルス、ゼフィルス、モンスターが喋ってるわよ! どうなってんの!?」

「落ち着けラナ、妖精は喋るんだよ、道中の隠し部屋でも聞いただろ?」

そう、実は妖精種は喋る。

隠し部屋の若干ホラーな体験時、拡声器ではあるがしっかり人の言葉で告げていた事からも分かるように妖精は喋るのだ。

じゃあ、なぜ今までの妖精は喋らなかったのか? 俺もその辺はよく分からないのだが、どうやら妖精が喋るギミックは41層からのようなのだ。

いやしかし、本当に喋ってるよ。リアルなら会話とか出来るのかな? モンスターと会話出来るって地味に凄い事なんじゃないか? やばい、考え出したらワクワクが止まらなくなってきたぞ!

「ゼフィルス、来てるわよ! ヘイト、早くして!」

「おっと、そうだった! 『アピール』!」

冷静なシエラの声に我に返りヘイトを稼いだ。

お供を引き離すのは俺の仕事なのに、くっ、おのれの知識欲が憎い! いや憎くは無い。

お供の妖精がまず俺に仕掛けようと前に出て来た、ギリギリでお供全員のヘイトを稼げた俺が壁際に走り道を空け、シエラがレアボスの〈妖精女王:シーズン〉の元へと向かっていく。

俺は4体の妖精を引きつけ、待ち伏せポイントに誘導して盾を構えた。

「『焦げちゃえ~』」

「『凍っちゃえ~』」

「『痺れちゃえ~』」

「言っている事が結構凶悪ですね。行きます、『ロングスラスト』!」

「『きゃー!?』」

「って、悲鳴を上げるのですか!?」

早速俺に攻撃を仕掛けてきたお供、俺は攻撃をひょいひょい躱しつつ、盾で防ぐと、エステルが側面から強襲する。

しかし、悲鳴を上げられた事でとてもやりにくそうだ。

「エステル、こいつらはモンスターだ。気にする事はないぞ!」

「……ゼフィルスが躊躇無く斬った牛さん、思い出した」

なぜかカルアが遠い目をしていた。牛さん?

「カルア、行けるのか?」

「ん、覚悟した。大丈夫――『フォースソニック』!」

「『キャー!?』」

「ん、気にしない。気にしちゃダメ。『32スターストーム』!」

「『キャー!?』」

カルアの目になぜか並々ならない決意が見えた気がした。なんとなく悪い気がしたので後でカレーをごちそうしようと思う。

しかし、攻撃に意識が行きすぎて視野が狭くなっていたのだろう。攻撃一辺倒すぎて足を使った回避が疎かだった。そこを妖精に狙われてしまう。

「『やったなこのー! 『妖精のイタズラ』だー!』」

「!!」

それは霧吹き。

プシュっとカルアの顔に吹き付けられたそれによって、カルアが〈睡眠〉の状態異常になって寝てしまう。

ああ! だからカルアは〈睡眠〉に弱いんだって!

「『浄化の祈り』! カルア、起きなさい! ってきゃあ!?」

「ラナ様!?」

「〈妖精女王〉の仕業だ! ――シエラ、ヘイトは取れそうか!? 『アピール』!」

「くっ、空中を飛び回っていて難しいわ」

見れば〈妖精女王〉は空を飛んでおり、シエラの自在盾を回避していた。

シエラの位置では『挑発』を使えばお供の一部を巻き込んでしまうため『シールドスマイト』でヘイトを稼ぎに行ったのだろうが、躱されてしまったらしい。

そのせいでヘイトが稼げていない〈妖精女王〉が自由の身で、ラナに魔法攻撃をしてきたのだ。

ラナが上から落ちてきた箱形の結界に囲まれて〈拘束〉状態になってしまう。

「『リカバリー』!」

すぐに状態異常回復を飛ばすと箱形結界にひびが入って砕け散る。

どんな仕掛けなんだろうか?

「助かったわ!」

「『アピール』! ――シエラ! こっちはヘイトを結構稼いでいるから越えられる心配は無い! 2回分くらいなら大丈夫だ!」

「了解よ。『挑発』! 『オーラポイント』!」

「『むむむ、ちょっと怒ったわよ、魔法弾の連射をプレゼントしてあげるわ!』」

「『マテリアルシールド』!」

ようやくタゲを取る事が出来たシエラが〈妖精女王〉の弾幕のような魔法弾を防ぐ。

シエラはボスの注目を自分に向けていたら良いだけなのでヘイト稼ぎは最低限で大丈夫だ。

ヘイトが稼げればラナの魔法は解禁だ。

「ラナ! バフを頼む!」

「まっかせて! 『病魔払いの大加護』! 『耐魔の大加護』! 『獅子の大加護』! 『迅速の大加護』!」

やっと戦況が安定した、こっからはいつものパターンだ!

「イタズラが得意なのは〈 並 ( ただ ) フェアリー〉だ! エステル、カルア、優先的に倒してくれ! 『アピール』!」

「わかりました! 『閃光一閃突き』!」

「『スターバースト・レインエッジ』!」

「『ちょっと、一人狙いなんて酷くない! もう怒ったんだから~!』」

属性系のフェアリーは結構攻撃をしてくるが、〈 並 ( ただ ) フェアリー〉は状態異常攻撃がメインだ。

そのため最初に狙うに限る。

明らかに俺たちの行動に反応しているのだが話をする暇も無い。

俺は3体からの攻撃を避けまくり、時には受けてタンク役を徹している間にとうとう戦局が動き、まず狙われていた〈 並 ( ただ ) フェアリー〉がエフェクトに消える。

「『や、やられた~~……』」

状態異常の攻撃が和らげばこっちのものだ。

それから〈アイスフェアリー〉〈サンダーフェアリー〉の順に消え、最後は〈フレイムフェアリー〉がエフェクトに消えていく。

「『ひゃわわわわ~……』」

「『うっそだ~……』」

「『この人たち強いよ~……』」

そうしてお供を無事倒し終えた俺たちは〈妖精女王〉へと向かう。

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後書きにカウントダウン告知失礼いたします!

〈ダン活〉小説第03巻の発売まで残り2日!

早い書店さんではもう置いてあるかもしれません。

書き下ろし3本収録!

Web版には無かったギルドバトルのイメージ図などもあります!

よろしければ、手に取っていただけると作者は大変嬉しいです!

よろしくお願いいたします!