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第741話 最後のレアボスは悪魔〈闇角獣・ブレンモール〉

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第741話 最後のレアボスは悪魔〈闇角獣・ブレンモール〉

「それじゃ、今回は私が吹くわね!」

「おう、頼むぜラナ」

レアボスの行動パターンと攻略法を話したらいつも通り、〈笛〉を吹いて突撃だ!

さて、確率は70%だが、今回はどうかな?

ふっふっふ、この前の〈猫ダン〉から今日まで〈幸猫様〉と〈仔猫様〉に大量にお供えしてきたのだ。きっとレアボスが当たるだろう。ひょっとしたら〈金箱〉で〈パーフェクトビューティフォー現象〉が来るかもしれない。ここは中級上位ダンジョンで一番の激レアドロップの落ちる場所。準備は万全だ!! ふはははは!

「ゼフィルスがいい笑顔をしているわ。きっとまた妙なことを考えているわね」

「そんなことを言ってはいけませんよシエラ殿。ゼフィルス殿は私たちの事をいつも考えてくださっているのですから」

「でも、ゼフィルスは、物欲が激しい」

おっといけないいけない。顔に出ていたらしい。

シエラがいつものジト目で俺を見て、エステルが擁護してくれるがカルアもシエラ側のようだ。というかカルア、言うじゃないか。そうとも、俺は常にドロップのことを考えている! 〈幸猫様〉お願いします!

「ちょっとみんな! 私が〈笛〉を吹くって時に何関係の無い話をしているのよ! 私も混ぜなさい!」

「いや混ざってくるのかよ! 悪かったって、ラナは〈笛〉を吹いてくれ」

「もう、行くわよ。ピ――――!」

相変わらずホイッスルのような〈笛〉の音が 救済場所 ( セーフティエリア ) に響き、〈笛〉の回数が一つ消える。

「さて、ワクワクのボス戦だ! 行くぞみんな!」

「「「「おおー」」」」

レアボス、カモン!

俺が門を開けて潜ると、そこには何もいなかった。転移陣が光っているなんて事も無い。

「よっしレアボスをツモったぜ!」

「私が前に出るわ。みんな、配置について――『 守陣形 ( しゅじんけい ) 四聖盾 ( しせいたて ) 』!」

「私はここね! 『守護の大加護』! 『耐魔の大加護』! 『病魔払いの大加護』!」

レアボスがポップするほんの少しの間に俺たちは打ち合わせどおり自分のやるべきことをする。この僅かな時間の余裕が本物の上級ボスよりも難易度を下げる。

レアボスは上位の存在ではあるが、上級ボスにまで手が届いていない 所以 ( ゆえん ) の一つだ

シエラがすでに空中に浮かべていた自在盾に陣形を構築し、四つの小盾が組み合わさって一つの壁のような陣形を作ると前に出る。

俺、エステル、カルアは散開、俺はいつでもラナを庇えるよう正面を担当、カルアは左、エステルは右へと向かう。最近の俺たちのお決まりの配置だ。

ラナはその場に留まりバフで味方をパワーアップ。

レアボスがまだポップしていないこの僅かな時間はヘイトの概念が無いためバフは使いたい放題だ。

しかし、それもすぐに終わる。

ボス部屋の中心地が光り始めたからだ。レアボスポップのエフェクトだ。

登場するのはミノタウロスに近い悪魔型モンスター、二つの右手に剣と杖を一つずつ、同じく二つの左手にも剣と杖を一つずつ持った巨体。

――――〈闇角獣・ブレンモール〉通称〈ブモル〉。

さぁ、戦闘開始だ!

「ブモオオオオオ!!」

「相手の初手、魔法球の連射だ! シエラ頼む!」

「『カバーシールド』!」

〈ブモル〉の初手は決まって魔法球の連射だ。これはヘイト無視のランダム攻撃、まるで散弾のように大量の魔法を撒き散らす広範囲攻撃。

知らないと、いきなり全員にダメージを負う攻撃だ。

しかし、すでに俺たちは準備を終えていたので問題無しだ。

『 守陣形 ( しゅじんけい ) 四聖盾 ( しせいたて ) 』によって〈永続〉が付与された『カバーシールド』が俺、エステル、カルア、ラナを守り、シエラ自身は自分のカイトシールドで魔法球を防ぐ。

よって俺たちのダメージはほとんど無い。さすがはシエラだ、遠距離攻撃には無類の強さだぜ!

「よし、反撃開始! ――『ソニックソード』! 『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』!」

「ん! 『フォースソニック』! 『64フォース』!」

「行きます――『騎槍突撃』! 『 戦槍 ( せんそう ) 乱舞』!」

「ブモオオオオオ!!」

魔法を撃った後〈ブモル〉は一度 睥睨 ( へいげい ) する。

その隙を突いて一気に攻撃していく。

みんなソニック系や突撃系で間合いを詰めて一撃放ち、続いて本命の強力な二撃目でHPをさらっていく。

最初に俺の『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』で防御デバフアイコンが付き、カルア、エステルの〈四ツリ〉によって大きくダメージが入ったな。

「よし下がれ! ヒット&アウェイ!」

「はい!」

「ヤー!」

続いての〈ブモル〉の攻撃は二つの大剣を使った『横なぎ払い』。

囲ってボコると高確率で使ってくるため避けるのはたやすい。

俺、エステル、カルアがバックステップで素早く離れると、遅れて〈ブモル〉が大剣を振り回す。ブオンッと剣が振るわれる音が響き、まるで突風でも浴びたかのような剣風を浴びる。当たったらただじゃすまなそうだ。大剣だけで2メートルを超えるその迫力に、俺は笑みを深くする。

続いてはシエラの番だ。相手が暴れている隙にヘイトを稼ぐ。

「『オーラポイント』! 『シールドフォース』! 『挑発』! 『ガードスタンス』!」

割と全力でヘイトを稼ぎに行くシエラ。

ヘイト値が逆転し、俺たちからシエラにタゲが移る。

「ブモオオオオ!!」

〈ブモル〉は巨大な火球の魔法を二つ放つと、自身に炎を纏い三つ目の火球となってシエラに突撃する。突進物魔攻撃――『 炎魔牛 ( えんまぎゅう ) 』だ。

「いくら強力な攻撃でも私の盾は突破できないわ――『ディバインシールド』!」

「ブモオオオ!!」

しかし、シエラの四つの小盾が合体し、クロスしたような見た目となって敵の攻撃を防ぐ強力な防御スキル、『ディバインシールド』によって火球は直撃直後に霧散し、〈ブモル〉自体の突進もガキンッ! という音と共に止められ炎も霧散してしまう。

さすがは【 操聖 ( そうせい ) の盾姫】。

さすがの防御性能だ!

そしてこの隙を逃す俺たちではない!

「『迅速の大加護』! 『獅子の大加護』! 『聖魔の大加護』! 大技行くわよ! ――『大聖光の四宝剣』!」

「ブモオオオオ!」

さきほどからバフを回してくれていたラナの大技、光の宝剣四本が次々と〈ブモル〉に突き刺さる。

さらに、

「ここだあ!! 『聖剣』! 『ライトニングバニッシュ』! 『ハヤブサストライク』!」

「行く! 『鱗剝ぎ』! 『スターバースト・レインエッジ』! 『スターブーストトルネード』!」

「続きます! 『トリプルシュート』! 『プレシャススラスト』! 『閃光一閃突き』!」

シエラに突進を受け止められるというのは分かりきったことだったからな。

〈ブモル〉がシエラに突進をしようとしたところから俺たちはすでに準備完了していた。

「ブモオオオ!」

ガッツリHPを持っていかれ怒りに叫ぶ〈ブモル〉。

瞬間、バサッとマントを翻した。これは全体攻撃の前触れだ!

「全体攻撃来るぞ! 防御姿勢!」

「ブモオオオオ!!」

俺が言い終わらないうちに〈ブモル〉は両杖を反対向きに掴み、杖の先を地面に向けて力強く突き刺した。

瞬間、そこを中心とし地面に雷撃が蜘蛛の巣のような形で部屋全体に伸びていく。

「くっ!?」

「にゃ!?」

「きゃ!!」

エステル、カルア、ラナから悲鳴が聞こえた。

これが奴の全体攻撃。

攻撃が地面を伝ってくるせいで攻撃の軌道が分かりづらい。とはいえ全体攻撃なのでとりあえず防御姿勢でやり過ごすのが正解。

しかし防御姿勢はあくまでただの防御。スキルではないのでそれなりにダメージを食らう。

すぐに周りを見て状況を把握。エステルが2割、カルアは3割以上もダメージを受けている。

ラナは、1割程度か。さすがRES優秀だ!

「ラナ、回復を!」

「ま、任せなさい! 『全体回復の祈り』!」

「ブモオオオオ!」

「今度は『闇の吐息』か! 『リカバリー』!」

「状態異常!? 『病魔払いの大加護』を貫通するなんて!」

ラナの回復魔法で全員のHPが回復したところで〈ブモル〉が使うのはランダムに状態異常を引き起こす『闇の吐息』だ。

食らうと一つから三つの状態異常に掛かってしまう恐ろしいスキルだ。

これによりエステルとカルアがそれぞれ〈毒〉と〈混乱〉に掛かってしまう。

とはいえ一つずつだ。三つ掛かることはなかった。それだけでも『病魔払いの大加護』の効果はあったと言えるだろう。

「にゅ、にゅにゅにゃ!? 天井が真下にある!? カレーが逆転する!?」

「カルアしっかりしなさい! 『浄化の祈り』!」

「は! あれ? いったい何が、ご飯の陸地とカレーの大海原は!?」

「カレーはあいつを倒したらご褒美な!」

「狩る!」

カルア、目が覚める。

〈混乱〉状態でいったい何を見たのかちょっと興味があるな。

「ゼフィルス殿、ありがとうございます! 『ロングスラスト』!」

「おう! いつでも頼っていいぜ! 『サンダーボルト』!」

エステルの〈毒〉は俺が『リカバリー』で治しておいた。

本来ならカルアの〈混乱〉を先に回復しなくちゃいけないところだったのだが、ちょうどカルアが視界から見えなくて近くにいたエステルを優先した形だ。

ちなみに俺とシエラはセーフである。

状態異常攻撃はやはり厄介だな。

「ブモモモモ!!」

「今度は『フレイムウェイブ』だ!」

炎の津波。広範囲魔法攻撃。

全員防御する。

「ブモオオオ!!」

「くっ! 『マテリアルシールド』! 『城塞盾』!」

津波の直後に〈ブモル〉がシエラに接近し、二つの大剣の乱舞がシエラのHPを削る。

さすがは 中級上位 ( チュウジョウ ) 最強のボス。

最初こそパターンを掴んでいたから有利に進められていたが、徐々に俺たちにもダメージが入るようになってきた。

一撃のダメージが大きい。

やはり防御力に少し不安が出始めているようだ。

倒した暁には良い装備をドロップしてくれよ!