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第804話 上級ダンジョン救済アイテムを超ゲット!

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第804話 上級ダンジョン救済アイテムを超ゲット!

「いやぁ、ハンナに良い土産が出来た!」

エンカウント率がかなり低いくせにレアモンスターでもなんでもないために、出会えるか不安だった〈ハイスライム〉と初っぱなからエンカウントして俺はホクホクになった。

後は上級の錬金釜さえ手に入れば 大失敗 ( デザートファンブル ) で〈ハイスライム〉が量産出来る。

〈上級錬金釜〉を含む〈上級錬金セット〉は〈嵐ダン〉の7層隠し部屋で手に入るため、俺は急遽、メンバーに協力をお願いした。

「今日はまだ時間もあるし、7層辺りまで行ってみよう!」

「ゼフィルス、なんで7層なの?」

「なんだか中途半端よね」

シエラとラナから疑問をいただいてしまった。まあ7層って中途半端だよな。

なんとしても7層まで行きたくてつい言ってしまった。

俺はそれっぽい理由を後付けして説得する。

「上級ダンジョンっていうのは中級ダンジョンより1層1層が広大だ。今のところ2層更新するのに1時間から2時間くらい掛けてる。だからこのペースで行くと最低7階層で時間切れの可能性があるんだ。また上級ダンジョンは5層毎に転移陣があるからな、5層で帰るには中途半端な時間だし、最低でも7層までは行くぞという目標だな。出来れば10層を目指したいところだ」

「なるほどね! 確かに5層で帰るのは勿体無いわよね!」

「いつでも帰還できる〈転移水晶〉はあるのだから、出来る限り潜るということは良いと思うわ」

なんとかラナとシエラの賛同を得ることに成功する。

ちなみに今言ったとおり、上級ダンジョンは中級ダンジョンと違い5層毎に転移陣が設置されている。

中級ダンジョンよりも広大で道なき道の上級ダンジョンでは、中級以上に攻略に時間が掛かるため5層毎に転移陣が張られているシステムとなっている。

当然それを守る守護型のフィールドボスも配置されているな。

だが5層で帰ってしまうのは勿体ない、という話だ。

「とりあえず今日は行けるところまで行こう。10層の転移陣まで行けるなら理想だが、無理は禁物だ。フィールドボスに挑む前に帰って装備を調えるのも手だな」

「なるほどね、私は構わないわ。攻略するにしてもまずは装備を調えなくちゃいけないし。上級素材はたくさん集めなくちゃいけないもの」

「私たちの装備ね! テンション上がるわねエステル!」

「はい、ラナ様。とても楽しみですね」

「採取出来るとこ、見つけた。こっち」

みんなが同意してくれれば後は早い。

ということで急遽〈嵐ダン〉は行けるところまで行くことになった。

よしよし。これで〈魔石(中)〉の量産、ひいては上級ポーションの大量生産が今より楽になるぜ! 勝ったな! ふはははは!

ということで俺たちは早速2層の門へ向かい出発した。

道中では度々突風にさらされながらも、吹き飛ばされないよう近くの木に掴まるなどして耐え、気をつけて進んだ。

初心者だと突風の前兆である『ビォ~』という音を聞き逃しやすいので、俺が前兆を聞いた段階で知らせることで対処する。

「! 風来るぞ!」

「わぷ、風が!?」

俺の言葉に全員が近くの木に身を寄せて風が収まるまで耐える。

道中であればこれでクリア出来るのだが、問題は戦闘中だった。

ここのモンスターは〈モチッコ〉の上級である〈ハイスペックモチッコ〉や、ニワトリ型モンスターの〈ファイターコケッコー〉〈アーチャーコケッコー〉など。

〈ランク1〉のダンジョンだけあってモンスターは弱め。

エンカウントすればいつも通りヘイトを取り、襲い来る〈モチッコ〉や〈コケッコー〉たちに対処する。武闘派で知られる1メートル規模の〈コケッコー〉種が「コケッコー!!」と躍りかかってくるリアルな光景は割とシュールだった。

そんな時に突風が吹くと、

「! 風来るぞ!」

「え、ええ!? シエラはどうするの!?」

「『鉄壁』!」

「あ、なるほどね!」

自由に走り回る俺たちはともかく敵を受け止めるシエラはそう簡単に持ち場を離れられない。

しかし、発動中はその場から動けなくなる『鉄壁』を使って上手く対処していた。

俺たちが近くの木に身を寄せて掴まると、特大の突風が吹いて俺たちと〈モチッコ〉と〈コケッコー〉たちを翻弄する。

「「コケッコーー!?!?」」

そして不幸にも〈コケッコー〉たちは吹き飛ばされてどこかに消えてしまった。

「行ってしまったわ……」

ラナもポカンとそれを見送っていた。

「とりあえず、残った〈モチッコ〉を片付けましょ。『カウンターバースト』!」

「!?」

せっかく風に耐えきった1メートル半の大きさを誇る〈ハイスペックモチッコ〉だったが、シエラに攻撃したのが運の尽き。そのまま光にされてしまうのだった。

そんな光景が度々起こり、俺の〈ダン活〉心を楽しませてくれる。

リアルってこうなるのな! ちょっと面白い。

その後も倒れている木々の迷路をサクサク進み、たまに風に耐えたり採集をしながら次の階層門へ移動。

吹き飛ばされたりしなければ比較的簡単なダンジョンなので、エステルとラナの防具の心配もいらず、5層までスムーズに到着した。

「ここまで本当に苦戦らしいことも無かったわね」

「まあ、まだ上層だからな。俺たちのレベルなら楽勝だろ」

ここのモンスターたちは上級職LV0くらいのモンスターたちだ。

全員がLV15を超えている俺たちの敵では無い。

多少装備に不安があっても上層を探索するくらい訳は無い。

しかし、シエラを始め、本当にここって上級? と首を傾げるカルア以外の3名。

まあ、しっかり準備して挑めばこんなものだよ。というか俺たちが強いんだけどな。そこを間違えちゃいけない。それに、上級の本番はこれからだ。

さて、この5層にはエリアボスと守護型フィールドボスがいる。

前の〈光の中精霊〉〈闇の中精霊〉戦の時のようなダブルボスエンカウントは避けたいのでエリアボスの動向をしっかり探ってから行こうと思う。

「ん、だいじょび。エリアボスは北東にいる」

「次の階層門は南東の奥の方だからな。それなりに距離が離れていてよかったぜ」

俺たちはもちろん守護型を倒す心算だ。

〈ランク3〉である〈山ダン〉のエリアボスを何度か撃破している事もあり、今の俺たちの装備でも上級ボスは倒せない敵では無いことは分かっていた。

早めに向かうとする。しかし、その前に少し寄り道。隠し部屋に行こう!

俺は『直感』が囁いたフリをしながらメンバーを誘導する。

「こっちの方からなんか感じるんだよな」

「ん~? 感じないよ?」

カルアってそういえば俺と『直感』のレベル同じなんだよな。

さて、どうやって誤魔化そう。

「向こうに行けば、もしかしたら美味しいカレーにも出会えるかもしれないぜ? むしろ俺がごちそうしよう」

「なんか感じるかもしれない!」

カルアの猫耳にそっと囁いたらカルアの発言がちょろっと変わった。これがちょろい?

こうして俺たちは少し南に遠回りし、そこにたどり着く。

「ここだな。隠し扉があるぞ」

「え!? でもゼフィルス、これ人工物じゃ無いわよ? 大きな木じゃない」

「むしろ大きな切り株ね。上の方が無いわ」

俺が向いたのは〈階ダン〉にもありそうな超巨大樹木、の切り株。

シエラが見上げる先、地上から10メートルくらいの所から上が無かったのでおそらく切り株。

幹は俺たち5人が手を繋いで囲っても半分も手を回せない太さ。そんな特徴的な切り株は隠し扉がありそうな雰囲気を出している。しかし、当然のように鍵穴は見つからない。

だって人工物じゃないうえに隠されているからな。

ラナたちが困惑する理由も分かる。しかし安心してくれ、ちゃんとここに隠し扉はある。

俺は知ってるんだ。ということで、俺は剣を抜く。

「行くぜ、――『 勇者の剣 ( ブレイブスラッシュ ) 』!」

「わ!」

俺のユニークスキルが炸裂。ドカンっという音と共に幹の樹皮が吹き飛び、その真の姿を明らかにした。

「これは!」

「ってわ! 扉!? 鉄の扉が出てきたわ!?」

「幹の中に鉄の扉?」

「あ、感じる。この感じは宝箱」

それを見てエステル、ラナが驚愕に叫び、シエラとカルアが不思議がった。

そう、吹き飛んだ樹皮の奥には赤色の鉄の両扉があったからだ。なんともシュールな光景。

カルアはそれを見てようやく『直感』が発動した様子だな。そうなんだよ、ここは『隠し扉発見無効』が付いているせいで普通は見つけられないんだ。

これは【中二病】のユニークスキル『我の邪眼に視えぬ物無し』でしか見抜けない隠し扉で、発見が非常に遅れたんだ。分かっていなくちゃ発見なんて出来ないよな普通。

まあ、知っていればこうなるのだがな。

当然のように扉には大きな南京錠が付いており、俺が〈扉の銀鍵〉で解錠。

記念に南京錠は貰っておいて扉を開ける。

「わ! 〈金箱〉!」

そして真っ先にラナ反応。さすが。

「〈金箱〉が二つですか」

エステルも驚愕する。

そう、隠し部屋の中には〈金箱〉が二つあった。

特殊な方法じゃないと見つからないため報酬も特大だ。素晴らしい。

「さて誰が開ける?」

「ゼフィルスは、やっぱりいいのね?」

「俺はボスドロップの宝箱さえ開けられればそれでいいからな」

シエラの質問にそう答えて場所を譲る。だって中身知ってるしな。

中身を知らない人がワクワクしながら開けた方が有意義というものだ。

ということで今回はエステルとシエラが開けることになった。

まずはエステルから開ける。お祈りも忘れていない。

「これは、指輪、ですか」

エステルが取りだしたのはエメラルドの石が埋め込まれた指輪、早速〈幼若竜〉で『解析』をかけると名前と効果が判明する。

「〈風除けの指輪〉!? 使用者の周囲に風が吹かないエリアを形成すると!?」

その説明文を読んでエステルがとても驚嘆した。まさかの二度見みたいなことをしている。レアシーンだ。

そう、エステルの言った通り、これは〈嵐ダン〉の攻略を楽にしてしまえる救済アイテム。発動するとMPを持っていかれる代わりに使用者を中心に突風を無力化してくれる結界を張る、対〈嵐ダン〉用アイテムだ。

普通ゲーム〈ダン活〉1周目で【中二病】を育てる人間は皆無なために、大体2周目以降をプレイした人たちが手にする救済アイテムとして知られている。

そのとんでもない性能にエステルがハラハラしているな。

しかし、それだけでは終わらない。だって宝箱は二つあったのだから。

シエラの方の〈金箱〉もオープン。すぐに〈幼若竜〉で『 解読 ( ・・ ) 』。

それこそ今日俺が欲しかったレシピ。

――――〈霧払い玉〉のレシピだ。