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第817話 学園祭3日目。ルルの「ダメなのです」は無敵。

ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~ — kakuyomu.jp · All chapters

第817話 学園祭3日目。ルルの「ダメなのです」は無敵。

学園祭最終日にはいくつか限定イベントが行なわれる。

そこで登場するイベントの中で、最大にして重要なのがこの〈迷宮防衛大戦〉だ。

アリーナの防衛モンスターシステムを使い、アリーナが召喚出来る最強のボスモンスターをお披露目、もとい大召喚し、選手たちがレイドを組んでこれを倒すという大型イベントだ。(ちなみに召喚盤は使っていない)

アリーナは第一から第七まで7箇所あり、それぞれ受け入れる人数が変わる。

アリーナのボスは広いステージである第一アリーナの方が強く、挑戦者の人数は毎年学内、学外から5000人まで参加が可能、にもかかわらず挑戦者側の勝率は1割を切るという超大物ボスだ。

ちなみにこれに勝つと、貢献分の報酬が学園側から与えられる。

第七に近づくにつれてボスの難易度は下がっていき、比例して参加人数も少なくなっていくため、どこのアリーナに参加するかは個人の好みによるところだろう。

また、報酬も美味しいのだが、このイベントには隠されたイベントが存在するのだ。

実はこの〈迷宮防衛対戦〉では、〈ダン活〉で唯一と言っていい 賭け ( ・・ ) が行なわれる。

誰が貢献度1位か、ボスか挑戦者、どっちが勝つか賭けることが出来るのだ。

この賭けで貢献度1位の人物を当てると【ギャンブラー】という優秀な 職業 ( ジョブ ) の条件が満たせたりする。参加者全員に賭けとけば条件達成だな。

また、裏切りと寝返りの【賊職】。

実は、出場者は全員ボスへの挑戦者側、というわけでは無い。

ボス側での参加も可能だ。これは第一アリーナでは上限100人まで。

そこで挑戦者を5人以上討ち取った状態でボス側が勝つと【賊職】系の 職業 ( ジョブ ) の発現条件が満たせるのだ。

これらはかなり優秀な 職業 ( ジョブ ) 群なのにもかかわらずここでしか獲得できないので、ゲーム時代は〈迷宮防衛大戦〉をやりまくったっけ。

学園祭で最も重要なイベントと言われていた所以だ。

もちろん俺たちはこれに参加する。

目的は 職業 ( ジョブ ) の開放ではなく、学園側から出る報酬のほうだけどな。

警邏もシフトは入っていない。

というより、学園側もこの大イベントで学生たちの力を学外に見せる必要があるため、むしろ参加しろとの仰せだ。

〈迷宮防衛大戦〉中は夜間警備の人を回すので学生はむしろ参加を勧められていたりする。

そんなわけで俺たち〈エデン〉〈アークアルカディア〉組も第一アリーナで参加予定だ。

本当はボス側で参加もしてみたいのだが、まあ〈転職〉する予定は無いので断念。

正規通り、ボスを倒すとしよう。倒せるかな? ボス、超強いからなぁ。

アリーナって集団戦を前提にしているため、個人が突出していても全体への影響は微々たるものなんだよ。何しろ5000人の挑戦者である。1人がどう足掻いたところで勝利を掴むのは難しい。

さてさて、今回は勝てるのか、勝てないのか。

学生たちもかなり高位職が増えているからな。去年よりは勝率は上がっているだろう。

楽しみである。

学園祭3日目。

今日のメンバーはシエラとルルだ。

「よろしくねゼフィルス」

「ゼフィルスお兄様、よろしくお願いしますなのです!」

「こちらこそよろしくな」

これも〈秩序風紀委員会〉が決めたこと。

だからシェリア、そんな悲しそうな顔をするな。

「シェリアお姉ちゃん! 行ってきますなのです!」

「はい。ルル、気をつけてくださいね」

しかし、ルルがシェリアの方を向いた瞬間笑顔に変わる、まるで変身したのではないかという変わりよう。さっきまでの表情はどこにいったのか、朗らかな笑顔で手を振って見送ってくれた。

シェリアの気が変わらないうちに俺たちはさっさと持ち場へと向かったのだった。

「今日の警邏は校舎なのね」

「ルル、ずっと校舎を警邏していたのでよく知っているのですよ! 案内するのです!」

「お、頼りになるなルルは。俺は最初以外ずっと外の警邏だったから助かるぜ。ルル、頼むな」

「あい!」

俺とシエラはこの2日間大体外が持ち場だったが、ルルはこの見た目からなのかずっと校舎が持ち場だったようだ。しかも同じ場所だった模様。

俺は初日の朝に巡回した程度だったので、ノウハウのあるルルに色々教えてもらおう。

そう思っていたのだが。

「キャー♡ ルルちゃん、また来たの? いらっしゃい!」

「今日もお仕事なの? 偉いね~」

「これ、うちの出し物だけど、持ってって、おやつにでも食べてね♪」

「ありがとうなのですお姉ちゃんたち」

「「「ほわわ~」」」

ふむ。ルルは完全に女子を籠絡していたことが分かった。

だって行く教室行く教室で同じ事が繰り返されているんだもんよ。

そして今も、ここ〈7組〉でスイートポテトをお土産にもらうルル。

その満面の笑顔、キラキラした瞳にほわる女子たちが量産されていた。

「私たちには、ちょっと真似出来ないわね」

「というより巡回の意味違くね? これじゃトリックオアトリートだろ」

別にイタズラはしないが。いや、むしろルルにイタズラされたいという人種も一定数いるかもしれないがそれは置いておく。

ちなみにこの世界にはハロウィンはあったり無かったりする。パレードなんかにはカボチャのオバケのようなバルーンも浮かんでいたりするし、ハロウィン系のアイテムもそこそこあるが、特にイベントは無い。そんな感じだ。

「さあシエラ、ゼフィルスお兄様! 次はこっちなのですよ!」

「はいはい。足下に気をつけてね」

そんな感じで俺とシエラはルルについて行き、ルルは色々と貰いまくるという巡回が続いたのだった。

平和だ。

しかし、トラブルも起こらないわけでは無い。

学園祭3日目が開催され校舎にお客が入ってきて賑わうと、すぐに問題が発生し出す。

今回はお客同士のトラブルで、目の前で満席になったために並ぼうとしたところ、とんちんかんな場所に並んでしまい、正規の列の先頭の客と次に入るのは自分だと口論になった所にルルが仲介に入ったのだ。

慌てて俺が入ろうとしたのだが、その必要は無かった。

「もう、喧嘩しちゃダメなのです。学園祭は楽しむ場所なのですから楽しまないとダメなのです!」

「なんだとこの、この――なんだこの愛らしい子は!?」

「あ~、心が洗われるようだ」

「ルルちゃん! ありがとう~助かるよ~」

「あい! なら、2人とも先頭でいいのですよ。席が二つ空いたら一緒に入れば良いのです」

「おお、なんと秀才な」

「なるほど、その手があったか」

ルルの説得に即オチしたお客たち。その後なぜか仲良くなって2人席に入っていった。

ルル、恐ろしい子!

自由時間も校舎をメインに回った。

2日目までは外のアトラクションとも言えるものがメインだったので、校内は結構新鮮だ。

大型の物が少ないので大きな事故なんかにならないのがいい。

シエラやルルとも、普通に遊んだ。

この世界の星を再現したプラネタリウム的な幻想空間を鑑賞したり、脱出ゲーム、扉の鍵を見つけて脱出せよでシエラの頭脳が光り、30秒で終わってしまったこともあった。シエラがちょっと誇らしげだったのが尊い。

クイズ式障害物競走を3人でやったりもした。クイズに答えて次のステージへ進んでいき先に誰がゴールに辿り着けるか競争するアレだ。しかもクイズだけじゃ無く99の穴のどれかに隠された鍵を使わないと扉は開かないステージがあるなど、運の要素も絡まっていて中々に面白かった。

ちなみにこれもシエラが1位だった。シエラが強すぎる! ルルと2人で手放して褒めてあげるとシエラが少し照れた! なぜかやったという気分になった!

ふう、めちゃくちゃ楽しんでしまったぜ。

そんな感じで時間は過ぎていき、午後2時。

とうとう〈迷宮防衛大戦〉の開催放送が流れたのだった。