第839話 上級職ランクアップ! メルト編!
第839話 上級職ランクアップ! メルト編!
パメラを〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉させると、4番手はメルトの番だ。
「待たせたなメルト」
「構わない。大切なことだからな。それよりゼフィルスに頼みがある」
「ん?」
「俺が望むのは【大賢者】でも【光の賢者】でも【エンシェントワイズマン】でも無い。俺が就きたいのは――【賢王】だ。頼めるか?」
メルトが望むのは、【賢王】か!
まさかメルトの方から頼んでくるとは思わなかった。
新しいパターンだ。だが、これは偶然か必然か、俺もメルトには【賢王】を勧めたいと考えていた。
【賢者】はいくつか〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉ルートが存在する。
全体的にかなり優秀な 職業 ( ジョブ ) が多いため毎回決めかねるのだ。
これは王族や貴族に魔法使い系が少ない反動だな。
故に魔法使いである【賢者】系の上級職は多く枝分かれしているんだ。
【大賢者】はオールマイティ系で何でも出来る【賢者】の上位互換だ。
出来ることが多いため魔法一つ一つのLVは上げにくく、火力の面では他の3職に適わないものの、その時々によって属性を使い分けられるため弱点を突くことが可能で、多くのダンジョンで重宝した 職業 ( ジョブ ) だった。
パーティに1人居れば安定感が格段に増す。
【光の賢者】は文字通り〈光属性〉や〈聖属性〉特化型。ヒーラーとしての側面も持ち、アタッカー&ヒーラーとしてかなり優秀な 職業 ( ジョブ ) だ。火力で【大賢者】に勝り、メインヒーラーとしても活躍が可能なため、ヒーラーが万が一 落ちた ( 戦闘不能 ) 時にはすぐに 立て直し ( リカバリー ) も出来る。むしろボス戦で火力がいるときはヒーラーを抜いて【光の賢者】をメンバーに入れるという選択肢も出来た。とても頼れる 職業 ( ジョブ ) だったな。
【エンシェントワイズマン】は完全火力型。特に溜めてドカンすることに長けており、強力な自己バフをいくつも覚え、魔法をチャージし、一撃でとんでもないダメージを与える強 職業 ( ジョブ ) だった。ただ、ボスを苦手としており、ヘイトを大幅に稼いでしまうため狙われやすくなってしまうのが欠点。アーロン先輩みたいな感じだな。【エンシェントワイズマン】でボス戦をするにはそれ専用のパーティなどを作ったり、ヘイトを下げる専用の装備を身に着けるなど、対策する必要があった。
しかし、【エンシェントワイズマン】の真価はギルドバトル〈城取り〉でこそ発揮される。
一撃で超火力が出せるということは、巨城争いの時、差し込みされないということだ。
これがかなり強力で、残りHP50%くらいを一撃で落とし、巨城を持っていかれるため相手からすれば悪夢以外の何物でもない、というか悪夢そのものな 職業 ( ジョブ ) だったな。
俺も使用頻度が高かった 職業 ( ジョブ ) だ。
そして【賢王】はデバフや火力に優れ、回復に溜めも出来る優良職。〈闇属性〉が非常に強く、〈闇属性〉の重力魔法による防御を展開しつつ、『攻防デュアル』スキルによって同時に攻撃魔法まで放てるのが非常に魅力的な 職業 ( ジョブ ) だった。
対人戦に優れ、防御魔法の重力系、特に『ブラックホール』は遠距離攻撃を軒並み飲み込んでしまうため遠距離戦で破格の性能を誇る。
守られながら高火力を出したりサポートするのではなく、自ら前線に出て活躍する、それが【賢王】だった。
ゲーム時代は「魔法使いが前に出るとか頭悪いだろ!?」「【賢王】様前に出ちゃだめ!?」と言われることもあったが、それすらも分からせる戦闘能力の高さに最後は「【賢王】サイコー」と掌返しされる光景が一時期流行した。あれは楽しかった。
どれに就いても大成できる【賢者】系の上級職だ。正直どれに就いてもいい。
【賢王】になりたいというのも問題ない。俺は最初からメルトに【賢王】についてほしくて育成論を渡していたのだからな!
「もちろんだメルト! ならば、まずさっき〈交換所〉で手に入れた〈賢者の石〉を持ってくれ」
「! ああ、頼むゼフィルス! 俺は強くなりたい。対人戦は負けないほど、強くなりたい!」
「その望み、確かに聞き届けたぜ!」
俺の言葉に、普段クールなメルトの表情に情熱的な決意が浮かぶ。
後で知ったのだが、メルトは対人戦で結構戦闘不能になったことが多いらしい。
そういえばクラス対抗戦では俺に負け、その後のカサンド先輩との戦闘でも相打ちで敗者のお部屋へ向かうことになった。
メルトからすると対人戦がかなり大きな壁だったのかもしれない。
ささっと隣に来たミサトがどこからともなく〈賢者の石〉を取りだしてメルトに渡す。
「はい、メルト様の大好きな〈賢者の石〉だよ! 受け取ってね!」
「いや、なぜ俺が持っていたはずの〈賢者の石〉をミサトが持っているんだ? いつの間に持っていった?」
メルトが困惑しながらミサトから〈賢者の石〉を受け取り、俺は〈 天廊 ( てんろう ) の宝玉〉を用意する。
【賢王】は「貴人」カテゴリーではあるがその等級は一つ繰り上がり高の上だ。SUPは35になる。そのため使用するのは〈宝玉〉系だ。
発現条件もさほど難しいものではなく、すぐに整う。
「メルト、〈 天廊 ( てんろう ) の宝玉〉だ。使ってくれ」
「感謝するゼフィルス」
【賢王】に就くにはリーナにも使った〈 天廊 ( てんろう ) の宝玉〉が必要だ。
片手でそれを受け取ると、メルトはすぐに使用した。
光の粒子がメルトの中に包まれていき、賢者の石が淡く光り出す。
「わ、〈賢者の石〉光ってるよ!」
「これは……」
〈賢者の石〉はお馴染みHP回復アイテムだ。使用回数5回で『ハイヒール』を飛ばすことが出来る。【セージ】【賢者】系が使うとパーティ全体系の『オールハイヒール』になる。本来はそれだけの物だ。
だが〈宝玉〉を使う事でこれは共鳴しているのか? こんな現象が起こるとは。
ミサトが驚き、俺も興味深いと〈賢者の石〉を見つめてしまった。
「ゼフィルス、〈上級転職チケット〉をもらっていいか?」
「おう。そうだったな。使ってくれ」
メルトは俺から〈上級転職チケット〉を受け取ると〈竜の像〉に触れ、ジョブ一覧の中に【賢王】があることを確認すると感慨深く一度目を閉じた。
そして目を開くと、迷い無く【賢王】をタップする。
【賢王】がクローズアップされ、他のジョブ一覧はすべてクローズアウトして消え、これでメルトは【賢王】になった。
「ゼフィルス、助かった。この借りは絶対に返すからな」
「そんなの〈エデン〉に貢献してくれるだけでいいぞ?」
「ふ、そうはいかん。俺の気持ちが治まらない」
「そっか。んじゃ、楽しみにしてるぜ。メルト、〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉おめでとう」
「ああ。ありがとうゼフィルス」
メルトと固く握手を交わした。
なお、メルトの覚醒の光が起きないのは気にしてはいけない。【賢王】は高の中から高の上になった 職業 ( ジョブ ) なのでSUPは35、 演出 ( 覚醒の光 ) が出るのは36以上なんだ。
「あれ? メルト様覚醒の光でないね?」
「…………やかましい!」
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後書き失礼いたします!
いつも〈ダン活〉をお読みいただきありがとうございます!
クリスマスでたくさん★をいただけたことで、週間異世界ランキングで2位までいけました!
すっごいですよ!?
しかもそれだけでは終わりませんでした!
本日見たら、総合累計ランキングの方でも9位に上がっておりました!
ありがとうございます! これも皆様がたくさん★をくださったおかげです!
作者、おかげさまで枕を高くして年を越すことができます!
そして、年を越せばすぐ〈ダン活〉は連載2周年を迎えます!
〈ダン活〉は2021年1月3日から連載をスタートさせました!
あれからもう2年なのかと、感慨深い気持ちでいっぱいです!
何かお祝い事したいなと思っちゃったりしています!
クリスマスが終わったばかりですが、また投稿数増量しましょうか!?
決定! お年玉プレゼント企画!
1月3日、〈ダン活〉2周年記念、話数増量キャンペーンを実施いたします!
楽しみにしていてください!
また、★をたくさんいただけると、話数をさらに増量するかもしれません!
たくさんの★には感謝で返すが作者のスタイルです!