第840話 上級職ランクアップ! ノエル編!
第840話 上級職ランクアップ! ノエル編!
「良し、次はノエルだな!」
「よろしくね、ゼフィルス君!」
元気とやる気で前に出てきたのは【歌姫】に就くノエル。
元気いっぱいなノエルにはいつも元気をもらっている。
バフで味方を援護するだけでは無く、幅広いスキルを使い様々な状況で活躍でき味方を有利にする系統が得意なオールマイティ 職業 ( ジョブ ) 。
この性能をさらに伸ばし、敵のバフの解除も出来るようになった、【歌姫】の最高職へ〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉してもらいたい!
「ノエルに就いてほしいのは現在の【歌姫】の能力をさらに伸ばす、【 声聖 ( せいせい ) の歌姫】だ」
「やっぱり伝説の歌姫が就いていた 職業 ( ジョブ ) だー! 私、すっごい歌姫になっちゃうかもよー!」
「ノエルも予想通りだったのか?」
「それはそうだよ~、ラナ殿下を始め、みんな伝説の 職業 ( ジョブ ) って言われているものから聞いたことが無い 職業 ( ジョブ ) ばかりなんだもん。私も、もしかしたら伝説の歌姫さんが就いたって言われている【声聖の歌姫】かな? と思ってたけど、ゼフィルス君だもんね!」
「はっはっは! 勇者だからな!」
おお、そう褒められると気分が良い!
【歌姫】は【 銀声 ( ぎんせい ) の歌姫】や【スーパーアイドル】などの選択肢があったが、俺は断然【声聖の歌姫】推しだった。
【銀声の歌姫】はアタッカー&タンク系特化だし、【スーパーアイドル】はバフ系特化、そしてこれは高の中だ。
実質的な一択と言っても過言では無かったんだが、喜んでもらえて嬉しくなる。
【声聖の歌姫】は【歌姫】の能力をパワーアップさせた上位互換だ。
上級ダンジョンでも活躍できる索敵系能力も所持しており、サポーターとして非常に頼りになる。
また非常に魅力的な能力に、相手のバフを打ち消すスキルを所持していてこれがとんでもなく強い。ユニークスキルはなんと、ボスの怒り状態を鎮めてしまう能力なんだ。これがどういう意味か分かるだろうか?
バッファーは味方を強化するスキルを多数所持しているが、それはヒーラーとポジションが被りやすく、またアタッカーなども自己バフなどを覚える 職業 ( ジョブ ) はごまんとある。つまり、バッファーはボス戦に採用されにくいのだ。
しかし【声聖の歌姫】は違う。あの非常に厄介な現象であるボスの怒りモードを消すというとんでもない能力を持っているために、最終局面のボス戦にすらメンバーに採用されるポテンシャルがある、最高のバッファーなんだ。
絶対にメンバーに欲しい人材である。
ちなみにノエルに後で聞いたところ、【声聖の歌姫】は別名伝説の歌姫が就いた 職業 ( ジョブ ) と呼ばれているそうだ。
【歌姫】自体すでに発現条件の解明が他の姫職より進んでいるらしく、【声聖の歌姫】もそれなりの数が過去登場したのだという。
そして【声聖の歌姫】に祝福されると大きな結果を残せるというジンクスがあるそうだ。過去、様々な場所で旅をしながら歌を披露し、多くの人の心を救ったとされる伝説の歌姫も【声聖の歌姫】に就いていたと言われているそうだ。
ノエルは俺と出会う前、その伝説の歌姫さんのステータスを参考に自分の【歌姫】を育成しようとしていたらしい。
「もちろん私はオーケーだよ。ゼフィルス君、私を【声聖の歌姫】にしてください」
「任せとけ! 俺が【声聖の歌姫】に就かせてやる」
俺が正面からそう宣言すると、ノエルは頬を赤らめて照れた。
「メルト様も、ゼフィルス君を参考にすれば良いと思うんだよ」
「唐突になんの話だ?」
視界の端でミサトとメルトが何か話していたが、俺の耳には届かなかった。
早速ノエルを〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉してしまおう!
「じゃあ早速、〈交換所〉で交換した〈スポットライトステージ〉を出してくれ」
「はーい!」
ノエルが自分の〈 空間収納鞄 ( アイテムバッグ ) 〉から、両手を横に延ばしたくらいの面積の丸い簡易ステージを取り出す。簡易ステージの上にはスポットライトが二つ、静かに乗っていた。
重たいものなので、出すのは〈竜の像〉の前だ。
「よし、じゃあ乗ってみてくれ」
「うん! ――ってわわ! 何これ、勝手に点いたよ!?」
そこにノエルが乗ると、突然スポットライトが点灯し、浮かび上がり、ステージをライトアップした。
ただのインテリアアイテムで乗るとこうしてアイドルの気分を味わえる。
実際に見たのは初めてだが、これは確かに面白いな。後でノエルに貸して貰えないか聞いてみよう。俺も乗ってみたい。
それはともかく、ノエルの【声聖の歌姫】には、このインテリアアイテム、〈スポットライトステージ〉が必要だった。
ゲームでも、これはただのインテリア系アイテムで学園の〈交換所〉で交換できた。それをQPで獲得する流れだ。ドロップではないので【声聖の歌姫】には就きやすかったんだ。さすがは「男爵」カテゴリー。
後は〈 天聖 ( てんせい ) の宝玉〉を使い、幅広いオールマイティなビルド構成をしていればもう【声聖の歌姫】は発現したも同然だ。具体的には『広域歌唱LV10』と〈攻撃〉〈防御〉〈挑発〉〈索敵〉〈応援〉〈回復〉の六種類のカテゴリーのスキルを所持していればいい。
「じゃあノエル、この〈上級転職チケット〉を持ってくれ。そしてユニークスキル『プリンセスアイドルライブ』を発動しながら〈竜の像〉に手を置くんだ。それで発現しているはず」
「そんなやり方なんだ!? 昔の人、よく【声聖の歌姫】に就けたね!?」
それな。
ノエルの発言から【声聖の歌姫】は既知の 職業 ( ジョブ ) だと分かっているが、この条件を達成した人が居たということだ。その人はどんな所業で条件を達成出来たのだろう?
その状況がちょっと気になった。まあ、それは置いといて、今は歌いながらランクアップだ!
「それじゃー歌っちゃおうか~『プリンセスアイドルライブ』♪ ついでに『テンポアップエール』~~~~♪」
マイクを口の前に翳してノエルの歌が始まる。相変わらず良い声に良い曲だ。
ちなみに〈測定室〉は防音なので安心である。ここ重要。
歌ったままノエルがもう片方の手で〈竜の像〉に手を置くと、目的である【声聖の歌姫】が確かにジョブ一覧に現れていた。
すぐにノエルはそれをタップすると、【声聖の歌姫】がズームして残り、他のジョブ一覧が消える。
これで、ノエルは【声聖の歌姫】だ。
そして覚醒の光が溢れ演出が起こる。
「~~~♪ ってわわ! わ~これって覚醒の光!? 私も覚醒の光出たよ~♪」
「ノエルちゃん綺麗だよー!」
「あい! 愛がいっぱい溢れてるのです!」
「ありがと~、せっかくだからこの中で一曲プレゼント~♪」
ノエルの歌は一度止まるが、ラクリッテとルルの声援にハッと思いついたように再び歌い出した。ノエルは歌うの好きだな~。
覚醒の光が渦巻く中、スポットライトを受けてマイクを片手に歌うノエルは、本当に歌姫の名にふさわしい姿だった。とても、輝いて見える。
ラクリッテもルルもそれを見て静かに瞳を輝かせ、誰も声を出さず静かに視聴した。そして覚醒の光が消えると、ノエルの歌も終わり、ついで俺たちは拍手でノエルを出迎える。
「おおおお! ブラボーブラボーブラボーブラボー! ノエルすげぇ綺麗でかっこよかった~、俺は感動した!」
「うんうんうんうん。ノエルちゃんすごかった」
「すっごくかっこよかったのです!」
「かっくいいデース!」
「ノエルちゃん〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉と覚醒の光おめでとう~。輝いてたよー!」
「覚醒の光はこれで3人目か。おめでとうノエル」
俺たちは拍手でノエルを出迎えた。
もう拍手以外何をすれば良いのか、拍手以外の選択肢なんて無かった。
ラクリッテもルルもパメラもミサトもメルトも全員が拍手を贈った。
「えへへ、いえーい!」
そして歌姫と、ハイタッチ。
世が世なら嫉妬の炎で燃やされてもおかしくはないがここは密室。問題無し!
「ノエル、改めて【声聖の歌姫】の〈 上級転職 ( ランクアップ ) 〉、おめでとう!」
「みんなありがと~!」
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後書き失礼いたします!
今年も最後になりました。
改めて、今年も〈ダン活〉をお読みくださりありがとうございました!
作者は感謝の気持ちでいっぱいです!
みなさまもどうか良い新年を迎えられますようお祈りしております。
良いお年をお過ごしください!