第845話 控え室で新装備のお披露目回!
第845話 控え室で新装備のお披露目回!
ダンジョン週間という楽しい時間はあっと言う間に過ぎていくもので、あれから3日が過ぎ、今日は金曜日。
防衛戦開催日である。
今日まで俺たちはレベル上げをメインにこなしてきた。
メルトたちは上級職の慣らしと 中級上位 ( チュウジョウ ) の攻略、ボス周回までこなし、全員がLV5まで仕上げてきていた。
予定よりも二つもレベルを上げてくるとは、気合が入りまくりだな!
俺たちも上級ダンジョンの攻略は順調で、毎日エリアボスやフィールドボスを狩りながら〈嵐ダン〉を進みついに45層まで到達。残り15層なら、早ければ日曜日には最下層に到着できるかもしれないな。
ふっふっふ、上級ダンジョン最下層が目前だ。周回が楽しみ過ぎるぜ。
おっといけないいけない。
まずは今日の防衛戦だったな。
一応、この日のためにかなり準備してきたんだ。
「リカは装備すげぇ似合ってるな。かっこいいのにスラッとして、とても綺麗だ」
「う、うむ。ありがとう。もう何度も言われてるが、未だに照れるな。あまり褒めないでほしい」
ここは第四アリーナの控え室。
そこで本日、装備のお披露目会が行なわれていた。
その1人がリカ。
リカは本日、〈女武士道シリーズ〉に身を包んでいる。
リカの装備が完成したのだ。
フィリス先生が装備していたものと同じだが、こっちは少しマリー先輩の手が入っている。剣道の道着をベースにしたような装備で、以前より肌色面積は少なくなり、武士を思わせるかっこよく綺麗な姿となっていて、今のリカはメンバーから人気の的だった。
「はいはーい! ゼフィルス君、私は?」
「ミサトも良い感じじゃないか。似合ってるぞ。綺麗だな」
「たはは~。ほらほらメルト様、ゼフィルス君はこう言ってるよ? 何か言うことはないのかな?」
「……ない。と、言いたい所だが。まあ、似合っているとは思う」
「おお! メル素直君だよ~~!」
「メル素直君じゃない! おい、くっつくな!? もう抱きつかせないぞ!?」
「うきゅ!?」
「ふ」
抱きつこうとしたミサトに、メルトが素早くそのうさ耳をきゅっと掴んだ。
メルトは素直じゃ無いな~。
今話題に出たとおり、ミサトの装備も変わっている。
ミサトが装備しているのは〈精霊衣装シリーズ〉の魔法使いタイプだ。
カルアが装備している〈精霊衣装シリーズ〉の AGI ( 物理 ) アタッカータイプとは姿が違い、色も白に近い水色をベースとしている。
カルアの装備と同じくヘソ出しで肌色多め、半袖とスカートの上下に分かれニーソックスを履いている。
目立つのは水色の羽衣のような部分で、鳥の翼にも、魚のヒレにも見え、ミサトの体を覆ったり横に広がったりと動いている。ミサトに聞くと、これはある程度意思で動かせるらしい。どうなってるんだろう? まあ、かっこいいから良し!
次はラクリッテだ。
「ラクリッテも良い感じだな。かっこいい戦士って感じが出てるぞ」
「うち、いえ、私がこの装備を着ても良いのでしょうか? なんだかすごく着せられてる感が凄くって。シエラ様と同じ装備なんて」
ラクリッテはシエラと同じ〈聖盾光鎧シリーズ〉を着ている。
タンクだし、これが一番防御力が高いからだが、シエラと同じ装備を着るのに凄く恐れ多いという感情があるようだ。
一応、ラクリッテの装備はマリー先輩たちがしっかり〈デザインペイント変更〉して、盾のパーツを鎧風に見せてくれている。そのためぱっと見シエラと同じ装備には見えないのだが、ラクリッテは落ち着かないようだ。
ちなみにラクリッテがシエラだけ様付けで呼ぶのは色々教えを貰っている師匠的な存在だからだという。
結局チラチラとシエラの様子を窺うような仕草をするラクリッテにしびれを切らし、シエラがラクリッテに「気にしないの」「装備はこう使うのよ」と伝授しに行ったことで問題は解決した。
そして前から話がちょくちょく出ていたパメラ。
「パメラもその装備似合うな~」
「イエスデース! カルアとお揃いデース!」
「ん。おそろい。ぶい」
「だが横に並んでみるとパメラのは少し忍者風なんだな」
パメラも〈精霊衣装シリーズ〉だ。ただしカルアと同じ AGI ( 物理 ) アタッカータイプだな。
これもベースとなる色をパメラ用にピンクへと変更している。
首に巻いた羽衣がアクセント。マリー先輩が少々弄った影響か、忍者っぽい雰囲気が出ていた。
そして最後はタバサ先輩。
「タバサ先輩は、見た目はあまり変わらないな」
「同じものを作り直してもらっただけだもの。性能は上がっているけれど見た目は変わらないわね。でも、あの子たち凄いわね。まさかこれほど性能が上がるとは思わなかったわよ」
「気に入ってくれて何よりだ。マリー先輩たちも喜ぶと思うぞ」
タバサ先輩が嬉しそうに自分の装備について語る姿にほっこりする。
タバサ先輩は元々装備していた上級装備シリーズ〈 白銀聖魂 ( はくぎんせいこん ) 装備一式〉を作りなおし、パワーアップしていた。
元々装備していた〈 白銀聖魂 ( はくぎんせいこん ) 装備一式〉は下級職の生産職が作ったダウングレード品で、実は性能はそこまで高くは無かった。
それをマリー先輩が高品質へと作り直し、今はもう雲泥の差と言えるほどに性能が上がってしまっている。
さすがはマリー先輩だぜ!
この5人が現在装備の変更や更新をしていた。
リーナやシズ、メルトとノエル、そしてルルは残念ながら装備は変更無し。まだ良い感じの装備が無いんだ。
上級のボス周回までもう少しなので、周回を始めたら良いドロップを狙いたい所存。
せめてタンク系のルルには上級装備を作ってあげたかったんだが、持ってる物の中でも一番合う〈勇銀装備シリーズ〉は男用だから無理だし。エステルと同じ〈貴装蒼鎧シリーズ〉を作ってもらおうかとも迷ったのだがあれは騎士用、『乗り物速度強化』とか一部が死にスキルになってしまうのでやっぱ無しとしたんだ。ルルも上級で何か良い感じの装備が手に入るまで待っていてほしい。
素材やアイテムの方は順調だな。俺たちの上級ダンジョン突入で素材はガンガン採れているし、ハンナも真素材や〈転移水晶〉、上級薬の生産は順調なようで、そろそろ〈エデン店〉にも上級アイテムを並べられるんじゃないか、というところまで来ていた。
非常に順調だ。
そろそろ上級アイテムを売りに出しても良いもしれないな。
おおっと話が逸れた。
そんなことを考えながらメンバーとわいわいしていると、放送が掛かった。
「――えー、もうすぐ開始時間となります! 選手の方々はフィールドに進んでください!」
その言葉と共に全員が静かになった。
俺はアリーナ会場への扉の前に立ち、メンバーたちを見る。
「〈エデン〉がCランクギルドになって初の防衛戦だ! 負けるとDランクに転落することを忘れないでくれ! そして勝てばCランク継続と共にBランク戦の挑戦権が貰える。俺たちが先へ進むため、たとえ相手がDランクギルドだとしても、下級職のギルドだとしても油断せず、最善を尽くすように! 行くぞー!」
「「「「おおー!!」」」」
気合い十分。
俺たちがアリーナ会場へ入っていくと、観客席から声援が上がった。
〈エデン〉出場メンバー。
ゼフィルス【救世之勇者】、シエラ【 操聖 ( そうせい ) の盾姫】、ラナ【大聖女】、エステル【戦車姫】、カルア【スターエージェント】、リカ【先陣の姫武将】、ルル【プリンセスヒーロー】、シズ【戦場冥王】、パメラ【ナンバーワン・くノ一】、リーナ【姫総帥】、メルト【賢王】、ミサト【色欲】、ノエル【 声聖 ( せいせい ) の歌姫】、ラクリッテ【ラクシル・ファントム】、タバサ【メサイア】。