LNCrawler

第19話

Kiss My Instep 4 — fujossy.jp · All chapters

第19話

「切断機はこれです。手、巻き込まないように気を付けて下さい。こうしてセットして、こうします」ものすごくアナログな裁断機は、大きな歯が剥き出しだ。そこに印刷したプリントをセットすると、長岡は包丁で切るように歯を下ろす。ザクッと切り分けられ、クラス分のプリントが出来上がった。「ゴミはここ。シュレッダーはここです。いっぱいになったらここを開けて出して、ここにある袋をセットしてください。出したゴミはゴミの日まで端に置いておいてください」「はい」「他に質問はありますか」「大丈夫です」じっと出来上がったプリントを見ていると、長岡は更に続けた。「トイレは大丈夫ですか」「大丈夫です」「なら、事務室に寄ってから準備室に戻りましょうか」「はい」コピーも裁断もやることは簡単だ。忘れることはないだろう。それより、沢山の人が使う場所ではマナーなルールが大切だ。シュレッダーのゴミの確認はこまめにするように意識しなければ。「あ、昼飯ってどうしますか?弁当購入するなら決まった時間までに注文するんです」「お弁当を持ってきました」「言うの忘れたな。悪い」「いえ、大丈夫です」長岡が事務的なことを忘れるなんて珍しい。そう思い顔を見れば、ほんの少しだけやわらかく目を細めていた。「?」「いや、事務室に行きましょうか」サッと仮面をつけると、ドアを開け廊下へと出る。本当に長岡の切り替えは一瞬だ。