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(42)魔王の正体

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(42)魔王の正体

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抜け出して痕跡を残さなかったかのようだ。「お……お母さん……、お母さんは……生きて……?」ルルカが首を傾げながら顔を強張らせ、肩を震わす。きっと分かっていると思うが、その可能性を思いたいのだろう。「いや……」生きていたならそれにこしたことはない。また、何かしらの異変があれば調査し、問題を解決していくしかない。「えっと……、今、破壊の女神様が魔王をやっているとしたら、この世界は今、誰が」「……維持の女神が?」ルルカがそう、素朴な疑問を投げた。そう言われてみると、世界は歪んでいるというか危機なのではと思った。現在、女神アシアナは存在しておらず、世界の均衡は維持の女神による御業というわけだ。「……!」突如、ルルカの神言器である水晶が虹色に光った。「――破壊の女神カイア、維持の女神ホーミィ。わたしたちはそう別たれました。お願いです、助けてください」神託だ。これで確定してしまったといっていい。ルルカの口を介して、個人的な伝言のような神託が降りたのだった。「あんたは、ホーミィか?」「そう、あぁ、もう、限界。疲れた……、いや……」俺がそう訊ねると、ルルカ越しに女神が返事をした。そして愚痴のようなものを残して消えた。ルルカの水晶の光も止んだ。「いやいやいや……! 愚痴かよ!」「これ、神託というかなんというか……。実行すればいいのは『助けてください』のところか?」「とりあえず、ゼンさんの推測は合っていそうですね……」リベリオが神託という名の女神の愚痴に突っ込みを入れた。俺は、神託として受けるのであれば、維持の女神ホーミィの手助けをするのが最善なのかと解釈した。そして、ロジウス王子が俺の推測を確証的であるとした。「なんだこれ、魔王神カイアを倒せってことか?」「魔王神……」リベリオが勝手に魔王と破壊の女神を合体させた。呼びやすいので便宜的にはいいが。「元は一柱の女神なんだろう。女神アシアナに戻らないとならないのでは。魔王神カイアを倒したらホーミィが大変なのではないか」「それはそうか。っていうか維持の女神は呼び捨てかよ」「いや、なんか……」思わず維持の女神ホーミィの手助けをするのが最善なのかと解釈した。そして、ロジウス王子が俺の推測を確証的であるとした。「なんだこれ、魔王神カイアを倒せってことか?」「魔王神……」リベリオが勝手に魔王と ここまで重ねてきた推論の結果、その結論に至った。この結果を持ち帰り、再び会議室で議論した。「何か、わけ分からんことになっているが、辻褄は合うんだよ」「どういうことが?」俺の考察結果の荒唐無稽さを受け、リベリオがそう口にする。「オレに『内から壊せ』って頭に流れて来たのは十四の時だ」「思春期の暴走と言われたあれですね……」「ああ」リベリオは、精神操作の意図がある神言が発せられた時期を挙げた。齢十九なので、ちょうど五年前である。当時の年齢的に、神言を拒否して壁に頭を打ち付けたのは思春期の暴走だと思われたという。ロジウス王子もそう証言した。そして、魔物の軍勢が隣国を制圧したのは最近のことである。「それにしても、魔王とは魔王と自ら名乗りを挙げないどころか正体も意図も不明である。それを受けて、ロジウス王子は俺が思ったことを言った。「まあ、仮置きだ。この想定を頭に置いて今後も調査し、真相に近付き根を断ちたいと思う」差し当たって、こう仮定したとしてこれ以上できることはない。また、何かしらの異変があれば調査し、問題を解決していくしかない。「えっと……、今、破壊の女神様が魔王をやっているとしたら、この世界は今、誰が」「……維持の女神が?」ルルカがそう、素朴な疑問を投げた。そう言われてみると、世界は歪んでいるというか危機なのではと思った。現在、女神アシアナは存在しておらず、世界の均衡は維持の女神に懸かっているということになる。神言の機構は維持されたままであるため、まさしく維持の女神による御業というわけだ。「……!」棺の中は空であった。骨すら残っていなかった。風化して風に流れた様子でもない。棺に汚れなどもない。あたかも、自ら抜け出して痕跡を残さなかったかのようだ。「お……お母さん……、お母さんは……生きて……?」ルルカが首を傾げながら顔を強張らせ、肩を震わす。きっと分かっていると思うが、その可能性を思いたいのだろう。「いや……」生きていたならそれにこしたことはない。だが、俺の推論はそうではない。「破壊の女神が前神託の 女神なんだろう。女神アシアナに戻らないとならないのでは。魔王神カイアを倒したらホーミィが大変なのではないか」「それはそうか。っていうか維持の女神は呼び捨てかよ」「いや、なんか……」思わず維持の女神ホーミィの手助けをするのが最善なのかと解釈した。そして、ロジウス王子が俺の推測を確証的であるとした。「なんだこれ、魔王神カイアを倒せってことか?」「魔王神……」リベリオが勝手に魔王と破壊の女神を合体させた。呼びやすいので便宜的にはいいが。「元は一柱の女神なんだろう。女神アシアナに戻らないとならないのでは。魔王神カイアを倒したらホーミィが大変なのではないか」「それはそうか。っていうか維持の女神は呼び捨てかよ」「いや、なんか……」思わず維持の女神ホーミィの手助けをするのが最善なのかと解釈した。そして、ロジウス王子が俺の推測を確証的であるとした。「なんだこれ、魔王神カイアを倒せってことか?」「魔王神……」リベリオが勝手に魔王と破壊の女神を合体させた。呼びやすいので便宜的にはいいが。「元は一柱の女神なんだろう。女神アシアナに戻らないとならないのでは。魔王神カイアを倒したらホーミィが大変なのではないか」「それはそうか。っていうか維持の女神は呼び捨てかよ」「いや、なんか……」思わず維持の女神ホーミィの手助けをするのが最善なのかと解釈した。そして、ロジウス王子が俺の推測を確証的であるとした。「なんだこれ、魔王神カイアを倒せってことか?」「魔王神……」リベリオが勝手に魔王と破壊の女神を合体させた。呼びやすいので便宜的にはいいが。「元は一柱の女神なんだろう。女神アシアナに戻らないとならないのでは。魔王神カイアを倒したらホーミィが大変なのではないか」「それはそうか。っていうか維持の女神は呼び捨てかよ」「いや、なんか……」思わず維持の女神ホーミィのことを知り合いかのように呼び捨てにしてしまった。リベリオが突っ込む。先程の直接的な交信のせいである。「うむ、魔王神カイアを説得だ」「できるのか?」「さあな……」こうして、俺たちは明確な指針を得たのだった。だが、前途は多難である。――世界を知るそれが世界を救うことになる。俺は勇者としてその難題に挑むのだ。ことについて詰めた。「お母さんは病気で亡くなりました。わたしが十歳の時です」「そうか」「……五年前だな」リベリオがそう補足した。それならば、ルルカは齢十五ということだ。その時期に何か引っかかりを感じるのか、リベリオは少し考え込むようだった。「神託の巫女は『天葬』されることになっています」「なんだそれは?」天高くそびえ立つ台へ棺を供え、埋葬するというものであるとルルカは説明した。天に仕える巫女を天へ還す、という祭儀的な意味があるようだ。「その棺を開けて確かめることはあるのか?」「え……、それは……」冒涜的な行為であることは俺にも分かるが、俺の感覚から言えば野ざらしのような状態ではないかと思った。「確証はないのだが……、これは、許されることなのかわからないが……」「そうですね、禁忌に近いと思うのですが、確かめてみる必要があるかと思います」俺が言いにくそうにしていると、ロジウス王子がそう言い切った。「マジか、まさか……」「そんな……、え……?」リベリオは察したようだ。ルルカも察したようだが、戸惑いを見せている。そして、これは神託である、と国王へ直談判した。それを受けて国王は神殿へ布令を出した。棺を検める許可を得た。「それでは開けます」神殿関係者が棺を葬台から降ろし、司祭が蓋を開ける。俺たちは揃ってそれを注視した。「……!」棺の中は空であった。骨すら残っていなかった。風化して風に流れた様子でもない。棺に汚れなどもない。あたかも、自ら抜け出して痕跡を残さなかったかのようだ。「お……お母さん……、お母さんは……生きて……?」ルルカが首を傾げながら顔を強張らせ、肩を震わす。きっと分かっていると思うが、その可能性を思いたいのだろう。「いや……」生きていたならそれにこしたことはない。また、何かしらの異変があれば調査し、問題を解決していくしかない。「えっと……、 ことになる。神言の機構は維持されたままであるため、まさしく維持の女神に懸かっているということになる。神言の機構は維持されたままであるため、まさしく維持の女神による御業というわけだ。「……!」棺の中は空であった。骨すら残っていなかった。風化して風に流れた様子でもない。棺に汚れなどもない。あたかも、自ら抜け出して痕跡を残さなかったかのようだ。「お……お母さん……、お母さんは……生きて……?」ルルカが首を傾げながら顔を強張らせ、肩を震わす。きっと分かっていると思うが、その可能性を思いたいのだろう。「いや……」生きていたならそれにこしたことはない。また、何かしらの異変があれば調査し、問題を解決していくしかない。「えっと……、今、破壊の女神様が魔王をやっているとしたら、この世界は今、誰が」「……維持の女神が?」ルルカがそう、素朴な疑問を投げた。そう言われてみると、世界は歪んでいるというか危機なのではと思った。現在、女神アシアナは存在しておらず、世界の均衡は維持の女神による御業というわけだ。「……!」突如、ルルカの神言器である水晶が虹色に光った。「――破壊の女神カイア、維持の女神ホーミィ。わたしたちはそう別たれました。お願いです、助けてください」神託だ。これで確定してしまったといっていい。ルルカの口を介して、個人的な伝言のような神託が降りたのだった。「あんたは、ホーミィか?」「そう、あぁ、もう、限界。疲れた……、いや……」俺がそう訊ねると、ルルカ越しに女神が返事をした。そして愚痴のようなものを残して消えた。ルルカの水晶の光も止んだ。「いやいやいや……! 愚痴かよ!」「これ、神託というかなんというか……。実行すればいいのは『助けてください』のところか?」「とりあえず、ゼンさんの推測は合っていそうですね……」リベリオが神託という名の女神の愚痴に突っ込みを入れた。俺は、神託として受けるのであれば、維持の女神ホーミィのことを知り合いかのように呼び捨てにしてしまった。リベリオが突っ込む。先程の直接的な交信のせいである。「うむ、魔王神カイアを説得だ」「できるのか?」「さあな……」こうして、俺たちは明確な指針を得たのだった。だが、前途は多難である。――世界を知るそれが世界を救うことになる。俺は

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