LNCrawler

四日目

冥界の王(神)に仕えてみましょう! — www.pixiv.net · All chapters

四日目

⚠️注意⚠️

・オリキャラが出てくるよ!

・口調崩壊とキャラ崩壊注意!

・設定ガバガバかも!

・捏造設定あり!

・オリキャラの過去が出てきます!

いい人はどうぞ!

【指輪】

「わ〜、綺麗だなー!」

ある部屋の一室でペインとパニックが話している。

「特にこの宝石がいいよな!」

嬉しそうにペインは言った。パニックが少し心配そうに聞く。

「でも、大丈夫かな?これ死者がつけてたやつだよね?呪いとかあったりして…」

それを聞いてパニックに言うペイン。

「大丈夫!大丈夫!バレなきゃいいの!」

「そっか…いいね、それ」

「たった今、私にバレたぞ」

ヒョイッとペインから指輪を取ったのは偶然通りかかったヴァゼルだった。ペインは慌てて取り返そうと奮闘するが、身長差などで簡単に取り返せない。

「返せよ!俺のだぞ!」

呆れたようにヴァゼルは言う。

「元々は死者の物だろう。死者の私物を取るなんて、ありえないぞ?」

「うるせー!」

何度か言い合いをしてヴァゼルは踵を返してペインとパニックに言葉を投げかけた。

「とにかく、これはボスに渡して死者に返すぞ。分かったらボスのために仕事に戻れ。」

それを聞いて唇を尖らせながらペインは呟く。

「俺達より遅く来たくせに…後輩のくせに…」

ヴァゼルはため息をつきながら指輪を見せて言った。

「能力の違いだ。早く仕事に戻…」

ドプンッ

次の瞬間、指輪から出てきた泥のような物体に身を包まれるヴァゼル。ペインとパニックは慌ててハデスに報告に走る。意識が朦朧とする中、ヴァゼルは昔のことを思い出していた。

【悲しき堕天使】

※オリキャラの過去なので嫌な人、ハデス様との絡みだけ見たい人はとばしても大丈夫です!(長いです………)

ここで昔話をしよう。哀れな天使の話だ。その天使は神への忠誠心が強く、裏切りなど夢のまた夢のような話だった。その天使こそが、ヴァゼルであった。神に認められ、いつかは純粋な天使になりたかったのだ。彼女の生前は悲惨なもので親には見捨てられ、借金を返済するため水商売をし、最期は逆上した客に刺されて死んだ。その償いをしたかったのもあるだろう。ある日の出来事だった。パーティーの支度をしていた他の天使が全てを台無しにするような致命的なミスを犯してしまったのだ。ヴァゼルはその天使を救おうと神に見つからないように助ける手立てを探して、それを実行に移したりもした。だが、その願いは届かず、天使は罰を受けてしまったのだ。ヴァゼルは神にその行いがバレて、自由意思を持ったとして冥界に堕とされてしまったのだ。堕ちる直前、罰を受けた天使が面会にやってきた。ヴァゼルはその天使が助けてくれるのだろうと希望を持っていた。だが、その希望はすぐに崩れた。罰を受けた筈の天使はピンピンしていて、おまけに他の神と契約を交わして優秀な部下になっていたのだ。要はえこ贔屓だ。その天使は神に気に入られていたので罰を受けたように見せかけただけで済んだのである。天使は仲間を助けようと己を犠牲にしたヴァゼルを最後まで嘲笑っていた。その憎しみと悲しみは冥界で働く今でも心の奥底に染みついて離れなかった。

【指輪の正体】

「今、なんて言った?」

書類を書いていた手を止めてハデスはペインとパニックに問う。

「ですから!カクカクシカジカで!」

ハデスは羽ペンをバキッと折り、ペインとパニックの首を締める。

「死者の私物を奪った挙げ句ヴァゼルを危険に晒したと???馬鹿も休み休み言え!!!」

頭の炎を激しく燃やして怒鳴る。

「……後でお仕置きだ。今はヴァゼルの元に行くのが最優先。場所は?」

「死者の沼に…」

それを聞いてすぐさま向かうハデス。移動中、ハデスは指輪のことが気にかかって仕方がなかった。死者の私物は呪いのようなものがある物が多い。それを奪ったならその呪いは奪った者に行くだろう。そして、魂のみとなった死者は憎しみと悲しみを多く抱えている。死者の憎しみなどがトリガーとなって何か感化されていないといいのだが…

「死ぬなよ………?」

心配しながらハデスは死者の沼に向かった。

【ヴァゼルという堕天使とハデスという神】

「ヴァゼルちゃーん?」

死者の沼に着いたハデスはヴァゼルの名前を呼びながら歩き回る。しばらく歩いていると死者の沼の崖にぽつんと一人立っていた。死んでいないことに安心してハデスはヴァゼルに近づく。

「おーい、大丈夫か?帰ろうぜ?」

それを聞いてぴくっと反応し、振り向いたヴァゼル。だがその目は憎しみに満ちた赤色をしていた。異変を感じ取ったハデスはすぐにヴァゼルと距離を取ろうとする。すると、ヴァゼルはニコッと笑って死者の沼に飛び込む。

「はっ?」

ガシッ

「あっっっぶないだろうが!!!」

ハデスは崖のふちを片手で掴み、もう片方の手でヴァゼルの手を掴んでいた。暴れようとするヴァゼルを見て叫ぶハデス。

「ヴァゼルちゃん!まだ生きててもいいんじゃないの!?死ぬ必要そんなにある!?」

その言葉にピタッと止まるヴァゼル。その内にハデスは自分とヴァゼルを崖に戻す。息を切らしながらハデスはヴァゼルに話しかけた。

「ゼェゼェ……もうちょい頑張ってみない?」

「……よ」

ぼそっと何かをヴァゼルは呟く。もう一度聞こうとするとそのまま怪力で地面に押し倒されるハデス。ヴァゼルはそのまま泣き出し、叫ぶ。

「必死の思いで努力したのに!裏切られて、信頼できないのに、また努力するなんて!同じ結末はもう嫌なのに!私なんかいない方がっ」

「ちょ、タイムタイム」

そこまで言うとハデスはヴァゼルの口を手で塞いだ。ヴァゼルの話が止まったのを確認したハデスは言った。

「「努力は報われる」ってあるじゃん?俺、あんま好きじゃねぇんだよね。俺も報われなかったもん。ヴァゼルちゃんの過去に何があったか知らないけど」

ハデスはふぅ、と焦げた息を吐きながらヴァゼルを落ち着かせる。落ち着いたその隙にハデスはヴァゼルの手から指輪を外し、死者の沼にぶん投げる。ヴァゼルは息を落ち着かせていた。数秒後、ヴァゼルが我に返る。

「はっ!すみません、ボス!私はまた失敗を……」

そのまま泣き出してしまうヴァゼルの涙を拭きながら声をかけるハデス。

「大丈夫だから、怒らねぇよ。ちょっと休暇やるから、落ち着きな。」

「はぃ……」

「……………歌っとこうか?」

「お願いします、」

その時、死者の沼の岸では堕天使の呼吸音とその堕天使を落ち着かせる歌だけが響いた。

【その後】

「さてと、お前ら…覚悟はできてるな?」

「「はい、ボス………」

騒動が収まった次の日、ハデスの仕事部屋にはペインとパニックを叱責する声だけが響いた。

「分かったらもうやるなよ。次やったら何するか分からんからな」

「「はっ、はい!ボス!」」

そう言って逃げるよう部屋を出たペインとパニックと入れ替わりで部屋に入るヴァゼル。ハデスはそれを見てびっくりする。

「あれっ、ヴァゼルちゃんもう戻ったの?しばらく休暇でいいって言ったのに……」

「償い(仕事)をしないと気が済みませんでした…」

それを聞いて大笑いするハデス。

「ハッハッハ!なかなか染まってきたな?ま、いいや。頑張れよ〜」

「はい、ボス!」

「あっ、ちょい待ち」

お辞儀をして部屋を去ろうとするヴァゼルに向かってもう一つ言うハデス。

「?……どうなさいましたか?」

「俺はヴァゼルちゃんの努力も全部見て評価するからね。誰かがヴァゼルちゃんを裏切ろうもんなら全力で裁いてやるよ。」

それを聞いて泣きそうな顔で微笑むヴァゼル。

「ありがとう、ございますっ」

「泣くなよー?これから仕事沢山あるんだから」

ハデスの仕事部屋には元気な返事だけが響いた。