客観的檸檬
客観的檸檬
絵具のチューブから練り出せば、
レモンヱロウが張り付いて、
焼印さながら網膜に。
紡錘形に広げれば、
画布に映りしあの宝。
絵具のチューブから練り出して、
レモンヱロウをのせてゆく。
黄金に光るあの紡錘の、
まだ熟れていないその皮に、
上から重ねてしまったら。
みんなの思う檸檬となり、
然しそれは表面上。
内面がどうか分かりもせず、
唯、檸檬だと思うのみ。
檸檬かどうかも知りもせず、
そうだ、そうだと思い込む。
総てはそうして回りてゆく。
総てがそうなり人と成る。
見た目は変わらず腐りてゆく。
思う檸檬だと決めつけて、
中身はなにかを知りもせず、
レモンヱロウが残りてゆく。
唯、見た目のみが残りてゆく。
私もそうだ、そうだと思っていた。