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寝起き

お嬢様は結婚したくないっ! — www.pagemeku.com · All chapters

寝起き

お茶会が終わると、釧路家の面々は御影に仕事を教わっていた。

掃除に洗濯、母である真弓と娘の真菜は基本的な事はできていたが。

夕方は座学だ。三人は言葉遣いや、マナーを教わっていた。

と言っても、アルバイトで接客経験がある真幸は、それなりに覚えが早い。

真弓は御影の運転する車に乗り、一足先に夕飯の買い出しへ向かうことになっていた。

座学を終えた真菜は疲労感がたっぷりだ。

「あ、あぁ……。疲れた……」

「真菜、疲れている暇は無いぞ! お嬢様の為に働くんだ!!!」

と、真幸はやる気を出しているも、することが無い。

「おにぃ、働くって言ってもどうするの?」

「お嬢様に聞こう! 何かしてほしい事があるかもしれない!」

二人は、地図を頼りに亜子の部屋を探す。

真菜は思わず言った。

「家の中なのに地図が必要ってどういうことなの!?」

「仕方がないだろ、ほら、ここだ!」

立派なドアを見つけ、二人は立ち止まる。

真幸は緊張しながらも部屋をノックした。

「お嬢様ー、何かすること……。じゃなかった、ご用事はありませんかー?」

部屋では亜子が昼間の疲れで、ベッドで眠っている。

ノックの音で目を覚ますと、パジャマ姿でふわふわの頭のままドアの前まで歩いて行った。

「御影さん、どうしましたー?」

すっかり真幸達がいる事を忘れ、いつもの様に御影が来たものだと思っている。

ドアを開けた先には真幸と真菜が立っていた。

「あ、あぁ!! あー!!!」

亜子は思わず叫ぶ。だらしない姿を真幸達に見られてしまった。

「お嬢様どうしました!?」

「お姉様!?」

必死に亜子は言い訳を探す。

「い、いや、その、これは違くて!!」

「何が違うのですか!? 何かありましたか!?」

「どうしたんですか!? 亜子お嬢様!!」

亜子は恥ずかしさで顔が真っ赤だ。

「え、えーっと。ちょっと疲れて眠っちゃって、で、御影さんが来たものだと思って、こ、こんなだらしない姿で……」

真幸は状況を理解し、亜子に恥をかかせぬよう詫びる。

「あ、あぁ、そういう……。こちらこそ急に押しかけて申し訳ございませんでした!」

真菜も同じく詫びた。

「申し訳ございませんでした!!!」

「い、いいよ! 謝らなくても!!」

その後、亜子は部屋に戻り着替える。

場を仕切り直し、真幸は改めて尋ねた。

「それで、亜子お嬢様、何か御用は……」

「べ、別に今は何もないかなーって」

亜子は照れ笑いしながら答える。

「そうですか……」

しょんぼりと、真幸が言う。

手持ち無沙汰になってしまう二人の為に、何かを考える亜子。

「そうだ! 私、庭を散歩したいので、一緒に行かない?」

パァーっとわかりやすく明るい顔を真幸と真菜はした。

「亜子お嬢様の護衛。ボディーガードですね!!」

「お姉様には指一本触れさせません!!」

「い、いや。そんなたいそうな事じゃないんだけどなぁ……」