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366. 船の出来は?

お気楽領主の楽しい領地防衛 〜生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に〜 — ncode.syosetu.com · All chapters

船の出来は?

アニメを少しでも多くの人に観ていただけますように!

年末年始の連続投稿…!!٩( 'ω' )و

「うむ」

ロッソは大きく頷いて返事をすると、皆に向かって声を発した。

「待たせたな、皆の者! ついにヴァン卿の力で船が完成した! 今後の王国の未来を輝かしいものにする為の重要な試作船だ! この場に居られることを最高の栄誉と思うが良い!」

ロッソがそう告げると、皆は試作船の完成に喝采を送る。

それを確認して、ロッソは船に向かって片手を挙げた。

「船を海へ!」

「はっ!」

ロッソの掛け声に応じて、ディーを含めた多くの騎士たちが船を繋ぎ止めていた鎖を外す。

同時に、船は少しずつ海へと滑るように移動していった。

うんうん。レールで進水式大作戦は成功したようである。船は見事に海に吸い込まれていき、勢いよく着水して……止まった?

「……レールの角度が甘かったようだな」

船が中途半端に入水して動かなくなったのを見て、ハベルが冷静な分析を口にした。

「えー!? なんか幸先悪い!」

両手をあげて悲鳴を上げる。すると、なんとも微妙な空気になった現場を横目に、パナメラがそっと近づいてきた。

「……どうする気だ?」

「え? まぁ、押し出すしかないですからね。長い棒を下に差し込んで、テコの原理を利用して……」

パナメラと小さな声でそんなやりとりをしていると、突然豪快な笑い声が聞こえてきた。

「ご安心くだされ! このディーがおりますからな!」

その言葉に振り向くと、何故か上半身裸のディーが腕を曲げて力こぶを作っていた。そして、おもむろに船に向かって歩いていく。皆が目を丸くしてディーの背中を見ていると、今度はオルトが行動を起こした。

「お、俺も手伝いますよ!」

そう言って、オルトは素早くマント、鎧を外してシャツを脱ぎ、上半身裸になる。

「おお、オルト殿! 助かるぞ!」

「任せてください!」

二人はそんなやり取りをして、両サイドから挟み込むように船尾に両手を押し当てた。

怪力と剛力、夢の共演だ。

そんなアホなことを思いつつ、二人の人力出航作業を見守る。超重い大型船を押す手に力が入る。筋肉が隆起し、太い血管が浮き上がった。それを見ている僕たちの肩にも力が入る。

「ふんっ!」

「ぬ、ぁああああっ!」

ディーとオルトが揃って力を込めた。直後、船が揺れる。

「う、動いた……!」

「なんという力だ!」

「こ、これが竜討伐者の力か!」

所属関係なく、すべての騎士達が目を輝かせて二人の共同作業を見守っている。ディーの異名のお陰だろうか。皆がなんの疑問も持たずに二人の行動を見て感嘆の声などをあげているが、少し考えてもらいたい。

なんなら、中型魔獣と同等の重量くらいありそうな大型船を、レールの上だからといって人間二人が押し出せるものだろうか。いや、押せるわけがない。

「……ディーとオルトさんって、人間かな?」

思わず、僕はそんな言葉を口にしてしまう。なにせ、もう船は殆ど海の上に浮かんでいるのだ。

「……ディー殿を私にくれないか?」

「だめです」

パナメラも僕と同じ心情だったらしく、目を丸くしてとんでもないことを言ってきた。即座に否定すると、パナメラが息を漏らすように笑ってディーとオルトがハイタッチする光景を見る。

「まぁ、そうだろうな。あれほどの部下を手放す者はいないだろう」

と、パナメラが苦笑交じりに漏らす。だが、それには一言物申さなくてはならない。

「いえ、ディーは僕の家族なので、あげるもなにもありません」

「……そうか。それは申し訳ない」

きっぱりと自分の考えを伝えると、パナメラはいつになく真面目な様子で謝罪してきた。それに驚いていると、海に浮かんだ船の傍でニュッと生首が出てくる。

「出来たか。それでは、海の中で確認してくるぞ」

「……あ、ラダヴェスタさん! 了解でーす!」

すっかり次の作業を忘れていた。ラダヴェスタに次の行動を確認されたので、すぐに返事をする。陸上でハベルに確認してもらったが、最後に水中でフィエスタ王国の大型船と差異はないかチェックしてもらう予定にしていたのだった。

ラダヴェスタが船の海中での様子を調査している間に、船に乗り込めるように桟橋に階段を設置する。船に乗ってしまえば折り畳み式の階段を取り付けるので、仮の足場である。

さぁ、船に乗り込んで中も確認しておこうかな。

そう思った矢先、階段を上る僕に海面から声がかけられる。

「前に見た船と少し違うようだ」

「え?」

ラダヴェスタから衝撃の一言をもらい、思わず足を止めて振り返った。

「どこかおかしい?」

聞き返すと、ラダヴェスタが水面から上半身を出して腕を組み、首を傾げる。

「……どこと言われると困るが、少し波を受けて発せられる音が違う気がするな」

「え、えぇ? それは、どうしようか……?」

まさかの試作船第一号が出航前に失敗か。まだ乗船もしていないのに……。

いよいよアニメ放送します!・:*+.\(( °ω° ))/.:+

是非ご覧ください!(*'ω'*)

また9巻も絶賛発売中!・:*+.\(( °ω° ))/.:+

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