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番外編.夜の印無7

オットー・フォン・ハイデッカーはゲーム脳∵悪魔の軍団 — novelup.plus · All chapters

番外編.夜の印無7

オレの名前はアントン。王都の靴屋の長男で冒険者のリーダーだ。オレは物心ついた時から 仲間 ( ダチ ) が居る。八百屋の剣士ベクター。桶屋の弓使いチャーリー。肉屋のナイフ使いデック。俺達は兄弟の誓いを立て、冒険者チーム。 光の家族 ( マズ夕゛ファミリア ) を名乗った。そして栄光の日々だ。俺達のチームは絆で結ばれている、一旗上げる男達だ!!誰にも邪魔されやしない。「俺たちの伝説を作るんだ!」最近温かく成ったので何時通り何時もの路地裏に集まり駄弁っている。ひなたぼっこだ。「あ?どうしたアントン、筋肉痛か?」「いや、違うぜベクター俺達の伝説の話だ。」「アントン。ギルドの除雪作業依頼はもう無いぞ?でも、ウサギ狩りはやめようぜ。」「デック。もちろん、ウサギさん狩りはやらねぇ、別の話を持って来た。」「で?アントン今度は何だ?」「チャーリー俺は考えたんだが…。開拓者だよ。」「はあ?」マヌケな顔のチャーリー。イラついた顔の八百屋のベクターが答える。「どうすんだよ開拓者?俺達、冒険者だぜ?」「ベクター。まあ、見ろよ。」俺は文字の書かれた板を差し出す。ベクターは受け取ったが、肉屋のデックが横から読み上げる。「なんだ、”来たれ…土地を追われた者共よ、我が麗しきビゴーニュの森を切り開き大地を征服せよ!切り開かれた土地は子々孫々までビゴーニュ辺境伯が保護しよう。又、腕に自信の有る物は我が兵として取り立てよう。”なんだこりゃ。」「アントン、なんか怪しいぞ。」「ベクター、腕の立つ冒険者をお貴族様が集めて居る。」チャーリーが顎をさすりながら答える。「いや…アントン。ビゴーニュ辺境伯なんて聞いたことがないぞ?」「ビゴー…。あれだ、国王陛下に毎回喧嘩吹っ掛ける女好きのハゲのデブ魔法使いだ。何でも女にしか効かない呪いを扱って帝国の連中から恐れられてる魔法貴族だぞ。」「デック、くわしいな…。」「ああ、ベクター。以前に帝国の連中が町で呪いの解除方法を聞き廻っていたからな。寒くなる前の話だ。」「寒くなる前の話か…。」随分と前の話だ。「寒くなる前の戦争で…。」「ああ、あの魔法使いがとっ捕まえた女の騎士に呪いを掛けて鬼の帝国兵達が恐れおののいた話だな。」皆、噂を聞いて冗談だと思ったが。帝国の貴族の配下が王都まで来て呪いの解き方を聞いて回ったそうなので有名になった。「あるお貴族様が国王陛下から土地もらって開拓するという話は聞いたな…。去年の未だ寒い頃だ。」腕を組ながら話す肉屋のデック。「だろ?デック。」国王陛下に喧嘩ふっ掛けてピンピンしているのも。やり手の貴族の若様で、国王の姫を腕っぷしと男気で奪って幸せにしているという話だ…。本気で喧嘩している訳ではない。珍しい話ではない、只の義理の息子との仲が悪い…。領地をやって遠くに飛ばそうとしているだけだ。国王陛下は生まれた孫に囲まれて喜んでいるという話は聞いた。隠居したいとボヤいている話もだ。「だが、アントン。森の開拓なんて生半可なことじゃできないぞ?野菜作りは難しいんだ。」八百屋のベクターは野菜には厳しい。あきれる桶屋のチャーリー。「ああ、森は狼が出る。俺達じゃ未だ勝てない。」「…。」無言で頷くデック。「実はな…。クラスAのマルダーさん覚えてるだろ…。王都のギルドで会ったんだ。」「忘れるわけないだろ…。」「アントンなんで?マルダーさん王都に入れないって言ってただろ。」デックはあきれた様子だが、チャーリーは解らない様子だ。「クラスAの冒険者、マルダーさんで指名依頼が在ったのさ。ビゴーニュ辺境伯の名前で。内容は”開拓団の護衛隊運営に後進の指導”だってよ。」「マジかよ…。」「お貴族様から指名依頼かよ…。流石クラスAの冒険者だ。」「おう、お貴族様はマルダーさんの知り合いらしい。”待ってたぜ!必ず受ける”ってた。」「おいおい、本当か?」「マルダーさん未だ王都の宿に居るから聞いてみな。ていうか俺達、冒険者チーム。 光の家族 ( マズ夕゛ファミリア ) で受けるなら、ビゴーニュ伯にナシ付けてくれるってさ。」「俺たちはマルダーさんの手下か?」「チャーリー。クラスAの冒険者の手下だぜ?悪い話か?」「だな、俺達が酒場で話かけても相手もしてくれない様な相手だぜ?」ベクターが喜ぶ。デックがナイフの柄をいじり始めた。「マルダーさんなら…。俺は一人でも受けるぜ。」「デックそう焦るな。チームで受けたいが…。正直俺達、冒険者のままなら王都ではもう芽が出なさそうだ。」正直、俺は靴屋をやりたくない、皮加工の腕は在る。若い内に一旗揚げたい。最悪皮鎧の修理でも喰っていける、それに…。「俺は…未だ親父が元気だ弟もいる。」「だな、一旗揚げるチャンスだな。」頷く、八百屋のベクター。乗り気だ。「ああ、俺は道具を持って行けば喰いっぱぐれることは無いからな。」手に職が有る桶屋のチャーリー。「俺はマルダーさんに付いていくぜ…。ジョセフィーヌ。」肉屋のデックがナイフの背を舐める。話は決まった!「「「よし!じゃあ家族を説得だ!!」」」お遊びじゃねえ。俺たちの伝説の始まりだ!!もう、誰も俺達の邪魔させないぜ!