LNCrawler

3話

Ω×Ω(オメガ・オメガ) — fujossy.jp · All chapters

3話

「ん」 木野崎が俺に、紙袋を差し出した。「ま、また?」「光輝、またエログッズ琉人にあげんの?」 困惑する俺と興味津々の赤城に、「ちげーよ」と木野崎が怒り、俺に紙袋を押し付けてくる。「中身何?コレ」 紙袋の口が丸形のシールで封してあって、中身が見えないようになっている。「……カラー」「え?」「は?」「おっ?」「え……っ!」 俺、涼華、赤城、うららがバラバラに反応する。「うららが広告やってるブランドの、カラー。昨日買ったから」「うららが広告のカラー、見に行ったんだ」「それぐらい、行くだろ。ダチだし」 木野崎の言葉にうららが「えーっ、嬉しい」と笑う。「で、それをなぜ琉人に?」 核心を突くような質問を飛ばすのは赤城だ。 普段アホのくせに聞きにくいことをズバッと聞く。「葛飾に粉かけられてんだろ、お前。知らんうちに首噛まれでもしたら寝覚めわりィだろが」「アンタ、案外ダチ想いじゃん」 涼華が木野崎に、にっと笑みを向ける。 友達だから、あげる。そういうと普通のことのようだが、カラーを人にあげるなんて、普通は恋人か番相手くらいしか無い。木野崎は何を考えているのかわからないが、「まーな」と適当な相槌を打った。 紙袋から中身を出してみると、シンプルなデザインの、綺麗な色のカラーが入っている。 うららがモデルで身に着けていたような、レース柄が装飾されていたり、チャームが付いているようなものではない。「今付けたい」「いいけど、鍵俺んちに忘れてきたから、今付けたらもう外せねえぞ。」「いいよそれで」 パカッと割るようにカラーを開き、首に掛けたらガチャリと鍵が閉まる音がするまで閉める。 硬くて、重くて、冷たい。首からは数センチ余裕をもって円を描くカラーに、首全体が覆われる。 木野崎以外は外せないこのカラー。 俺が木野崎のモンだっていう印だ。「お前は顔が良い分、シンプルなのが一番似合うな。顔ちっちぇ。カラーの上に乗っかってるみてぇ」 と俺を見た木野崎が笑いながら感想を述べる。「似合ってるよ!こっち向いて!」 うららがスマホのカメラを構えながら俺に言う。カシャカシャと写真を撮る音がする。 俺は木野崎の首に腕を回してピースサインを作る。赤城と涼華も俺に寄り集まり、うららがカメラを内向きに反転させて全員で写真に写った。「うららがこんなテンション上がってんのあんまねーぞ」「……えへへ、つい……」 涼華がうららを親指で指すと、うららは照れたようにスマホをぎゅっと抱きしめた。